楽々古事記【48】宇陀の兄弟
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⑪宇陀(うだ)
八咫烏(ヤタガラス)とイワレビコたちは、山を下りて大和国(やまとのくに)の盆地のあたりに来ると、
・兄宇迦斯(エウカシ)
・弟宇迦斯(オトウカシ)
という、宇陀に住んでいる有力な兄弟がいることを聞きつけたので、ヤタガラス(八咫烏)を使わしました。
ヤタガラスは兄弟に会うと、
「日の御子の使いで来たが、お前たち兄弟揃って日の御子に仕えないカァー?」
と伝えましたが、兄のエウカシは、
「(おめおめと服従してたまるか!)」
と、鏑矢(かぶらや)をビューンとヤタガラスに向かって打ち放ち、ヤタガラスを追い返してしまいました。
そのヤタガラスから報告を受け、
「そうか…。一筋縄じゃいかんようやな」
そう思ったイワレビコは、慎重に歩を進めました。
一方のエウカシ(兄宇迦斯)とオトウカシ(弟宇迦斯)の兄弟は、イワレビコを迎え撃つ準備をしていましたが、
「なかなか兵が集まらんな…」
「うん、どげんする? 兄ちゃん」
「このままじゃ負けるけん、服従する気に見せかけて、罠にかけて仕留めよう」
と言って屋敷の天井に、相手を押し潰す罠を仕掛けて待ちました。
【罠】
この罠を古事記では「押機」と表現しています。
(床?を踏むと矢が飛んでくるのかな???)
罠
暫く歩を進めると、遠くに屋敷が見えました。
「ねぇヤタガラス…、宇陀の兄弟が住んじょる屋敷っちゃアレなん?」
「はい。左様でカァー!」
屋敷の中にいた宇陀の兄弟もイワレビコに気づいて、
「兄ちゃん、オレが服従するっち嘘ついて屋敷に招くけん、あとは上手くやってくれんやか?」
「よしわかった。頼むけんな!」
「うん、任せとって」
と、オトウカシ(弟宇迦斯)がイワレビコのところへ駆けて行きました。
密告
「イワレビコさま、弟のオトウカシが、ひとりでコッチにやって来よーですよ」
「うむ。武器は持っちょらんようやな」
「はい、そのようで」
ハァハァ ハァハァ
イワレビコの前で膝をつき、息を切らせたオトウカシが大きく深呼吸をして内情を暴露しました。
「私はオトウカシ(弟宇迦斯)です。兄のエウカシ(兄宇迦斯)は屋敷の中におります」
「ふむ」
「兄は、服従するっち見せかけて、罠を仕掛けた屋敷の中に誘い込んで、日の御子のあなたさまを亡き者にしようと企んじょるんです」
「なに⁉」
「私は日の御子と争うっちゅーよーなことは、望んじょらんとですけど…兄は…」
「よしわかった。案内せい」
「はい」
墓穴
オトウカシは、イワレビコたちを連れて屋敷の前に着くと、兄のエウカシが出迎えました。
「これはこれは日の御子さま。先ほどは知らずとは云え、カラスを追い返すようなことをしてしまい、大変失礼いたしました」
「うむ…(白々しいやっちゃのぉ)」
「服属しますけん、よろしくお願いします」
「うむ…(見ちょけよ、こんヤロー)」
「さぁ、食事を用意しておりますけん、屋敷の中へどうぞ。ささっ、お先にどうぞ」
エウカシ(兄宇迦斯)はイワレビコを屋敷の奥へ先に通そうとしましたが、イワレビコの部下が遮りました。
「私たち天孫族っちゅーのは、家に招かれたときは、その家の主人の後ろについて入るのがしきたりなんよ。だけん、この家の主人のエウカシさんがお先にどうぞ」
「は、はい。で、でも…」
「なぁみんな、そーよなー?」
イワレビコがそう部下に声をかけると、
「ハッ!」
カシャン
と、部下たちの気合いが入った返事と共に、武器を叩き鳴らした音が響き渡り、刃をキラリと光らせました。
「(ヤバイ…バレちょるぞコレ…)」
そう思っても時すでに遅し。
イワレビコの軍勢に囲まれているので、エウカシの進路は罠を仕掛けてある屋敷の奥しか残されていませんでした。
「ささっ」
「は、は、はい…(クソッ…)」
ピシューーン グサッ!
ドンガラガッシャーン
ぐぇぇぇぇぇぇーーッ!
とうやらミイラ取りが墓穴を掘って、ミイラになってしまったようです。
自分で作った罠にかかって絶命したエウカシの屍は、
・道臣命(ミチノオミ)
・大久米命(オオクメ)
というイワレビコの部下が、
「霊力が少しでも残っちょったら仕返しに来るぞ」
と心配して、ズタズタに切り刻みました。
こうして難を逃れ、オトウカシ(弟宇迦斯)を服属させたイワレビコは、次の地へと向かいました。
今回はこれにて終了。
では、東征図と系図を貼って終わりますね。
図① 東征図

図② 系図

北九州市で飲食店などをやっています。
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ではでは。。。
