JOG(1488)教科書品質の「見える化」がより良い教科書を伸ばす(下)
学習指導要領への準拠度を上げれば、小学校の歴史教科書はこんなに良くなる。
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■JOG(1068) 泣き虫将軍・本間雅晴と健気なる妻
マニラでの戦争犯罪裁判の被告とされた夫を救うべく、妻はフィリピンに飛び、法廷に立った。
https://youtu.be/FTht28cRTWc
■JOG(551) 山下奉文、使命に殉じた将軍
シンガポール攻略の英雄は、使命に忠実にその後の悲運の人生を生き抜いた。
https://youtu.be/0xnq7klkWzI
■JOG(59) パール博士の戦い
東京裁判のインド代表判事として全員無罪を主張。「日本の子弟が歪められた罪悪感を背負って卑屈・退廃に流されてゆくのを、私は見過ごして平然たるわけにはゆかない」
https://youtu.be/YrfslLYDR6A
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■1.東郷平八郎の覚悟
伊勢: 前号[JOG(1487)]では、教科書の品質がよく見えない現状から、教科書の自由競争が実現していない事を述べた。そこで今回は、3社の小学教科書が学習指導要領にどれだけ準拠しているか、日露戦争をテーマに比較を試みた。まず、人物に関する要件が2つある。
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要件1 日露戦争において東郷平八郎が活躍したこと
要件2 講和条約の締結において小村寿太郎が大きな働きをしたこと
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伊勢: 評価の結果はこうだ。(東書:東京書籍、教出:教育出版、日文:日本文教出版、文科省指定の発行社番号順)
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要件1(東郷平八郎) 東書(○) 教出(○) 日文(○)
要件2(小村寿太郎) 東書(○) 教出(○) 日文(○)
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伊勢: 3社とも、おおむね人物の業績の説明に止まっていて、その志や苦心についてはほとんど述べられていない。だから、◎ではなく、○となっている。◎をとるためには、たとえば、東郷平八郎については、その志や苦心をこんな形で紹介してはどうか、と思う。
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東郷は明治天皇に「誓って敵の増援艦隊を撃滅し、宸襟(しんきん、天皇のお心)を安んじ奉ります」と明言して周囲を驚かせました。万一、増援の艦隊の一部でも打ち洩らしたら、日本海経由の食糧・物資輸送を妨害され、満洲の日本軍は立ち枯れてしまいます。敵艦隊をなんとしても撃滅しなければならない、というのが、東郷の覚悟でした。
そして、東郷は独創的なT字戦法で、それを成し遂げます。英国の戦史家H.W.ウィルソンは日本海海戦の勝利について、イギリス海軍がナポレオンのフランス・スペイン連合艦隊を撃破したトラファルガー海戦と比較して、次のように評しています。
ああ、これ何たる大勝利か、陸戦に於いても、海戦に於いても、歴史上、未だかつて、このような完全な大勝利を見たことがない。実にこの海戦は、トラファルガー海戦と比較しても、その規模、遙かに大である。
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花子: 外国の戦史家にそこまで言わせるなんて、本当にすごい勝利だったんですね。でも、それを何としても果たさなければ、という東郷の覚悟もすごいと思います。
■2.小村寿太郎の覚悟
伊勢: 小村寿太郎に関しては、各社写真入りの小さなコラムを設けているが、たとえば、東書は「大きな外国人を相手に豊かな語学力で堂々と交渉し」と紹介している。他社も「講和会議の交渉で大きな役割を果たした」という程度で、小村の苦心については、触れていないので、3社とも○にしている。
花子: 小村寿太郎の苦心はどんな所にあったのですか?
