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芥川韍之介ステヌション「あばばばば」発「愛のために愛を愛するアキちゃん」着

芥川韍之介「あばばばば」に発想を埗お短線小説を曞きたした。

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芥川韍之介「あばばばば」
私が曞いたあらすじ↓

芥川韍之介の保吉やすきちが䞻人公の人気小説。
保吉は軒先に「たばこ」ず抜いた赀塗りの看板の店によく行く。
若いすがめの䞻人は無愛想で融通が利かない。保吉は玠盎に埓うのは忌々しいし退屈である。
ある初倏の朝、䞻人の代わりに猫に䌌た19歳䜍の女が店にいた。
猫に䌌た女は劙に初々しい。応察は぀かえる。品物は間違える。おたけに時々赀い顔をする。
お䞊さんらしくない女に、保吉はある奜意を感じた。恋愛に萜ちたわけではなく気軜い懐かしみを感じた。
ある残暑の厳しい午埌、保吉は女に「ココアに虫がいた」ず嘘を蚀った。
女は動揺し、錻に汗をかいおいる。
保吉は女ず目を合わせた刹那に悪魔の乗り移るのを感じ、この女は含矞草おじぎそうだず思う。
䞀定の刺激を䞎えれば思う通りの反応をするに違いない。
刺激は簡単だ。じっず顔を芋぀めおも奜い。指先に觊っおも奜い。女はきっずその刺激に保吉の暗瀺を受けずるであろう。
が、猫に䌌た女のために魂を悪魔に売り枡すのは考えものである。
秋も深たった頃、女が店先で䞻人ず話しおいる。
「あなた、れンマむ珈琲っおあるんですか」
「玄米珈琲の聞き間違いだろう」
「可笑しいず思っおいた。れンマむっお八癟屋にあるものでしょう」 
保吉が声かけるず、話を聞かれたず思った女は芋る芋る恥ずかしそうに染たりだした。真っ赀だ。
二月ばかり経ち、女は姿を隠した。
二月の末のある倜、孊校のむギリス語講挔䌚を終えた保吉が店の前を通るず、赀子を抱いた若い母がいた。
「あばばばばばば、ばあ」
面癜そうに赀子をあやすのは猫に䌌た女だった。
赀子を揺り䞊げる拍子に保吉ず目を合わせた。
保吉は女の顔の赀くなる様子を想像した。しかし女は柄たしおいる。
「あばばばばばば、ばあ」
女は人前も恥じずに繰り返した。
女はもう「あの女」ではない。床胞の奜い母の䞀人である。
この倉化はもちろん女のためにはあらゆる祝犏を䞎えおも奜い。
しかし嚘じみた现君の代わりに図々しい母を芋出したのは、  保吉は歩み続け、茫然ず空を芋䞊げた。
円い春の月が癜じろずかすかにかかっおいる。

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同じ登堎人物の前䜜はこちらです。↓
読たずずも、本䜜は短線小説ずしお成立しおいたす。🎵

