優秀なSEほどハマる?技術力だけでは仕事が進まない理由
はじめに
10年間、自動車に関わる組込みシステム開発の仕事に携わってきました。
SEとして経験を積む中で、技術的な知識や問題解決力は重要なスキルだと感じていました。
しかし、経験を重ねるにつれて、あることに気づきました。
それは、良い技術や正しい答えを持っているだけでは、必ずしも仕事は前に進まないということです。
今回は、10年間SEとして働く中で感じた「技術力以外に必要だったもの」について書いてみます。
第1章 技術的に正しいことが、必ずしも最適解ではない
SEとして経験を積む中で、私は技術力の重要性を強く感じてきました。
システムを理解すること。
問題の原因を分析すること。
より良い設計や実装方法を考えること。
これらは、エンジニアとして仕事をする上で欠かせない力です。
私自身も10年間、自動車に関わる組込みシステム開発に携わる中で、技術的な課題に向き合い、より良いものを作ることを意識してきました。
しかし、経験を重ねるにつれて、あることに気づくようになりました。
それは、「技術的に正しいこと」と「仕事として最適なこと」は、必ずしも同じではないということです。
例えば、技術的にはより品質の高い方法や、将来的な拡張性を考えた方法があったとしても、実際のプロジェクトでは、それだけで判断できるわけではありません。
コスト、開発期間、既存システムへの影響、関係者への負担など、さまざまな要素を考慮する必要があります。
以前の私は、技術的に良い答えを出すことが、エンジニアとして最も重要な価値だと考えていました。
もちろん、それは今でも大切なことです。
エンジニアとしては、技術的に最も優れたものを選びたくなる場面があります。
しかし、プロジェクトでは限られた予算や期間の中で、最大の価値を生み出す判断が必要になります。
そのためには、技術的な優劣だけではなく、費用対効果、開発期間、将来的な影響、リスクなど、さまざまな要素を考慮しながら最適な選択肢を考える必要があります。
この違いに気づいたことで、技術を見る視点が少しずつ変わっていきました。
技術力とは、単に高度な技術を知っていることではありません。
状況を理解し、その技術をどのように活かすかを考える力も、エンジニアにとって重要な力なのだと感じています。
第2章 仕事を前に進めるのは、人とのコミュニケーションだった
PMPの学習では、プロジェクトに関わる人々を「ステークホルダー」として捉え、それぞれの期待や影響を理解することの重要性を学びました。
試験では、ステークホルダーという言葉で整理して理解していました。
しかし、実際の現場に入ると、その一言では表現しきれないほど、多くの人が関わり、それぞれ異なる考えや立場を持っていることを実感しました。
開発担当者、利用する業務側の担当者、プロジェクトを管理する人、関連する部署など、それぞれが異なる視点や目的を持っています。
同じ課題を見ていても、立場によって重要視するポイントは変わります。
技術担当者であれば、「どう実現するか」「どのような品質を確保するか」を重視するかもしれません。
一方で、業務側であれば、「業務にどのような影響があるか」「本当に必要な機能なのか」を重視するかもしれません。
そのため、技術的に正しい説明をするだけでは、必ずしも相手に納得してもらえるとは限りません。
相手が何を求めているのか。
なぜその要望が出ているのか。
どのような背景や制約があるのか。
そういった部分まで理解した上で、最適な進め方を考えることが重要だと感じるようになりました。
以前の私は、問題が発生した時には「どう解決するか」という技術的な側面に意識が向くことが多くありました。
しかし、経験を積む中で、問題を解決するだけではなく、「関係者とどのように協力してゴールへ向かうか」という視点も同じくらい重要だと気づきました。
もちろん、コミュニケーションとは単に会話を増やすことではありません。
必要な情報を整理し、相手に伝わる形で共有すること。
認識の違いを早い段階で確認すること。
それぞれの立場を理解しながら、共通の目的に向かって進めること。
これらも、仕事を進める上で必要な力だと感じています。
10年間SEとして技術課題に向き合ってきた経験は、決して不要になったわけではありません。
むしろ、技術を理解しているからこそ、異なる立場の人との間に入り、橋渡しをすることができる。
現在は、そのような形で技術力を活かす場面もあるのだと感じています。
第3章 技術力は不要なのではなく、活かし方が変わった
ここまで書いたように、仕事を進めるためには技術力だけではなく、周囲とのコミュニケーションや、全体を見て判断する視点が必要です。
しかし、これは「技術力は重要ではない」という意味ではありません。
むしろ、技術を理解していることは、今でも自分自身の大きな強みだと感じています。
システム開発では、業務側の要望と技術的な制約の間で調整が必要になる場面があります。
その時に、技術的な背景を理解していることで、
「なぜこの方法が必要なのか」
「どのようなリスクがあるのか」
「実現するためには何が必要なのか」
を考えながら、関係者と会話することができます。
以前は、技術的な課題を解決することが、エンジニアとして価値を出すことだと考えていました。
もちろん、それは今でも大切な役割です。
しかし、経験を積む中で、技術そのものを提供するだけではなく、その技術を使ってどのような価値を生み出すのかを考えることが、より重要なのだと感じるようになりました。
技術力とは、単に高度な知識を持っていることではありません。
状況を理解し、必要な人と連携し、最適な形で技術を活かす力も含まれているのだと思います。
10年間SEとして培ってきた経験は、新しい環境でも形を変えて活かされています。
技術を深く理解しているからこそ、技術だけでは解決できない課題にも向き合うことができる。
そして、技術と業務、人と人をつなぎながら、全体を見て判断できる人材は、これからのシステム開発においても重要な役割を担うのだと感じています。
現在は、そのような視点を持つことが、自分自身の新しい強みになりつつあると感じています。
おわりに
今回、10年間SEとして経験を積んできた中で感じたことを書きました。
振り返ると、以前の私は「技術的に正しい答えを出すこと」が、エンジニアとして最も重要な価値だと考えていました。
もちろん、技術力は今でもシステム開発において欠かせない力です。
しかし、経験を重ねる中で、仕事を前に進めるためには、技術だけではなく、関係者とのコミュニケーションや、業務背景を理解すること、全体を見て判断することも同じくらい重要なのだと気づきました。
技術を深く理解しているからこそ、技術だけでは解決できない課題にも向き合うことができます。
そして、技術と業務、人と人をつなぎながら、より大きな価値を生み出していくことも、エンジニアとしてできる大切な役割の一つなのだと感じています。
10年間SEとして培ってきた経験は、環境が変わっても形を変えて活かされています。
これからも、技術力を磨き続けることはもちろん、周囲と協力しながら、より良い価値を届けられる人材を目指していきたいと思います。
この記事が、技術者として次のステップを考えている方や、仕事の進め方に悩んでいる方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
皆さんは、技術力以外に仕事で大切だと感じる力はありますか?
もしよろしければ、コメントで教えていただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今後も、異業種への挑戦や資格取得、システム開発で感じたことなど、自分自身の経験をもとに発信していきたいと思います。
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