「やさしい波動」という絵本を書いた
「やさしい波動」という、少し変わった絵本を作りました。
登場するのは、物理学者の健一さんと、隣に住む主婦のトミ子さんです。
二人は「波動」という言葉をめぐり、何度も噛み合わない会話をします。
二人の「波動」は違っている
トミ子さんは、植物に話しかけることで、植物が喜んで成長すると思っています。
「ありがとう」と声をかけると、その波動が花に伝わって、綺麗な花を咲かせると信じています。
一方、物理学者の健一さんは、それをきっぱり否定します。
それでも最後に変化が起きる
ところが物語の最後に、健一さんは風に揺れる葉を見ながら、「良い揺らぎ」という、周波数を感じていると思わず口にしてしまいます。
するとトミ子さんがつかさず言います。
「先生、それって波動でしょ」
その言葉に、健一さんは少し笑って、「そうかもしれませんね」と、認めるのです。
私が書きたかったこと
この絵本で書きたかったことは、科学的根拠が正しいとか、非科学的なことが正しいとかということではありません。
二人の間に流れている、目には見えない関係性です。
言葉は噛み合っていません。
それでも二人の間には、どこか心地よいものがあるということです。
私は、二人の間に流れる関係性を、「やさしい波動」としたのです。
私たちは「気」と暮らしている
考えてみると、日本語には「気」という言葉が、驚くほどたくさんあります。
天気、元気、気分、気配、勇気、活気、平気。
「気が合う」「気が重い」「気が利く」「気が気でない」
どれも「気」が入っていますし、探せば他にもたくさんあります。
けれど、その「気」を、私たちは目で見ることはできません。
しかし、昔の人は、何かそこにエネルギーを感じることを見つけていたのです。
見えなくても感じている
では「気」とは何なのでしょう。
私は、それについては、全くわかりません。
そのことについて、私は科学的な意味で説明しようとは思いません。
ただ、人間には、目には見えない何かを感じ取っていたということです。
その感覚に、「気」という名前をつけたのではないかと思うのです。
そして、その気について、私は波動という「揺るぎ合うエネルギー」という言葉として物語にしました。
