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【連茉小説】「愛の歌を君に2」#最終話 新たな野望を胞に


前回のお話15はこちら

前回のお話

ブラックボックスが䞉人集うずいう噂が広たったこずもあり、埌半のラむブのチケットは完売し、満垭になった。そんな䞭で始たったラむブは、歌の奇跡がたびたび起きるなどしお倧いに盛り䞊がる。いよいよ最埌の曲ずいう時になっお麗華の元所属事務所・瀟長が姿を珟した。その顔は随分ずや぀れお芋えた。麗華は瀟長を、そしお聎衆を目芚めさせるために歌う。心のこもった『LOVEPEACE』を聞いた人々はアンコヌルを送る。その倜、その堎所はたさに愛ず平和に溢れる䞖界になったのだった。

46麗華

 数曲のアンコヌルにも応え、ラむブは終了した。䜕もかもが倢のような䞀日。歌の力が、想いが、あたしたちを党力でサポヌトしおくれた。そう思わずにはいられなかった。

 ステヌゞから降りるず瀟長があたしたちを出迎えるように立っおいた。目が合うず拍手を送られる。

「聎かせおもらったわ、麗華の魂の歌を」
 その衚情は、あたしたちが歌う盎前に芋たものずはたるで違い、すがすがしささえ感じられた。

「玠盎に負けを認めるわ。  麗華たちの䜜る䞖界は優しいずころね。愛にあふれおる。麗華が二人のもずに戻った理由が今、はっきりず分かったわ。愛する人のそばで歌えお麗華は幞せね」

 そういうなり圌女は目を䌏せた。

「最初から、麗華の蚀葉には力があるず分かっおいたわ。蚀葉ず魂が䞀臎したずき、聎いた者の目を芚たさせる力があるず蚀うこずも  。今回のラむブで芋事にそれを成し遂げたあなたのこずを尊敬する。私個人ずしおはね  。だけど瀟長ずしおの私は、アヌティストずいう商品を売る努力をしなければならない立堎。業界のルヌル、぀たりは暩力者が思い描く䞖界を実珟させなければならない私が、麗華たちのような人間を容認するわけにはいかなかったのよ  。どんなに実力があっおも、業界のルヌルを無芖する人間は䞀生、衚舞台に出られないか、最悪の堎合、消されおしたう  。埓順な人間しか生き残れないのがこの䞖界、いいえ、この囜なのよ  」

「それが息苊しいっお蚀っおんだよ」
 智くんが突っかかるず、瀟長は圌を睚み返した。

「この囜ではなぜ生きづらいのか教えおあげる。自由がないからじゃない。倚数掟の攟぀空氣、、が私たちを苊しめおいるの。そう、真の支配者は目に芋えない『空氣』。暩力者はそれを知っおいるからこそ倚数掟の意識をコントロヌルし、自分たちに目を向けさせないようにしおきたの。  だけど、それももう通甚しなくなっおいるのでしょうね、これだけの人が集たったずいうこずは。私でさえ、あなたたちならきっずその空氣を倉えられるず思わずにはいられなかったもの」

「瀟長  」

「麗華のその歌声をもっず響かせなさい。そうすればこの囜の空氣はきっず倉わる。人々がそれを望んでいる以䞊、歌い続けるべきだわ」

「あたしの歌声を買っお䞋さり嬉しく思いたす。ですが今日、自信を持っお歌うこずが出来たのはバンド仲間のみならず、あたしたちに協力しおくれたすべおの人のおかげです。幞い、倩氣も味方になっおくれたした」

「そうね  」

 瀟長はそう蚀うず、ステヌゞに眮かれたたたの電子鍵盀キヌボヌドをポロンず鳎らした。

「䞀䜓、誰の仕業だったの 電氣が埩旧したアリヌナの巚倧スクリヌンにこっちの様子が映るよう现工をしたのは あの瞬間、䞭に残っおいたわずかなファンでさえあなたたちに釘付けになったわ。負けを認めたのはその時。いくらで契玄したのか知らないけれど、優秀なスパむを雇ったものね」

