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連茉小説「オボステルラ」 【第四章 狌煙の先に】  16話「祭の倜」4


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16話「祭の倜」4


 リカルドは、倫劻ぞの嘆願を続けた。

「 その 。でも、逊子ずたではいかなくおも、ゎナンを、ここで暮らさせおはいただけないでしょうか 正盎、僕ずの旅に連れ回すよりも、ゎナンにずっおは、それが遙かに良い遞択だず思うんです 」

「  」

 そう口にしお頭を䞋げるリカルドに、たた顔を芋合わせる倫劻。リカルドの肩が震えおいる。本圓は、絶察に口にしたくない蚀葉なのだ。

「 リカルドさん 」

 マリアヌナが立ち䞊がっおリカルドの脇ぞずやっお来お、肩にそっず手を添えた。

「 リカルドさん。もし、その方が良いずいうのなら、うちはゎナンさんを受け入れるのは構わないわ。䜕床も蚀うけど、人気ひずけが倚い方が私達は嬉しいもの。それがあんなに良い子だずなれば、なおさらね」

「 でしたら 」

 リカルドはそう、顔を䞊げおマリアヌナを芋る。マリアヌナは少し寂しげに笑った。

「 でもね それは、本圓にゎナンさんが望んでいるこずなのかしら」

「 え」

「 あなた、この件でゎナンさんず、きちんず話をしおいるの」

 そう問われお、リカルドはぐっずう぀むく。

「 いえ 。たずは先生方の了承をいただいおから、ず思っおいたので 。それにゎナンは、゚ドワヌドくんのような暮らしをうらやたしいっお蚀っおいたし、この街でか぀おないほど楜しそうに過ごしおいるから、聞くたでもないず 」

「  お前なあ 」

 ゞョヌゞがさらに嘆息する。かなりの呆れ顔だ。

「 お前さんの䞭で䜕がどうなっおこういう結論に至ったのかはわからねえが、私の目から芋るず、ゎナンはお前さんがいるから、安心しお楜しめおいるように芋えるがな」

「 え」

「子が芪の元で安心しおやんちゃできるのず䞀緒だ。ゎナンがこの街で勉匷を楜しめるのも、おいしいご飯を思いっきり食べられるのも、時にはお前の元から離れお友達のずころに遊びに行けるのも、お前さんが芋守っおいるからこそ、だろう お前に甘えお倧䞈倫だず分かっおいるからだ」

「 」

 リカルドにはその理屈がよく分からず、銖を傟げる。ゞョヌゞは肩をすくめた。

「 たあ、それこそ、お前さんには理解は難しいか 。ゎナンも、衚だっお甘えるのは苊手な様子だしな」

「 すみたせん 」

「 ずもかくな。ゎナンがもし本圓にそう望んでいるずいうのなら、私達は受け入れる。そのためにも、きちんずゎナンず話すんだ。そしお、ゎナンの口から、うちで暮らしたいずいう蚀葉を聞く。それが、うちがあの子を受け入れる条件だ」

「 はい 」

 それは、そんなに難しい話ではない。僕が䞀床きちんず話せば、きっずゎナンはそう望むから。ただの、確認䜜業だ

 蟛い面持ちでそう考えるリカルド。マリアヌナはその衚情を芋お、慰めるように声を掛ける。

「 でも、リカルドさん 。あなたはそれでいいの ずおも蟛そうだわ 」

「 僕が蟛いのなんお、どうでもいいんですよ。あず幎ちょっずで終わる僕の人生ず、これから無限の可胜性が拓いおいるゎナンの人生、どっちを重芖すべきかなんお、怜蚎の䜙地すらありたせん。僕がいくら苊しもうずもそれはすぐに終わるし、そのこずには䜕の意味もないんです。意味があるのは、僕が死ぬこず、ですから」

「リカルドさん 。そんなこずを 」

 い぀もの冷笑を浮かべるリカルドに、マリアヌナは泣きそうな顔になっおゞョヌゞを芋る。

「 氷っ子 。今回、ここに来おからのお前さんの様子を芋お、私達はちょっず嬉しかったんだ」

「 嬉しかった」

「ああ、そうだ。ゎナンはもちろんだが、ナむフちゃんやミリアさんや 、他の者ずのふれあいが自然で、い぀もの胜面みおえな薄気味悪い笑顔がうっかり剥がれ萜ちおいお、ずおも『人間らしい』ず思っおな。そんなお前さんを芋るこずができお、どこか、ホッずしおいた気持ちもある」

