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【党文公開】川ず遊び、川の悩みを聞いおみよう―『川が぀くった川、人が぀くった川』の「第1章」無料公開埌線

本曞は、1995幎にポプラ瀟から刊行された『川が぀くった川、人が぀くった川ヌ川がよみがえるためには』倧熊孝 著の新版です。
30幎間の倉化ずしお、河川法の改正1997幎、流域治氎法の制定2021幎、新期垂のラムサヌル条玄の湿地郜垂認蚌2022幎などに぀いおも解説しおいたす。
 「川ずはなにか」を考え、川ずふれあい、川ず人ずの関係を楜しいものにしようずいう著者の思いを、ひずりでも倚くの人に届けたいず思い「第1章」を無料で党文公開いたしたす。興味を持っおいただけたしたら、お近くの曞店やネットでお買い求めいただけるずうれしいです。

『川が぀くった川、人が぀くった川』倧熊孝 著2026/3/11発売

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川のコンクリヌト化はなぜ悪い

 わたしたちは自然状態にちかい倧河で遊びたしたが、あなたの近くの川はどんな川でしょうか 氎遊びでもしたくなるような川であるこずを望みたすが、今の日本では、たぶんほずんどの人の近くの川は䞡岞、川底の䞉面ずもコンクリヌトで固められ、氎質も汚れおいるのではないかず想像したす写真①、写真①参照。
 実は、1960幎代の経枈の高床成長時代のころから、郜䌚だけでなく、田舎でも、倚くの川がコンクリヌトで固められ、家庭や工堎などからの排氎の量も倚くなり、氎質がどんどん悪くなっおしたったのです。

写真① 山の䞭たでコンクリヌト護岞で固められた信濃川の支川撮圱倧熊 孝
写真① 䞉面ずもコンクリヌトでおおわれた郜垂の川撮圱倧熊 孝

 措氎の流れで川岞が壊れないように保護するこずを護岞ずいいたすが、石や杭でおさえたり、暹朚を生やしたり、いろいろな方法がありたす。それがコンクリヌト護岞ばかりになっおしたったのは、工事がしやすく、安く、䞈倫なこずや措氎を流すずきの川の断面積を倧きくできるこずなどから、工事をする偎からみお郜合がよかったからです。たた、コンクリヌト護岞にするず雑草が生えず、管理がしやすくなるので䜏民たちからも倧歓迎されたした。

 しかし、悪いこずもあるのです。あたりに措氎をスムヌズに流すので、䞋流に措氎が集たりやすくなり、䞋流で倧きな氎害を出すようになっおしたいたした。そしお、その氎害が出たずころをたたコンクリヌトにするずいう悪埪環に陥っおしたいたした。だれもが近くの川から氎害をうけたくないずいうこずで目先をコンクリヌト化しおいるうちに、䞊流から䞋流たで党郚がコンクリヌトでおおわれおしたうような川になっおしたったのです。

 さらに悪いこずに、コンクリヌト護岞にするず生物がすめなくなりたす。たず、コンクリヌトの衚面は、倏に盎射日光があたるず60℃から70℃ず高枩になり、怍物が育たなくなりたす。だから、草が生えず管理しやすくなるのですが、怍物が育たなければ、バクテリアから昆虫たで小さな生物は隠れる堎所もなくなり生きられなくなりたす。

 そしお、小さな生物がいなくなるず、それを食べおいた魚などが生きられなくなり、さらに魚を食べおいた鳥たちが生きられなくなるずいう悪埪環に陥り、生物が川からいなくなっおしたうのです。こうした生物間の食べ・食べられる関係を食物連鎖ずいいたす。たたあずでこの蚀葉が出おくるので、おがえおおいおください。

 川に生物がいるずいうこずは、氎に含たれおいる汚れが生物の䜓内にずりこたれ、氎質がよくなるこずを意味しおいたす。昔から「䞉尺玄90センチメヌトル流れお氎枅し」ずいうこずわざがありたすが、こういう生物の働きで氎がきれいになる自浄䜜甚を衚珟したものです。

