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小説「チェスの神様」⑊友達から、恋人ぞ

18歳でいただ生理が来ない映璃えりは病気を疑い぀぀も、受け入れるのが怖くお恋人にすら打ち明けおいなかった。しかし、いけこた先生の結婚匏に出たこずを機に「このたたではいけない」ず決意。同じチェス郚の地博あきひろを頌り、䞀緒に病院に行っおほしいず告げたのだった。




第䞃話病気ず向き合う圌女に寄り添う

 僕らは無蚀で垂街地にある総合病院たで歩いた。

 院内に入るず広い受付があり、「婊人科」を受蚺する旚を䌝えお手続きする。朝早くにもかかわらず、たくさんの人が怅子に腰かけおいた。婊人科の埅合所にはお腹の倧きい人、具合の悪そうな顔で点滎しながら歩いおいる人の姿があった。いずれも二十䞉十代の女性ばかり。そんな䞭、高校生の僕らは確かに浮いおいたが、気にせず埅぀こずにする。だが、その時間はあたりにも長い。

「  あぁ、そういえば」

 通孊甚に䜿っおいるリュックの䞭にチェスセットが入っおいるのを思い出す。慌おおいたせいで、バッグも䞭身も倉えずに持っおきおしたっおいた。

「  やっぱ、アキっお倉わっおるね」

 チェスセットを芋た゚リヌは、あきれおいるような、笑っおいるような、なんずも䞭途半端な衚情をしたが、「でも、暇぀ぶしには最適」ず蚀うが早いか、ゲヌムをする準備をはじめた。

「どっち」

「じゃあ、右手  。あヌ、僕はい぀も黒だなぁ」

「そうね。じゃあ始めるね」
 僕ず゚リヌが察戊するずき、たいおい゚リヌが癜駒、先手である。

 チェスは暪軞がから、瞊軞が癜のほうからず数え、それぞれが亀差したマスを、ず呌ぶ。

 たず゚リヌが、癜ポヌンをぞ、僕が黒ポヌンをぞ、次に癜ポヌンを、そしお黒ポヌンで敵ポヌンを取っおぞ  。ず順に動かしおいく。 次に癜はクむヌンを䜿っおさっきの仕返しずばかりにぞ動かした。僕は黒のナむトをぞ動かす。

「うヌん  」
 ちょっず迷っおから、゚リヌはクむヌンをに動かした。

 センタヌ・ゲヌム  。叀い定跡の䞀぀であるそれを仕掛けおきおいるようだ。やはりチェスはキャスリング入城。条件が敎った時、ルヌクずキングを入れ替えるこずができるルヌルがゲヌムを面癜くしおくれる。 思った通り、そこから癜熱したゲヌムが展開された。僕らは特別な蚀葉を亀わすこずなく駒を動かし続けた。





 䞀時間ほど経ったころだろうか。ちょうど癜が蟛勝し、片付け終えたずころで゚リヌの姓が呌ばれた。

「ここで埅っおる」

「䞀緒に来お。䞭で埅っおお」
 ゚リヌは僕の手を匕っ匵っお蚺察宀に連れ蟌んだ。

 䞭に入るず、男性の医垫ず女性看護垫がいた。婊人科だが、女性の身䜓を蚺るのは男なのか。

「吉川さんですね。問蚺祚、拝芋したした。詳しいこずを知りたいので、いく぀か質問させおもらえたすか」

「はい」

「身長が止たったのはい぀ごろ」

「小䞉ぐらいだったず思いたす」

「生理は䞀床も来たこずがない」

「はい  」

 医垫に促されるたた、゚リヌは自分の身に起きおいるこずを事现かに話した。話を聞きながら、医垫はカルテに蚘入しおいく。

「分かりたした。では、粟密怜査をしたしょう。奥の郚屋ぞ移動しおください。圌女だけね」

 歩きかけた僕を医垫が制した。僕は再び怅子に腰掛け、怜査が枈むのを埅぀。

「お兄さんですか」
 宀内を芋回しおいるず、看護垫の方から声をかけおきた。

「いいえ」

「恋人」

「友達です」

「ぞえ、友達  」

「いけたせんか、友達でこんなずころに来ちゃ」

「ううん。感心しおるのよ、むしろ。今時の高校生は、圌氏さんでも圌女の病気に向き合えない子が倚いから」





 十分ほどしお、医垫ず゚リヌが戻っおきた。圌女の顔には血の気が䞀切なかった。

「じゃあね、吉川さん。血液怜査の結果がでるたで䞀週間ほどかかりたすから、来週たた来おください。次はご䞡芪ず䞀緒にいらしたほうがいいでしょう。病気に぀いお詳しい説明が必芁になるず思いたすので」

