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【京都は伊勢丹じゃない!】

京都へ行くと、だいたい決まって歩く道がある。


まずは『松栄堂』。
京都駅から
地下鉄で4駅、丸太町駅で降りる。



店に入ると、
お香の香りがふわりと漂う。
それだけで
少し上品な人間になったような気がするから
不思議である。


私は白檀が好きで、
ここへ来るとよく匂い袋を買う。
まろやかな甘みのあるもの。
爽やかなもの。
優しいもの。


お気に入りのインナーをしまう
引き出しの隅に忍ばせておくのだ。
開けるたびに少しだけ京都の香りが広がる。


そこから御池通を散歩しながら
『鳩居堂』へ向かう。
目的は一筆箋とポチ袋だ。
お礼。
お返し。
心付け。
そんな時は必ず一言添えたい。


もっとも最近は、
スマホばかりいじっているせいで
漢字が怪しい。
先日など、
「入居者」と書くつもりが、
どういうわけか「人届者」になった。
訂正の跡だけが、
やけに力強く残ってしまった。


ここまで漢字が怪しいなら
手書きを諦めればいいのだろうが、
なかなかそうもいかない。


そして最後に河原町通を南下する。
目的地は『京都髙島屋S.C.』だ。
私にとっては
もはや巡礼地である。


京都は伊勢丹じゃない!
高島屋だ!!

和菓子好きのためのガチの聖地。



気づけば売り場を何周もしている。
凄まじいのは品揃えだけではない。
その裏にいる
和菓子バイヤーの“畑主税“という人が、
これまた凄いのだ。


私は、この人のSNSを
追いかけている。
いま、私の中で一番熱い男である。
和菓子を追いかける、
その泥臭さがたまらなく好きだ。


京都高島屋へ行けば、
私の大好物である
「水無月」がずらりと並んでいる。


東京では六月半ばを過ぎないと
なかなか見かけないのに、
京都では当たり前の顔をして
棚にどかっと座っている。

さすがは京都だ。


本当なら全部食べ比べてみたい。
さすがに一個だけ買って
売り場をうろうろする勇気は私にはない。
…厚かましさが足りないのである。


この三軒は、
京都へ行くたびほぼ必ず立ち寄る。
もちろん
好きだからというのもあるけれど、
実はもう一つ、
お恥ずかしい理由がある。


それは、
地下鉄と徒歩だけで
回れるということだ。
相変わらず私は京都のバスが苦手である。


乗るたびに
どこへ連れて行かれるか
分からなくてハラハラしてしまうのだ。


この切実な悩みを
京都の人に打ち明けてみても、


「なんでやねん」


であっさり片付けられてしまうけれど。






〜初春の京都編〜



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