見出し画像

【マンガ業界Newsまとめ】永井豪さん鳥山明さんが米漫画殿堂入り「アイズナー賞」、電子書籍ビジネス調査報告書2026発刊 など|7/26-256

マンガ業界ニュースの週1まとめです。
マンガIPの業界カンファレンスIMARTの主催やマンガIP市場調査を行うMANGA総研の代表である筆者が、マンガIP関連のニュースを、ビジネス系を中心に、短時間でチェックしていただけるようにまとめています。
―――


永井豪さん、鳥山明さんが米漫画賞で殿堂入り コミック界のアカデミー賞「アイズナー賞」

タイトル訳:故鳥山明氏がアイズナー賞の殿堂入りを果たす|ANN

鳥山明さんと永井豪さんが、米国の「ウィル・アイズナー・コミック・インダストリー・アワード」の殿堂入りを果たしました。

アイズナー賞は、毎年サンディエゴ・コミコンで発表される米国コミック界を代表する賞で、「コミック界のアカデミー賞」とも呼ばれます。作品各部門のほか、コミック文化に大きく貢献した作家や関係者をたたえるHall of Fameがあります。

今回、永井豪さんは審査員選出、鳥山明さんは米国コミック業界関係者の投票によって選ばれました。

日本のマンガ家では、大友克洋さんが2012年、高橋留美子さんが2018年、手塚治虫さんと萩尾望都さんが2022年、伊藤潤二さんが2025年に殿堂入りしています。永井豪さんと鳥山明さんが同じ年に選ばれたことで、日本マンガの海外人気だけでなく、米国のコミック作家や業界に与えてきた影響も、改めて見えやすくなった気がします。確かにこのお2人は殿堂入りしてしかるべきですもんね。


電子書籍市場は前年比2.1%増の6846億円 『電子書籍ビジネス調査報告書2026』7月28日発売 新たにデジタルパブリッシング・コンテンツ市場規模を算出

インプレス総合研究所は、2025年度の国内電子書籍市場規模が、前年度比2.1%増の6846億円になったと発表しました。うちコミックは6010億円で、市場全体の87.8%を占めます。拡大は続いていますが、成長率はかなり落ち着いてきました。

今年は新たに、従来の電子書籍市場に、オーディオブック、直販デジタル雑誌、電子図書館、ファン支援、電子同人などを加えた「デジタルパブリッシング・コンテンツ市場規模」を暫定算出しています。2025年度は約9300億円。電子書店で売れる本だけでなく、デジタルで読まれ、聴かれ、直接販売されるコンテンツまで含めて市場を見ようというものです。

私は共著者として、第3章「ビジネストレンド」の「3.4 新人動向」と「3.8 総括」を担当しました。新人賞だけでは捉えきれなくなったクリエイター獲得競争や、この1年間の電子書籍・マンガ業界の動きを、当まとめ1年分をClaude Codeでデータベース化し、分析した結果なども反映しています。

『電子書籍ビジネス調査報告書2026』は7月28日発売です。同書の購入割引コードがあります。ご希望の方は私までお問い合わせください。


国内News

スターツ出版が女性向けレーベル「BeLuckCOMICS」「noicomiCOMICS」「comicBerry's」「Berry'sFantasyCOMICS」を集め、コミックサイト「コミリラ」を開始。システムはコミチ+で他の媒体との共通IDで利用できます。


SNSマーケティングやショート動画制作を手掛ける広告ベンチャーのOne Acreが、日本文芸社の『週刊漫画ゴラク』と組み、紙面広告やマンガ家とのタイアップ、キャラクターの商品活用などを展開します。

面白いと思ったのは、ネットに強い会社が、あえて紙の雑誌を使って50~70代男性へ広告を届けようとしているところです。

『週刊漫画ゴラク』は公称7.8万部ですが、読者の約9割が50代以上です。「部数が少ない中高年向け雑誌」と見ると弱く感じますが、「毎週、かなり属性のそろった高齢男性が買っている媒体」と考えると、広告価値の見え方が変わります。