伊勢: それを示すために、たとえば、こんなコラムを教科書に載せてはどうかと思うんだ。
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講和会議への出発では、大群衆が日の丸と万歳で見送りましたが、小村は、見送りの桂太郎首相に「帰国するときは、人気は全く逆でしょうね」と洩らしました。
日本軍は連戦連勝中でしたが、日本の兵力は払底し、逆にロシア軍は満洲の兵力を増強中でした。この点はロシアとの交渉上、国内にも秘密にされていました。このため、賠償金も領土も獲得できる見込みもないまま、小村は何とか、この時点で講和に持ち込み、ロシアの南進を食い止めたい一心でした。
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花子: 万歳で見送られながら、帰ったら国民に憎まれるとわかってたんですね。それでも出発したのは、すごい覚悟です。
伊勢: そうだ。このように二人の言葉を通じて、その覚悟を紹介すると、この二人を選んだ指導要領の慧眼が見えてくるね。日露戦争は、国の独立を賭けた一大事で、我が先人たちが全身全霊を賭して勝利に導いた戦いだったんだ。ここを子供たちに理解して貰いたい、というのが、指導要領の狙いなのではないかな。
■3.「我が国が厳しい国際社会の環境に置かれた状況」
伊勢: 次は、日露戦争そのものの記述に関する要件3~5だ。これらは指導要領では一つながりの文章なのだが、精密に評価するために3つに分けたんだ。まずは要件3から。
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要件3 我が国が厳しい国際社会の環境に置かれた状況において、
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伊勢: この要件に対する各社の評価はこうだ。
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要件3(環境) 東書(○) 教出(△) 日文(△)
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花子: 東書だけ○で、あとの2社は△なんですね。どんな違いがあるんですか?
伊勢: 東書は「欧米諸国の植民地になることをおそれた日本は、富国強兵などの政策を進めてきました」と書いていて、開国以来の日本の国家的課題を端的に示している。ただし、その後で、「やがて朝鮮への進出をめぐって、中国やロシアと対立するようになり、戦争が起こりました」という結びが、領土的野心のように誤解される恐れがあるから、◎にはならなかった。
教出は「日本国内では、満州で勢力を広げるロシアに対する危機感が高まり、ロシアと戦うべきだとする意見が強くなりました」、日文は「日清戦争ののち、日本とロシアは、朝鮮(韓国)をめぐり対立するようになりました」とある。どちらも史実だけど、同様に、日本が領土的野心を持っていたかのような誤解を生む恐れがある。
花子: じゃあ、どう書けばよかったんでしょうか?
伊勢: そういう誤解を生まないためにも、当時の為政者の言葉を直接引用するのが一番だと思う。たとえば、伊藤博文のこんな発言がある。
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今度の戦に就(つ)いては、陸軍でも、海軍でも、大蔵でも、日本が確実に勝つという見込みを立てている者は一人もない・・・しかし打捨てて置けば、ロシアはどしどし、満洲を占領し、朝鮮に侵入し、遂には我が国家までも脅迫するに至る。事茲(ここ)に至れば、国を賭しても戦うの一途あるのみである。成功・不成功などは眼中にない。[渡辺幾治郎『明治天皇 下』]
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花子: 勝てる見込みはないけど、戦うしかなかったということですね。追い詰められていた事がよく感じられます。
伊勢: こういう当時の人々の切迫した危機感を伝える。それこそが、学習指導要領の言う「厳しい国際社会の環境」を子供たちにも分かりやすく伝える方法だろう。
■4.「戦争の勝利」と「国の安全を確保」
伊勢: 次は要件4だ。
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要件4 これらの戦争に勝利を収め、講和条約を結ぶことによって、
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伊勢: 各社の評価はこうなった。
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要件4(勝利) 東書(◎) 教出(○) 日文(◎)
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伊勢: 教出だけ○になっている。こう書いているからだ。
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しかし, 日本はしだいに兵力や物資をつぎこむ力がなくなり, ロシアも国内で革命が起こったため,両国はポーツマス(アメリカ)で講和条約を結び,戦争は終わりました。[教出、p189]
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花子: えー? 日露戦争は引き分けだったんですか!?