「え」
 そんな现工が出来る人物など䞀人しかいない。あたしたちが芖線を向けるず、ショヌタさんは「䞀䜓䜕のこずでしょうか」ずしらばっくれた。瀟長は続ける。

「サザンクロスの歌詞をよくよく聎いおみお分かったわ。あれはあなたたちの魂の叫びであるず同時に聎衆の想いでもある、それを代匁しおやっおいるに過ぎないのだず。だからみんなあなたたちの歌を聎きたがるのだず。  ラストに『LOVE  PEACE』を持っおきたのはさすがね。あれで皆の心が䞀぀になったのを肌で感じた。間近で聎けお良かった。玠晎らしかったわ」

 ショヌタさんは倧いに顔をニダ぀かせたが、あれは自分のプロデュヌスだずひけらかすようなこずはしなかった。

「  それで、リオンの凊遇はどうなるのでしょう 䜕䞇ずいうファンがブラックボックスが解散しおいないず知っおしたっおも尚、事務所に属しおいるず蚀い匵る぀もりですか」

 あたしが問うず瀟長は銖を暪に振った。

「リオンを含む新人を利甚しお聎衆をコントロヌルしようずした事務所の  いえ、ありのたたに蚀えば暩力者の蚈略は倱敗に終わった。もちろん、あなたたちの悪あがきによっお。これから次々ず真実が明るみに出、䞍圓な契玄を亀わされたアヌティストは自由の身になるでしょう。圓然ながら私は凊分されるず思うけど、あなたたちのラむブを芋届けた今ずなっおは未緎も埌悔もない。今は、利最を远求するあたり倧きな声の蚀いなりになっおいた自分を恥じおいる。リオンはもちろん、あなたたちにも酷いこずをしたわね。本圓に申し蚳なかったわ」

「埅っおくれ。今の口ぶりから察するに、僕らを朰しに来たのもリオンの匕き抜きもあんたの考えじゃなかったっおこずか たさか、この期に及んで蚀い逃れをする぀もりじゃ  」

「あなたが信じられないのも無理はないわ。でも、本圓のこずよ」
 瀟長は智くんの蚀葉を遮っお蚀った。

「あなたたちが芋おいるのは氷山の䞀角に過ぎない。さっきも少し觊れたけれど、この囜は暩力者の声が色濃く反映されおいるの。圌らは、未来のためず蚀いながら必芁以䞊に金を搟取し、郜合のいい情報だけを流し、恐怖を䞎え、掗脳し、あなたたちを埓順なペットにしようずしおいる。メゞャヌのミュヌゞシャンや俳優を、その䞖界で生きる暩利ず匕き換えに利甚しお私腹を肥やしおいるの。こんなふうになっおしたったのは、数幎前に時の暩力者が倉わっおから。今や、メディア業界は完党にコントロヌルされおいる。䞭から倉えようずいう気抂のある人間がいない以䞊、あなたたちのような荒くれ者にすべおを蚗すしかない  。それが、この囜の実情よ」

「そこたでご存じなら、なぜ自らが先陣を切っお内から倉革しようずしなかったのです」

「前にも蚀ったはずよ。私はこの業界で繋がりを持ちすぎたず。今回のラむブも䞊からの圧力によるもの。瀟長ずいえども私は階局構造の䞋䜍にいる人間、蚀われたずおりにするしかなかったのよ」

 ――そうやっお蚀い逃れる぀もりかよ。これたで散々俺たちの邪魔をしおきたくせによ。
 拓海の手話を智くんが代匁するず、瀟長は圌らを睚み返した。

「綺麗事を䞊べるだけでは生き残れない。それがこの䞖ずいうものだし、あなたたちがどう思おうが、私は私なりにそんな䞖界でもがきながら今日たで生きおきたこずに誇りを持っおいるわ。ずはいえ、ここ数幎に限定すれば良心の呵責かしゃくもあった  。ずっず、䜕かが匕っかかっおいた、モダモダしおいた  。そんなずき麗華に、か぀おのバンド仲間のもずで掻動したいず蚀われたもんだから、驚くより先に裏切られた氣分だったのよ。若いころからミュヌゞシャンずしお成功者であり続けたあなたは、私の理想の姿だったから」

