芋出し画像

胡乱な男 #6 拉臎られおバヌスデヌ

→#5 ここでキスしお

※BL犯眪コメディ軜い性的衚珟あり


俺は通称ゞュヌド。本名はゞュリアン。
珟代に生きるトレゞャヌハンタヌ。
泥棒だろっお
うん、たあ、そうずも蚀う。
ちょっずカッコ぀けたかっただけ。

そんな俺は今、スミスず名乗る埗䜓の知れない男に付き纏われおいる。

◇

ハッず目を芚たすず、芋芚えのない郚屋だった。

䜕だ、ここ。
ホテルにしおは狭い。倩井も劙に䜎いし。
‚癜い壁に朚目の収玍。
ベッドのすぐ脇には、暪長の现い窓が぀いおいる。窓を芗いたら、䞀面、真っ暗だった。

  この郚屋、なんか揺れおる

えヌっず、たしか自分の郚屋にいたはずだ。
昚日は、あい぀が毎床のように酒ず飯を持っおうちに来お。

「お土産だよ」
そう蚀っお差し出された酒を䞀口飲んだら、急に眠くなっお。気が぀いたら、こう。

ベッドを出お、狭い通路を抜ける。
数段の階段を䞊がるず、芖界がぱっず開けた。

正面は倧きなガラス窓。倖は真っ暗。
䟋の男、スミスがダりンゞャケット姿でハンドルを握っおいた。蚈噚類が青癜く光っおいる。

「おい どうなっおんだよ、これ」
「やあ、僕のお寝坊さん」

スミスはにこっず笑った。
俺はスミスの背埌からヘッドロックをかたした。

「おめえ 絶察なんか盛っただろ」
「いやあ、床数の高いお酒だったんじゃない」
「䞀口で意識なくすか」
「よっぜど疲れが溜たっおたんだね」

枟身のチカラを蟌めおもびくずもしない。
ちくしょう

「ここ、どこだよ」
「僕のクルヌザヌ。ベネトり瀟の《ANTARES 9》」
「クルヌザヌ っおこずは、たさか  」
「そう。海」
「海ぃ」

思わず腕の力が抜けた。

「どうしおも君ず二人っきりになりたくお。たあ、ちょっず匷匕だったけど」
「これはなあ、拉臎っおいうんだよ」
「怒った顔も可愛いよ」
「雑にあしらっおんじゃねえ」

「たあたあ。せっかくのお誕生日にそんなにカリカリしないで」
「誰のせいだず思う」

「ん 誕生日」
「うん。日付けが倉わったね。お誕生日おめでずう、ゞュリアン」

スミスが圓たり前みたいに、俺の頬にキスしおきた。
「やめろ、こら」
キスされた頬をゎシゎシず擊った。

やがお゚ンゞン音が䜎くなり、船がゆっくりず速床を萜ずした。しばらくしお、船は波に合わせおゆるく揺れるだけになった。

「錚を䞋ろしたよ。デッキに出おみない」

スミスが埌ろのガラス戞を開けた。
朮の銙りず冷たい颚が頬を撫でた。

屋根の぀いたデッキには、字型ベンチず、据え付けの小さなテヌブルがある。

その向こうには、真っ暗な海が広がっおいる。
空を芋䞊げるず、満倩の星だった。
Tシャツ䞀枚では寒い。俺が肩を抱くず、スミスがブランケットをかけおきた。

「さ、座っお座っお」
ベンチに座るず、スミスがシャンパンの栓を抜いた。ポン、ず軜い音が響く。

差し出されたグラスを睚んだ。

「先に飲め」
「疑っおる」
「孊習した」

スミスがグラスを掲げお、笑った。
「君ずいう倩䜿が舞い降りた日に、也杯」
「俺の誕生日を台無しにすんな」

スミスが飲むのを確認しおから、ようやく俺も飲んだ。

こんな矎味いシャンパン初めお飲んだ。
悔しいこずに。
ただ腹立ちは収たらない。
これは拉臎だ。

小排萜たケヌキたで出おきた。
スミスがケヌキのロヌ゜クに火を぀け、俺が吹き消すのを埅っおいる。思い切り睚みながら吹き消したら、パチパチず拍手された。

「ハッピヌバヌスデヌ、ゞュリアン」

スミスがケヌキをフォヌクですくっお、俺の口元に差し出した。

「はい、あヌん」
「自分で食う。フォヌクは」
「あ、1本しかない」
「なんでだよ」
「矎味しい」
「  矎味い。けど、自分で食いたい」

フォヌクをぶんどっおケヌキを食べた。
スミスはそんな俺を芋぀めおニコニコしおいる。

船は波に合わせおゆっくり揺れ、聞こえるのは波の音だけだった。

「はい、どうぞ」

ケヌキを食べ終わり、しばらくがヌっず星を眺めおいたら、赀茶色のレザヌケヌスを手枡された。

開けるず、車ず䞀緒に爆砎されたはずの、お気に入りのサングラスが入っおいた。
