見出し画像

卒業文集に残した、反撃のパンチ

卒業式のシーズンが来た。

たまたまスマホの中の写真を探していたら、
息子が小学生のときの卒業文集の写真が出てきた。

まるでタイムカプセルを開けたみたいに、
あの頃の記憶が一気によみがえった。

その作文には、小さな「反撃のパンチ」が残っていた。


息子は、小学6年の1学期から体調を崩しはじめた。

2学期は週に1〜2回私が付き添って登校していたが、
日に日にエネルギーがなくなり、しんどそうだった。

そして3学期。
学校には、まったく行けなくなった。

そんな状況もお構いなしに、担任の先生から言われた。

「卒業文集を書いてください」と。

そこには、
「みんな一緒に」という空気があった。

正直、エネルギーが消耗していて、書ける状態ではなかった。

さらに、息子は
書くことがきらい
作文は特に苦手

それでも作文を書くことに決めた。
これは、息子と一緒に2人で考えた作文だった。

----------------------------------------------

『ぼくが学んだこと』

ぼくは、オンラインゲームの「フォートナイト」にはまっています。
このゲームを始める前は、親に反対されたり、画面が激しく動くゲームは乗り物酔いしやすいぼくには向かないと思いこんでいたりして、あきらめていました。

でも、やってみたら想像と違う世界が広がっていました。
新型コロナウイルス感染症が広がって、マスクをしたり距離をとったりしなければならなくて、友達とのコミュニケーションが難しくなっていました。

でも、フォートナイトを始めたら、クラスの友達とつながることができてとてもうれしかったし、会話をすることで学校では知らなかった面を知ることもできました。

それだけではなく、オンラインゲームの世界でも、相手のことを思いやりながら協力したり、ルールやマナーを守ることがとても大切だと学びました。

大人が初めから決めつけていることが色々あるけれど、やってみないと分からないこともたくさんあると思います。

ぼくは、これからも勇気を出して新しいことにチャレンジしていきたいです。

----------------------------------------------


息子の小学校生活での想い。

ふつうの『枠』にあてはめないで
勝手に決めつけないで
多数決で決めないで
ぼくの意見も聞いて


途中、「大人が頭ごなしに決めつけることがある」という表現を入れた。

だが、その言葉は担任からNGが出て、
書き直すことになった。

そういうところ。
大人の都合で決められてしまう理不尽さ。
こういった出来事が、息子をしんどくさせていた。


学校生活は、とても苦しかった。
そんな息子の気持ちが、しっかりと残されていた。


そして、私の想い。

「お母さんが朝連れてきてください。」
「お母さんが背中を押さなくてどうするんですか。」
「嫌なことから逃げてばかりいたら、社会に出られませんよ。」

正直、私も追い込まれていた。
担任の先生の言葉の圧に、私はずっとおびえていた。
抗うことができなかった。

エネルギーを消耗しきってしまった息子を、
守りきれなかった。

反撃できなかった。

今も悔しい気持ちが残っている。

この作文は、親子で一緒に考えた、
学校への「反撃のパンチ」だった。

そして実は、この作文には
もうひとつ小さなパンチが入っている。

『親に反対されたり、…あきらめていました』
という一文。

それまで我が家では、
ゲームやオンラインの利用をかなり厳しく制限していた。
息子には自由がなかった。

私も、頭ごなしに決めつける大人のひとりだった。
「ちゃんと話を聞いてあげなくてごめんね」
この一文に、私は反省した。

『大人が初めから決めつけていることが色々あるけれど、
やってみないと分からないこともたくさんある』

この一文は、
学校だけではなく、私たち親や大人に対しての一撃だ。

時間が経って読んでみると…
息子は、ちゃんと自分の気持ちを言葉で表現して残していた。

あれから4年の月日が流れ、
たまたまタイムカプセルを開けた。


『やってみないとわからない』
『勇気を出して、新しいことにチャレンジしたい』

エネルギーがたまった息子は、今

・クトゥルフ神話TRPG
・動画編集
・シナリオ作成

『やってみないとわからない』を、
まさに実践している。


あの頃は、ただ必死で前に進むことしかできなかった。

でも今、息子は
自分の世界を少しずつ広げている。

小学6年の卒業文集に残した小さな社会への問いかけ。
それは、未来の自分に向けたメッセージだったのかもしれない。



卒業文集の中に残した、この小さな「反撃のパンチ」が、
同じようにしんどい思いをしている親子に届きますように。

#不登校
#子育て
#発達凸凹
#卒業
#親子
#こはく書店

このnoteは、学校に行かない選択をした息子との記録です。


第1弾 「書くこと」への母のこだわりを手放した日|こはく書店

第2弾   処理速度だけが低かった息子|こはく書店





いいなと思ったら応援しよう!