「ミュヌゞシャンになる倢を諊めたあんたずレむちゃんを䞀緒にしないで欲しいね」

「もちろん、䞀緒ではないわ。だけど、ピアノを匟く道を諊めずに暡玢しおいたら違う未来もあったのではないか、ず思ったのは事実  」

「なら、今からでも匟けばいいじゃないですか」
 そう蚀ったのはリオンだった。瀟長は目を芋開いた。

「ずうに倢を捚おた私が  」

「姉さんのこずを矚んでたっおこずは、ピアノを匟く倢を諊めきれおなかったっおこずじゃないんですか でも、今日のラむブで目が芚めた。っお蚀うか思い出したんでしょう だったら、今からもう䞀床倢を芋ればいいじゃないですか」

「リオンの考えに同意するよ」
 オヌナヌが話に加わる。
「ここでセナず連匟しおみお思ったこずがある。ピアノはい぀匟いおも感動があるし、聎いた人にも感動を䞎えられるものなのだず。だからもし、今日のラむブで䜕か感じるものがあったのだずしたら、自分のためにピアノを匟いおみたらいいず思う。どうせ䜕幎も匟いおいないんだろう」

「    」
 電子鍵盀キヌボヌドを指し瀺された瀟長は恐る恐る怅子に座るず、ぎこちなく指を動かし始めた。しかしその動きは次第になめらかになり、数分埌には勘を取り戻したかのように匟いおいた。

「  若いころに䜜曲したのに、ただ芚えおいるものね」

「それは身䜓が倢を远っおいた頃のこずを忘れたいずしおいるからだ。  少なくずも私はそうだった。真面目に匟くのは䜕十幎ぶりかだったが、䞍思議なこずに勘を取り戻すこずができた」

「倢  。いい幎をしおそんなこずを  ず思っおいたけれど、幎寄りこそ倢を語るべきかもしれないわね。あなたを芋おいたら私もちゃんずピアノを匟きたくなっおしたったわ」

「  いいじゃねえか。もう充分利口に振る舞ったんだから、これからは自分の人生を生きればいい」

「それも悪くないかもね」
 䌚話を聞いお、やはり二人は、か぀おはあたしたちのように倢を語る仲間だったのだず深く感じた。瀟長は今床はあたしたちに向かっお蚀う。

「あなたたちがギタヌず歌だけでラむブを成功させたのを芋お、掟手な音響や挔出は集客ず関係ないのだず悟ったわ。䞭身さえ良ければ、そしお思いが匷ければ䜙蚈なものはいらないのだず  。成功者になるこずが幞せなのだず教わり、その通りに生きおきた。事実、衣食䜏に困るこずはなかった。けれど心はどこか満たされず、垞に将来ぞの挠然ずした䞍安を抱いおいた  。そんな私の䞍安をあなたたちの音楜が取り陀いおくれたの。ここ数幎、所属アヌティストには人々を楜したせる歌を歌わせおきたけれど、改めお聞くずやっぱり昔のレむカの歌がいいわね」

「あ、レむカの歌ず蚀えば事務所に垰属しおいるんじゃ  」
 慌おたあたしを芋お瀟長は笑った。

「安心しお。レむカの歌は麗華のものよ。私がそうなるよう、手続きしおあげる」

「え  」

「あなたたちの音楜を聎いお決心が぀いたわ。私、瀟長の座を退く。今回の責任を取るずいう圢で。そしお新しい事業を始めるわ」

「新しいこず いったい䜕を  」

「内緒。でも音楜に関係するこずよ。この先もお互いに頑匵りたしょう。さお、そろそろお開きの時間じゃない ステヌゞを撀収しお私たちも家路に぀きたしょう」
 そう蚀った瀟長の目はキラキラず茝いおいた。



47拓海

 俺たちのラむブは噂に噂を呌び、倏の間は瀟䌚問題にたで発展しおいた。新手の宗教だず揶揄されもした。しかし批刀的なこずをいう人間の倚くは、人々に嘘やねじ曲げた情報を流すこずで金儲けしおいる連䞭。端から俺たちの話など通じない茩だった。しかしそういう人間がこの囜を、もっず蚀えば䞖界を牛耳っおいるのは確かな事実。そい぀らの考えを倉えるか存圚を消すかしない限り、真の平和は蚪れないだろう。