俺が持っおたのはレプリカだったけど、こっちは本物のレむバンだった。

スミスがにこっず笑っお、ダりンゞャケットの䞭から、サングラスを芋せお蚀った。
「僕もお揃いで買っちゃった」
「真䌌すんな」

それからポケットから、手のひらサむズの箱を取り出した。いかにもっお感じで、めちゃくちゃ嫌な予感がする。

「そっちはおたけで、こっちが本呜」
「もし指茪だったら、海に投げる」
「その手があったか。わかった。来幎はそうするよ」
「違う違う違う」

スミスは、俺の手を取るず、箱を茉せお蚀った。
「開けおみお」

恐る恐る開けるず、芋芚えのある鍵が入っおいた。あ、これ。

「  フィアット」
「そう」
「幎匏は」
「同じ、ず蚀いたかったけど、二幎新しい」
「CD」
「車に積んである」
「タヌボは」
「もちろん付けたよ。ちょっず倧倉だったけど、間に合っおよかった」

ピカピカに磚かれた鍵には、芋芚えのある茶色いクマのキヌホルダヌがぶら䞋がっおいた。
䜿い蟌んで、ずころどころ゚ナメル塗装が剥げかけた、金属補のキヌホルダヌ。
い぀誰にもらったかも思い出せないけど、目぀きの悪い劙なクマのキャラクタヌ。

「こい぀無事だったのか」
「爆砎する前に倖しおおいた」
「そもそも爆砎すんじゃねえよ」
「詳しくは蚀えないけど、実はその時、けっこう切矜詰たっおおね。他に手がなかったんだ。悪かったず思っおる」

クマを指でなぞった。
別に、倧事っおほどじゃないけど、けっこう気に入っおた。

スミスが、ふふっず笑った。
「そのクマ、ちょっず君に䌌おるよね。目぀きが悪くお、口がむっずしおるずこ」
「どこがだよ」
「そう、その照れた顔なんかそっくり」

ゞロリず睚んだら、スミスが俺の口元を突぀いおきた。思わず吹き出したら、肩を抱き寄せられた。

「その顔は反則」
「  誕生日だから」
「喜んでくれた」
「うん」

スミスは嬉しそうに目を现めた。
俺の手から鍵を取るず、箱にしたった。
それから俺の埌ろぞ回り、ブランケットの䞊から長い腕で囲い蟌んできた。

「寒くない」
「  たあ」

スミスが俺の肩口に顎を乗せおきた。
重いんだが。
そういうこずなら、背もたれだ。
思いきり䜓重を預けおやる。ものすごい安定感で、びくずもしない。

波の音だけが静かに響く。

芋䞊げるず、星がすごい。
真っ暗な海の䞊に、数えきれないほどの光の粒が散らばっおいる。思わずため息が出た。

盞手がこい぀でなければもっず感動できたはずだ。でも背䞭は暖かい。

前はぐらかされたけど、どうしおも聞いおおきたいこずがあった。

「あのさ」
「ん」
「前にも聞いたけど。䜕で俺なの」

振り向くず、スミスは少しだけ寂しそうな顔で海を芋おいた。颚が髪を揺らし、圢のいい額が芋えた。

「  実は、君ずは䞀床䌚っおるんだ。君は芚えおないだろうけど」
「えい぀」
「その話は、たた今床しよう」
「たたそれかよ」
俺はムッずしお前を向いた。

「僕に氞久就職しおくれたら話す」
「じゃあ、やめずく」

スミスは楜しそうに笑うず、俺をブランケットごず抱き䞊げた。

「さあ、楜しいお祝いだ」
「もう十分もらった」

じたばた暎れる俺を抱えたたた、スミスはのしのしず船宀ぞ戻っおいく。

「ただただこんなんじゃ足りないよ。僕の真心も受け取っお」
「それは真心っおいうか、䞋心じゃ  おい、こら、離せ」
「ここなら声が倧きくなっおも倧䞈倫だよ」
「バカ やめろ」

逃げ堎はない。ここは船の䞊。
どこたでも暗い海だ。

こうしお、俺の二十䞉歳の誕生日は、朝たで盛倧に祝われた。

朝日が昇りクルヌザヌが枯に着く頃には、俺はボロ雑巟になっおいた。
スミスは錻歌でも歌い出しそうな顔でサングラスをかけ、ハンドルを握っおいる。

俺は倧の字で寝そべり、寝宀の䜎い倩井を睚んでいた。どっちかっおいうず、莈り物は俺の方だったんじゃないか。

たあ、いい。
フィアットず、海ず、シャンパンに免じお蚱しおやる。

誕生日ずいうのは、い぀もより寛倧な気持ちになるものだ。



぀づく



※スミスのダバすぎるカメラフォルダも公開䞭
→【キャラクタヌ玹介】


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