投資銀行の懲りない人達
6/19 米財務省: "期間が長めの名目利付債を対象とした流動性支援の買い入れオペの規模を1回20億ドルから少なくとも40億ドルに倍増する"
"「国」はその気になれば何でも出来る"
「日米協調介入」以降、何回かこういう表現を使ってきたが、今回の米国債買入オペ増額もその1つ。やはり現米政権の最大の関心事は「金利」≓「借金」の利払い。「円安」阻止 ≓ JGB暴落阻止もそうだが、どうやって「借金」の負担を減らすか、に腐心しているのかがよくわかる
"現政権下で利上げはないのではないか"
これも最近何度か書いてきた。財務省が「金利」低下に腐心する中、FRBが利上げに動くとは考えにくい。米国債の「需給」で考えれば「借金」自体が減るわけではないので長期国債の買入分は短期債発行で賄うことになる。ただ長期金利が上がりすぎているという判断であり、一種の「介入」である



"投資銀行の懲りない人達"
これは20年以上業界の中に身を置いてきて痛切に感じた事だが「投資銀行員」のほとんどは「お金」の話ばかりしている。「銀行」だからということもあるが*「お金」≓ どうやって儲けるか ≓ 自分のボーナスをどう増やすか、という意味。「清貧思想」が過ぎる日本人もどうかとは思うが、よく言えば強かでありしぶとい。だが度が過ぎるとウンザリする(苦笑)
*極端な例が2011年の東北大震災。地震直後の日曜日に会議に呼び出されたが議題の中心が「どうやって儲けるか」。株が上がるとか下がるとか、ドル円が買われるとか売られるとか。自分の親、友人が福島にいて生き死にの話をしているのにこれにはあきれた(苦笑)。ちなみに「金利」に関しては "邦銀がドル調達に殺到するからドル金利が上がる" の意見が大半で "邦銀が円を出さなくなるから円金利の方が危ない" と指摘したのは「損切丸」ただ1人。結局週明け月曜日のマーケットで+1%以上急騰したのは円金利で筆者の "一人勝ち" 。日本人の「赤信号みんなで渡れば怖くない」的同調圧力を知らないが故の勘違いだが、随分たくさんのトレーダーが助かったはず
今回もちょっと金融環境が緩めばモデルナ株が急騰したり( ↑ 標題添付、+177%!)なりを潜めていたビットコイン(BTC)が急騰(+8%)したり。 "Kちがいに刃物" ならぬ "投資銀行にお金" 。本当にもう…

「株本位制」アメリカ帝国
インフレ国家アメリカでは企業も家計も株高で成り立ってきた経緯があるが、それを根底から覆すのが「金利」。「世界恐慌」(1929)然り「ブラックマンデー」(1987)然り「リーマンショック」(2008)然り。投資銀行業界のド真ん中にいたBッセント米財務長官はその点を骨の髄から理解しており、だからこんなに「金利」上昇抑制に躍起
だが今回の長期債買入増額、「資金繰り」の観点からは疑義がある
前述したがこれで「借金」が減るわけではない。長期債を買うための「お金」は短期債発行で賄う必要が出てくる。つまり米国債全体の「需給」へのインパクトはニュートラル(中立)であり、イールドカーブ的には「短期金利上昇+長期金利低下」=フラットニング(平坦化)。その負荷はFRBが管轄するマネーマーケット(短期金利市場)にかかるのでコントロールがより難しくなる。つまり利上げはしにくくなる
ここ数年、そうでなくともレバレッジ(借入による回転売買)が増幅し流動性枯渇 ≓ 使える「お金」の減少、が叫ばれてきたドル短期金利市場にこれ以上の負荷を加えることはリスクが高い。もう "パンパン" 。だからこそ「円キャリートレード」がこれ程増えたわけで、米銀がプライベートクレジットで「貸出」を個人に移管させたのも同じ理由。 「本物の危機」の時は「短期金利」が上昇する|損切丸 を知る身としては危なっかしくて見ていられないが、あと残り任期2年の現政権は気にもしないのかもしれない
一方利上げを "約束させられた" 日銀は来年初に掛けて@1.5~1.75% ≓「中立金利」下限まで予定通り進む。ここで鍵になるのが "自家中毒" を起こしている日本人Ⅲ - 弱い米雇用統計が仇に?|損切丸 だが、今朝(8/20)の東京市場を見ても「円売り」を諦める気配がない。日米の「金利差」が2%を割り込めばかなり危険なゾーンに入ることになるが…



ここからは完全に「ババ抜き」≓ 誰がコストを負うのかの勝負。「円安是正」≓「ドル安」が2国間合意になっている以上「円キャリートレード」には分が悪いように映るが、さて。現役在任中、日本人が何度も "餌食" になるのを悔しい思いで見てきた「損切丸」としては少しでも傷が浅い事を願ってこんな note. を書き続けているが、まあそれも自己責任。この局面をくぐり抜けて初めてZ世代を中心とした「新時代」が訪れよう。期待も込めて