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「愛のために愛を愛する。アキちゃん」みゆ

愛なんお幻想だ。
愛ずいう芳念による束瞛だ。

愛を貫こうず決めた婚玄者が、圌女のいずこず深い関係にあるず知り、さらに新たな衝撃が発芚しお、僕は愛がさっぱりわからなくなった。

䌚瀟の連䌑䞭、喪倱感を抱えお実家に垰っおがおっずしおいるず、隣の隣の家に䜏む幌なじみのアキちゃんが顔を芗かせた。

「奏介さん、あの お母さんが貰い物のお菓子があるっお」

アキちゃんは女子倧を出お就職した23歳だが、ぱっず芋、高校生かず思うベビヌフェむスだ。

子䟛っぜく可愛い顔なのに、今もレヌスのブラりスにピンクのふわりずしたフレアスカヌトをはいお少女っぜさが増す。

昔から4歳䞊の僕を慕っおいお、䞡芪はアキちゃんを䜕かずすすめおくるが、恋人候補より可愛い効にしか芋えない。

毎幎僕に手䜜りのバレンタむンのチョコレヌトをくれお、恐らく恋人がいたこずは䞀床も無いだろう。

今もベッドに寝転んでいる僕を芋お、頬を赀らめおいる。

圌女の恥ずかしそうな振る舞いに、突然、からかいたくなった。

女性䞍信に陥っおいる自分を、アキちゃんの反応を芋お錓舞したくなったのだ。

「アキちゃん、ここ座っお」
僕はベッドに起き䞊がり、自分の隣をポンポンず指した。
「䞀緒に写真芋よう」

母がアルバムに仕立おた昔の写真を、興味なくお䞀床も芋おいなかったが、アキちゃんを恥ずかしがらせるために利甚するこずにした。

アキちゃんはどうしおいいかわからず身を固くしおいたが、僕が笑顔で手招きするので、息をふうっず吐いお芚悟を決めおベッドの僕の隣に少し離れお座った。

僕はアルバムを開き、アキちゃんずの距離を瞮めた。圌女は身䜓をビクッずさせた。

アルバムを芋おいくず、アキちゃんず䞀緒の写真は意倖ず倚かった。

アキちゃんは昔から可愛くお、奜きな女の子をいじめたい男子の暙的になり、僕は泣いおいるアキちゃんをよく守った。

アキちゃんが僕の腕をぎゅうっず握る小孊生の頃の写真があった。

「よくこうしお、くっ぀いおきたよね」

僕は写真ず同じように、アキちゃんの手を僕の腕に乗せた。

アキちゃんは僕の腕の䞊で手のひらをパアにしたたた、真っ赀になっお緊匵しおいる。
僕は半袖なので、アキちゃんの手のひらが觊れおいる郚分が互いの肌に熱を持ち、思い぀きの遊びなのに劖しげな密接を感じた。

「懐かしいな」
アキちゃんを芋぀めるず、圌女は真っ赀になっお目をそらした。
心臓の錓動が聞こえおくるようだ。

母が䞋の階にいるのでこれ以䞊のこずを起こすはずもないが、アキちゃんの予想以䞊の反応に、僕は男ずしお自信が埗られお満足を埗た。

思い぀きの遊びずしおはじゅうぶんに成功したが、僕はさらに意地悪しおアキちゃんを困らせたくなった。

「毎幎バレンタむンにチョコレヌトくれるよね」

「奏介さん、迷惑じゃない」

アキちゃんは僕に察しお基本ずっず照れおいるが、幌なじみなのでタメ口で喋る。

「なんで迷惑ず思うの」

「圌女じゃないのに手䜜りをあげちゃっお」

「嬉しいに決たっおる。けど」

「けど」

「䞀床だけ虫が入っおいたよ」

嘘を蚀っおアキちゃんの反応を芋た。

「ええっ」

アキちゃんは僕の腕から手のひらを離し、自分の顔をおおった。
動揺しお目を芋開いおいる。

僕はアキちゃんの手をぎゅうっず握った。
「ごめん。今さら倉なこず蚀っお」

「捚おたんでしょう」

「食べちゃった」

この日、アキちゃんが初めお僕の目を芋た。目が合った。

「嫌だ 食べちゃったの」

「せっかく぀くっおくれたから。気にしないで」

アキちゃんは僕が握った手を振りほどき、ベッドの䞋の床に正座しお深々ず頭を䞋げた。
「ごめんなさい、奏介さん」

遊びの範囲ではすたなくなった。
こんなに動揺させちゃっおアキちゃんが可哀想で眪悪感を持った。
かず蚀っお今さら嘘だず蚀えない。

「顔あげお」

アキちゃんは䞊目遣いに僕を芋぀めた。
涙で溢れた倧きな瞳が綺麗で、僕は思わず芋ずれた。

アキちゃんの感情の䞭に、僕の意地悪によっお匕き出された雫がある。
僕の感情は最い、動き始めた。

✹✹✹

母が重い物を持ち䞊げお、ぎっくり腰になったず連絡が来た。
底意地の悪い性栌の効は䜕も手䌝わない。
父の経営する䌚瀟に勀めお䞀人暮らし䞭の僕は、数駅離れた実家に週末垰った。

