先生!これってSFに入りますか?―SF映画と私―(38)フィフス・エレメントは意外と深い?
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▼前回の記事
『フィフス・エレメント』について書こうと思ったら、ついついくせで前談が長くなってしまい、次の記事に改めることになってしまいました。
とにかく、そんなこんなで『AKIRA』『2001年宇宙の旅』『ブレードランナー』といった SF 大作を鑑賞し、だいぶ SF 慣れしてきた頃に『フィフス・エレメント』を観ました。
最初に言っておきますが、大好きな作品なんですが、なんせこれも1回しか観ておらず、しかも観たのは20年近く前のことなので、うろ覚えです。
それにしても、『フィフス・エレメント』は斬新な作品に感じました。
未来的なガジェットや乗り物も出てきますし、SF ではあるんですが、どことなくファンタジーっぽい雰囲気もあるんですよね。
まず、この「フィフス・エレメント」というのが、「石板」のことで物語の大きな鍵を握っています。
どうですか? ファンタジーっぽくないですか?(ストーリーを忘れているので、浅い説明)
私が学生時代にテレビの番宣で見た、ミステリアスな女性(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が高層ビルから飛び降りるシーンだけを見ると、ものすごくシリアスなイメージがありました。
しかし、実際には他の SF 作品と比べると、軽いムードもあるんですよね。
特に、私の印象に残っているのは、たしか物語の後半に出てくるクリス・タッカーが演じる役どころです。
▼クリス・タッカーといえば、これ
宇宙に飛び立ってから出てくるキャラクターなので、宇宙っぽい恰好はしているものの、マシンガントークで喋りまくるギャグ満載のキャラクターでした。
ここも同じくリュック・ベッソン監督の『レオン』とのギャップを感じたところです。
あんなにシリアスな作品を撮っていた監督が、実はこんなコメディー要素のある作品が撮りたかったなんて、と意外性を感じました。
思えば、『フィフス・エレメント』は、『2001年宇宙の旅』や『ブレードランナー』と同じくらい期待して観た作品ではあったのですが、あれから一度も観直していません。
観終わった直後は「意外と軽かった」と、拍子抜けしたところもあったのでしょうね。
むしろ、本作の本当の価値を知るのは、もっとあとのことでした。
私がブログをはじめて以降の話なので、'15年以降(30代以降)のことなんですが、何かのきっかけでフランスの「バンドデシネ」のことを知ったんですよね。
バンドデシネというのは、フランス語圏のコミックのことです。
おそらく、映画版『AKIRA』を観たあとに、その原作を読んで以降のことだと思うのですが、作者の大友克洋が影響を受けたクリエイターとして、メビウス(ジャン・ジロー)のことを知りました。
▼メビウスの作品
ちなみに、メビウスに影響を受けた日本人クリエイターは、大友克洋だけではなく、宮崎駿監督などもいます(リンクを貼ったメビウスの作品の表紙は、どことなく『風の谷のナウシカ』とも似ていますよね)。
未だにメビウスの作品は読んだことはないのですが、少しずつその世界観を知っていくと、私は『フィフス・エレメント』のことを思い出したのです。
私の中では最初から結び付いていたわけではなかったのですが、思えばリュック・ベッソン監督もフランス人ですし、おそらく、メビウスの作品は読んでいたことでしょう。
そう考えると、『フィフス・エレメント』はバンドデシネ的な世界観を実写で再現した貴重な作品ともいえるわけです。
ここはすごく重要なことですね。
なぜならば、もとよりメビウスの作品はコミックですから、必然的にその影響を受けた作品もコミックやアニメで表現されがちでした(『AKIRA』しかり、『風の谷のナウシカ』しかり)。
そこへきて『フィフス・エレメント』は、その世界観を実写の映像として立体的に描いたのです。
こういった観点を持って『フィフス・エレメント』に触れると、また感じ方が違うかもしれません。
だからこそ、私はこの作品をもう一度観直すときを楽しみにしています。
なんせ、はじめて観たときはこんなことを知る由もなかったのですから。
(続く)
※記事を投稿してから知ったのですが、『フィフス・エレメント』にはメビウス(ジャン・ジロー)がコンセプトデザイナーとして参加していたそうです。
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