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杉本博司 絶滅写真|今、何が絶滅しているのか?予見される未来を考える

こんにちは、旅人のノコです。
1ヶ月ぶりの東京。東京国立近代美術館で開催されている杉本博司 写真展「絶滅写真」に行ってきました。

初期から最新作までの写真作品を網羅的に紹介する展覧会。絶滅をテーマに、3部構成で60点もの写真作品が展示されています。

https://www.momat.go.jp/exhibitions/569

現代に失われつつあるもの、その代表として杉本は銀塩写真をあげていますが、絶滅のテーマで展示されている写真は、マンモスであり、類人猿であり、民族であり、歴史上の偉人、映画館など、様々です。

一連の流れを見ると、これは、失われた過去というより、進化の代償なのかもしれないという思いが湧いてきます。

ジオラマ

最初の作品は象徴的な「ガラパゴス」

ニューヨークの自然史博物館のジオラマを撮影した、杉本初期のシリーズから展示は始まります。


劇場
銀幕はデジタル配信に上書きされていくのか。
これは、映画1本分の時間シャッターを開放して撮影したもの。究極の倍速、テクノロジーで失われるものを皮肉っていると感じてしまった。

アメリカの野外映画館で
確かディズニー映画を撮影したものだったと思う

建築
このシリーズでは、ピントを被写体の先に置いて撮影することで、建築が建つ前の建築家の脳内ビジョンを再現している。装飾やディテールではなく、機能や構造をを重視した現代建築においては、ピンボケでも建造物の美しさはわかるということがテーマ。

これ、老眼を通して、スマホ画面で見ている風景かも。年を重ねると見るものに経験値のバイアスがかかっているというのを言っているのかと思った。

ワールドトレードセンター

海景
画面の中央で空と海が分かれる海景シリーズは、杉本のシグネチャー。

日本はもちろん、カリブやギリシャ、杉本は世界中の海を撮影している。気候や時間の違いはあれど、正直、どこの海も同じに見える。

撮影の背景にある思いが、写真を特別なものにしているのは素人でも同じ。それを写真で表現できないから、写真と文字を組み合わせる形が私には向いている表現だと思っている。

それにしても、こんな風に同じテーマで世界を撮影してみたいと思う。

エーゲ海
(霞んでることしかわからないけど)
華厳の滝
霧の中に一瞬浮かび上がった滝に
杉本が見たのは一滴の水
その行く末を思い海景シリーズが生まれた

ファッション
時代を映すファッションさえもモダニズムの象徴なのだ。

ファッションのシリーズ
左がサンローラン、奥がディオール
ギャルソンやカンサイも。

デジタル化
昨年、デビッド・ホックニーがデジタル作品を作っていることに衝撃を受けたのだが、杉本博司のデジタル作品を観て、少し感じ方が変わった。

と言うのも、杉本のデジタル作品は、デジタル技術により、光の色を分解するという手法で、ガンデジで撮ったり、ホックニーのようにiPadで制作しているのとは、少し違う。

プリズムで光を分解しているらしい
(難しすぎて理解できない)
海景もデジタルでこうなる
今ある自然の風景はどう変わるのだろうか
ホックニーのデジタルはiPad アートだった
(パリ LVフォンダシオン)

最後の展示は「カメラマン」
カメラは人間瞳と同じ働きで、それを再現する装置らしい。

https://www.alejandradeargos.com/en/interview-hiroshi-sugimoto/

個人的には、それぞれの技法の解説などは必須だったので、この展示会では、オーディオガイドを聞きながら観ることをおすすめします。


この展示会で一番印象に残った作品

「陰翳礼讃」
劇場と建築、両方の技法
ピントを外し、1本の蝋燭が燃え尽きるまで
の時間を撮影している
アナログの象徴、蝋燭の一生を撮影した写真

人生さえも早送りされていくのだろうか。


絶滅の危機について

私が最近触れた絶滅への危機は、アイスランドの氷河。奄美大島や小笠原諸島での絶滅危惧種。戦争により渡航ができない地域へのアクセス。そして、デジタルのミラーレスでさえ持つことが少なくなってきた自分。

さらには、今月行った奄美大島でのマングースバスターズの話しを思い起こす。

最初にハブやネズミ退治の目的で持ち込まれた、わずか30頭の外来種マングース。それが3万頭以上に増え、島の固有種を捕食し始める。

そこで種の保護のために投入されたマングース撲滅プロジェクト、通称マングース・バスターズ。

世界的にも例を見ない大規模な駆除作戦の結果、撲滅宣言に至る。マングースがいなくなった森には、アマミノクロウサギや固有のカエル、トゲネズミなどが戻ってきています。

一方で、増えたクロウザギの現在の脅威は交通事故です。結局は人間なのか、とも感じますが、この例のように「変化と共存する方法を模索すること」が「絶滅」への唯一の対応策なのかなと今回の展示を観て感じました。

杉本はそれを作品に残したかったのだろうか。


関連記事

https://note.com/noco_retired2022/n/n13b80ea9a5a7%0A

初めて杉本博司の作品を観たのは直島でした。

直島の杉本博司美術館の作品



おまけ:
東京国立近代美術館の常設展示も見てきました。

奈良美智
藤田嗣治
草間弥生



帰り道、絶滅っぽい写真を撮影してみました。
iPhone17pro で撮影。

毎日新聞本社

きっとこれからも、「絶滅」の気配は、日常的に我々の人生に入り込んでくるのだろう。

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