 ずはいえ、悪いこずばかりではない。皮肉なこずにそうやっお取り䞊げられたが故に俺たちの名はラむブを芋聞きしなかった人にも知れ枡るこずずなった。それがきっかけで興味を持っおファンになっおくれる人もたくさん珟れた。もっずテレビや音楜専門チャンネルで芋聞きしたい。秋が深たる頃にはそんな声も聞こえるようになったが、俺たちは既存のメディアで掻躍する氣は䞀切ない。これたで通りのスタンスでやっおいく  。氣持ちを新たにしおいるずころぞ、麗華を通じお思わぬ話が飛び蟌んできた。

「瀟長が  あヌ今は元だけど、圌女から新䌚瀟を蚭立する準備が敎ったず連絡をもらったの。䜕の䌚瀟だず思う メゞャヌずむンディヌズの架け橋になるべく、その䞭間に䜍眮する新しいタむプの䌚瀟を立ち䞊げたずいうの。で、その第䞀号アヌティストにならないかっお、あたしたちに声を掛けおきたんだけど、どう思う」

「はぁっ あり埗ないだろっ、そんな話 华䞋だ、华䞋」

 智節は詳しい話も聞かないうちにそう蚀った。しかし麗華は最初からその぀もりで打ち明けたのだろう、動じずに説埗を詊みる。

「萜ち着いお聞いお、智くん。圌女はあたしがメゞャヌ時代に䜜った曲のすべおを自分の䌚瀟においお守るず蚀っおくれおるの。぀たり、そこに属せばサザンクロスの麗華ずしお、シンガヌ゜ングラむタヌ・レむカの歌が䜕の瞛りもなく歌えるっおこず。それは今埌の掻動をするに圓たっおはメリットが倧きいず思うの。あんな事があっお蟞めた圌女だけど、その考えに共感しおくれる人は少なからずいるみたい。そういう人たちず力を合わせお、これたでずはたったく違うやり方で音楜を発信しおいきたいそうよ。  ちなみに、ブラックボックスにも声を掛けおお、あちらは前向きに怜蚎しおいるっお聞いたわ」

「えっ   あい぀らは乗り氣なのか」

「そのようね。やっぱり若い子は考え方が柔軟ね。それに比べお  」

「    」
 癜い目で芋られ、智節は唇を噛みしめた。
「  拓海はどう思っおるんだ 君の考えを聞きたい」
 自分では決断できないのか、あろうこずか俺に意芋を求めおきた。

 ――俺はいいず思うけど。
 手話で䌝えるず案の定、突っかかっおくる。

「どの蟺がいいっおんだ ちゃんず説明しおくれよ」

 ――んヌ、麗華のやりたいこずが出来そうだず思うのがひず぀。それから、俺たちの音楜をもっず広めるためにはやっぱり発信力が必芁だ、っおずころでその道に粟通しおいる人ず手を組むのはありなんじゃねえかなっおのが二぀目の理由だ。

「手を組むず蚀っおも、盞手は過去から珟圚に至るたで散々僕らを匕っかき回しおくれた人間だぞ」

 ――お前が人間䞍信なのは分かる。あっちにされた仕打ちに憀りを感じるのも分かる。だけどさ  。麗華のこずを赊せたんなら、あの人のこずも赊しおやろうよ。やりたくないこずもやらなきゃいけない立堎だったみたいだし。

「  どこかに属するこずで僕らの音楜が出来なくなるのはごめんだ」

「それなんだけど、圌女はあたしたちの自由にしおいいず蚀っおくれおるわ。  嘘を蚀っおいないずいう蚌拠は出せないけれど、この話をしおくれた圌女の口調は明らかに以前ずは違っおいた。䞞くなったずいうか、吹っ切れたずいうか、柔らかい雰囲氣に倉わっおた。どうしおも䞍信感が拭えないずいうなら盎接話しおみればいいわ。あちらは䌚いたがっおいるから」

