続・「円安」を止められない日本も大概だが「ドル」の方はどうなのか?
「円安」を止められない日本も大概だが「ドル」の方はどうなのか?|損切丸 の続編
7月ISM製造業PMI 55.6 予想 53.0 前月 53.3
*雇用 52.8 予想 48.6 前月 49.7
*仕入価格 71.1 予想 65.7 前月 73.0
*新規受注 56.7 予想 56.3 前月 56.0
7月ISM非製造業PMI 54.1 予想 54.3 前月 54.0
*雇用 47.4 予想 51.9 前月 51.2
*仕入価格 70.3 予想 62.0 前月 67.7
*新規受注 57.2 予想 56.2 前月 55.1
7月ADP非農業部門雇用者数(NFP、Non-Farm Payrolls)
+4.4万人 予想 +6.5万人 前月 +9.8万人
7月米雇用統計 4.1% 予想 4.2% 前月 4.2%
NFP ▼2.3万人 予想 +4.1万人 前月 +2万人 ← +5.7万人
時間当たり賃金(前年比) +3.2% 予想 +3.5% 前月 +3.5%
マイナスに転じたNFPを筆頭に米雇用関連の統計指標は軒並み弱い。特に①時間当たり賃金(+3.5% → +3.2%)②ISM非製造業の雇用指数(51.2 → 47.4)の急減が象徴的。これでとりあえず9/16FOMCでの利上げ不安が後退


雇用統計は6ヶ月の時差を伴って顕れる「遅行指標」。筆者は「相互関税」≓「輸入品消費税増税」の効果が出て来ていると分析している。企業サイドからみると雇用コスト削減で業績が上がるためISM指数は好調、株価も上がるが、中長期的にはいずれ個人消費の減退から業績の低迷に繋がる≓株価の下落要因。上手くインフレが収まれば米政権が望む「ドル安」も現実化

相変わらず「利下げ!」と叫び続ける米大統領や彼に選ばれた新FRB議長の肩を持つ訳ではないが、あれだけ物価が高騰した状況では米国内の個人消費好調もいつまでも続くまい。その中に「相互関税」≓「輸入品消費税増税」の効果が含まれているとしたら消費税で景気が悪化した日本と同様の状況が生まれる。おそらくベッセント米財務長官や新FRB議長、あるいは米国債トレーダーもその事に思いを巡らしているはず
一方「円」には真逆の変化が起きている


6ヶ月TBが@1.2%に接近するなど9/18政策決定会合の利上げの織込みが着々と進む。年内に@1.5%まで上がる予想に変わっており、これで日米の政策金利差は+2%まで縮む。「損切丸」の経験で言えば日米の「金利差」は+1.5~+2.0%が「標準偏差」、潜在成長率や自然利子率で考えればそれで実質「金利差ゼロ」。経済的結びつきが強い事から日銀の金融政策はFRBに連動しており、香港のような通貨ベグ制度ではないがそれでドル円を安定させてきた経緯がある

今回の「日米協調介入」、 "令和のプラザ合意" というよりどちらかと言えば1995年4月G7で発表された "Orderly Reversal" (秩序ある反転)に近い。筆者にとって忘れもしないのは外資に転職した(1994年10月)直後で、阪神淡路大震災(1995年1月17日)、そして地下鉄サリン事件(1995年3月20日)ととんでもない事件が立て続けに起きたから。あと電車5本遅れて地下鉄に乗っていたら巻き込まれていた
そういう大惨事に遭わせるようにマーケットで起きたのがドル円の@80円割れ。そこで "Orderly Reversal" が必要になった。当時はドル安も懸念されており、ヨーロッパも加わって「協調介入」が行われた。当初はドル円がなかなか上がらないなど紆余曲折はあったが、結局金融当局の狙い通り@100円を超え今に到っている
通貨発行権を保有する「国」の意向は馬鹿にしてはならない
確かに今はAI等金融システムが高度化し個人も含め幅広い市場参加者にFX等のマーケットは支配されているが、それでも金融当局の意向を軽視すべきではない。利上げや利下げなどの金融政策も含め法定通貨の発行元である「国」はその気になれば何でも出来る。それが30年以上マーケットに携わった「損切丸」が学んだ重い教訓。*購買力平価や日本のインバウンド活況から察するに今の「円安」は明らかに行き過ぎであり「円キャリートレード」で大幅に増幅されているのは明らかだ
*その逆が1ドル=@90円台で筆者がハワイ旅行した時の事。1流ホテルのレストランのディナーが近所の洋食屋さんより安かった。Dニーズで食べた朝食も大きなパンケーキ3枚とドリンク飲み放題で@300円!この時の「円高」は異常だと感じた。1ユーロ≓@100円でイタリアに行った時も思わず何足も靴を買ってしまった(苦笑)。その真逆が今日本で起きている
現米大統領は全く支持していないが(苦笑)このまま米雇用の不調が続けば「利上げ」から「利下げ」へのドンデン返しもあると筆者はサブシナリオを描いている(確率20%程度)。この「円安」「インフレ」で日銀に国債買入を申し出る "ホクホク首相" も大概だが、さすがに マーケットはずっとサインを送り続けている|損切丸 は無視できまい。そこへ日米による国際協調が絡めば否が応でも現実に対応せざるを得ない。今回が "令和のOrderly Reversal" になる確率は結構高い。筆者がドル円の「均衡価格」と見積もっている@130~135円に "Reversal" 出来るか。じっと見守っている
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