『ザ・ゴール』に学ぶ! 仕事の生産性を上げる考え方:第5回 ボトルネックとは何か?
こんにちは!サプライチェーン・マニアの瀬崎健です!
今日も「仕事の生産性をどう爆上げするか?」を、ゴールドラット博士のバイブル『ザ・ゴール』を道しるべに深掘りしていきますよ!
前回は、生産性を測るための3つの指標「スループット」「在庫」「業務費用」について確認しました。
「全員ががむしゃらに働けばいいわけじゃない!」というある種残酷な事実。
どうすれば生産性を上げられるのかは、賢く働く必要があるのでした。
さて、今回はついに、このシリーズの主役とも言える「ボトルネック」について解説します!
これを理解すれば、あなたの仕事の優先順位はガラリと変わりますよ!
🍾 なぜ「ボトルネック」と呼ぶのか?
そもそも、なぜ「ボトルネック(瓶の首)」なんて呼ぶんでしょうか?
ワインボトルを想像してみてください。 瓶の胴体がいかに太くても、中身が出てくるスピードは一番細い「首の部分」で決まってしまいますよね?
たとえ胴体部分をどれだけ広げても、首が細いままなら、注がれるワインの量は1ミリも増えません。
これ、ビジネスも全く同じなんです!
仕事には必ずいくつかの工程がありますが、全体の成果(スループット)は、その中で最も処理能力が低い「一番細い工程」に支配されます。
この「一番細いところ」こそがボトルネック。 ここを無視して他の場所をどれだけ改善しても、会社全体の利益は増えないんです!
重要なところなので、もう一度言います。
ボトルネック以外のところを改善しても、会社全体のスループットは改善されないのです。
あなたがやっている業務は、ボトルネックを改善してますか?
そうでないなら、会社の利益につながってないかもしれません。
👦 ハービー君を探せ!
『ザ・ゴール』の中で、ボトルネックを説明する有名なエピソードがあります。
主人公アレックスが、息子と一緒にハイキングへ行くシーンです。
少年たちの列を一つの「生産ライン」に見立てた時、列がどんどん間延びして、目的地に到着する時間が遅れていきました。
なぜか? それは、列の中に「ハービー君」という足の遅い子がいたからです。
先頭の子がいかに速く歩いても、最後尾が到着する時間は、一番遅いハービー君の歩みに縛られてしまいます。
アレックスは気づきました。 「この列の生産性(進むスピード)を決めているのは、ハービー君なんだ!」と。
会社で言えば、いつも承認待ちで書類が止まっているあの部署や、特定のスキルを持つ人だけが抱え込んでいるあの作業。
それが、あなたの組織の「ハービー君」かもしれません。
🔍 ボトルネックの見つけ方(実践編)
「じゃあ、うちの会社のハービー君はどこ?」 そう思ったあなたに、見つけ方のコツを伝授します!
1. 滞留している場所を探す 一番分かりやすいサインは、「自分の前にタスクが山積みになっている場所」です。
工場なら仕掛品の山、オフィスなら「未読メール」や「確認待ち」が溜まっている担当者。 そこが詰まっているから、全体の流れが止まっているんです。
2. 担当者がいつも「死にそう」な場所 特定の誰かがいつも残業していて、常にプレッシャーに晒されているなら、そこがボトルネックである可能性が大!
逆に、周りの人が「手待ち」で余裕そうにしているなら、その前の工程にボトルネックが隠れています。
3. データで裏付ける 感覚だけでなく、各工程にかかる時間を比較してみましょう。 他の工程が10分で終わるのに、そこだけ1時間かかっているなら、そこが「瓶の首」です。
🤖 「ロボット」が生産性を下げていた!?
物語の中で、アレックスの工場には「最新鋭のロボット」が導入されていました。 一見、生産性を爆上げしてくれそうですよね?
でも、実はこのロボットがボトルネックだったんです!
アレックスたちは「高い機械なんだから、1分1秒も休ませるな!」とフル稼働させました。 その結果、後工程で使い切れない部品が山のように作られ、無駄な在庫と業務費用だけが増えていったんです。
これ、笑い話じゃありません。 「効率化のために導入したITツールが、実は入力作業を増やして全体の足を引っ張っている」なんてこと、心当たりありませんか?(笑)
ボトルネック以外の場所をいくら速くしても、それは「無駄な在庫」を増やすだけで、生産性を下げているんです!
💡 「部分最適」の誘惑に負けるな!
自分の担当範囲だけを効率化しようとすることを、「局所最適(部分最適)」と言います。
「自分の部署は完璧に仕事をこなしたぞ!」と満足していても、それがボトルネックの負担を増やしていたら、会社全体としては「大失敗」です。
あなたがいくらボトルネック以外の作業を、徹夜して頑張って早く仕上げたとしても、他の場所でボトルネックが詰まっていたら、会社としては意味がありません。
あなたの頑張りが、ボトルネックとどういう関係にあるかを考えてみる必要があります。
サプライチェーンのプロは、常に「全体」を見ます。「ボトルネックの能力以上に頑張らない」という勇気を持つこと。 これが、本当の全体最適への第一歩なんです。
🎯 次回予告:ボトルネックをどう「料理」するか?
さて、今回はボトルネックの正体と見つけ方をお話ししました。
「ボトルネックが見つかった!でも、処理能力を上げるには新しい機械や人員が必要でしょ?お金かかるじゃん!」
そう思ったあなた。 お金をかけずに、今あるリソースだけでボトルネックの能力を最大化する方法があるんです。
次回は、「ボトルネックの活用法」について深掘りします。
それでは、また次回お会いしましょう!
