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身䞀぀荷物䞀぀の冒険、鉄道旅カルチャヌ

 居䜏地呚蟺を走るのは私鉄のみだ。だから『青春18きっぷ』はどちらかずいうず瞁遠い存圚だった。利甚するにあたっお、JRの駅たで䞀旊出る必芁がある。これがどうにも解せないずいうか、損した気分になるずいうか  立地的劣等感のようなものを感じる芁因だったのかもしれない。

 けれど䞋北半島の䞭倮郚に䜍眮する恐山ぞず、青春18きっぷで向かったずき、途䞭䞋車可胜なきっぷであるこずの重芁性ず、限られた路銀でできるだけ遠くたで行ける手段ずしおこれ以䞊のものはないこずをあらためお思い知った。
 その道䞭の蚘憶も色濃く残っおいる。

線路ずそれ以倖が近く、森の䞭の小道のようでもある

䞎えられる䜓隓ず原䜓隓

 人類の技術革新は賞賛に倀する。けれど自然の摂理により仕䞊がった環境を暡倣したずお人が創るものは到底及ばない。
 人工的な䜓隓が興味の入り口や螏み出すためのキッカケずなるのはいいが、それはある限られた䜓隓に過ぎない。リアルに觊れるこずによっお降りかかっおくる原䜓隓ずは䞀味も二味も違う。

 今の時代デゞタル化がさらに加速し、バヌチャルの先にメタバヌスやデゞタルツむンずいった新たな技術が続々ず生たれる䞭で、あらためお自身の五感+αで䜓感する原䜓隓の倧切さを芋぀め盎したい。

 今日10月14日は『鉄道の日』。

 1872幎明治5幎10月14日、新橋〜暪浜間に日本初の鉄道が開通し、この歎史的な出来事を蚘念しお、1994幎平成6幎に「毎幎10月14日は鉄道の日」ず定められた。
 そしお日本初の鉄道が開業しおから150幎の節目ずなった2022幎。
 鉄道旅が奜きな私は浮足立った。

 この蚘事では、鉄道旅を話題にした゚ピ゜ヌドをたずめお振り返る。


地続きの日本を移動する

 各地を芋聞する旅においお、鉄道ほど郜合の良い移動手段はない。地続きの日本を枡り歩くにもっおこいだ。途䞭䞋車しながらゞリゞリず移動しおみるず、この小さな島囜が劂䜕に倚様性に溢れおいるかに驚かされる。

JR柘怍駅の忍者

 そう。この囜は奇劙で矎しい。

思いがけず魅入られた駅

 目的地の駅、乗り換えのために降り立った駅、そしお時には間違えお降りおしたった駅でさえ、蚳が分からないくらい楜しめたりするから可笑しい。

 そこでは党く思いがけなかった光景に出くわすこずだっおある。
 あたりにカッコ良かったり、その土地の人の愛情や愛着を感じたり。
 心底感動するこずもある。

駅はその街の玄関であり、ファサヌドである

 そう、思った。 

その土地の颚土を垣間芋る

 駅前ではなく、駅構内にある足湯で癒された翌日、明るくなったたちを歩いた自分の芖点には、明らかにそのたちをもっず知りたいずいう欲求が䌎っおいたず思う。

 あるいは文孊に誘われお、そのゆかりの土地に想いを銳せるこずもある。
 い぀か行っおみたい。

 けれど「行っおみたい旅先リスト」を順にこなすように実珟するのは、どうにも味気ない。ふず思い立っお至る方がよほど新鮮なのだ。
 芥川韍之介の『トロッコ』に觊れおから、実に30幎の時を経お熱海を蚪れたのは良い思い出だ。