伊勢: そう誤解する子供も出てくるかもしれない。次のページでは「日本がヨーロッパの大国ロシアに勝利した」と述べられてはいるんだけどね。なぜここでの勝利の明記が大事かというと、次の要件5に直接つながるからだ。
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要件5 国の安全を確保することができた
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実は、学習指導要領での最重要の要件がこれなんだ。日露戦争は、領土や覇権を求めての戦いではなく、ロシアの南下を食い止め、国の安全を確保するための戦いだった、ということを子供たちにしっかり分からせて欲しい、というのが指導要領の眼目だと思う。ところが、評価はこうなんだ。
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要件5(安全) 東書(×) 教出(×) 日文(△)
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伊勢: 各社の記述を並べてみると、「国の安全を確保することができた」という点が明記していない。「韓国を日本の勢力のもとに置く」(東書)とか、「国民の生活は苦しくなりました」(教出)とかで、「国の安全」に関する記述がない。唯一、日文の「ロシアは韓国からしりぞくこと」が近いから△にしたけど、ここでも「国の安全確保」につながったという肝心の一文がない。
だから各社とも、たとえば、指導要領の言葉をそのまま使って、こんな一文を追加してはどうかと思うんだ。
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こうして我が国は、世界一の陸軍国、世界第二位の海軍国ロシアの南下に対して、決死の戦いを挑み、それに勝利したことによって、国の安全を確保することができました。
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花子: この一文があるかないかで、子供たちの受ける印象がずいぶん変わりますね。領土を狙った戦争ではなく、生き残るための戦争だったということが、はっきり伝わります。
■5.「アジア諸国の人々に独立への自覚と希望をあたえました」
伊勢: 次の要件6は、「戦場となった朝鮮半島及び中国において大きな損害を与えたこと」だけど、前号でこれは説明しておいたね。ロシアがそのまま支配を続けた場合の損害と比較して考える必要があるので、この要件は各社×でもいいか、と判断した。
次の要件7はこうだ。以上の要件以外の記述で、指導要領の目標にどれだけ近づいているか、を評価する項目だね。
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要件7 上記要件以外にも、目標a~cに資する、あるいは阻害する記述があるか
目標a 我が国の歴史や伝統を大切にして国を愛する心情を養う
目標b 我が国の将来を担う国民としての自覚を養う
目標c 平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きることの大切さについての自覚を養う
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伊勢: これについては、たとえば日文の以下のような記述が3社共通しているので、各1点とした。
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アジアの国の日本がヨーロッパの国であるロシアに勝利したことは, 欧米諸国の進出と支配に苦しむアジア諸国の人々に独立への自覚と希望をあたえました。[日文、p185]
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花子: アジアの国々に希望を与えたというのは、大事な視点ですね。
伊勢: そうだね。そして、当時の各国のリーダーが日本の勝利に感激した言葉が残されているので、それらを引用したら、もっと子供たちの心に伝わると思う。たとえば、「中国革命の父」孫文はこう語っている。
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どうしてもアジアは、ヨーロッパに抵抗できず、ヨーロッパの圧迫からぬけだすことができず、永久にヨーロッパの奴隷にならなければならないと考えたのです。(中略)
ところが、日本人がロシア人に勝ったのです。ヨーロッパに対してアジア民族が勝利したのは最近数百年の間にこれがはじめてでした。この戦争の影響がすぐ全アジアにつたわりますとアジアの全民族は、大きな驚きと喜びを感じ、とても大きな希望を抱いたのであります。[孫文『大アジア主義』]
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花子: 孫文がそんなことを言っていたとは知りませんでした。ぜひ教科書に載せてほしいですね。