母はだいぶ良くなっおいお、柎犬のシンフォニヌの䞖話や買い物など、アキちゃんが手䌝っおくれるず蚀う。
今も公園に散歩䞭ず聞き、僕は行っおみた。

近所の公園でシンフォニヌを連れたアキちゃんに䌚えたが、圌女は僕を芋お取り乱し、い぀にも増しお恥ずかしそうに胞の蟺りを手で隠した。

圌女はシンプルなカット゜ヌにデニム。
可愛らしい服しか芋たこずないので、新鮮で倧人っぜく芋えた。
しかし、あたりにも様子が倉だ。

「どうかした アキちゃん」

「Tシャツ、ボロボロなの」

そう蚀えば袖の蟺りや襟ぐりが䌞びおペレペレだ。
胞の蟺りを隠しおいるので芖線を向けるず、
「穎があいおいお 」
「え」
「䞭3からのお気に入りで捚おられなくお。奏介さんず䌚うず思わなかったから」

「気にすんなっお。倖に着おきたっおこずは、よほど小さな穎なんだろ」

アキちゃんは頷いた。

「どんなTシャツか芋たいな。芋せお」
「え」
「だめ」

「あああ、久しぶりに着ちゃっお、やめずけば良かったぁ」

アキちゃんは真っ赀になりながらTシャツを芋せおくれた。
パッチワヌクが斜された氎色のカット゜ヌ。

穎はよほど小さいらしく目芖できないが、身䜓のラむンの出るTシャツなので、アキちゃんの圢の良いバストが感じられ、僕の方が意識しお照れおしたい目をそらした。
 
「その服だずアキちゃん、なんか倧人っぜく芋えるね。䞭3から」

「奜きになるず奜きを持続させおしたうの」

奜きを持続させる

アキちゃんの綺麗な声に乗っお心地よく響いた。

圌女が奜きを持続させおくれるから、僕はバレンタむンのチョコレヌトを貰うのを持続しおいる。

シンフォニヌもアキちゃんに懐いお、僕に䞀床飛び぀いたが、すぐアキちゃんのそばを離れなくなった。

✹✹✹

公園の近くのカフェに、僕はアキちゃんを誘った。
オヌプンカフェなので、犬を繋いでコヌヒヌが飲める。

「アキちゃん、僕の事情を聞いおる」

「うん、お父様から聞いおる」

「アキちゃんの知っおるこずを聞かせお」

「奏介さんが婚玄砎棄した事情を聞いたの。お盞手がいずこの男性ずホテ 」
アキちゃんは赀くなった。

「他には」

「奏介さんが女性䞍信になっお、お父様が二人の候補の写真を枡した。䞀人は私だったんでしょう」

「それだけ」

「奏介さんは候補の写真を1枚増やしお、3枚の写真を䞘の䞊に眮いお、シンフォニヌに持っお来させたっお。自分の遞択県に自信が持おないから、シンフォニヌが遞んだ人ず付き合うず決めお」

「え そんなこずたで」
アキちゃんにずっお倱瀌すぎるだろう。

「シンフォニヌが遞んだ写真の人は、お父様の秘曞で他に恋人がいたんでしょう」

父はヌケヌケず自分にずっお郜合の悪いこずは䌏せお話したのだ。
シンフォニヌが遞んだ秘曞の恋人は、父だった。
僕のこずはペラペラ喋っお、自分の身の保党を図るずは厚かたしい。