ネット広告の会社が、紙の雑誌をターゲティング媒体として読み直し、さらにマンガIPまで組み合わせる。古い広告手法への回帰に見えて、実際にはかなり今っぽい取り組みだなと。


アニメイトグループの書泉が、電子コミック(ここではボンデジで紙販売が並行しない作品のよう)を、「書泉カミコミック」ということで紙出版するとのこと。作家さんも嬉しいし、本屋さんに行くきっかけにもなって、面白いですね。IMARTアワードで顕彰したい企画だなとも。


No9は8周年、印税還元総額は累計35億円、配信冊数は2.5万冊とのこと。グラフを見ると、2025年はだいぶ伸びたようです。


こちらはコミックルーム会長の宮口ジュンさん原作2作品の新刊告知なのですが、2作品累計合算で販売額4億円とのこと。インタビューもあります。


Link-Uがグループ再編、白泉社から独立した石原史朗さん率いるコンパスが、持分法適用会社に移行とのこと。


冬コミ3日開催のお知らせと、印刷所がやはり厳しいというお話。コミケは引き続き続きそうだけども、印刷所もなかなかそれだけだと厳しいですよねと言う。

個人的に今年も、冬はサークル出たいのですが、別途今しかけている商品もやることになりそうなんですよね。年末は少し忙しくなりそうです。


大手3社のRFIDの取組が進んでいるようです。


これ、マンガ制作的には面白いツールですね。色々使えそう。


直近、ジャンプの付録で課題になったところが、その後のONE PIECEマガジン、SQ、の2誌の企画にも影響があったようです。個人的にはIMART的な課題として、転売問題をどうするかという点で興味があります。どなたか詳しい方いないでしょうか。


『ジャンプ+ジャンブルラッシュ』が1年でサ終。アプリは密かに大変売れてるものもあると思いますが、ジャンプ系といえど難しさはありますよね。


民主党のエロ広告規制法案ですが、赤松氏によると時期的に観測気球的な動きと言う見方。実際に出てきたら「思いっきり反対する」とのこと。


Webtoon・ショート動画関連

「俺だけレベルアップな件 展」の件


海外News

7/23-26開催との、サンディエゴコミコン(SDCC)で発表されているニュースがいくつか出ています。
--

「MARVEL|KADOKAWA」始動 「スパイダーマン」など両社がタッグを組んで漫画化へ サンディエゴ・コミコン2026で発表

タイトル訳:マーベル・コミックスがKADOKAWAと提携し、2026年に日本で新たなマンガシリーズをスタート

MarvelとKADOKAWAは、日本の作家・編集部による新たなMarvelマンガシリーズを始動します。渋谷を舞台にしたスパイダーマンや、日本的に再解釈したデアデビル、パニッシャーなど、まず5作品を予定しているとのこと。

ポイントは、単なる日本向けコミカライズではなく、MarvelのC.B.セブルスキー氏が東京を拠点にAsia Originals Editorを務め、継続的に作品開発へ関わることです。Marvelが日本を新作の制作拠点として使い、KADOKAWAがそれを海外展開へつなぐ形です。集英社との契約終了直後でもあり、Marvelの日本マンガ戦略が切り替わるタイミングに見えます。


タイトル訳:KADOKAWAはグローバル電子書籍ストアをオープンDRM化へ

KADOKAWA傘下のM12 Mediaは、英語版BOOK☆WALKERに、オープンDRM「Readium LCP」を採用しました。DRMは電子書籍の不正コピーを防ぐ仕組みですが、従来は書店ごとの独自方式が多く、買った本をその書店のアプリでしか読めないことが一般的でした。

LCPはコピー保護を残しながら、特定企業に依存しない共通規格を使う仕組みです。BOOK☆WALKERは書誌情報や売上報告も標準化し、将来的には出版社の海外配信を支える基盤へ広げる考えです。自社ストアへの囲い込みより、海外電子出版の流通インフラを狙う動きに見えます。


