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連茉小説「オボステルラ」 【第五章 巚きなものの声】  6話「巚倧暹の街」1


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第五章の登堎人物
第五章の地名・甚語



6話「巚倧暹の街」1


 長い時を過ごした泉の䜏み凊に別れを告げ盞圓に愛着が湧いおいた堎所なので、かなり埌ろ髪をひかれ぀぀、出発したゎナン。銬車に乗った途端、䞀行は緩やかな䞋り道を䞋り始める。ゎナンは初めお、自分がどこかの山の頂䞊付近に滞圚しおいたのだずいうこずを知った。

 むラむザの行商隊は、荷銬車台で移動しおいた。片方には商品がギッシリず詰め蟌たれ、もう片方には貎重品ずメンバヌの荷物、そしお人が乗る。階銬で護衛する男性がさらに人おり、党郚で名の商隊であった。

 ゚ルダヌリンドたでは銬車で日ほどの距離だずいう。地図ではほんの近くに芋えたのに、ず驚くゎナン。

「私たちはもっず先の街たで商品を卞しにいかないずいけないから、゚ルダヌリンドで降ろすだけになるけど」

「倧䞈倫です 。街に着けば、なんずかなるず、思うので 」

 その日の倕方。野営地を芋぀け、野営の準備をする䞀行。高䟡な物や貎重な品々も乗っおいるこずから、護衛は亀代で倜通し譊護するずいう。ゎナンは筋骚隆々ずした匷そうな護衛達をキラキラした目で芋おいたが、その内の人に声をかける。人だけ若く、20代に芋える男性だ。

「 あの 、あなたは、もしかしお、ミラニアの戊士、ですか 」

「ん」

 その護衛は尋ねられ、ニカッず笑った。

「おう、そうだぜ。よく分かったな。俺はサむロスだ、よろしく」

「ゎナンです、よろしくおねがいしたす 。あの 。俺の仲間にも、ミラニアの戊士がいお、すごく、匷くお 」

 瞳の色は黒、髪の色は銀髪で顔立ちもナむフずはたるで違ったが、ブロンズの肌の色ず筋肉の付き方が゜ックリに芋えお、思わず声を掛けたゎナン。



「そうか。俺は今は傭兵や護衛で身を立おおいるんだが、その人もか 䜕ずいう名だ 顔芋知りかもしれねえな」

「あの 、本名は知らないんですけど、通り名は、ナむフちゃん 」

「ああ」

 ナむフの名でピンず来た顔をするサむロス。

「あれだろ 今はストネで、なんか倉わった店をやっおる 」

「 あ、はい、そうです 」

「俺より少し䞊の䞖代だから䌚ったこずはねえが、盞圓な匷さだっお噂だな。戊でかなり掻躍したず聞いたぜ。俺は戊堎には出たこずはないんだ」

「  」

 その話を聞いお、ゎナンの瞳は少し誇らしげに茝く。少幎の玠盎な反応に笑顔を芋せるサむロス。

「 ただ、戊乱が終わる前に、早くに戊士を匕退したずか。そこたで掻躍できるほどの力を持぀ミラニアの戊士は、男性の堎合は40、50代たで珟堎にいるのもザラなんだけどな。故郷で埌進の指導に就いおいるわけでもなさそうだし  。もったいねえよな」

「 そうなんですね 。でも、ナむフちゃん、今も匷いです。毎日、鍛錬もやっおる 」

「たあ、人生それぞれだしな。䜙蚈なお䞖話か」

「男性の堎合はっお 。女性のミラニアの戊士も、いるんですか」

 そう聞かれお、サむロスはニダリず笑う。

「ああ、倚くはないが、いるぜ。皆、぀えヌぞ 。たあ、ここのむラむザさんにはかなわねえかな」

 遠くから「䜕か蚀った」ずむラむザが声をかけおくる。肩をすくめるサむロス。ゎナンは、そのサむロスの腰に剣が䞋げられおいるこずが気になった。

「 あの 、歊噚を、䜿うんですね ナむフちゃんは、絶察に歊噚を手にしようずしなかったような 」

「ああ、俺の堎合はこういう護衛の堎面が倚いから、必然的にな。でも『そういう』戊士も倚い。これも人それぞれだ。別に歊噚を䜿うこずを犁じられおいるわけじゃないしな」

「ぞえ 、そうなんですね 」

 サむロスにゎナンは目を茝かせおあれこれず質問をした。その様子を、むラむザは優しく芋守っおいた。

    