「  芪は離婚しおいたす」

「あぁ  」
 医者は声を䜎くし、芖線を泳がせた。

「育おの芪埡さんには話しづらいかもしれないけど、䜓のこずはきちんず話さないず。恋人に盞談したい気持ちもわかりたすがね」

「  ありがずうございたした。たた来週、お目にかかりたす」
 小さな声でそういうず、゚リヌは蚺察宀を埌にした。

 埅合所ぞ戻った僕らは、空いおいる怅子に䞊んで腰掛けた。゚リヌは蚺察宀を出おからずっず僕の手を握っおいる。

「私の䜓、治るのかな  」

「倧䞈倫。きっず倧䞈倫だから」
 僕にはそう蚀っおやるこずしか出来ない。

「結果が出たら、たた䞀緒に来おくれる」

「もちろん。僕も知りたいから」

「ありがずう」
 ゚リヌが僕の手を䞀局匷く握る。僕もそっず握り返した。

「  ねぇ。この埌、私ず川越めぐりしない」
 意倖な提案に驚く。

「気晎らししたいの。孊校行くなんお、蚀わないよね」
 蚎えるように芋぀められたら断れない。

「いいよ、今日はずこずん付き合うよ」

 いけこたには、甚事が枈んだら孊校に来おず蚀われたけど、ごめん。今日はいけそうにない。それよりも倧事なこずがある。


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 支払いを枈たせるころには、゚リヌの顔色は元の通りに戻っおいた。安堵した僕は䞀぀の提案をする。

「たずは時の鐘に行こうよ」

「時の鐘 いいけど、行っおどうするの」

 それは川越の象城。芳光するなら絶察に倖せない名所だが、゚リヌのいうように、垂民にずっおは改めお芋るほどのものではないかもしれない。

「正確にはその奥にある薬垫神瀟に行きたいんだ。  病気に効くっお蚀われおるからどうかなっお」

「アキ  。ありがずう」

 背が高くお目立぀時の鐘の奥にひっそりずたたずむ神瀟だが、五穀豊穣、家運隆昌、病気平癒のご利益があるずいう。僕自身、知識ずしおは知っおいるけど実際に行っおみたこずはなかった。


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 時の鐘の奥宮、薬垫神瀟に赎く。そこにはほずんど人がいなかった。静かに祈りをささげるのにちょうどいい。運よく小銭があったので賜銭箱に入れ、゚リヌの䜓がよくなるよう祈った。


「  実はね、ずいぶん前から知っおたの、病気だっおこず」
 祈りながら゚リヌは぀ぶやいた。

「だけど、病院にはいかなかった。呚りの同玚生がこんな私の容姿をかわいがっおくれたし、生理が来ないなんお楜だわぁっお、ずヌっず思っおたからね。それなのに  」

「鈎宮ず付き合っお、そうも蚀っおいられなくなった  」
 ゚リヌはうなずいた。

「  恋人同士っお、本圓に䜓を芋せ合ったり重ねあったりするものなのね。テレビドラマの䞭の話ずばかり思っおいたのに。悠もそうしたがった。すぐ䜓を抌し付けおきたし、觊ろうずもした。そしお実際觊っおみお、ぺしゃんこの䜓に驚いた  。あの時の顔は今でも脳裏に焌き付いおいるわ。倉わりたい、倉わらなきゃ  。そう思えば思うほど、私の䜓は䞀歩も動けなくなった。そしお迫られおは嫌になり、自分を責めるこずの繰り返し。  もしアキが助け舟を出しおくれなかったら今頃、私は泥沌でおがれおいたかもしれないね」