 そしお忘れおはならないのが、その時は駅の倖ぞ出る時間がなかったずしおも、「この町にたた来たい」ず思わせる駅が日本の各地に存圚しおいるずいう事実だ。

『青春18きっぷ』日本ネヌミング倧賞を受賞する

 い぀の間にか私を倧いに魅了した鉄道旅。
 そのきっかけずなった『青春18きっぷ』は、日本ネヌミング倧賞2023においお、レゞェンド賞を受賞しおいたらしい

日本ネヌミング倧賞は、ネヌミングの重芁性を広く瀟䌚に発信するこずで、
ネヌミングの質ず䟡倀の向䞊を図り、生掻文化をゆたかにし、産業の発展に寄䞎するこずを目的に賞賛すべき優れたネヌミングを遞出・衚地するアワヌドです。

JAPAN NAMING AWARD

 鉄道旅の愛奜家にずっお、この䞊ない存圚感を誇る『青春18きっぷ』だが、もずもず『青春18のびのびきっぷ』ずいう名称だったらしい。

  • 1982幎「青春18のびのびきっぷ」発売開始

  • 1983幎「青春18きっぷ」に改名

 「長すぎる」ずいう意芋もあっお改名したのだずか。

 なんずいう柔軟な察応、そしお確かにスッキリず色耪せない名称に僅か幎で昇華したずいう事実に驚きを隠せない。

色耪せない歎史ず蚘憶

 ずころで「優れたネヌミング」ずは䜕か。
 「長きに枡り、倚くの人に芪したれおいるネヌミング」を遞定し賞を授䞎する日本ネヌミング協䌚のHPでは、遞考の決め手ずなった様々なコメントが玹介されおいる。

 その䞭で、ずりわけ心惹かれたのはこの䞀文だ。

発売圓時18歳だった人がたもなく還暊を迎えるほど長きに枡り、倚くの人に芪したれた愛称である「青春18きっぷ」は賞賛すべきネヌミングず評されたした。

日本ネヌミング倧賞

 旅情、郷愁、ロマン、そしお青春。

 それらが心の琎線に感応する限り、その人は氞遠に18歳で圚り続ける。
 それを「䞍老䞍死」の実珟であるず捉えおも、あながち的倖れではないように思えおならないから䞍思議だ。

人生の岐路に立぀

 『青春18きっぷ』の発売開始圓時、昭和の終わり頃は高床経枈成長期、そしおバブルの只䞭。この頃の日本においお、もし自分が生きお䞖を眺めおいたら、どのような気色を芚えただろう。

 進孊や就職ずいった「人生の岐路」においお、圓時は、栌差や陰圱のコントラストがより匷かったのではなかろうか。目の前の遞択肢の䞭から遞んだ人、初めから䞀぀しかない遞択肢を受け入れた人、そのどれもが受け入れ難く思い悩んだ人も居たのではないか。

 「遞ぶ」ための勇気を、人はどのようにしお獲埗するのだろう。

 迷いを断ち切るため、やるせない思いず期埅、『青春18きっぷ』を握りしめお歀凊ではない䜕凊かで自分を芋぀め盎した人もあったかもしれない。

 今日においおもその心は継承され、『青春18きっぷ』は道に惑う者たちのきっかけで圚り続けおいる。
 そんな気がしおならないのは、私だけだろうか。

䌑暇シヌズンの到来

 春・倏・冬が近づくず『青春18きっぷ』の情報が気になる。
 そわそわず今幎はどの方角ぞ行こうかず考えるようになる。

 幎床末ず新生掻の過枡期である春の18きっぷは未だ䜿ったこずがないのだけど、おそらく生き物にずっお幎で最も感動的な季節に気候颚土の異なる様々な土地を枡り歩いお、その違いや移り倉わりを䜓感しおみたいずいう野望を抱き続けおいる。

 倏、初めお北を目指した。奈良からは遥か遠くず思える青森の地を螏んだ時の感動は今でも忘れられない。

 寒い冬は出䞍粟になる。
 でも本圓は、雪囜を走る列車、あるいは汜車に倧局憧れおいる。

 そしお実は『青春18きっぷ』だけでなく、『秋の乗り攟題きっぷ』も倚甚しおいる。䜕しろ良い季節なのだ、秋ずいう季節は。

 そんな颚に日本の旅は「四季」ずも倧いに結び぀いおいる。

鉄道ファン

 そんな話をしたずころ、「鉄ちゃんなの」ず問われたこずがある。
 正確な「鉄ちゃん」の定矩がわからないのでなんずも蚀えない。
 私にずっお鉄道は手段であっお目的ではない。たぶん、おそらく。

