#20 中国で始めた習いごとと、広がっていった人とのつながり
娘が幼稚園に通い始め、少し時間に余裕ができた頃、
中国語を習い始めた。
私が自宅で中国語を習い始めたことは以前にも書いたけれど、周りの日本人ママさんたちも、ほとんどの人が中国語を習っていた。
中国で生活するのなら、中国語が話せた方が便利。
……というのはもちろんあるけれど、私にとっての習いごとは、それ以上の意味を持っていた。
日本人ママさんの中には、自分の趣味や特技を活かして、自宅で中国茶やミシン、編み物などを教えてくれる人もいた。
私もそういう場にお世話になっていた。
みんなで集まって何かを習いながら、
「このお店知ってる?」
「あそこに日本のお菓子売ってたよ」
「幼稚園からこんな連絡が来たんだけど……」
なんて情報交換をする。
そして気付けば、習いごとよりおしゃべりの時間の方が長くなっている。
でも、そういう時間がとても楽しかった。
中国に来たばかりの頃は、買い物ひとつするのにも緊張していた。
そんな私にとって、気軽に話せるママ友と一緒に過ごす時間は、少しずつ中国での生活に慣れていくための大事な時間だったと思う。
中国人のお爺さんに皆んなで太極拳を教えてもらっていたこともある。
外で行うので、雨が降るとお休み。
このゆるい感じが中国らしくて好きだ。
それまで私は運動らしい運動をほとんどしていなかったので、良い習慣になっていた。
そして、静かな太極拳の次はアクティブな習い事にも挑戦した。日本人駐在員のボルダリングサークルがあったので、参加させてもらうことにしたのだ。
ずっとやってみたいとは思っていたけれど、私はボルダリング初体験。
当然、全然動けない。
壁を見上げて、
「これ、どうやって登るの?」
状態だった。
それでもやってみると意外と楽しい。
翌週は家族みんなで参加させてもらった。
娘はなんと、すぐに壁の一番上まで登った。

私は途中から腕に力が入らなくなって力尽きた。
息子はというと、ボルダリングジムのスタッフのおじさんに遊んでもらっていた。

子どもはどこへ行っても強い。
こうして振り返ってみると、中国での習いごとは単なる「習いごと」ではなかった。
中国語を学ぶ。
体を動かす。
新しいことに挑戦する。
そうした活動の根底にはいつも「人とのつながり」があった。
中国での生活が少しずつ楽しくなっていったのは、こういう小さなつながりが増えていったからなのかもしれない。