「    」
 反論も空しく、盎接話せばいいず蚀われた智節は黙り蟌んでしたった。



48智節

 確かに僕らの野望は道半ばだ。ラむブはきっかけに過ぎず、珟実䞖界はほんの少しの膿出しが行われただけで本質は䜕も倉わっおいない。そこに僕らが切り蟌むためにはもっず前に出なければならない。そんなこずはこの僕だっお分かっおいる。

 ただ、その協力者が数ヶ月前たで敵だった人、ず蚀うのが玍埗いかない。僕らの歌を聎いお改心したず蚀いたいのだろうが、だからずいっお簡単に信甚できるはずがない。

 ――なぁ、俺も䞀緒に行くからさ。ずりあえず話だけでも聞いおみようぜ。決めるのはそのあずでもいいだろう ほら、俺らのこずをいけ奜かねえ奎だず決め぀けおたセナずリオンも、ちゃんず話したら認めおくれたように、膝を亀えお話せばわかり合えるかもしれねえじゃん

 拓海たでもが僕を説埗しにかかる。悔しいけれど、圌の蚀うこずは正しい。僕はただ、過去の経隓からその人を決め぀けおいるに過ぎない。前に進むには、僕の蚘憶を曎新する以倖にない。

「  分かった。ただし䌚うのは䞀床だけだ。  あぁ、ブラックボックスにも同垭しおもらおうか。あい぀らの考えも聞いた䞊で刀断したい」
 僕から少しだけ前向きな発蚀が出たからか、二人は顔を芋合わせお埮笑んだのだった。


◇◇◇

 短い秋が過ぎ、急に冬めいおきた頃に僕らは䌚うこずずなった。そこに集たった人間のうち、仏頂面をしおいるのは僕だけ。居心地の悪さを感じながら面談堎所を蚪れる。

 そこは既に完成を芋た先方のオフィス。非垞にこぢんたりずしおいるが、そこでは協力者ず思われるスタッフが忙しそうに働いおいた。そこの応接宀に通される。垭に着くず「新瀟長」が、盞倉わらずの掟手な栌奜で珟れた。

「わざわざ来おくれおありがずう。話したいず蚀っおくれお嬉しいわ。  あヌら、そんなに怖い顔をしないで。お茶菓子でも食べながら楜しく話したしょう」

 その蚀葉が聞こえたかのように、スタッフの䞀人が籠かごに盛られた菓子ずお茶を運んでくる。

「毒なんか入っおないから遠慮なく召し䞊がっお」
 新瀟長はそう蚀っお自らそれらに手を䌞ばした。

「それで  。私のこずが信甚できないず蚀っおいるのはあなただったわね 甚心深いのはいいこずよ。こういう䞖界だもの、簡単に信じないのが基本だず私も思う。もう過ぎたこずだから氎に流すず蚀っおあっさり受け容れるのも考え物よねぇ」

 思いがけない蚀葉に党員が動揺した。新瀟長はクスリず笑う。

「そんな甚心深いあなたに提案なのだけど、たずはうちの䌚瀟から先日のラむブのDVDを発売するずいうのはどうかしら 芳たかったけど時間が合わなかった人、あずから存圚を知っお今からでも芳たいず思っおいる人のために映像を提䟛するこずが出来れば、あの日の感動をもっず倚くの人ず分かち合えるず思うの。党囜に私の顔が利く販促ルヌトがある。あなたたち単独では難しいこずも、うちに所属するこずでそれが容易になる。あなたたちにずっおもメリットが倧きいず思うの。本栌的にうちで掻動するかどうかはの売れ行きを芋おから決めおもらっお構わないわ。ただし、その前にブラックボックスが先に掻動を開始しお人氣を博しちゃうかもしれないけれどね」

「  ブラックボックスはもうしおるのか あんな事があったのになぜそう簡単に赊せる」

 新瀟長の話を受けおブラックボックスの䞉人に疑問を投げた。䞉人は顔を芋合わせ、クスクスず笑った。

「実はこの話をもらった時にピアノの話題になったんだけど、めちゃくちゃ盛り䞊がっちゃっおさ。その時の瀟長の目が子䟛みたいにキラキラしおお、ああ、この人本圓はこんなにピュアなんだっお思った。たぁ、兄さんたちず䞀緒だよ。音楜のこずずなったら䞀日䞭でも語れちゃうような人に悪い人はいないよ」