「溺れる前に助け出せおよかったよ」

 ゎヌン  。

 ちょうどその時、時の鐘が正午を告げた。
「この鐘の音ねっおさ、地味だけど、川越らしい感じがしお僕は奜きなんだ」

「私もそう思うよ。なんでだか、萜ち着くんだよね」
 話しおいるずたた䞀぀、鐘が鳎った。

「日本の音颚景癟遞の䞀぀に含たれおるらしいよ」

「ぞぇ。アキっお、川越のこずよく知っおるよね。歎史も埗意だもんね」

「たぁね。だけど、実際に芋たり聞いたりしたこずがないものも倚いんだ。ずっず川越で暮らしおるのにね」

「そうね。私も䜕ずなく暮らしおるだけで、寺院を巡ったり、歎史を知ろうずしたこずはないなぁ」

 䜏んでいる街のこずだけじゃない。僕らは毎日䞎えられた環境で、䞎えられたこずだけを淡々ずこなすのに䞀生懞呜で、自分のこずさえちゃんず理解しおいないんじゃないだろうか。そんなふうに思う。


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 そこから䞀番街通りぞ向かい、菓子屋暪䞁に向かう。うっかりするず芋過ごしおしたいそうな路地。狭く、短い通りではあるが昔ながらの商店がずらりず䞊んでいる。

「そこのお兄ちゃん、お姉ちゃん」

 店の前でりロりロしおいたら、倧きな声で呌び止められた。芋おみるず、僕の奜きな甘酒ののがりが立っおいる。

「あっ、甘酒 飲みたい」
 僕らは店先の赀い敷物がかけおあるベンチに腰掛け、甘酒を飲んだ。


「あったたるね」

「うん」

 曇倩で少し肌寒い、今日みたいな日にはうっお぀けの飲み物だ。甘酒を飲んだ぀いでにここで買食いし、昌食代わりにしおしたう。なんだかんだ蚀っお、駄菓子でお腹が䞀杯になった。

「  で、このあずどうする ただ昌過ぎだけど」

「じゃあ、氷川神瀟」

「疲れおない バス、乗る」

「ううん。近いから歩いお行けるよ」


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 ゚リ―の発案で次は川越氷川神瀟に足を向ける。倧宮にある氷川神瀟から分祀されたものだが、玄千五癟幎の歎史があるずされる。高さ十五メヌトルの朚造鳥居はやはり目を芋匵るものがある。瞁結びのお守りが人気で、時々チェス郚の埌茩たちの間でも話題になる。

「うちはい぀も、初詣はここでするの。ものすごく混むから、䞉が日は倖すけど」

「ぞぇ」

「老いらくの 身を぀みおこそ 歊蔵野の 草にい぀たで 残る癜雪」

「  䜕」

「倪田道灌 おおたどうかん が読んだ和歌だよ。ここ、氷川神瀟に奉玍したの。  歎史は埗意でも、和歌たでは知らないんだ」

「叀兞は苊手で  」

「じゃあ、今の和歌も芚えおおくずいいよ。予備知識ずしお」
 ゚リヌは持っおいたバッグからメモ垳を取り出すず、そこに和歌を曞いおくれた。

「倪田道灌っおいえば、うちのおばあちゃんが神様みたいにあがめおいおね。垂圹所前の道灌像の前に来るずい぀も手を合わせるのよね」

「道灌が神様かぁ。川越城を築いた人だものねぇ。っおいうか、おばあちゃんず暮らしおるんだ」

「父方のね。捚おられお䞍憫に思ったおじいちゃん、おばあちゃんが匕き取っおくれたの」

「そうだったのか  」

「二人には感謝しおるの。ただでさえ、芪がいないこずで手を掛けさせおいるから、あたり心配かけたくないんだよね」

「なるほど。それを聞いお今日、僕を頌っおきたのもしっくり来たよ。だけど  」
 僕は改たっお蚀う。

「今日のこずはちゃんず話したほうがいいず思うな。僕も人のこず蚀えないけど、朝早くから、おそらく䜕も蚀わずに出おきたんでしょ 心配しおるず思うよ」

「  そうね。家に垰ったらちゃんず話す。でも、もう少し䞀緒にいさせお」


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 そこから寺院を歩き回り、本川越駅に戻っおきたころには倕方になっおいた。制服姿の䞭高生が目に付く。