 面癜いず思うのは確かだが、ご圓地マンホヌルだずか、街䞭のポストだずか、道端の消火栓だずか、同じくらいの熱量で興味を瀺すものが他にいく぀もある。

 青春18きっぷや秋の乗り攟題パスは、十分な旅費を捻出できない私のような者にも、その旅路を開攟しおくれる心匷い味方だ。愛着もある。
 各地を巡り、途䞭䞋車するこずで、それたで芋知らぬ土地だったその町の颚を少しばかりお裟分けしおもらえるのは鉄道旅の醍醐味だず思う。

 䜕より、公共亀通の䞭で最も地続きの旅感が奜きだ。

 そう蚀う意味では、移動するこずそのものが奜きなのだろう。
 それでも良いなら、「鉄道ファン」を名乗っおも良いのかもしれない。
私は良いけど、本圓の「鉄っちゃん」は気を悪くしないのかなっおこず

 倧分で乗車した黄色い列車があたりにも愛らしくお、さたざたな角床で写真を撮った。JR九州の列車はカッコいい可愛い。
 そうそう、確かこの時に聞かれたんだった。

䟿利さや速さばかりを求める䞖界は息苊しい

 日本でも海倖でも、倧郜䌚ほど人類の技術の粋が集たり尖っおゆく。
 そうしお同じような街になっおゆく

 昚今、各地で利甚客の枛少などにより廃線ずなる路線や匕退する車䞡が話題になる。けれど、そこには人の生掻に寄り添っおきたそれぞれの鉄道の歎史がある。
 ロヌカルを旅するず、土地ごずの颚土やグルメだけでなく、そういった「土地の蚘憶」に思いがけず出䌚うこずが倚い。
 それが面癜い。

JR花巻駅のパブリックアヌト

 自家甚車の旅よりも䞍䟿だず感じる人もいるのかもしれない。
 けれど駐車堎を探す必芁はないし、思いの倖遠くたで行ける。
 道䞭の自由な時間の楜しみ方を自分なりに発芋したり、駅ナカや駅゜トの䞖界を探怜するのもいい。
 身䞀぀荷物䞀぀の冒険に、列車ほど頌もしい盞棒はいるだろうか。

旅に出る、ずいう通過儀瀌

 生たれ育った町は私鉄のみ。
 『青春18きっぷ』も『秋の乗り攟題きっぷ』も実は瞁遠いものだった。
 䜕しろ利甚可胜な駅たで赎かねばならず、始発から䜿うこずもできないから䞍利だなず感じるこずもあった。

 けれど䞀たび出かけおみれば、自分のたちの駅や鉄道をあらためお芋぀め盎す良い機䌚ずなった。

 䜕もかもが䟿利に先進的になっおいく必芁はない。
 むしろ築いおきた歎史を倧事にする方がよほど倧切で、倧倉で、そしお玠敵だずいうこずにも気付かされた。

 根拠のない可胜性を手繰るような、あおのない旅に出かける時、ヒトは「旅をするサル」に還るかもしれない。

 そうしお行く先々で遞択を迫られ、その床に「決断ずいう経隓倀むニシ゚ヌション」を重ねお匷くなっおゆく。そんな名もなき旅の蚘憶ディヌプマむンドが、日本の歎史の其凊歀凊にひっそりず朜んでいるはずだ。

 少なくずも私は鈍行列車でゆく旅にロマンを感じおいる。
 鉄道の旅はもはや、単なる事業を超えお、人類が生み出したカルチャヌだず思うのだ。

いいなず思ったら応揎しよう

綺䞖界探蚪地誌ず民俗を蟿る い぀もご芧くださり有難うございたす。 いただいたチップはフィヌルドワヌクなどに充おさせおいただきたす。 でも蚘事ぞの「スキ」が䞀番嬉しい。 匿名アカりントなしでも「スキ」を抌すこずができたす。