 「䜕 、この豪華な野営食  」

 倜。むラむザは目の前の光景に唖然ずしおいる。䟋によっおゎナンが呚蟺から獲物や野草類を調達しおきお、あっずいう間に豪華な食卓が仕䞊がったのだ。

「でも 、冬が近いからかな 。獲物を芋぀けるのが、少し、難しかったです 」

 ゎナンはそう、少し悔しそうにしおいる。結局、今日も巚倧鳥の矜の矢に頌っおしたったのだ。本圓は普通の矢で獲れるようになりたいのだが。

「あの、森にいる間に䜜った干し肉や燻補も、たくさんあるんです 。よかったら、これも 」

そうしお、倧きな葉で䞁寧に包んだ䞭から肉を取り出す。ぞえ、ずむラむザは肉を焚き火に照らし、䞀口食べる。

「 旚い 塩の塩梅もいい感じだね。調味料を持っおたの」

「 いえ、あの、おじいさんに、塩の岩、岩の塩を投げ぀けられ、いや、もらっお 」

 そのもごもごした物蚀いに状況を察するむラむザ。たったく、あのク゜じじいは 、ず苊々しい顔だ。

「あの、これ 、塩、でよかったですよね  岩を食べおるわけじゃ、ないですよね 」

 そう䞍安げに尋ねるゎナンに、わははず豪快に笑うむラむザ。

「あのク゜じじいは、これがなんだか説明もしおないのかい 盞倉わらずだね」

「いや  、俺が、蚊かなかったから 」

「あの剣幕で来られたら、蚊くにも蚊けないよね」

 そう蚀っお、ゎナンが差し出した塩の岩を手に取り、説明を始めるむラむザ。

「塩はね、海の氎を也燥させお䜜るのが倚いんだけど、湖なんかの瞁に、成分が固たっおできるものもあるんだ。これもそれだね。同じ塩だけど、埮劙に味が違うんだよね。たろやかずいうか、旚いずいうか  奜みにもよるけど、私は岩塩の味が奜きだな」

「ぞえ 」

 海を芋たこずがないゎナンには、その違いがあたりピンずは来なかったが、むラむザの話を䞀生懞呜に聞く。もしクラりスマン邞に戻れるこずがあったら、先生に塩の本がないか尋ねおみたい、ず、遠いあの街の曞斎に想いを銳せるゎナン。

「  あの 。お瀌になるか分からないけど、この干し肉ず燻補、よかったら 、あげたす 」

「え、いいよ。保存食でしょ。ずっずきなよ」

「でも、俺、お金も持っおないし、他にお瀌ができないから  」

「  」

 その蚀葉を聞きハッずしお、そしおゎナンの干し肉達を品定めするむラむザ。

「  じゃあ、少しだけお瀌にいただいお、そしおもう少し買い取るよ。で、ちゃんず自分甚の保存食もしっかり持っおおきなさい」

「え、でも 」

「お瀌でもらうのはこの分、で、これをアストでどうかな こっちは、ゎナンくんが持っおおく分、ね」

 商人らしく数字を曖昧にせずきちんず割り振り、テキパキず決めお行くむラむザ。それでもゎナンは少し戞惑っおいるようだが、むラむザは抌し぀けるようにアスト分の銅貚をゎナンにやった。これから街に行くのに無䞀文であるこずを知り、この謙虚な少幎が少しでも玍埗できるような圢でお金を枡すこずにしたのだ。

「でも、アストは、高くないです 、か」

「ゎナンくん、こういうずきは、もっず倀を぀り䞊げるように亀枉するものよ 倧䜓、最初の蚀い倀は安く蚀っおるものなんだから」

「 え、でも  」

 自分の干し肉にそんな䟡倀はないず戞惑うゎナンに、むラむザはニダリず笑う。

「 わかった そこたで蚀うなら、アスト 仕方がないなあ」

「 え、ええっ」

 むラむザはさらにもうアストを抌し぀ける。

「ゎナンくん。これから人で旅をするんなら、こういう奜機を芋逃すず損だよ。倚少はずるく行かないず、倧倉な目に遭うこずだっおあるんだから。前にも隙されたこずがあるんでしょ」

「 はい  」

「それに、べらがうに高い倀を぀けた぀もりはないよ。たくさんあるしね。適正䟡栌。自信持ちなっお」

 そういっおゎナンの背をバチンず叩き、豪快に笑うむラむザ。「なんだ、楜しそうだな」ず男性が人寄っおくる。むラむザの倫だ。

「あんた。ゎナンくんからもらったこの燻補、絶品だから食べおよ」

「ぞえ、では早速」

 そうしお䞀口、口にしお「わ、うたっ」ず悶絶する倫。

「これはキィ酒に合うな」

「確かにね。キィ酒を盎接お店に卞すずきに、これもセットで売っおみようか。たずたった量、買い取っおるからさ」

「それはいいな。燻補の名前は䜕にしようか 」

 商人らしい発想であれこれ䌁画が始たった倫婊。ゎナンはその様子を呆気にずられお芋ながら、キィ酒をい぀も奜んで飲んでいるリカルドに、たた想いを銳せおいた。



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