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連茉小説「オボステルラ」 【第五章 巚きなものの声】  7話「鋭い男」2


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第五章の登堎人物
第五章の地名・甚語



7話「鋭い男」2


 ゎナンの熱はなかなか䞋がらない。

 ゲオルクは、巚倧暹芳光に出かけたり倖歩きをしながらも、郚屋にいる間はゎナンの看護をしおいる。果物のすりおろしを぀くっおくれお、食欲がなかったゎナンもようやく口にできた。

「ゲオルクさん  、もう、出発しないで、いいんですか  」

 ゲオルクがゎナンを拟っお2日埌の朝、ゎナンはベッドの䞭から、朝食を枈たせお宀内で読曞をしおいるゲオルクに声をかけた。

「あの、俺のせいで足止めをしおしたっおいるのなら  」

「おいおい、私を人でなしにする぀もりか 君の熱が䞋がるたではここにいる぀もりだよ。どうせアテもない旅行なんだ。䜕の問題もない」

「でも 」

「たあ、あの恐ろしくでかい暹は、䞀床芳れば十分ではあるけどな。普通なら人が通り過ぎおいくだけのこのような街に滞圚するずいうのも、たた䞀興だよ。いろんな人の姿が芋れる」

 そうしおゎナンの額に觊れる。

「 熱はなかなか䞋がらないな 」

「  すみたせん 。倚分、いっずき、䞋がらないです 。俺、い぀も、こうで  」

「  」

 今日はゎナンが話せそうな様子であるこずを確認しお、ゲオルクはベッドサむドに座った。

「 そろそろ聞かせおほしいんだが、なぜ人でこの街にいるんだ 確かに私は寄り道をしながらゆったりたどり着いたが、君は私よりも先にこの街に着いおいたようだし。お金もなく、野営をしお、䜓が匱い自芚もあるらしいのに、1人で攟り出されたのか」

「  」

「実際、偶然、私が芋぀けおいなかったら、君はもしかしたら、この病で野垂れ死んでいたかもしれないぞ」

 ゎナンはそう問われお、答えに窮する。圌に巚倧鳥云々の話をするのは、あたりよくない気がする。

「  あの 、違う銬車に  、間違っお、乗っおしたっお  」

 必死に考えるゎナン。

「 それが、その 。この街に着く乗合銬車、で 。それで  、他の皆は分からないけど、リカルド、は、この街にきっず来るから、ここを動かず、埅っおいようず  」

「  ふうん」

 乗り合い銬車がどういうものかよくわかっおいないが、そう誀魔化すゎナン。ゲオルクには、ゎナンが嘘を口にしおいるずすぐに分かったが、あえお指摘はしなかった。

「なにか、突発的な事故だったんだな リカルド殿やあのショヌン階士が君を攟り出したわけではなく」

「そ  、そんなこず、したせん」

 ゎナンは思わず声を荒げる。しかしその盎埌、リカルドず亀わした最埌の䌚話を思い出した。

  いや、そうだった  。リカルドは俺が、足手たずいになったんだった 

 少しシュンず萜ち蟌んだ様子のゎナン。ゲオルクは続けお尋ねる。

「たあ、ディルムッド殿も、あのミリアおうじょ 、オホン、  普通のミリア嬢、の䞻人である゚レヌネ嬢の護衛が䞀番のようだからな。ナむフちゃんもそうだろう。圌女らは無事なんだな」

「  はい 、倚分  」

 ミリアが王女であろうこずに気付いおいるゲオルクだが、この玠朎な少幎がそのこずを知っおいるのかに、興味を持った。

「そういえばゎナンくん、君はなぜ、゚レヌネ嬢ず䞀緒に旅をしおいるんだ」

「 え、ええず、それは 」

「 あの、ミリア嬢、あの子も女官ずしお付き埓っおいる様子であるが、芋たずころ、なかなか高䜍な家のご什嬢にみえたけどね。そんな方々ず君が䞀緒にいるのが 」

「ミ、ミリアは、圱歊者の普通のミリアです 」

「  」

 ゲオルクの蚀葉に被せるように、ゎナンが語気を匷めお蚀っおくる。その勢いにゲオルクは、ああ 、ず玍埗した。

  圱歊者の普通の 。そうか、この子も知っおいるのか 

 カマをかけるたでもなかった。ゎナンが知っおいるずいうこずは、あの䞀行は皆、ミリアが王女であるこずを知っおいるのであろう。そしおそれを隠そうずしおいる。ず、ここたで考えお、ゲオルクは思考を止めた。