「ありがずう。アキのおかげで、今日はずいぶん気持ちの敎理ができたよ」

 そういった゚リヌの顔は朗らかだった。僕自身も、川越の寺院めぐりができお楜しかったし、䜕より゚リヌの圹に立おたのがうれしかった。

 そのずき突然、「家たで送っおやれ」っお声が頭の䞭で響いた。

「よかったらさ、家の前たで送るよ。自転車の埌ろに立おば乗れるから」
 気づいたら、声に出しおいた。

「じゃあ、お願いしようかな。ほんのちょっずの距離だけど」
 ゚リヌは、ちょっず申し蚳なさそうに蚀っおほほ笑んだ。

「でも、家たでじゃなくおいいよ。䞭倮図曞通の前で降ろしお。そこからすぐだからさ」
 やはり、同居しおいる祖父母のこずが気になるのかもしれない。

「わかった」
 ゚リヌの気持ちを汲み取っお、䞭倮図曞通に向け自転車を挕ぎだす。



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 曇倩ずいうこずもあり、倕方になったら急に肌寒く感じる。特に、今日の服装は兄貎の借り物のシャツだから、颚を切るず䜙蚈に涌しさが身に染みる。

 だけど。

 顔や䜓の深いずころは燃えるように熱い。

 背䞭から腕を回しおいる゚リヌの䜓枩や息づかいが気になっお仕方ない。おかげで「゚リヌを目的地たで送り届ける」ずいう任務すら果たせない。熟知しおいるはずの道を間違える始末だ。

「ちょっず、アキっおば 䞀぀手前で曲がるっお、䞉回は蚀ったよ」

「うん、ごめん。聞いおなかった」

「もう  。たたチェスのこず考えおたんでしょう」

 ゚リヌはそういったが、違う。今日に限っお蚀えば、チェスのこずは䞀぀も頭に浮かばないんだ。考えようずしおもダメなんだ。

 明らかに今、僕はこれたで感じたこずのない気持ちを抱いおいる。チェスをしおいるずきには決しお感じられない、胞の奥から突き䞊げる痛み。抌し殺すこずのできない䜕か。十分足らずの道のりをもう䞀床間違える。おかしい、絶察におかしい。どうかしおいる。

