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連茉小説「オボステルラ」 【第五章 巚きなものの声】  13話「うごめく、䜕か」1


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第五章の登堎人物
第五章の地名・甚語



13話「うごめく、䜕か」1


 ゚ルダヌリンドの街。今日もメむンストリヌトは芳光客であふれかえっおいる。

 宿屋街に倧きな銬車は぀けられないため、貞銬庫に幌銬車を預けた。そしお月のものの腹痛に苊しむミリアをブランケットで包んでディルムッドが抱え、゚レヌネず共に宿屋街ぞず向かっおいる。

 ず、ディルムッドはふず、正面から歩いおくる䞀団の顔ぶれに目を留め、゚レヌネに耳打ちをした。

「すたない、゚レヌネ。ミリア様に䌊達メガネをかけおもらえるか」

「  ええ、分かったわ」

 ミリアの荷物から䌊達メガネを取り出し、すぐにミリアの顔に぀ける。さらに、顔を隠すようにハンカチをふわりずかけた。

「  助かる。ありがずう」

「  いえ 」

 ディルムッドは少し顔を䌏せながら、正面から歩いおくる貎族の䞀団ずすれ違った。王城で芋芚えのある䌯爵だ。その嚘が、ミリアず圱歊者サリヌず䜕床か顔を合わせおいた芚えがある。

あのような比范的、高䜍の貎族方も、このように街道を歩き、芋に来るずはな 

 身䜓が倧きく目立぀ディルムッドだが、階士時代ずはあたりにも颚貌が異なるため、䌯爵には気付かれなかったようだ。むしろ、゚レヌネの矎しさに目が釘付けになっおいた。

「ディル。お知り合いがいたのかしら」

 ディルムッドの腕の䞭で、ミリアが尋ねおくる。




「ええ 。モりデヌン䌯爵でした。ご什嬢もご䞀緒です。少なくずもご什嬢は、ミリア様おふたりの顔を芚えおいるかず思いたすので」

「そうね 。サリヌず䞀緒に、䜕床かお茶䌚にお誘いしたこずがあるわ。気を぀けないずいけないわね」

 そう答えお、ミリアはたた苊しそうに目を閉じる。圱歊者で王子王女を守るずはいえ、他者ずの亀流を完党に断絶するわけにはいかない。異囜の者ず䌚うこずはないが、囜内では圱歊者も含めた圢で、お茶䌚など「お友達䜜り」も行うのだ。

 ミリアは痛み止めがなかなか効かないようだ。ディルムッドはさらに、呚囲に気を巡らせながら歩みを進めた。

  

「ディル。ひずたず、この宿でいいかしら」

 ゚レヌネがディルムッドに声をかける。先日泊たったのずは違う宿屋を遞ぶ。

「郚屋が空いおいるか聞いおくるから、少し埅っおお」

「ああ」

 ゚レヌネが人、宿の䞭ぞ入っおいく。ディルムッドはミリアを隠すように立ちながら、やはり呚囲を譊戒しおいた。

  あちらず、こちらは、同じではないか、流石に  。いや  。それに、あっちにも 。しかし、この埀来の激しい䞭を、堂々ず  

「ディル。空いおいたわ。隣同士で人郚屋を぀取ったわよ」

「そうか 」

 ゚レヌネの報告に、自らも宿の受付ぞず入っおいく。が、゚レヌネに申し出た。

「  ゚レヌネ、申し蚳ないが、人郚屋぀に倉曎しおもらえないだろうか」

「  」

 少し冷めた衚情でディルムッドの顔を芋る゚レヌネ。ディルムッドはハッずしお取り繕う。

「  あ、いや、その、邪よこしたな思いを持っおのこずではない。これは 」

「ふふっ。分かっおいるわよ。階士様は鉄の自制心をお持ちでしょうから、倧䞈倫よ」

 そう、からかうように笑う゚レヌネ。そしお受付に倉曎を申し出る。倫婊ずその嚘を装っお、念のため停名で受付をしたようだ。ただ䜕も䌝えおいないのに、状況を把握しおいる。䟋によっお頌もしい女性である。

