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五月祭のアドリブ

五月祭や駒場祭のお笑いライブが大好きだ。
長男がこの国立大学に、合格数上位の中高一貫校から現役合格しているが、私はその前から面白いと噂を聞いていて、お笑いを見に通っている。
先日の土曜日、五月祭の「笑論法」お笑いライブに行くと、14時の回の始まる前に司会の学生が、
「どの企画もやらずに待機するようにと本部から連絡がきました。詳しいことはわかりません」と観客に伝えた。

ざわざわする観客に司会の学生は、
「企画はしないで喋りたい奴が出て喋ります」と言った。
そこから様々なグループがステージに出て来て、ネタより面白いんじゃ?というようなアドリブ力を見せてハイテンションのノリノリで喋って、私も含めた観客は中止になるまでの50分間位ストップすることなく、めちゃくちゃ笑った。
あんなに笑ったのは久しぶりだ。

立ち話がネタっぽくなっちゃったら、ネタとして成立しないよう、最後はゆるーく何か言ったりニヤッと笑ったりして退場していく。
笑いは最強だ。


私は5月連休中の文学フリマに、執筆した本を売る側として初めて参加した。

私はそもそも人見知りの話し下手で、中学の頃はおとなしくて無口だった。
しっかり者の女友達ができ、クラスの中心的な明るくて面白い男の子が私を「みゆ」と読んでよく喋ってくれたので、いじめられることなく楽しく過ごした。
喋り下手なだけで暗かったりネガティブではなかった。

そんな性質が本質的には変わらない私は、初めての文学フリマで緊張してあまり喋れずポンコツだった。
「後で来ます」と言って男友達と通り過ぎた男性がわざわざ買いに戻ってきてくれても、そのお礼も言えなかったのだ。


文学フリマむいてないんじゃ?と落ち込んでいたが、五月祭のアドリブでめちゃくちゃ笑った。

彼らが突然の事態に機転を利かせてアドリブで爆笑させることができるのに、文学フリマで笑顔で本を売るくらいできないのは情けないじゃんって、ポジティブな気持ちになった。

5月の文学フリマでは隣のお店で、たくさん人が死ぬ小説を売っている方がいて、「人が死ぬ小説が好きなんです」とお買い上げして私の前を通った四人のお客さんに、
「こちらの本も人が死にまーす」
と思い切って笑顔で声かけてみたら、二人のノリの良い男性がウケて笑って、私の書いた短編小説集、芥川龍之介ステーション「シリアス編」を買ってくださった。
笑いは最強だ。

ドジな長男は就活の面接で「ネクタイが曲がってるよ」と注意されてピンチになったが、
「最後に言いたいことはありますか?」と聞かれた時に、
「先ほどネクタイのことを注意されて緊張してしまいました」
と笑顔で言ったら笑いが起こって、その会社の内定を貰った。
笑いは最強だ。

土曜日の五月祭は中止になってライブは見られなかったが、アドリブでめちゃくちゃ笑って満足を得た。
笑いは最強だ。

翌日の日曜日、また五月祭へ行った。
東大文芸部のお店を見つけて、二種類の文芸誌を買った。



女子学生さんが、恐らく彼女の小説も掲載されているのだろう、とても嬉しそうな笑顔で「ありがとうございます」と本を渡してくれた。
私は次の文学フリマに向けて、気持ちの良い接客を学ばせてもらった。笑顔は最強だ。

昨日見られなかった「笑論法」お笑いライブへ行く。
14時の回は満員で入れず。
ラストの回に入ることができた。

昨日のアドリブのテンションとエネルギーも凄かったが、18組の完成度の高いネタは全てめちゃくちゃ面白くて笑いっぱなしだった。

とんでもない方向から来る発想力、意外性の連続、表現力、緻密な構成からオチまで素晴らしかった。
そして、この日もアドリブを見ることになる。

あるコンビがネタの終わりでボケの彼が困った表情になり、「ここまでしか練習してなくない?」と言った。
客席は爆笑だ。
するとツッコミの彼がボケの彼と強制的に入れ替わってボケの位置に立ち、一人でボケてツッコミをして終了した。
私も爆笑したし、会場の笑いのボルテージがあがった。
アドリブをまた見せつけられたかな?と思ったが、一方で、もしかして(ネタ忘れからの一人ボケツッコミ)が計算されたネタなのでは?という疑惑も少し持った。

すると10組が終わった幕間のステージで、さっきのツッコミ役の彼が「自分がツッコミの言葉一個忘れてました」と告白した。
ボケ役の彼が出て来て、「アドリブでウケたからいいって言うけど、良いわけないからね。俺のせいみたいになってたから」と弁明した。
つまりセリフ忘れてミスった彼のアドリブ(一人ボケツッコミ)で爆笑に持って行ったということだ。
何でもいい。
最高に面白かった。
笑いは最強だ。

ライブ終わりに出口でカンパ箱を持って出演者の学生さんたちが立っていた。
これだけ笑わせてもらって足りないだろうが、私は千円札を箱に入れた。
学生さんたちが嬉しそうな笑顔で「ありがとうございます!」と言ってくれた。
笑顔は最強だ。

(「五月祭のアドリブ」終わり)

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私の初めて製本した短編小説集。
芥川龍之介ステーション短編集「シリアス編」(ライトブルー)「コメディ編」(ライトグリーン)
芥川龍之介の小説から発想した小説です。
2025年7月からnoteで書いている短編小説を、文学フリマに合わせて製本しました。
2026年5月4日初版。

2冊セットで850円です。

こちらを通販で販売します。

スマートレターの送料210円
合計1060円を銀行振込していただけたら発送させていただきます。
好評の動物のしおり、または花のしおりも2枚おつけします。

「シリアス編」は「蜜柑」「鼻」「蜘蛛の糸」「藪の中」「秋」などの芥川龍之介の人気作品から発想した短編小説を七編。
「地獄変」えこひいきな語り手の視点からの考察。

「コメディ編」は芥川龍之介から発想した小説を、筆者(みゆ)が得意とする楽しくて面白い小説にしました。
コメディの短編小説5編と、夏目漱石「三四郎」ヒロイン美禰子の視点からの考察。
三四郎でヒロイン視点の考察は検索したところ、他に書いている人はいないと思います。

原作の小説は全てあらすじを書いているので、原作未読の方にも楽しめるようになっています。

通販はセット販売と致します。
送料込み1060円



芥川龍之介ステーションは今のところ文学フリマで17冊、通販で4冊、合計21冊、お買い上げいただけました。
ご購入希望の方は、私のnoteの記事にコメントをくださいね。💐


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通販で芥川龍之介ステーションを購入してくださったちえべさんが、こんな紹介記事を書いてくださいました。
嬉しすぎて感動しています。💕↓


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現在、連載中の「サルに恋する5秒前」20代男女5人の恋と友情の小説。
十二話が最終回の予定です。
初めての連載で無事に着地できるかドキドキしつつ、楽しみながら書いています。

あらすじが書いてあるので、途中から参加して読めます。
ぜひぜひ読んでくださいね。

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