見出し画像

【地域で働く②】イタリア・「社会的協同組合」を訪ねて~地域で暮らし続けるため~


■最初に


こんにちは!サイボウズのもっちーです😊

TOPの写真はバチカンの柱です。柱回廊が好きだという発見がありました!

この日のこの写真を撮影した時間は、ローマ教皇が窓から挨拶をしている時間でした。
イタリアにいる間にバチカンは3回か4回か行ったのですが、初回でたまたまローマ教皇の姿を見ることができて運がよかったです!
(知らずにたまたま行ったときでした)

ローマ教皇がでてきたときのみなさんの反応が
「ヒュー!!」「キャー!!」って感じで、推し活っぽい身近さもあるんだなーとか、そもそもイタリアの人のノリがそうなのかなとか・・
面白いなーって思っていました。

日本だと、例えば神社で宮司さん、お寺でお坊さん、もっというと、天皇陛下に会いに行ったとしても拍手したり手を振る感じかなと思ったので、静かにしながらも心は燃えている日本と、表現力豊かなイタリアって感じで面白かったです!
イタリアの表現力といえば、アートも身近にあるのが印象的でした。
小さなころから当たり前にいろんなアートを見て、自分の表現を覚えていくんだなって、イタリアの学校にも訪問させてもらって思ったところです。

▼以前の記事〜イタリア・「社会的協同組合」を訪ねて〜
仕事と福祉が分かれていない場所



■地域で暮らし続けるため

〇精神病院を「つくらない」という選択


イタリアでは、かつて日本と同じように、
精神的な不調を抱えた人たちは病院に長く入院することが一般的でした。

1970年代まで、
精神病院は「社会から切り離す場所」としての側面が強かったと言われています。

それに対して、「それで本当に人は回復するのか」という問いから、
精神医療のあり方を見直す動きが広がっていきました。

そして1978年、
精神病院を段階的に閉じ、
地域で支える仕組みに移行していくことが法律として決められます。

この法律(バザーリア法)によって、
新しく精神病院をつくることや、そこに長く入院し続けることが見直され
代わりに、地域の中で生活を支えながら治療を行う仕組みがつくられていきました。

病院の中で隔離するのではなく、
その人が暮らしている地域で支えていく。

イタリアの社会的協同組合も、
そうした流れの中で広がってきたものだと言われています。

精神病院跡でいのししがいました!のどかな場所でした


〇入院ではなく生活の中で支える


現在のイタリアでは、かつてのような長期入院を前提とした精神病院は、基本的になくされています。

必要な場合には、総合病院などで短期的に入院することはありますが、
どちらかというと「地域で暮らしながら支える」ことが前提
となっているようです。

特別なことがない限りは、
自宅で薬などによって状態を安定させながら、
地域のサービスや人とのつながりの中で生活していきます。

そのなかで、社会的協同組合につながり、
仕事というかたちで関わる人もいます。

また、公共の仕事の中には、
特定の人たちの参加があらかじめ組み込まれているケースもある
と聞きました。

たとえば、病院の庭の手入れといった仕事でも、
そこに関わる人があらかじめ想定されていることがあるそうです。

仕事そのものが、
地域の中で生きていくための仕組みの一部になっている。
そんな印象を受けました。

また、家での時間についてのお話も印象に残りました。
たとえば、家族にとっても、
どう関わればいいか悩んだり、不安を感じたりすることがある
そうです。

そうしたときに、
日中、外に出て仕事をする時間があることで、
本人にとっても家族にとっても、少し距離を持ちながら過ごせる。

それが結果として、関係を保つ支えになっていることもあると聞きました。

ザクロさんにあったキーボードがかわいくて♡


〇人と制度のあいだをつなぐ存在


ローマにはASLという地域保健機構があります。
そこにはソーシャルワーカーがいて、医療や福祉、生活の支援などをつなぎながら、その人にとって無理のない暮らし方を一緒に考えていきます。

日本でいうと、社会福祉士のように、制度と人の間に立ち、支援の方向を組み立てていく役割に近いのだと思います。

その中で、人を選び、訓練を行いながら、社会的協同組合へとつながり、仕事となっていきます。


〇家で暮らし続けるための支え


社会的協同組合のA型では、
学校のリハビリや看護師など、訪問介護が仕事としては多いそうです。
医療的ケアをすることによって、社会で当たり前に暮らせるようにしているということで、仕事を出していくそうです。

イタリアでは、そういったスペシャリストを派遣することが当たり前にあるので、
家でフォローアップができるなら、早期に退院する、「早期退院プロジェクト」があるそうです。
リハビリも家でできるのであれば、家でやるということでした。

これは、入院し、退院しようとしている人がいたときに、
病院から、ローマ市の社会政策部へ連絡、そこから社会的協同組合に連絡があります。

そして、退院後、72時間以内にサービスを提供しないとならないという義務があるといいます。
これは、ローマと契約していて、できない場合はペナルティもあるそうです。
そのため、基本的に、72時間以内には、ケアできる人がつくそうです。

見るものすべてが面白い


〇生活に合わせて変わる支援


スペシャリストの派遣では、薬の飲み方などの指導もしているといいます。
これらは、全部無料というから、びっくりしました。
基本的に、保健の中に入っているサービスとのことでした。

ケアの内容は個別で決まります。
その人ができることと、周囲の支援の有無などをヒアリングして、
サービスが個別に決まっていく形です。
家族が何かのサービスを追加したいとなった場合、
その内容のヒアリングして、調整を行っていくそうです。

これらは、入退院をくり返すのではなく、
自宅で見れる方が、国としてもお金が安いという背景もあると教えてくださいました。


〇選びながら関わっていくということ


ローマには、社会的協同組合が数多くあり、その数は200ほどあるともいわれています。

その中から、どの組合につながるかは、
距離や本人の状態、組合の特徴などを見ながら、
家族と一緒に選んでいく
そうです。

それぞれに得意な仕事や関わり方があり、
合う場所を探していく、という感覚に近いのかもしれません。

人気のある組合には待ちが出ることもあり、
誰でもすぐに入れるわけではないそうです。

また、支援の利用については、
本人の状態や家族の状況などを踏まえて、
一定の評価(ポイント)のような形で整理され、
その中で利用できるサービスを選んでいく仕組み
になっていると教えてもらいました。

偶然行けたマザーテレサが宿泊していたお部屋(修道院内にあります)


■最後に


最後までありがとうございました。

イタリアの表現が素敵っていうお話しはまた書きたいなって思っているのですが、今回ローマの他にナポリに行っていました。サンエルモ城でナポリが上からパノラマで見れます!きれいでした。
そこでこんなものを見せてもらいました。
点字です。
この点字がとても表現力豊かでした。

よくある、場所の説明「ここから見えるのが〇〇山」「こちらは〇〇川」みたいなことではなくて、パノラマの景色やヴェスヴィオ火山についてイタリアの詩人の詩が点字で刻まれていて、
ナポリの全景を文学的・詩的な言葉で触覚化した作品といいます。

見えない人にも想像の中で風景を立ち上げてもらうことを、説明だけでなく、詩を使ってイメージを膨らませることのアイデアが素敵だなって思いました🎶

次回は働くことは社会とのつながりになっていることをお伝えします!
次回も見てもらえると嬉しいです😊