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外国人のお兄さん、お姉さんと過ごした2時間。子どもの笑顔と大人たちの気づき。「支援される側」ではなかった外国人と子どもたちがつくった空間

「次はいつやるん?」
イベントが終わったあと、参加してくれた子どもから言われました。
これ、運営側には一番うれしい言葉です。

8月19日。
外国人材に関わる有志がそれぞれの現場課題を持ち寄る勉強会Voice Jam。

普段は登録支援機関、人材紹介、日本語教育など、外国人材領域に関わる大人たちが集まっています。

今回は、いつもと少し違いました。
主役は僕たちではなく、子どもたち。

夏休みの企画テーマは、
「外国人ってだれ? 世界とつながる!はじめての国際交流」
3歳から中学2年生までの子どもたち12名と保護者の皆さん。
そして外国人ボランティアも12名。
阿倍野日本語学院から参加してくれた留学生6名と運営メンバーのつながりから有志で参加してくださった6名です。

阿倍野日本語学院のミャンマー留学生の皆さん

ミャンマー、インドネシア、ベトナム、オーストラリア、パラグアイ。
年齢も国籍も立場も違う人たちが集まりました。

終わってみれば、想像していた以上の盛り上がりでした。

この企画は簡単ではない

「外国人と日本人の子どもが交流する機会をつくりたい」
こういう話は、いろいろな場所で求められています。

実際に企画してみると、どうしてもどちらか片方が中心になり過ぎてしまったり、交流したというところまでなかなか届かなかったりする。

そんな話もこれまで何度か聞いてきました。

僕が留学生の教育支援をしていた頃、
こうした交流企画を何度も実施してきました。

今回も「ほんまに自然に交流できるんかな」
という部分は少し気になっていました。

開催前の告知で「違う国の人と友達になるって、案外ふつうのことに感じてもらえたら嬉しい」そんなことを発信していました。

難しい異文化理解を教えるというより、
まず会ってみる。
名前を聞いてみる。
一緒に遊んでみる。
そこから始められたらいいなと思っていました。

そして当日。
その心配は割と早い段階でなくなりました。

違うから学ぶより違って当たり前から始める

今回、企画段階から力を貸してくださったのが、

東大阪大学 短期大学部 実践保育学科
馬込武志先生。

教育・保育・介護福祉など幅広い現場経験をお持ちで、
普段から学生や留学生の指導にも携わっておられます。

その馬込先生の最初の場づくり、空気づくり。

さすがでした。

国際交流というと、
「海外の文化を学ぼう」
「日本との違いを探してみよう」
そんな切り口を想像しがちです。

馬込先生が最初につくってくださった空気は違いました。

そもそも人って、それぞれ違う。
国籍が違うから特別なのではなく、
同じ日本人同士だって違う。
違って当たり前なんやから、まず一緒にやってみよう。

そんなメッセージが自然に伝わる場でした。
最初にその空気をつくっていただいたからこそ、
その後の交流にも入りやすかったんやと思います。

先生には本当にたくさん助けていただきました。

今回、馬込先生にお願いした僕のファインプレーということにして、
自画自賛しておきます。笑

気づけば「外国人」ではなく〇〇さんに

世界地図を広げて、
「お姉さんの国はどこ?」と聞く。

自分の国を指さしてもらう。
好きなものを聞く。
絵を描く。
話してみる。

最初は少し緊張していた子もいました。
特に我が子は人見知り全開でした。笑
今回は僕自身、運営として企画に関わる一方で、
一人の親として自分の子どもを参加させていました。

なので運営側としてうまく交流できるかなと見ていたのと同時に、
「うちの子はどう感じるんやろ」
「知らない外国の人たちの中に入っていけるんかな」
と、完全に親目線でも見ていました。

「多文化共生は大事です」と外から言うだけではなく、
自分も親としてその場に入ってみる。
仕事として外国人材に関わっているときとは、また違うものが見えました。

考えてみれば、子どもに外国人と自然に交流してほしいと言いながら、大人の方が勝手に外国人との交流と特別なものにしているのかもしれません。

写真を見返していて、一番印象に残ったことがあります。

この日の外国人の皆さんは、
「支援される側」ではありませんでした。

僕は普段、登録支援機関として外国人材に関わっています。
どう支援するか。
どう定着してもらうか。
日本語をどう身につけてもらうか。
困っていることはないか。

当然、仕事としてそういう視点を持っています。

この日は違いました。
子どもの話を聞く。
分からなければ一緒に考える。
自分の国を教える。
子どもを笑わせる。
緊張している子に声をかける。
完全にこの場をつくる側やったんです。

会社では「外国人社員」。
学校では「留学生」。
制度上は「特定技能」や「技人国」。

この日の彼らは子どもたちにとってのお兄さん、お姉さんでした。
外国人材支援の仕事をしている僕としても、
Voice Jam運営の一人としても、
この日一緒に参加した子どもの親としても、
その当たり前を改めて見せてもらった気がします。