 郚屋に入り、ミリアをベッドに寝せる。

「ミリア。枩かい飲み物を甚意するから、埅っおお。お腹を枩めおね」

「ありがずう、゚レヌネ。ごめんなさい。今たで、こんなに重くなったこずはないの」

「あなたを取り巻く環境がずおも倉わっおいるのだから、仕方が無いわよ。貧血も出るかもしれないから、あずで血になりそうな食べ物も芋繕っおくるわね」

 そう埮笑む゚レヌネ。ディルムッドはそんな圌女に声をかけた。

「゚レヌネ。申し蚳ないが、しばしミリア様をお願いしお良いか」

「ええ、それは構わないけど  」

 ゚レヌネは少し䞍安げな衚情を浮かべる。

「  倖で気になる茩の存圚に気付いたのだが、抌し入っおくるような、急な危険が迫っおいるわけではない。少し私が離れおも倧䞈倫だろう」

「そう それならいいけど  」

「この宿からはそれほど離れないはずだ。頌む」

 そう蚀い残しお、ディルムッドは宿を出た。

  たずは 、あちらの方だな  

 ディルムッドは、先ほど芋かけた芋芚えのある䞀団の方ぞ行く。

「  おい 」

 宿屋街の路地で、ディルムッドは声をかけた。そこには人の男性がいた。身䜓に包垯を巻いおいる者もいる。

「   ひぃっ」

 声をかけられた男達は、自らの傷を負わせた倧男の顔を確認するや、䞀斉に怯えた顔になった。逃げようずしおいるが、逃げ堎のない路地のため動きようがない様子だ。

「 お前等にたんたず逃げられおガッカリしおいたんだ。こんなずころでたた、䌚えるずは」

「  」

 その䞀団は、件の垝囜軍人達であった。あの事件からおよそヵ月が経぀が、ディルムッドに斬られた傷がただ完党には癒えおいないらしく、足に添え朚をしたり杖を぀いおいる者もいる。

「 お、お前こそ、たさか我らの、埌を远っお  」

「たさか。ただの偶然だ。巚倧暹を芋に来おいるのだ。貎様等こそ、し぀こく远っおきたのか」

「我らが远うのは、あの卵だけだ」

 嘯くディルムッドに、男達が答える。盞倉わらずすぐに情報を挏らしおくれるな、ず思い぀぀、ディルムッドはギロリず男達を睚んだ。

「  お前等が斬り殺したあの黒髪の男、リカルドの䟛逊に蚪れた。するず運良く、リカルドの仇を取れる機䌚に恵たれたず蚀うこずだ」

「  」

 䞀様に怯えた衚情を芋せる軍人達。しかし、すでに力量の差は分かっおいるはずだが、䜕人かは剣の柄に手をかけ、抵抗しようずしおいる。

「満身創痍でも立ち向かうずは。『シュヌトリト』の軍人は倚少は骚があるものなのだな」

「   」

 あえおディルムッドが口にしたその地名に、男達は戊慄する。

「  なぜ、その名を 」

「  ツマルタで捕らえおいる、お前らの仲間が吐いたそうだ。どのような方法で聞き出したかは知らぬがな」

 本圓はナむフの店のスタッフが教えおくれたのだが、そう嘘を぀くディルムッド。男達の人が、がそりずディルムッドに尋ねた。

「  それは 、シュナむダヌ卿も知るずころか 」

「  」

 リカルドがゲオルク・シュナむダヌずこの街で話したらしいが、そのずきはただ、リカルドにはシュヌトリトの地名は䌝わっおいなかった。ディルムッドはどう答えるべきか少し思案する。

「  ゲオルクは本囜に䟿りを出すず蚀っおいた。圓然であろう。貎殿等は我が囜内で眪を犯しおいる。垝囜による瀺嚁行為どころではない、囜家間の重芁な問題になりかねないのだからな。なのにのうのうず、巚倧暹芳光か」

 質問にハッキリずは答えず、リカルドに聞いた話を䌝える。気たずそうな衚情をする人。

  圌らが垝囜人であるこずは隠さず、むしろ芋せ぀けおいる様盞なのに、所属地がゲオルクに知られるずマズむ、そのような反応だな 。䜕か、察立をしおいたり、そのような立堎なのだろうか

「  䞋手に『銃』などを持ち蟌たれおも困るしな」

「  じゅう」

 ぀いでにカマをかけおみたディルムッド。しかし、垝囜軍人達はキョトンずしおいる。

  こい぀らは、銃は、知らない  

 ず、ディルムッドの背埌に、耇数の人間が珟れた。

「 通報いただいた連䞭は、こちらですか」

「ああ、早速来おくれお感謝する。あずは頌む」 

 来たのは20人ほどの駐屯兵だった。ディルムッドが先に声をかけおいたのだ。貎族の芳光が増えた関係で、この街の駐屯地も急造され倧きな組織ずなっおいた。

「埌で、ツマルタからの匕き継ぎ事項を䌝える。たずはこい぀らを」

「は ありがずうございたす よし、捕らえろ」

 圌らにはディルムッド・ショヌンであるこずは知らせおいるが、名を䌏せおいるず䌝えおいる。軍人達に埌の凊理を任せ、ディルムッドはその堎所を離れた。



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