時代はモバイル|毎週ショートショートnote|モバイル北海道
新技術を駆使したスマホアプリの企画会議が始まった。
担当者が開発中の画面を映す。
『モバイル北海道』

「行き先を選ぶと、利用者をその場所へ転送します」
場所だけではない。
季節や天候なども選べる。
「真冬にラベンダー畑へ?」
「はい。さっぽろ雪まつりを見た後、夏の富良野に行くこともできます」
担当者が続ける。
「ただ、観光すればするほど充電残量が減ります」

「温泉に入ったら回復する?」
「減ります」
「え?じゃあ、海鮮を食べたら?」
「減ります」
部長は首をひねった。
「残量がゼロになると、自宅に強制送還します」

「……充電って、体力じゃないのか?」
「預金残高です」
部長が画面を見つめる。
「でも、北海道を持ち歩けるのは便利だな」
「正確には逆です」

「北海道が、充電済の利用者を必要なときに呼び出す仕掛けです」
利用者は、北海道をモバイルしているつもりだ。
だが、北海道にとっては、彼らこそが、
自由に呼び出し、金を使わせる――
モバイル可能な観光客だった。
(410字)
『時代はモバイル/観光客 編』(了)
【お知らせ】
この後、別のショートショートをもう1本掲載しています。
田原にかさんの「毎週ショートショートnote」、
29回目の投稿です。
今週のお題は、
「モバイル北海道」でした。
動く北海道?
持ち運びできる北海道?
「モバイル」という言葉をどう考えるかで、
いろんな作品が書けそうですね。
ここで、懐かしの
「きのころワンポイント解説」(笑)
「モバイル(mobile)」という言葉は、
もともとラテン語の mobilis(動かせる、動きやすい)
という意味の言葉に由来します。
英語の mobile も、
「移動できる」「持ち運べる」という意味です。
そこから、携帯電話を mobile phone と呼ぶようになり、
日本でも「モバイル端末」「モバイル通信」
といった言葉が定着しました。
同じ語源を持つ言葉に「モビール」もあります。
天井などから吊るし、風でゆらゆら動く造形作品。
これは「動く彫刻」という意味合いです。
スノーモービルという乗り物もありますね。
すべて、英語の綴りは mobile です。
「モバイル」という言葉の根っこにあるのは、
動く・移動できる、という意味。
そう考えると、「モバイル北海道」は、
「北海道をスマホで持ち歩く」というだけでなく、
北海道が人を移動させるという意味にもなるわけです。
――かなり、独自解釈ですが(笑)
ちなみに、「モバイル北海道」のスマホアプリ。
製品版は、こんな感じになるようですよ🤭

……えーと。
ツッコミどころが多すぎて、修正はあきらめました。
ポップなデザインということで、
言いたいことは、ぐっと我慢してくださいね🙏
「モバイル北海道」の広告マンガを描いてみました。
モデルはきのころ(ぬいぐるみver.)です(笑)
<その1>

<その2>

「ご利用は計画的に!」って、
完全に、ローンや消費者金融の広告ですね💦
皆さま、お待たせしました!
忘れている方もいらっしゃるかもしれませんが、
今回も、二本立て。
もう1つショートショートをご用意しています。
1本目の企画会議の続きです。
それでは、どうぞ!
『時代はモバイル(道民 編)』
「モバイル北海道、道民にも売れませんか」
企画会議で若手社員が言った。
「北海道は広いです。
道内の移動でも、普通なら何時間もかかる。
でも、モバイル北海道なら、行き先を選んで即移動できる」
会議室がざわついた。
「なるほど。道内ショートカットか」
「吹雪の日は、晴天エリアへ避難できます」
部長が身を乗り出した。
「いいじゃないか。だが、道民からも料金を取るのか?」
「道民には専用ポイントを付与します」
「その原資は?」
「観光客が海鮮を食べ、お土産を買い、
財布の残高――つまり充電を減らすほど、
道民のポイントが貯まります」
「つまり、観光客が燃料か」
若手は次の資料を表示した。
『繁忙地域への道民自動配置機能』
「道内旅行者の移動先は、人手不足の地域を優先して提案します」
「それ、旅行じゃなくて派遣だろ?」
「地域との新しい出会いを最適化すると言ってください」
観光客だけではない。
道民もまた、北海道にとって便利なモバイル労働力なのだった。
(410字)
『時代はモバイル/道民 編』(了)
それでは、最後に、1曲、
北海道の曲を聴きながらお別れです(笑)
さだまさし『北の国から』や
松山千春『松山千春 大空と大地の中で』、
他にも、数々のご当地演歌など、
北海道を歌った名曲、多いですよね。
今回は、私の大好きなこの曲を選びました。
『本日のスープ』
大泉洋 & スターダスト☆レビュー
「♪オー ウィアエーオー ディアエ ウィアエー」
と一緒に歌ってくださいね!
「きのころサークル」通信
今週の「ぬい活」は、今回のお題にあわせて、
北海道に出没しています。

ぬいぐるみ化したきのころが、
日本でも、世界でも、異世界でも、
どこにでもお邪魔する企画です。
メンバーシップ「きのころサークル」では
さまざまな企画でいろいろ遊んでいます。
一緒に楽しんでくださる方、募集中です✨
本日は以上です。
お読みいただきまして、ありがとうございました。
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