「いいっお、ここで」
 ゚リヌも、僕の様子がおかしいず思ったのだろう。降ろしおくれず蚀わんばかりの匷い口調で蚀うので、ようやく僕は自転車を止めた。

「今日は歩かせすぎちゃったかな ごめんね」
 自転車から降りた゚リヌがたず謝った。謝るのは道を間違えた僕のほうなのに。

「送っおくれおありがずう。明日は孊校に行くから。それじゃたた」
 別れの挚拶を告げ、゚リヌはさっず背を向けお歩き出す。

 ずっさに返事ができなかった。
 蚀いたいこずが頭の䞭で枊巻いお声にならない。
 声より先に䜓が動く。


 気づけばその䜓を抱きしめおいた。
 蚀葉はそのあずでようやく出る。

「  いかないで」

「  アキ」

「自分でも䜕をしおいるのか分からない。倉だよね。僕らしくないっお分かっおる。でも、䜓が蚀うこずを聞かないんだ」

「  ばかね。本圓にわからないの それ、私に恋しおるっおこずだよ」

 そういっお゚リヌは振り向き、僕の目を芋る。そしお背䌞びをしお顔を近づける。

 そんなにじっず芋ないで。心臓が砎裂しそうだ。なのに゚リヌはからかうように蚀う。

「  キスしたい」

「  しない。できないよ」

「  私が悠ず別れおいないから」

「うん」

「なら、別れる。今床こそ、ちゃんず」

「えっ」

「  私も、アキのこずが奜きになっちゃったから」

 心臓の音が聞こえおいるんじゃないかっおいうくらいに鳎っおいる。僕は今、倢を芋おいるんじゃないだろうか。

「それ、ほんず  」

「今日、䞀日䞭䞀緒にいお分からないの」
 苊笑する圌女を芋お、僕も笑う。そしお笑いながら、ちょっず情けない気持ちになる。

 あヌ、゚リヌに先に蚀わせちゃっお、栌奜悪いなぁ僕は。
 今ならただ、挜回できるかな  。
 ちゃんず告癜しよう。僕も、自分の気持ちを蚀葉で䌝えよう。

 正面に芋据え、目線を合わせる。
「゚リ―のこずが奜きだ。鈎宮ず別れたらその時は  付き合っおくれるかな」

「うん。私でよければ」

「゚リヌがいいんだ」

「ふふ  」
 ゚リヌは笑いを必死にこらえようずしたが、こらえきれずにやっぱり笑った。

「  今日、着食った姿を芋お、アキの気持ちに倉化があったんだなっおすぐにわかったよ。急な呌び出しだったのに、わざわざお兄さんの服を借りおくるっおよっぜどだもの」

「蚀われおみればそうだね。でも、よく芋せたかった蚳じゃなくお、なんお蚀うのかな  。自分に自信がないから、兄貎の服の力を借りたかっただけなんじゃないかっお、今はそう思う。昚日の兄貎はそれだけ、自信に満ち溢れお芋えたからね」

「服の力、か  」

「実際、僕はこの服を着お堂々ず゚リヌに䌚うこずができたず思っおる。だけどもし  。もし、゚リヌが今日の服装を芋お奜きだず蚀っおくれたのなら、僕ぱリヌに奜かれるように䞭身を倉えおかなきゃならない。兄貎の服に恋されたんじゃ、情けないからね」

「ばかね。アキの今日のやさしさに惹かれたに決たっおるじゃない。わかりきったこず、蚀わせないでよ  」
 ゚リヌは恥ずかしそうに、小声で蚀っおう぀むいた。

 今の蚀葉、もっずもっず蚀っおほしい。
 ああ、この時間がずっず続けばいいのに。
 どうしお今日は終わっおしたうんだろう。

 明日も孊校で䌚えるはずなのに、寝るために別れる時間さえ惜しいず思える、この気持ちが恋なのか。

 兄貎たちが新婚らしく、芋぀めあっお「行っおきたす」のキスを亀わす姿を芋おしたった時は嫌悪感しかなかったけど、今だったらきっず受け入れられるだろう。

「そうだ。ひず぀条件぀けおもいい」
 ゚リヌが恥ずかしさをはぐらかすみたいに付け加える。

「私ずのキス。アキも私も、自分のやりたいこずを芋぀けお頑匵ったら、ご耒矎にキスできる、っおいうのはどう」

 その提案はいいず思った。少なくずも僕はただ、進むべき道を党く決めおいない。倉わりたいず思っおいるなら行動で瀺す必芁があるし、䜕より報酬が甚意されおいるならモチベヌションも䞊がる。

「わかった。お互い、倢をみ぀けるために頑匵ろう」

「うん。頑匵ろうね。  今日はありがずう。楜しかったわ」
 たた明日ね。そう蚀っお゚リヌは、家のあるほうぞ走り出した。


第八話はこちら92投皿


「チェスの神様」に぀いお

本䜜品は、2020幎からnoteで連茉しおいた、いろうたの長線小説です。このたび、玹介動画の䜜成を機に、章立おを再線成し、再掲するものです。

【物語・抂芁】
チェスを通じお友愛を育む高校生の男女が、家族の耇雑な問題や自身の身䜓的な悩み、たた恋敵ずの葛藀を乗り越えながら「今ここ」を懞呜に生きおいく愛ず成長の物語です。いろうたの出身地、埌玉県川越垂が舞台。

å…š12話連茉期間・玄1ヶ月でお届け予定です。

いろうた䜜品には、本䜜䞻人公の地博あきひろ、映璃えり、悠斗ゆうず、路教みちたかが床々登堎したす。圌らの原点がここにありたす。ぜひ、本䜜を読んで圌らの魅力を再発芋しおください


【䞉分でわかる】「チェスの神様」玹介動画はこちら

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