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【小説紹介】鹿角フェフ『僕の妹はバケモノです』

カクヨムのホラーはここから始まった!

 本作はカクヨムWEB小説コンテスト〈ホラー部門〉の第一回の大賞受賞作です。
 カクヨムの書籍化作品一覧を検索すると、『ホラー』ジャンルで一番に出てくるのがこの作品。
 つまり、カクヨムのホラー作品として『最初に出版された一作』となります。

 カクヨム発ホラーの歴史の最初の一作目を飾った作品。そういう事実があるのなら、是非とも読んでみないと気が済まない。そんな想いでこの作品を手に取りました。
 当ページではそんな『第一作』の内容を紹介していきます。

あらすじ

 高校生の梔子暁人。彼はある朝に妹の夢衣によって起こされる。ごく普通の平穏な朝のように見えたが、妹は既に交通事故で死んでいたはずで。
 不思議に思いながら学校に行くも、幼馴染である夢岡叶は夢衣に会っても一切驚く様子を見せない。
 事故があったという事実そのものが世界から消えてしまっているようで。

 そして、暁人が聞いたこともない『殺人鬼』による事件が世間では話題になっている。『芸術作品(アートワーク)』と呼ばれる存在による猟奇的な事件。
 昨日までの『自分の知る世界』にはなかった殺人鬼の事件。それは妹の出現と関係があるのか……

登場人物

梔子暁人(くちなし・あきと)
 本編の主人公。一年前に妹の夢衣を交通事故で亡くしていた。しかしある朝『死んだはずの妹』に起こされて一緒に高校へ行くことに……。

梔子夢衣(くちなし・ゆい)
 暁人の妹。交通事故で死亡していたはずだが、なぜかある朝からごく普通に生きている状態に戻っていた。

夢岡叶(ゆめおか・かなえ)
 暁人や夢衣の幼馴染。なぜか夢衣が事故で死んだ記憶を持っておらず、生きている夢衣と再会してもまったく驚く様子を見せない。

繰崎橙百合(くりさき・とうゆり)
 暁人のクラスの委員長。連続殺人鬼『芸術作品(アートワーク)』の事件についてなぜか詳しい知識を持っている。

『芸術作品(アートワーク)』
 暁人たちの住む地域に出没するという殺人鬼。一年ほど前から活動を始めたらしく、死体を激しく損壊するのが特徴とされる。
 その殺人鬼に狙われたら絶対に生きては帰れないと言うが……

田淵
 暁人たちの通う高校の教師。

高市祐介
 暁人のクラスメート。

熊谷啓太郎
 暁人のクラスメート

本作の見所

●妹の正体は一体? 世界では何が起こっている?
 死んだはずの夢衣がある朝から突然生き返っているのを見た主人公。当然、なんらかの『超常的な出来事』が起こっていることは確実。
 
 その上でなぜか、『妹が死んだことを自分以外の誰も認知していない』という現象まで確認されている。
 こうして生きている世界に何が起こったか。果たして、今いる世界は『昨日まで生きていた世界』と同じものなのか。
 そんな感じに世界観とか異変の真相がなんなのかで引っ張られることに。

●哲学的で迷妄感のある、『奇書』に通ずる雰囲気も。
 作中での『世界の問題』や『異変の中枢となる存在』について、『哲学的ゾンビ』などの用語が登場し、高次元的な事象について語られるような展開も登場します。

 ライトノベル分野でのホラーだからこその『哲学的要素アリ』、『残酷描写アリ』、『狂気アリ』、『妹・幼馴染など(萌えのような)要素アリ』という作風が特徴的でした。

 改変された世界。謎の妹との関係性。世間を闊歩する殺人鬼の正体、などなどが登場し、終盤はかなりスプラッターな場面も。(読んでいて『沙耶の唄』なんかを思い出すところも)
 なんと言っても、記念すべき『カクヨム発ホラー作品』の一作目。しっかりと内容を確認できたことに何よりも満足感がありました。

その他、ホラー小説の紹介記事は以下のリンクにて。


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