保護者の言葉から見えたもの

終了後、保護者の皆さんにもアンケートをお願いしました。

その中には、
「外国の方と1対1でコミュニケーションがとれたこと」
「留学生の方たちが、子どもと上手に接してくれたこと」
を良かった点として挙げてくださった声がありました。

また、子どもが積極的に外国の方と話していたことや日本の中だけにいると気づけないことを知る機会になったという声もありました。

そして「また参加したい」という言葉も。
こんなアンケートはありがたい限りです。

個人的には「次いつなん?」我が子に直接聞かれたあの一言が、
一番分かりやすいアンケートだったような気もしています。笑

一人の強みだけではつくれなかった

今回あらためて感じたのは、
誰か一人が全部できる必要はないということでした。

一般財団法人 大阪国際経済振興センター(IBPC大阪)の松葉渚さん。

https://www.linkedin.com/in/nagisa-matsuba-2052581a6/?skipRedirect=true

突然の企画にもかかわらず、会場から集客、外国人ボランティアとのネットワークづくり、当日の運営まで、本当にたくさん動いていただきました。

働く外国人と日本人とのつながり。
子どもたちの純粋な好奇心。
それを見守る大人たち。
その期待に自分たちなりの言葉や行動で応えていく子どもたち。

当日の会場で、
「ああ、こういう空間をつくりたかったんやな」
と思える場面がいくつもありました。

Voice Jamを立ち上げ、一緒に企画を動かしてくれた伊芙季さん。
阿倍野日本語学院から参加してくれた留学生の皆さん。
有志で集まってくださった外国人ボランティアの皆さん。
保護者の皆さん。
そして子どもたち。

それぞれが持っているものは違います。

だから組み合わせると自分一人ではつくれない場所になる。

少し前のnoteでも、
「外国人材支援はこれから関係性の総力戦になっていく」
そんなことに触れました。

あのときは主に、受入企業、登録支援機関、人材紹介、日本語教育、専門家など、外国人材領域の中での横のつながりを考えていました。

今回、その関係性の範囲はもう少し広いのかもしれないと思いました。

学校。
地域。
子ども。
保護者。
そして外国人の皆さん自身。

これも以前から考えていた定着の一つなんやろなと、

今回のVoice Jamはそのことを体感する時間にもなりました。

登録支援機関としてこの景色を忘れたくない

私たちクリエは外国人材を支援する仕事をしています。
制度に沿って必要な支援をする。
仕事や生活で困ったことがあれば相談に乗る。
日本語を学べる環境をつくる。
受入企業との間に入る。
もちろん全部大切です。

自社で外国人材を受け入れ、支援していく中で僕が感じてきたのは、
制度を整えるだけでは人が定着する土壌までは完成しないということです。

誰かに必要とされること。
自分が誰かの役に立てること。
会社とは違う場所でも人とつながれること。
外国人材としてではなく、一人の人として関わってもらえること。

僕たち支援する側も外国人の皆さんを支援する対象としてだけ見ない。
その視点は登録支援機関として忘れたらアカンなと思いました。

この日の写真に写っているのは、
支援る人と支援される人ではありません。
一緒に話して、一緒に考えて、一緒に笑っている人たちです。

クリエが外国人材の支援に関わっていく上で、
この景色は覚えておきたいと思います。

「次いつなん?」に答えられるように

最後は子どもたちが交流した内容を自分たちなりにまとめて発表してくれました。

そして最後に全員で集合写真。

始まる前には想像できなかったくらい、
いろんな国籍、年代、立場の人たちが一つの写真に収まりました。

終わったあと写真を見返しながら達成感がありました。
ほんまに開催して良かったです。
Voice Jamはまだまだ完成した場所ではありません。
運営だけでつくる場所でもないと思っています。
参加してくださる皆さんがそれぞれの現場や経験、
強みを持ち寄りながら、
「こんなんやってみたら?」
「これ、みんなはどうしてる?」
を一緒に形にしていく。

そんな場所に少しずつ育てていけたらと思っています。

そして次回、9月24日のVoice Jamはまたガラッと変わります。
秋田から、
株式会社あきた創生マネジメント
代表取締役 阿波野聖一さん
を大阪へお迎えします。

子どもたちからもらった、
「次いつなん?」への答えは、
まだ少し先になるかもしれませんが、
今回見えた景色をまた別の形でもつないでいきたいと思います。

今回ご参加、ご協力いただいた皆さま。
本当にありがとうございました。

──外国人材、現場からは以上です。

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外国人材、現場からは以上です。|柏手真治 note 共感いただけた方は、応援いただけると嬉しいです。現場のリアルを伝える原動力として、大切に活用します!