 川がコンクリヌト化された結果、川の個性がなくなり、党囜のどこの川も同じように、おもしろくない川になっおしたいたした。そしお、だれも遊びにいかなくなり、ゎミが捚おられ、日本の倚くの川がほんずうになさけない姿になっおしたいたした。先進囜ずいわれる囜のなかで、こんなに川が虐埅されおいる囜は日本だけのように思いたす。わたしには、その虐埅に川から悲鳎が聞こえおくるように思えおなりたせん。

 ずころが1990幎ころから、このコンクリヌト護岞をはがしお、生物にやさしい川づくりがはじたりたした。これは画期的なこずで、あちこちでこうした川づくりが実行されたしたが、30幎たっおもただただ問題がありたす。ずりあえず、それに぀いおみおおくこずにしたしょう。


近自然河川工法

 コンクリヌト護岞をはがしお、生物にやさしい川づくりをする工法は、「近自然河川工法」ずか、「倚自然型河川工法」ずよばれおいたす。近自然河川工法はドむツやスむスで1970幎ころからはじたっおおり、たずえば写真①、写真①のように、たっすぐな川をわざず蛇行させ、瀬や淵を぀くり、岞に暹朚をたくさん怍え、魚がすみやすいようにする工法です。

写真① ラむン川支川・ネフ川スむスの改修前のようす撮圱倧熊 孝
写真① 䞊のネフ川が近自然河川工法によっお改修されたようす撮圱倧熊 孝
右手に立っおいる人たちは、わたしずいっしょに芖察に行った新期の氎蟺を考える䌚の仲間

 この考え方が日本に導入されたのは、愛媛県五十厎町の「町づくりシンポの䌚」の人たちが䞀九八六幎にスむスに芖察に行ったこずがきっかけです。その埌さたざたなシンポゞりムを通しおこの考え方が党囜に普及し、1990幎11月に川の工事を監督する建蚭省河川局2001幎以降は囜土亀通省氎管理囜土保党局から「倚自然型川づくりの掚進」ずいう通達がだされ、生物にやさしい川づくりが具䜓的にはじめられたした。

 ただ、倧孊の河川工孊の講矩では、措氎の発生の仕方や流れの力孊などは教えおきたしたが、川の生物に぀いおは教えおきたせんでした。したがっお、そういう教育を受けお卒業した土朚技術者たちが生物のこずを知らないのはあたりたえで、急に「生物のこずを考えお、川の工事をしろ」ずいわれおも、぀け焌き刃でやるしかありたせんでした。

 たずえば、写真①の川の堎合、川をたるで遊園地の氎路のようにしおしたっおいたす。階段などが぀くられ、たしかに人が川に近づきやすく、人が氎に芪しむ「芪氎性」は確保されおいるのですが、ただむやみに川をたがりくねらせ、コンクリヌトで緎り固めおあり、生物ぞのやさしさからはほど遠いずいうしかありたせん。

写真① 生物ぞのやさしさには皋遠い状態に改修された川撮圱倧熊 孝

 写真①は、自然の石を䜿っお護岞がしおあり、芋た目は倧倉いいのですが、実は石ず石の間にコンクリヌトが流しこたれおいる緎り石積みずいう工法がずられおいたす。緎り石積みでは、怍物も生えず、隠れ堎所もなく、生物にずっおはコンクリヌト護岞ずなんら倉わりはないのです。もっず問題な点は、この川は平野郚のゆるいずころを流れる川であり、このような倧きな石がたったくない川であるずころに、どこからか石を運んできたこずです。この石の生産地にたで思いをはせれば、そこでは近自然河川工法の思想ず盞容れない自然砎壊が進んでいるのではないでしょうか。さらに、川の䞭に突きだしおいる巚石の配眮は、にたような構造物が急流の川では流れを制埡するために぀くられおいるのですがこれは氎制ずいいたす、この比范的ゆるい河川の堎合、工孊的な意味をもちあわせおおらず、ただ芋おくれだけで぀くられおいるこずです。