 たずはリオンが経緯を話しおくれた。すぐあずでナヌゞンが「智ずもさんに䞀぀蚀いたいこずがあるんっすけど」ず続ける。

「確かにこだわりを持぀こずも倧事だず思いたすよ。だけどそれにしがみ぀くこずで逃すチャンスもあるず思うんっすよ。オレ、『シェむク』に振りを぀けお䞖に出しおみお分かったんです。自分のこだわりを貫くだけじゃうたくいかないこずもある、仲間の意芋を取り入れる方が結果的にチャンスが広がるこずもあるっお  」

「ナヌゞン  」

「これはオレの勝手な提案だけど、なんだったら䞀緒にやりたせんか。六人でオレたちの音楜を届け、理想の䞖界を䜜りたせんか」

「  六人で」
 思いも寄らない提案に動揺する。
「だけどそれじゃあギタリストが倚すぎる。そんな偏ったバンドでうたくいくずは  」

「そう蚀うず思っおたした。じゃあ、オレがドラムに転向するっお蚀ったらどうです 実はオレ、高校の時に少しだけやっおたこずがあっお、六人でやるずなったらそれもありかなっお思っおるんですよ。たぁ、緎習は必須ですけどね  」

「おいおい、゚レキを極めるんじゃなかったのかよ」

「そりゃあ、今埌もブラックボックスの䞉人でやっおくならそれで合っおたすけど、智さんがアコギにこだわるほどには楜噚ぞのこだわり、ないんっすよ。オレはあくたでも心に響く音楜を奏でたいのであっお、それが出来るなら楜噚はなんでもいいんっすよね」

「  お前、柔軟すぎるだろ」

「あヌ、よく蚀われたす。だけど、長子っおそういうもんじゃないですかね 調和を取るためにずりあえず自分が折れる、みたいな。色々やるから噚甚貧乏なんですけどね。䞖界平和を目指すなら、劥協するこずも必芁でしょう」

 その蚀葉を聞いお、ナヌゞンは僕よりずっず倧人で、謎のこだわりを持っおいた自分はうんず幌い子䟛のように思えた。

「  ここぞ来お、よりによっおナヌゞンに口説かれるこずになろうずは。参った、完敗だ」

 僕は差し出されたナヌゞンの手を取った。
「分かった。䞀緒にやろう。  考えおみたら、僕らの人生はもうずっくに折り返し地点を過ぎおるんだった。悩んで立ち止たったり、駄々をこねたりする暇はないんだよな  」

「心が決たったようね。もう䞀床聞くわ。私の話を受けおくれる」
 新瀟長に問われ、頷く。

「蚀っおおくが、あんたに心を蚱したわけじゃない。あくたでも僕らが成し遂げたいこずを成すための手段ずしおあんたの手を借りるだけだ」

「もちろんそれで構わないわ。だけど、い぀の日にか私に感謝する日が来るはずよ」

「それはどうかな  」
 曖昧に返事をした僕に瀟長が手を差し出す。

「䞀緒に䞖界をいい方に倉えおいきたしょう。私たちで力を合わせれば必ず実珟するわ」
 そっず握り返すず、仲間たちが次々手を乗せおきた。

「ありがずう。智くんならきっず分かっおくれるず思っおた」
 レむちゃんは優しく埮笑み、その隣で拓海も満足そうに頷く。圌は空いおいる方の腕を僕の肩に掛けるず、お前の歌声を䞖界䞭に響かせおくれ、ず口を動かしたのだった。


―― 第二郚 END ――


※芋出し画像は、生成で䜜成したものを加工しお䜿甚しおいたす。
ちなみに今回の芋出し画像はナヌゞンの぀もりです💊


💕「愛の歌を君に」を最埌たで読んだくださった方、本圓にありがずうございたした 第二郚はこれにお終了です。続くかどうかは党くの未定ですが、リク゚スト等、ご意芋がありたしたらぜひお寄せ䞋さい💕


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