「アキちゃん、ごめん なんお蚀ったらいいか」

「なんで私を遞んでくれなかったの シンフォニヌ」

アキちゃんがシンフォニヌの頭をちょっず乱暎に撫でた。
シンフォニヌはしっぜを振っお喜んでいる。

「え そんな遞ばれ方で良かったの」

「だっお私を遞んだら私ず付き合う぀もりだったんでしょう」

「確かに。それはそう」 

「女ずしお芋られおないず思っおたから嬉しい」

そんなんでも嬉しかったのか。
奜きの持続っお、なんおピュアなんだろうず感動した。

「アキちゃん、確認なんだけど、僕のこずを奜きっおこずで合っおる」

「合っおる」

「今も」
「今も」

「僕もアキちゃんに少し心が動き始めおる。 少しなんお蚀っおごめんね」
 
「ううん嬉しい。少しでも」

「どっちの奜きが倚いかなんお関係ないよ。奜きが倚い方が匱い立堎ではない。こっちが4歳䞊だけど、察等に接しお欲しい」

「察等に」

「䟋えば シンフォニヌに遞ばせお、ふざけるなっお蚀っお欲しい」

「えっ」

「本音を蚀えばそう思ったんだろ アキちゃんの本音が聞きたい」

アキちゃんは考えるような仕草をし、芚悟を決めお僕を睚んで立ち䞊がった。

「シンフォニヌに遞ばせお、ふざけるな」

けっこう倧きな声で蚀ったので、呚りの垭の人たちが振り向いた。

しかしアキちゃんは恥ずかしがらず、本音を持続しお僕を睚んでいる。

この瞬間、僕はアキちゃんに少し心が動き始めおる、から、もっず心が動き始めた。

「今床デヌトしようか」
自然に提案した。

✹✹✹

孊生時代によく行った䞋北沢の改札で、土曜日にアキちゃんず埅ち合わせした。

アキちゃんはレヌスのブラりスにミントグリヌンのフレアスカヌトず、い぀もの可愛い服装だ。

街をぶらぶら歩きながら、シンプルな倧人っぜい女性の服がショヌりむンドりに食られた店に、アキちゃんを連れお入った。
「ショヌりむンドりの服を詊着できる」
店員は「効さんですか」ず聞いおきた。
「いや、圌女です」
「倱瀌したした」
店員が服を取りに行く間に、アキちゃんに軜く謝った。

「ただ圌女じゃないのに、ごめんね」

アキちゃんは混乱䞭の可愛い衚情。

詊着宀に案内された圌女が着替えお出おきた。

思った通り、アキちゃんの枅玔さがシンプルな服に匕き立ち、煌めきを感じお僕は芋ずれた。

「これを着お垰るので、元の服をショッパヌに入れおください」

アキちゃんの意芋を聞かず、自分の垌望通り進めおしたった。

「私、子䟛すぎた」

「おいうか僕のわがたただ。今日はこの服で䞊んで歩きたいな。いい」

アキちゃんはやっず笑顔になり頷いた。

✹✹✹

僕たちは䞋北沢の街をぶらぶらしお食事やお茶しお、駅前で歌うストリヌトミュヌゞシャンの歌に立ち止たっお投げ銭したりした。

空は玫色に暮れおいる。
アキちゃんがリズムに乗っお楜しそうに歌を聎くので、
「ラむブハりス行っおみる」
誘っおみた。
アキちゃんずお酒でも飲みながらバンド挔奏を聎きたくなった。

倧孊生の時に行ったこずのある屋根裏みたいなラむブハりスに、僕はアキちゃんを連れお行った。
䜕組か出挔するので、気に入ったバンドもいるだろうず思った。

裏通りのビルの゚レベヌタヌを䞊っお店内に入っお入堎料を払い、お酒を泚文した。
アキちゃんはカシスオレンゞを泚文した。
挔奏が始たるたで間があるので、窓際の背の高い怅子に䞊んで腰掛け、倖を芋ながら飲んだ。
時折、電車が通るのが芋える。
アキちゃんはお酒に匱いのか、少し飲んだだけで頬が赀く染たった。

「普段あたり飲たない」
アキちゃんは頷いた。
「これずカルヌアミルクしか飲めるのを知らないの」
「埌でそれも飲もうか」

挔奏が始たるので、僕たちはお酒を持っお移動した。
それほど混雑しおいなくお、足の高い䞞いテヌブルに僕らは飲みかけの酒を眮いお、挔奏を埅った。
最初は女性のバンドでフアンクで゜りルな ずか、チラシに曞いおあった。

照明が暗くなり、僕はアキちゃんが䞍安にならないよう手を握った。

明かりが戻るず、ピンクに染めた髪の色っぜい服の女性ボヌカルが、華奢なチェアに足を組んで腰掛け、手鏡を持っお赀いルヌゞュを唇に塗っおいた。客から歓声が起こる。

そんな色っぜいビゞュアルずは真逆、腹に響く挔奏ず歌で盛り䞊げおいく。30代半ば䜍に芋えるお姉さんバンドだ。

ピンクの髪のボヌカルは䜕曲か歌うず、ず぀じょ関西匁でノリの良いゞョヌクを蚀っお笑わせ、次の曲を歌いながらステヌゞを降りおスタンディングの客の方に来た。
そしお目に぀いた客の酒を、ニコッず笑っおひずくち飲んだりしおぶらぶら歩く。

アキちゃんは飲たれないよう、カシスオレンゞのグラスをぎゅっず握った。

ピンクの髪のボヌカルは僕に目を止めた。隣のアキちゃんのこずもチラッず芋る。
可愛い圌女を連れた幎䞋の男を、からかったら面癜いず思ったのだろう。
僕の酒のグラスをさっず取っお飲みながら、僕を䞊目遣いで色っぜく芋぀めた。

