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AIは"親友"じゃなく"馬"でいい ― オードリー・タンの警鐘と、現場のAI

AIは"親友"じゃなく"馬"でいい ― オードリー・タンの警鐘と、現場のAI

日経xTECHで、オードリー・タン(台湾の初代デジタル担当相)のインタビュー記事を読みました。タイトルが、いきなり刺さってきた。「AIを『親友』にしてはいけない」。

読み終えて私の中に残ったのは、あ、現場で感じてることと同じだ、という感覚でした。AIは、親友にするものじゃない。乗りこなす"馬"でいい。今日は、その話を書きます。

「馬に乗ればいい」

記事のなかで、印象に残った言葉がありました。「人間が徒歩で馬と競争することに意味はない。馬に乗ればいい」(オードリー・タン、日経xTECHの記事より)。AIと競争するのではなく、乗って、自分の力を拡張する。そういう考え方です。

これは、私がふだんAIを「第二の脳」と呼んで使っている感覚と、そのまま重なります。並行で作業を任せて、こちらも使い方が分かってくると、出力の精度も上げやすくなる。仕事の品質もスピードも、確実に上がりました。馬に乗ると、遠くまで速く行ける。あの感じです。

でも、"親友"にすると危ない

ただ、彼女が「親友にしてはいけない」と釘を刺すのも、よく分かる。

これは、任せすぎ、というより、AIを"人間のような相手"だと錯覚してしまう、という話だと思います。「私はこう思う」「いい考えですね」と、人みたいに返してくるから、つい、実在の相手のように距離が近くなる。その近さが、やがて判断まで預けることにつながると、危ない。

馬に乗るのはいいけれど、手綱を離して、目をつむって走らせたら、どこに連れて行かれるか分からない。私自身、AIの出力が増えすぎて読み切れなくなる、という話を前に書きました。読まずに信じて外に出したら、普通に事故になります。

だから、乗るけれど、手綱は握っておく。人が"どこを最後に見るか""出していいか"の基準を先に決めて、重い一次処理のほうをAIに任せる。「任せる」と「任せきり」は、違う。この線引きが、これから効いてくると思っています。

AGIは、"拡張された集団知"

もうひとつ、面白かったのが、AGIの捉え方です。オードリー・タンは、AGIを「汎用人工知能(Artificial General Intelligence)」ではなく、「拡張された集団知(Augmented Group Intelligence)」として捉えるべきだ、と言っている。

つまり、すごい万能AIが一人でなんでもやる、という絵ではなくて、人と人のあいだの知恵を、AIが広げてくれる、という絵です。これも、腑に落ちました。

――と、ここまでがタン氏の話。ここから先は、私なりに現場へ置き換えた解釈です。以前、AI時代に効くのは"二つの役割"の棲み分けだ、という話を書きました。テックを深く考える人と、現場の業務に深くシンクロする人。その人たちのあいだを、AIがつなぐ。個人がAIと組むだけでなく、チームがAIで拡張される。少なくとも私たちの仕事に置き換えると、集団知というのは、そういうことなんじゃないかと思います。


現場では、AIを"馬"にする

これを、建設の現場に引き寄せると、こうなります。

測る、拾う、整理する――そういう重い作業は、AIや自動化にどんどん任せていい。実際、いまはドローンで撮って点群を自動生成したり、図面から数量を自動で拾ったりできるようになってきました(この話は別の記事で書きました)。ここは、馬に乗る場面です。

でも、"そもそも、これを人がやる必要があるのか""この結果を、お客様に出していいのか"という判断は、人が握る。「それ、本当にAIで解くべき?」と、一度立ち止まって考える。乗る場面と、手綱を握る場面を、分ける。AIを、便利な相棒として乗りこなすけれど、親友にはしない。

私たちも、現場でAIを使うほど、この距離感が大事だな、と感じています。もしAI活用で迷うことがあれば、onetech.jp からでも気軽にどうぞ。

AIを親友にせず、いい馬として乗りこなす。速く、遠くへ。でも、行き先は自分で決める。今日も、目の前の現場を、面白がってデータに変えていきましょう。

WHAT A WONDERFUL DAY TODAY!

(参考)
・オードリー・タン氏インタビュー「AIを『親友』にしてはいけない」(日経xTECH/IT Report、2026年8月26日、聞き手:山崎良兵)

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ここから先は、記事本編とは別の、いつものお知らせです。

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