見出し画像

30万円寄付して京都・東本願寺に納骨し、お斎をいただく

 数年前、祖母が亡くなった。お骨は地元の菩提寺にあるお墓に収めたのだが、それから何年かして父が「京都の東本願寺に納骨してきてほしい。お斎(とき)も出るから食ってこい」と言う。宗派についてあまり意識していなかったのだが、地元のお寺は東本願寺と同じ真宗大谷派の寺院だった。つまり父は遺骨の一部を分骨してきてほしいと言うのである。
 東本願寺のウェブサイトによると、「相続講金」を12万円以上納めると納骨ができて、30万円以上ならそれに加えてお斎が食べられるという。相続講金というのは寄付金である。父は信心深いのかどうか、それを払っていた。
 滅多にない機会だ。実家に寄った際、遺骨の一部を受け取り、行ってきた。


地理院地図より

 その時はちょうど京都に住んでいたので、そういう話が出た。東本願寺はJR京都駅から歩いて5分くらいか、アクセス至便なお寺さんである。拝観無料なのもありがたい。


 京都駅から歩いて向かう。烏丸通沿いのお寺の外側にはありがたげな言葉が掲げてある。「法語行灯」というらしい。


 納骨は事前予約が必要。地元の寺からもらった葉書か、専用のフォームから申し込む。当日は「相続講員 真宗本廟収骨証」という書類と、骨壺(分骨なので小さいものだ)を持って窓口に行く。数珠と、納骨者に地元のお寺から渡される「肩衣」も忘れずに。
 窓口は奥まったところにあり、一般の参拝者が行かないところ。納骨だというのにおかしいが、若干わくわくしてきた。


 これがその書類。志納金額のところには確かに30万円と記載されていた。3人までお斎をいただける仕組み。
 祖母が亡くなったのは2019年11月のことで、納骨に行ったのは2023年2月。けっこう間が空いたが、東本願寺によるといつまでという決まりはないらしい。


 受付の後は法事には付き物の、僧侶による法話があった。座敷ではなくホールのような会場。さすがに東本願寺はスケールが違う。私が入った時には既に始まっていて、ほかの納骨者がいすに座って耳を傾けていた。地元の寺では、いつもの住職のほぼ毎回同じ法話を聞いていたので、他の人の話は新鮮だった。ただ結局、どんな話を聞いたのか全く覚えていないのだが…。
 その後、御影堂というでかい本堂で焼香をした。法要中の撮影は禁止となっており、写真はない。
 調べたら、御影堂は広さ927畳。年末には全国各地から信徒が集まり、竹で畳をはたいてほこりを追い出す「すす払い」が行われる。別の機会に見たことがあるが、なかなか壮観。


 その後で別室に移動してお斎である。てっきり広い会場でほかの納骨者と一緒に食べるのかと思っていたら個室だった。
 入ると既にお膳が用意されており、食前食後のことばというものが載せてあった。東本願寺によると、お斎には「日ごろの生活の中で忘れがちな、食事をいただくことの意味を改めて思う」との意味があるという。


 地元だと法事の後の食事でも普通に肉や魚も出てくるのだが、ここは完全に精進料理だった。メニューは炊き込みご飯やてんぷら、煮物、香の物など。


 肝心の味であるが、素晴らしいの一言に尽きる。だしの使い方がうまいのか、精進なのにどれもしみじみと味が深い。派手さはないがじわじわとくる。食事をいただくことの意味を改めて理解するようなことはなかったが、肉や魚を使わなくても目を見張るような味を作れることは理解できた。俗物ですんません。


 箸にも「東本願寺」と書いてあってかっこいい。
 これだけの料理、中で作っているのかな。大きなお寺だから調理場もあるのだろう。「同朋会館」という宿泊施設もあるから、そこで作っているのかもしれない。


 部屋もいい。一般には非公開ということ。御影堂のように一般の参拝客はいないから、静謐な環境で食事できる。
 食べ終えたら、そこで一連の行事は終わりである。


 かっこいい庭もあった。


 東本願寺の非公開部分は相当に広い。実は「京都宗教記者会」という記者クラブの部屋もある。東本願寺と西本願寺に部屋があり、作家・司馬遼太郎が産経新聞記者時代に所属していた。現在は、お寺さんや花街関係の行事の案内が投げ込まれるそうな。日本広しと言えど寺の中にある記者室はここくらいだろう。


 で、ここまで書いてきて何であるが、実はこのお斎、身内が死ななくても、30万円を納めなくても食べることができる。下記リンクを参照。大人4千円、事前予約が必要だ。
 先に、二条城で朝食を食べられることを紹介したが、京都観光の折、ちょっと変わったところでの食事体験をしてみてはどうだろうか。なお、納骨の際は華美な服装は避けてほしいとのこと。私はダークスーツに黒ネクタイで行った。


 納骨の案内はこちら。


謎のスタンプラリーもやっていた


<最後までお読みいただき、ありがとうございました。よろしければスキやフォローをお願いします!  コメントも歓迎しています>

※カメラは主にニコンD700、レンズはAFニッコール35ミリF2D







いいなと思ったら応援しよう!

サラリーマン海外旅行 読んでいただき、ありがとうございました。スキ!やコメントがとっても励みになります。