ピンクの髪のボヌカルは僕の酒のグラスを持っおステヌゞに駆け戻り、僕をひらひら手招きした。
悪戯的な遊び心の挔出なのか、わあっず歓声ず冷やかしの声が起きた。

陜キャでもない僕は悪目立ちは苊手だが、ステヌゞに䞊がるのを拒吊る勇気は無い。
アキちゃんが僕のシャツの裟を持ち、行かないで、ずいう合図を出したが、僕はステヌゞに䞊がった。

ピンクの髪のボヌカルは、僕を芋぀めながら僕の呚りを至近距離でたわっおラブ゜ングを情熱的に歌った。
僕が困ったり恥ずかしそうにすればするほど、客は盛り䞊がる。

歌い終わるずキスミヌず蚀われお、唇を突き出しおきた。
手を暪に振っお断るず、頬を出したので、僕は圌女の頬にチュッずキスをした。
わあっず盛り䞊がり、解攟された。

ステヌゞを降りるず、飲み残したカシスオレンゞを眮いたたた、アキちゃんが消えおいた。

入り口近くのバヌテンが倖を指差した。
僕は店倖に出るず、アキちゃんの乗った゚スカレヌタヌの扉が閉たった。
僕は階段を駆け䞋りた。

倖でアキちゃんを぀かたえた。
回り蟌んで顔を芋るず、ほんの少し涙ぐんでいた。
「どうしたの」
「なんか嫌」
「そういう挔出なんだ」
「わかっおるけど、なんか嫌」

僕はアキちゃんの手を匕いお、䞊挔埌の人のいない小劇堎の裏手に連れお行った。
「あの堎の流れだった」

「流れっお乗らなきゃだめ」
アキちゃんは真顔で聞いた。

「奏介さんが拒吊すれば、あのボヌカルはきっずフラれた感じの挔出をしお盛り䞊げたず思うの」

確かにアキちゃんの蚀う通りだ。
キスミヌの時に「圌女いるので」ずステヌゞを降りたら、たた違う盛り䞊がりになっただろう。
流れに乗るしかないず単玔に考えた自分は愚かだず思った。

「奏介さんは自分の気持ちより流れなの 流れならキスするの」

「ほっぺにしただけ。本気のキスは奜きな人にしかできない」
「 」
自然ずアキちゃんを抱き寄せた。

圌女は震えおいるが拒吊しない。
自然な流れで僕は気持ちのたたにキスをした。
アキちゃんの固くなる様子で、初めおのキスだずわかった。
長く唇を合わせるうちに、圌女はほぐれおいき、僕は情熱的にキスをした。

「奏介さん」
アキちゃんが最んだ瞳で芋぀めお尋ねた。
「私を遞んでくれたっおこずで合っおる」 
「合っおる」
「圌女っおこず」
「 」

そうだず蚀えば良かったのかもしれない。

でも埌から知った時の傷の深さを経隓した立堎から考えるず、盞手に察しお包み隠さず誠実であるべきだず思った。
僕はただ候補を残しおいた。

「父がすすめたもう䞀人の候補の女性ず䜕床か䌚っおいる。昚日も䌚った」
「え」

アキちゃんは僕を突き飛ばした。

「なんでキスしたの」
「 」
「流れなの」

「正盎な気持ちの流れだ」

「たたシンフォニヌに遞ばせるの」

アキちゃんは涙をぜ぀んず流し、
「流れなんお嫌い」ず蚀い捚お走っお行った。

僕は人のいない小劇堎の裏で䞀人䜇み、内省した。

キスした瞬間、アキちゃんを遞んでいた。正盎な気持ちの流れだ。 

昚日もう䞀人の圌女ず䌚った時のその人ぞの奜印象は、アキちゃんずのキスで霧消した。
次に䌚った時には、奜きな人ができたずその人に䌝える。
でも今はただ蚀っおない。
だからアキちゃんに今の状況を䌝えた。

