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サプライチェーン仕事論② 会社を「5つの欲求」で読み解く-ビジョンと現場がズレる理由-

会社のビジョン、正直ピンと来てますか。
言っていることは立派。でも、やっていることは目の前の数字。
このズレ、ずっとモヤモヤしていませんか。

こんにちは! サプライチェーン・マニアの瀬崎健です。

前回から「サプライチェーン仕事論」を展開しています。
全3回の予定でしたが、語りたいことが多すぎて長引きそうな予感。 ゆるやかにお届けしていきますね。

前回は会社とは何かということについて。
ステークホルダーや経営理念という側面から切り取ってみました。

しかし、仕事をしているとモヤモヤしませんか。

「会社はビジョンとか言って綺麗ごと言ってるけど、実態と全然合ってない」
「なんでこんな仕事をさせられているのか意味不明」

そんな声が聞こえてきそうです。

今回は、その謎に迫ります。

会社の5大欲求


皆さんは「マズローの5大欲求」を知っていますか?
人間には5段階の欲求があるという考え方。
下の階層が満たされると、次を求めるようになる心理学のモデルです。

実は会社という「法人」にも、この欲求を当てはめることができます。

当てはめて考えると、いろいろと腑に落ちることがいっぱい。
名付けて「会社の5大欲求」です。

1つ目は「生存欲求」。 会社もお金が回らなくなれば倒産します。
赤字を出さず、明日も潰れずに生き残りたいという本能。
これが一番強く、すべての土台になります。

2つ目は「安全欲求」。
トラブルや不祥事を避け、平穏無事に運営したい。
倒産ギリギリのラインを越えて、安心して生きていたい。
会社も人間と同じ本能を持っています。

3つ目は「所属と愛の欲求」
安全に運営できるようになったら、次は社会の一員として認められたい。
「社会に必要とされている」という実感が欲しくなる段階です。

4つ目は「承認欲求」
みんなと同じでは満足できず、ナンバーワンやオンリーワンになりたい。
もっと売上を伸ばしたい、影響力を持ちたい。
称賛を浴びたいという欲求です。

そして最後、5つ目は「自己実現」
これはもう、悟りの世界といえるでしょう。
売上も利益も心配ない。 会社のブランディングも盤石。
こうなった時に、「この商品・サービスで世界を変える」という理念の達成に向けた真の挑戦が始まるのです。
単なる規模の拡大ではなく、事業を通じて社会に良いインパクトを与えたいという純粋な欲求。

ビジョンの追及は、十分利益を出してからが勝負


あなたが新入社員だった時のこと。
「経営理念を形にして、社会の役に立とう!」
そんな風に、胸を熱くした経験があるかもしれません。

でも、いざ現場で仕事をこなしていくと、現実は少し違います。
入社前に抱いたキラキラしたビジョン。
一方で、現場で毎日シビアに求められる「数字」
このあまりのギャップに、心が折れそうになる新人さんもいるかもしれません。

「結局、世の中お金なの?」

ふとよぎる無力感。
しかし、そんな風にモチベーションを落としてしまうのは、実にもったいない。
実はそれ、会社が「生存」するために必死な証拠なんです。

まずは生き残ること。
これこそが、すべての理想を叶えるための絶対条件。
倒産してしまったら、社会に貢献するどころか、社員の生活も守れません。

目の前の数字や利益は、未来のビジョンへ繋がる「命綱」のようなもの。
冷たいノルマに見えても、実は大切な従業員を守るための盾なんです。
「利益」を出せる仕組みが整って、将来も大丈夫と思えたとき。

ようやく会社は「社会貢献」に本腰を入れられるようになります。

ビジョンは”未来”の視点

もう一つは「今 vs 未来」の時間軸を考えることです。

今日の仕事は「生存・安全」という短期的な視点。
一方で、ビジョンは「自己実現」という長期的な視点。

同時に満たせないから矛盾して見えるだけ。
「時間で役割分担している」と捉えると、一気に全体像が俯瞰できます。

では、あなたの今の仕事はどの欲求を支えているのか。
生存なのか、安全なのか、それともその先なのか。

あなたの会社は、とにかく利益を確保しないとまずい状況ですか。
それとも「あの会社は不正をしているのでは?」と疑われていて、信頼を取り戻す段階でしょうか。

部署でも時間軸やステージが違う

また、「同じ会社の中でも欲求は混在している」という視点も大切です。
会社は一枚岩ではなく、部門ごとに違うステージにいる。

たとえば、 営業は「承認欲求」を背負って売上やシェアを追う。
品質管理は「安全欲求」のために不良ゼロを目指す。
新規事業は「自己実現」のために新しい価値を創る。

同じ会社でも、見ている世界が違うのです。
だからビジョンが「遠い話」に感じる人と、「リアルな目標」に感じる人が同時に存在する。

ここが見えると、「意味のない仕事」はほとんどなくなります

自分の役割が、会社のどの欲求を満たしているのか。
俯瞰してみると、少しだけ景色が変わるはず。

さて、次回はさらに深掘りしていきます。
テーマは「仕事とは?」。

お楽しみ!

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