これもSDCCネタですが、メルカリが6月から米国向けアプリを開始して、アニメグッズの輸出に参入とのこと。CtoC商品をメルカリが海外へつなぐ、いわば並行輸出的な越境ECですね。


台湾の作家さんもSDCCへ


タイトル訳:ウェブトゥーン、スマートフォンの画面を超えて現実へ…KAISTが世界初のXRコミ​​ックプラットフォームを開発

こういうXR系の開発は一時期日本でもいくつか出ましたが、Webtoonのほうが相性良さそうにも思いますね。


本社のある首都以外でも色々取組が始まるのは韓国らしいですね。


タイトル訳:日本漫画と韓国漫画、1ページ当たりの情報量の差が大きい?―中国ネット

日韓の漫画を中国目線で比較する記事です。
結論的には穏当な内容です。まぁそうよねと。


そんな中で、着々と進むアニメイトの韓国出店です。手堅いです。


libroさんの北米エンタメニュースまとめです。

米国出版社の労組結成が相次ぐということなんですが、無かったんですね。日本の大手出版社の労組は、なかなか独特なんですけども米国はどうなんでしょ。

マーベルコミックスは2030年までにWebtoonシフト?Rob Liefeld氏は「だろうね」と。

これは、今の動きを見るとまぁそうですよね。リーフの連載がほとんどWebtoonにシフトしてますし。


AI・画像生成関連

この作品については初見だったのですが、3年間1つのサイトでAIマンガを連載する取り組みをされていたようです。

最近は、アニメ・映像・ゲーム、そして漫画と色々なAI展開の話がありますが、制作経験のない人が作品っぽいものをポン出ししてしまうということと、そもそも作品を作れる人がAIを活用することは大分違うなと。

最近発表されたシーモアの上半期ランキングで青年漫画誌1位となった『妻よ、僕の恋人になってくれませんか?』AIマンガですが、それ以前に漫画を作れる人が作っている形跡があるのですよね。


略)この本では主に「AIの使い方」よりも「AIバレを防ぐ方法」「AIくさい文章を直す方法」を扱っていく。

 本書はまず、ポン出しによってうまれた最低ライン以下の文章を、最低限の工数で読者に「これはAIだけで書いた文章ではなさそうだな」と思ってもらえるものに作り変え、一応の及第点レベルにすることをめざす。

 志の低い本である。

 しかし、これこそが、いま世の中でもっとも求められている文章術のひとつだ。(略

飯田一史さんメルマガに載ってた序文より

これは時宜を得ておりますねー。面白そうです。


今週のセール・キャンペーン・新人賞、取組等

--セール・キャンペーン

ちょとユニークですね。

--各種取組

--新人賞・漫画賞


記事のみ紹介

とても楽しい記事でした。

話題になりそうね。海外ではタコピーみたいになるんでしょうか。

「IP時代」に必要なマンガ編集者


告知関連

IMART2026は2026年11月20日に開催します。

東京唯一の屏風専門店「片岡屏風店」と範馬勇次郎のコラボ金屏風を作りました。

筆者単著「漫画ビジネス」クロスメディアパブリッシングより発売中です!

―――
毎週原則日曜(週初めの平日の前日)に更新しています。
マガジンx(ex:Twitter)のフォローお願いします。
ご所属組織のSlackへのRSS登録推奨です。

筆者やMANGA総研へお問い合わせ、講演/顧問/アドバイザーなどお仕事や執筆のオファーなどは以下

Author’s English profile on LinkedIn:
https://www.linkedin.com/in/takeshi-kikuchi-a0177954/

いいなと思ったら応援しよう!

菊池健 Twitterもやってます!フォロー、よろしくお願いします! https://twitter.com/t_kikuchi

この記事が参加している募集