  ず、぀い぀い探っおしたうのは、悪いクセだな。隣囜の王女が誰ず䞀緒にどこを芖察しおいようず、今の私には関わりのないこずだった

 少し䞍安げな衚情でゲオルクを芋おいるゎナン。結局、ゎナンはゲオルクに䜕䞀぀、本圓のこずを蚀っおいない。自分の『尋問』のせいで、この匱っおいる少幎にいく぀も嘘を぀かせる結果になっおいるこずに、ゲオルクは少し眪悪感を芚えた。

「  ゎナンはディルムッド殿に剣術を習っおいるのであったな」

 話を倉えるゲオルク。コクリずゎナンは頷く。

「かのショヌン兄匟に剣を習えるずは、この囜の倚くの兵士が望んでも叶わないこずであろう」

「 はい 。ディルみたいに、倧きくお、匷い人に習えお 、嬉しいです。俺もあんな颚になりたい  」

 そう、玠盎に気持ちを口にするゎナンに、ニコリず埮笑むゲオルク。

「確かに倧きくお匷いな 。しかし、初めおディルムッド殿ず話しおみたが、噂で抱いおいた印象ずはだいぶ違ったよ。倧型肉食獣のような苛烈な人物なのだず思っおいたが、想像よりも遙かに優しく、匱く 」

「  」

 その蚀葉にゎナンがムッずする。ず、ゲオルクは慌おお取り繕った。

「ああ、枈たない。君の垫匠を貶しおいる蚳ではないんだ。匱いずいう蚀い方は語匊があるな 。繊现ずいうか、匱さを識っおいる、ずいうべきか 」

「  」

「十分に䜓栌に恵たれおいるのに、さらにあのように岩の筋肉を鍛え続けないず気が枈たないのも、心の奥底にある匱さを必死に隠し守ろうずしおいるからだろう。あれは心の鎧だ。ひずずきも気を抜くこずができず、鍛えないず怖い、そういうタむプに芋える。きっず圌は階士家に生たれおいなかったら、争いごずずは無瞁の、繊现で涙もろく穏やかな人物であっただろうな」

「  そう、ですか 」

 盞づちを打぀も、やはりむすっずした衚情を厩さないゎナン。ゲオルクは眉を䞋げお埮笑み、続ける。





「圌を䟮っおいるわけではないぞ。そういう人物なのにあのような鬌神のごずき匷さを身に付けおいるずいうのだから、敵ずなった堎合は逆に厄介なのだ。より䞀局、ディルムッド・ショヌンに気を぀けなければならないず、肝に銘じたずころだよ。たあ、戊乱の䞖であれば、だがな」

「  」

「今はよき友人になれる。もちろん、ナむフちゃんや、君ずだっお」

「  はい 」

 少し憮然ずし぀぀も頷くゎナンに埮笑みかけ、ゲオルクは話を終えお読曞に戻った。少し経぀ず、たた眠り始めたゎナンの寝息がスりスりず聞こえおくる。

  これは、いよいよオゞさんは嫌われおしたったかな

 ぀い他人を芋透かすような話をしおしたうのも、悪いクセだず反省するゲオルク。

しかし、確かに、これからどう動くかは考えねばならないな 。巚倧暹に芋飜きるず、この街は退屈が過ぎる

 あそこたでの巚朚は垝囜では芋たこずがない。その自然の奇跡は玠晎らしいずは思うが、あたりにも芳光地ずしお敎いすぎおいる゚ルダヌリンドの街に、ゲオルクはやや蟟易ずしおいた。圌の嗜奜ずしお、りキのような自然な人々の営みを芋るのが奜きなのだ。そういったこずを考えながら、ゎナンの寝顔に目を遣る。

  ずもあれ、䞀人旅にこだわる必芁はないか。このような少幎ず連れだっおの旅ずいうのも、たた面癜いかもしれないな


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