#創作大賞2026 #エンタメ原作部門 納豆チャンピオンへの道 第17章|How To Make Natto-Champion|いよいよ開幕!天王洲スタジオ収録の舞台裏
「ちょっと確認して、折り返しますね」
スタッフは一度電話を切った。
一時間待っても返事が来ないので、諦めかけたところ、
♪~♫~
と電話が鳴った。スタッフからだった。
「もしもし。蒲生さんのご両親のスタジオ見学の件ですが、
ディレクターから許可が下りました」
「ありがとうございます。
あと納豆中華まんは届いてますか?」
「納豆中華まんは今日届きました。
冷凍庫に入れて保管しています」
本番ではベーキングパウダーを使用して発酵時間の短縮に成功したが、今回は本来のイーストを使って、皮から手間暇かけて納豆中華まんを作った。
そして蒸してから粗熱をとり、ひとつずつラップで包み一晩冷凍保存してから発送した。
「明日はよろしくお願いします」
電話を切って、茨城の父に電話をした。
「スタジオ見学OK貰えたよ。
明日は17時に天王洲スタジオ集合なので、
16時に上野駅で待ち合わせでいい?」
「ありがとう!
母さんも喜ぶよ!
明日上野駅16時だな。
楽しみにしてるよ」
翌日スタジオ撮影の当日、盛岡駅を13時過ぎの東北新幹線で出発し、約2時間後上野駅の中央改札口で両親と合流した。
「今日のゲスト出演は誰なんだろう?」
父は初めて芸能人と会うことにワクワクしていた。
「詳細は教えてもらってないので、わからないな」
「ホントにスタジオで見学できるのかい?」
母は開口一番心配を口にした。
「僕はMCの田中さん達と会わないように、別室で待機するらしいけど、
母さんたちはどうなんだろうね」
上野駅から山手線に乗り、浜松町駅でモノレールに乗り換え、天王洲アイル駅で下車した。
「モノレールに乗るのは社員旅行で沖縄行った日以来、
何十年ぶりだろう!
天王洲アイルなんて駅、昔は無かったよな?」
山形出身の父は久しぶりの上京に興奮気味だった。
「この駅は開業してまだ8年だね。
僕も初めて来たよ」
駅から歩いて5分で天王洲スタジオに到着した。
「なんかすごくキレイで大きなビルだね」
母は目を丸くして驚いた。
「このスタジオは去年オープンしたばかりみたいだよ」
ガラス張りのエントランスに入り、フロントで受付すると間もなく番組スタッフが迎えに来た。
「蒲生さん、お待ちしてました!」
「今日はよろしくお願いします。
こちらは僕の両親です」
「今日は無理なお願いを聞いて下さり
ありがとうございます」
と両親は深々とスタッフにお礼を言った。
「今から別室に蒲生さん達を案内します」
「やっぱり両親はスタジオに入れないんですか?」
「今、リハーサル中なので、本番直前にスタジオに案内します」
「うわっ!本物の田中義剛さんと松本明子さんに会える!」
父は大喜びした。
「てか、ほかの観客もリハーサルするんですか?」
と、僕は訝しく思い質問した。
「観客はみんなエキストラなんです」
「へー!そうだったんですね!」
「私らはどうすればいいの?」
心配性の母はスタッフに尋ねた。
「最前列の端に2席用意してますので、
そこで座って一緒に拍手してくだされば大丈夫です」
「最前列だなんて!ありがとうございます!」
母は再び目を丸くして驚いた。
楽屋のような別室に案内されると、スタジオでリハーサル中のMCの田中さんや松本さんの様子がモニターに映し出されていた。
「ちなみに今日のゲストは誰なんですか?」
「今日のゲストはご両親と同じ茨城出身のデーブ大久保さんです」
「水戸商業出身で元巨人のあの大久保!?」
すると巨人ファンの父はまたまた大喜びした。
それから30分ほど待機してから、スタッフが両親を連れてスタジオに案内した。
そして僕はモニターを通じて本番を一人で観覧した。
「いよいよ始まりました。第1回全国納豆王選手権!」
「今回のテーマは納豆!なかなかニッチがテーマできましたね!」
画面の中で、MCの田中さんと松本さんの軽快な掛け合いが始まった。
「俺は納豆の、あのネバネバが大好きなんだよなぁ」
「そして本日のゲストは元巨人のデーブ大久保さんです!」
と、松本さんに紹介されて大久保さんが登場した。
「今日はよろしくお願いします!」
「今日はなんでゲストに呼ばれたかわかってる?」
と田中さんがいきなり大久保さんに質問した。
「わかってますよ!今日のテーマは納豆でしょ?
納豆と言えば水戸!僕は水戸商業卒業ですからね!
今日は僕のための企画!ありがとうございます!」
と軽快なMCが続いてたあと、最初に出場選手の紹介と共にプロフィール映像が流れた。
僕は三井田さんに続いて2番目に紹介された。
最初に住宅用断熱材を持って、ジャパン建材の入口に入り、
担当者の山田さんと机を挟んで営業するシーンがナレーションと一緒に流れた。
(あぁ…あんなに苦労して撮影したのに、断熱材のメーカー名もジャパン建材の社名もバッサリカットか。
しかも山田さんの顔なんて、瞬きしたら見逃すレベルの短さじゃないか……)
次のシーンは納豆開発委員会のウェブサイトの紹介のあと、冷蔵庫の中と納豆ごはんを黙々と食べるシーンだった。
(あれ?納豆料理のシーンも全部カット?)
そして次シーンでは長男をオンブした半ギレ状態の妻と一緒に納豆売り場で買い物するシーンだった。
(うわっ!このシーン、使われたか!
妻のあの般若のような顔が全国ネットに……
あとで絶対にブチ切れられそう……)
そしてたった90秒のプロフィール紹介が終わった。
当人としてはやや納得がいかない内容だったけど、視聴者目線では出場者4人の中で僕が一番面白かった。
次に第1ラウンドが始まった。
当事者なので結果を知っていたが、どんな編集になっているのか、とてもワクワクしながらモニターに齧りついた。
――しかし、画面に映し出された第1ラウンドの光景は、僕の予想を遥かに超えるシーンの連続だった。
第1章はこちらからどうぞ
#創作大賞2026 #エンタメ原作部門 #ドラマ脚本 #TVチャンピオン #テレビ東京 #納豆
いいなと思ったら応援しよう!
少しでも「いいな」と感じていただけたり、共感していただけたら、とても嬉しいです😊
よろしければ応援していただけると励みになります!
いただいたチップは、今後の創作活動をより良くするために大切に使わせていただきます。心から感謝いたします✨