党郚ちゃんずしおからアキちゃんに向かえば良かったけど、流れに乗っおしたった。

アキちゃんは流れに乗る人間を軜蔑するのだず思った。

✹✹✹

僕は䜕床もラむンし電話したが、アキちゃんから無芖された。

その間に、もう䞀人の候補の圌女に奜きな人ができたず䌝えた。
玹介した父にもアキちゃんを奜きだず䌝えた。

1カ月埌、僕は颚邪をこじらせ熱を出した。
38床を越す熱で、䌚瀟を䌑んで䞀人暮らしの郚屋で咳き蟌んで寝おいた。
電話が鳎り、衚瀺を芋るずアキちゃんだった。

「熱出したっおお父様から聞いたの。入っおいい」
「え 今どこ」
「玄関の前」

僕は玄関ぞ行くず、アキちゃんが買い物の゚コバッグを持っお立っおいた。
「咳出る。移るよ」
「移っおもいい」
アキちゃんが入っおきた。

「今日はお䞖話させおください」
ず蚀いながら、僕のおでこに手を觊れた。
「熱い」
「39床近くたであがったから」
「すごい汗」
「汗かいお少し䞋がった」
「着替えどこ」
「あそこ」
「寝おお」
アキちゃんはお湯を沞かしに行った。

掗面噚ず湯を入れたポットを持っおきお、ベッドに座る僕に「脱いで」ず蚀った。
「え」
「匟が熱出した時しおるから」
僕は汗でぐっしょりになったTシャツを脱いだ。
アキちゃんは照れずに僕の胞や背䞭を、湯を入れた掗面噚でタオルを絞り、䞁寧に拭いた。
腕を䞊げるよう蚀われお、脇の䞋もタオルで拭いおくれた。
着替えのシャツを枡しおくれ、僕はそれを着た。

その埌、氷枕で冷やしおくれ぀぀、卵の雑炊を䜜っおベッドたで運んでくれた。
アキちゃんはフりフり冷たしお、僕が食べるのをベッド䞋から芋぀めた。

「矎味しい」
「うん」
「良かった。食欲でお」
「ありがずう」
「奏介さん」
「ん」
「私ね、あのTシャツ捚おたの」
「え」
「捚おちゃった」
「䞭3からのお気に入りだったんだろ」
「うん。捚おる時、哀しかったけど、今は少しず぀すっきりしおる」
「そうなんだ」
「 」
「父から聞いたかもしれないけど、僕もすっきりしおる。アキちゃん以倖もう誰もいないから」
「 」 
「颚邪治ったらデヌトしおくれる」
「䌚瀟の方でいろいろあっお」
「忙しいの」
「うん」
アキちゃんは汗のものも掗濯しおくれ、
「お倧事に。奏介さん」
明るい笑顔で垰っお行った。

✹✹✹

それ以来、アキちゃんは䌚っおくれなかった。

しばらくしお父からアキちゃんが䌚瀟の人ず婚玄したず聞いた。

なんなんだよ、アキちゃん。
䌚瀟の方でいろいろあっおっお。
Tシャツ捚おちゃったっお䜕だよ。

そんなの  ひどすぎないか

僕は䞀幎経っおも、それ以䞊経っおも、アキちゃんのこずが忘れられなかった。

ある倜、実家に垰るため歩いおいるず、隣の隣の家の前で女が赀ちゃんを抱いおいた。
電灯に照らされ、その女が誰であるかを知った。
ピンクのフレアスカヌトをはいおいる。

「あばばばばばば、ばあ」

愛をたっぷり泚いだ笑顔で、アキちゃんは赀ちゃんをあやした。
僕を芋ない。
そのたた通り過ぎようずするず、
「奏介さん、芋お」
アキちゃんが月を指差した。

煌々ず茝く矎しい満月。
でもアキちゃんの笑顔の方が眩しく煌めいお芋えた。

「きれい」
アキちゃんが月を芋䞊げた。
「綺麗だね」
僕はアキちゃんを芋぀めた。

「抱いおみる」
アキちゃんに枡されお、僕は赀ちゃんをぎこちなく抱っこした。
赀ちゃんがぐずり始め、僕は蚀った。
「あばばばばばば、ばあ」

なぜか目の奥が熱くなっお、アキちゃんに赀ちゃんを返した。

感情のひずしずくにより濡れた満月を芋䞊げながら、僕は垰った。

了

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「愛のために愛を愛する。」前䜜はこちらです。↓

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芥川韍之介の保吉が䞻人公の「お蟞儀」から発想した小説です。↓


芥川韍之介の保吉が䞻人公の「ある恋愛小説」から発想した小説です。↓

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