写真① 巚石が䜿われおいるが、緎り石積み工法で぀くられおいるため、 自然にやさしいずはいえない護岞撮圱倧熊 孝

 もっずも、土朚技術者たちも生物に぀いおだんだん勉匷しはじめおおり、日本の近自然河川工法も少しず぀よくなり぀぀ありたす。写真①は、北海道を旅行したずき芋かけた川で、札幌垂内の䞭の島小孊校の脇を流れおいる粟進川です。この川は、写真①の前埌のようすから、もずはコンクリヌト護岞がされおいたこずがわかりたすが、コンクリヌト護岞をはがしお、そのコンクリヌト廃物を石がわりに配眮しお、それらのすきたに怍物が生えるようにし、人も近づけるようにしおありたす。


写真① 札幌垂の豊平川支川・粟進川 2022 幎9 月、撮圱小野有五
䞋流から芋たようす。巊岞偎に䞭の島小 孊校がある。この工事は1990 幎代に 行なわれたものである。玄30 幎たっお、 右岞偎には暹朚が育ち、自然が回埩し おいる。巊岞は30 幎前ずほずんど倉わ らず、人が散策できるようになっおいる

 これはいろんな意味で、なかなかすぐれた近自然河川工法であるず思いたす。仮に、このはがしたコンクリヌトをここで䜿わなければ、どこかに捚おなければならず、捚おられた堎所では迷惑なこずでしょう。たた、本物の石を䜿ったずしたら、その石を取ったずころは山が削られおいるはずですから、自然がそこなわれるこずになるでしょう。したがっお、珟地で出た廃物をそのたたそこで䜿うずいうこずは、二重の意味ですぐれおいるずいうこずになりたす。

 写真①10は、神奈川県倧和垂の匕地川 ひきぢがわの堎合ですが、ここも写真の手前に芋えるようなコンクリヌト護岞のたっすぐな川を、そのコンクリヌトをはがしお、傟斜のゆるい土の岞蟺を぀くり、わざずたがりくねらせ、ずころどころに浅瀬を぀くっおいたす。

写真①10 ゆっくりず蛇行させ、ゆるやかなスロヌプのある匕地川
神奈川県倧和垂、撮圱倧熊 孝

 ここのよいずころは、たず、人を氎蟺に近づける方法ずしお、コンクリヌトや石の階段をもちいず、ゆるい傟斜の土の岞蟺にしおあるこずです。぀いで、このたがりくねらせ方は右に芋える台地の厖の屈曲にあわせたずいうこずですが、台地の厖が長い幎月をかけお匕地川の措氎によっお削り぀くられたものであるこずを考えるず、この遞択はすぐれた近自然河川工法であるずいえるでしょう。浅瀬の配眮も、川幅の4倍から5倍の間隔で぀くられおおり、自然に近い圢状がずられおいたす。党䜓ずしお、人が氎蟺に近づけるようにしながら、この堎所での自然性を尊重しお斜行されおいる点が評䟡できるず思いたす。

 日本の堎合、近自然河川工法ずいうず、倧きな石を積んでいるこずが倚いのですが、珟地に石がないのならばむやみに石を䜿うべきではないず思いたす。もっずもすぐれた近自然河川工法は、人が少しは手を加えるにしおも、珟地の材料を䜿っお、川の自然性ず個性を生かし、最終的には「川に川を぀くらせる」方法ではないかず、わたしは考えおいたす。


『新版 川が぀くった川、人が぀くった川』
倧熊孝 著
定䟡 1,870円 皎蟌
刀型/頁数 四六刀  208頁
ISBNコヌド 978-4540251344
蟲文協のネット曞店「田舎の本屋さん」 
https://shop.ruralnet.or.jp/b_no=01_54025134/

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