伊勢: ただ、東書と教出はこのすぐ後に「日本人の間には, 朝鮮や中国の人々を下に見る意識がしだいに広がっていきました」などという、史料や根拠の提示ない断言が追加されているので、各1点減点とした。また、日文は、米英が後押しして、へっぴり腰の日本兵がロシアに刀を向けているというビゴーの風刺画を載せていて、これも戦争目的について誤解を招くので1点減点とした。
■6.与謝野晶子の「君死にたまうことなかれ」
伊勢: さらに3社とも与謝野晶子の「君死にたまうことなかれ」の歌を挙げているが、肉親の無事を祈る気持ちは大事だけど、それだけでは歴史の教科書としては不十分だと思う。「我が国の将来を担う国民としての自覚を養う」ためには、「もし日本が戦わなかったら、あるいは戦っても負けていたら、どうなっていたのか」ということと合わせて考えさせなければならないんだ。
たとえば、松山にはロシア兵捕虜で現地で亡くなった97人の墓があり、今も地元の中学生たちが清掃を続けている。ロシア大使なども訪れて感動している。その中には、属国ポーランドから徴兵された兵士たちも12名交じっていることが確認されているんだ。
もし日本が戦わずに、あるいは負けてロシアの属国になっていたら、さらに南下を続けるロシア軍に日本兵も徴兵されたことも十分考えられる。日露戦争の勝利は、そんな事態を未然に防いだわけだ。
単に戦争反対を叫んでいるだけでは、「我が国の将来を担う国民としての自覚」を養うことはできない。そういう意味で、与謝野晶子の歌だけを取り上げている3社とも、-1点の減点となった。
花子: 国民みなが「死にたまうことなかれ」で、戦いを拒否していたら、結局はロシアの属国とされて、ロシアのための戦いに駆り出された可能性がある、ということですね。
■7.より良い歴史教科書を子供たちに
伊勢: 以上を合計すると、日文と東書が同点で8点、教出が6点となった。次期の小学校の学習指導要領は、来年初頭に告示されて、各社がそれに従った教科書を制作し、令和10年度に検定、11年度に採択というスケジュールが見込まれている。
おそらく、指導要領の細部の要件は、現行版から踏襲されるものも多いだろうから、各社は今回の評価と提案を参考にして、さらに良い教科書の制作に励んでもらいたいものだね。そのために、弊誌では他のテーマについても、同様の評価・提案を進めるつもりだ。
また、採択の時期には、新しい指導要領に基づいた準拠度評価を、各社の新しい歴史教科書に対して行うので、各地区の採択をする教育委員会の方々には、ぜひ参考にしていただきたい。
花子: そういう形で、子供たちがより良い教科書で歴史を学んで、「我が国の将来を担う国民としての自覚」を持って貰いたいですね。
(文責 伊勢)
■リンク■
・JOG(1487) 教科書品質の「見える化」がより良い教科書を伸ばす(上)
学習指導要領は子供たちが学ぶべき本質的な要件を規定しているが、各教科書がどれだけそれに準拠しているかはよく見えないまま。
https://note.com/jog_jp/n/n5d6f46b56844
■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
→アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。
・「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編」、文部科学省、H29
・「新しい社会6 歴史編」、東京書籍出版社、H31検定済
・「小学 社会6」、教育出版株式会社、H31検定済
・「小学社会6年」、日本文教出版、H31検定済
■伊勢雅臣より
要件2は前号の◎評価から○に変更しています。今号で述べたように、講和条約の交渉には、小村のもっと本質的な苦心と覚悟があったので、それを紹介すべきと考え直しました。
読者からのご意見・ご感想・ご質問をお待ちします。本号の内容に関係なくとも結構です。本誌への返信、ise.masaomi@gmail.com へのメール、あるいはブログのコメント欄に記入ください。
■編集後記
私の友人である細谷真人さんが、『役職定年 50代からの居場所を見つける3つの行動』という本を出版されました。細谷さんは50代半ばまで、大手メーカーの人事部の責任者をしていましたが、そのあと、早期退職をし、今はコーチングのコンサルタントとして活躍しています。
この本は、役職定年後の「居場所」を見つけるための、実践的な方法が描かれています。平均寿命が今後、108歳まで延びると予想されています。今、50代の方の平均余命はあと50年はあるでしょう。ちょうど、人生折り返しで、これから第二の人生に備えるべき時です。
そこで大事なのは、会社の役職からは離れた、自分の「居場所」を将来像としてイメージすることだと細谷さんは指摘します。
細谷さんの将来像は、「地域の中で、誰かを見守るような存在。僕が子供だった頃、どこのまちにでもいたちょっとおせっかいなくらいの距離感で関わる、あのおっちゃん、おばちゃんたち」でした。
こういう「おっちゃん」がいるだけで、その地域がどれほど温かくなるか、容易に想像できます。自分の「居場所」を見つける、というのは、それぞれが「一隅を照ら」して、「仕合わせ」な社会をつくる第一歩です。ぜひ50代以上の方々に読んでいただきたいと思います。
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