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【ここから全てが始まった】暁にみた夢/番外編vol.1

前作『暁にみた夢~あなたの人生は、いつか大切な人の希望となる』につながる、サイドストーリーを書いていこうと思います💖
宜しくお願いいたします🥰🌈🌟


部屋の外の物音で、私は無理やり現実の世界に引き戻された。
―― しまった。寝過ごしてしまったようだ。

離れた所から声が聞こえてくる。

「おい、こっちだ!」
「どうしたんだ?」
大声につづいて、バタバタと慌ただしく走りさる音が廊下に響く。

「どこなんだ?」
「見えるのか?」
興奮した声が重なり合う。

―― まだ夜明け前のはず。
とは言っても、地平線などどこにもない。
なぜなら、ここは宇宙船の中だ。
本物の日の出があるはずもない。

可視光線、紫外線や赤外線など、照射量などを変えていくことで昼から夜への時間経過や季節の変化を思い通りに作り出し、人体を健康に保てるように管理されている。

ああ、思えば母星を出発して、うんざりするほど長い時間を、この閉ざされた空間で過ごしてきた。耐えきれなくなって、引き返した仲間たちを何人も見送ってきた。
正直、もう我慢の限界を越えそうなのは確かだ。
気ままにどこへでも出歩きたい。
ほんものの日の光を浴びたり、ほんものの風に吹かれたり。
とにかく、大地に触れたい。

外はまだ騒がしい。
もうすこし寝ていたい気持ちを、なだめて身体を起こす。

時刻に意識を向けると目の前の空間にモニターが現われ、起き抜けの瞳に刺激を与えないように穏やかな明かりとともに時刻が表示された。
午前5時8分…。正直、もう少し寝ていたかった。

少しおぼつかない足取りで廊下に出る。
廊下の先に並ぶ窓の周辺には、既にたくさんの人だかりができていた。

「あ、あれだ!」
一番先に窓に辿り着いたひとりが叫ぶ。
その指先の向こうを、誰もがかたずをのんで見守る。
さっきまでの、騒々しさが一瞬にして静寂に包まれた。

太陽に照らされて、青い惑星が光り輝いている。
「ついに到着したんだ」
―― なんて、美しい星なんだ。

青い輝きに、船員一同が心を鷲掴みにされた。
あふれるほどに水を湛えた惑星だ。
これが、我々が担う大いなるミッションを遂行するために、新たに生み出された星なのか。

長い長い道のりだった。
けれども、これからだ。

さっきまでの眠気など吹き飛ぶほど、気持ちがたかぶっているのが自分にもわかるほどだ。

この星から、全宇宙に向けて新たな取り組みをしていこうということか。まずは、未開の地に降り立って、文明をつくり上げていく。
いや、その前にやることがある。

この星で生きていける人類をつくらなければならない。
期待に胸をふくらませていると、ふいに誰かが肩をたたく。

「ちょっと、後にしてくれないか」
振り向いたその瞬間、船体が大きく傾いた。
激しい衝撃音とともに、身体が投げ飛ばされる。
床も天井も、どちらがどちらだか分からない。
頭をしたたかに打ち付けてしまった。

一体どうしたというのだ。
これから、という時に。

立ち上がろうとして、目を開けると視界が一変した。


光り輝く地球の代わりに、本当に目にまぶしいのは
天井の丸いLED照明……
しかも、額にスマホが載っている。
そうだった。さっきシャワーを浴びたあと、ソファに寝転んで、どうやら寝落ちしたらしい。

いや、いや。違う、違う。
宇宙船は…。どこいった?
ていうか、私、男だったよね?
えっ、夢?
すごくリアルだったんだけど?

何か、すごいミッション抱えて、意気揚々としてたんだけど。

(つづく)


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