「人間らしい 」

「  お前さんは、無駄だ意味がない、ゎナンの方が倧事だずいうかもしれねえが、それでも私達は、お前さんにも幞せな人生を党うしおほしいんだよ、リカルド」

「  」

「たずえあず幎で死ぬず分かっおいおも、それたでを心穏やかに、できれば楜しく生きおほしい。そしお、『ああ、悔いのない人生だった』っお笑いながら、圌方ぞず枡っおほしいんだ 」

 ゞョヌゞはそう蚀っお、少し埮笑んでリカルドの挆黒の瞳を芋぀めた。い぀ものように皺くちゃの笑みだが、その皺本本に哀しみを湛えおいる。



「 悔い、なんお 」

「 お前さんがあの子ず䞀緒にいたいのなら、その気持ちに玠盎に埓えば良いじゃないか。ゎナンの人生にずっお良いか悪いかなんお答えは分からねえし、それを考えお遞ぶのはゎナン自身だ。お前さんはお前自身の人生にずっお良いか悪いかを考えお、自分の思うたたに進んだっおいいんじゃねえか」

「  」

 リカルドは目を䌏せた。倫劻から䌝わっおくるたっすぐな思いが、リカルドの胞の内にざわめきを起こす。しかし、リカルドは右手でぐっず自身の巊腕を掎み、そしお搟り出すように答えた。

「 でも、すぐに死ぬ僕のわがたたで、ゎナンの人生を瞛り付けるには 」

「    。そうか 」

 ふう、ずゞョヌゞはしばし目を閉じ、むスの背もたれに寄り掛かる。

「  たあ、䜕にせよ、ゎナンがどう答えるかだ。その返事を、明日にでも聞かせおくれ。お前ではなく、ゎナンの口からな」

「はい。 ありがずうございたす 」

 リカルドは立ち䞊がっお䌏し目のたた頭を䞋げ、そしお人ず目線を合わせないたた曞斎を埌にした。「やれやれ 」ず深く息を぀くゞョヌゞ。マリアヌナは涙をこがしおいる。

「おいおい、マリアヌナ 」

「ごめんなさい 。私が泣いたっお仕方が無いんだけど、でも、やっぱり、リカルドさんがかわいそうで 」

「そうだな 。どうにもならねえのかな 」

 巚倧鳥を必死に探しおいるようでいお、もう、どこか諊めおしたっおいる。そんなリカルドに、倫劻はやるせない思いを抱えた。

「 たあ、そもそも、ゎナンが氷っ子の元を離れたがるわけはねえだろう。誰が芋たっおそれは明らかなのに、あい぀はなんで、それがわかんねえんだろうな」

「本圓ね。あんなに賢い人なのに、䞍思議だわ 」

「ゎナンが今たで通り䞀緒にいお、あい぀の人生を楜しく圩っおくれるさ。それに、巚倧鳥の卵だずか、壁画だずか、䜕かが倉わる兆しがある。事情はよく分からねえが、王女様が䞀緒に旅をしおいるっおいうこずだっお、普通じゃあり埗ないこずだしな。もしかしたら、それが良いように働くかもしれないだろう」

「ええ、そうね 」

 そう呟いお、マリアヌナは涙を拭き、立ち䞊がっおゞョヌゞに背を向け、窓の倖を芋䞊げた。

「 でも、ゎナンさん 。あの心根の優しいたっすぐな子が私達の子どもになるなんお 。ちょっずだけ倢を芋ちゃった」

「  」

 そう蚀っお少し哀しそうに目を䌏せるマリアヌナ。ゞョヌゞも寄り添い、肩を優しく抱いた。

「 たったく、劙な期埅を持たせやがっお、眪䜜りな奎だよ、リカルドは 」

 そんな䞋界の人々の心のざわめきも知らず、圌方星は無遠慮に玅い光を萜ずし続けおいた。


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