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『ちいかわに、貴方の思想をしゃべらせないで』

ちいかわを好きになったのは、
有名になってからなので、古参ファンからしたら
かなりのニワカだろう。

ぐんぴいさんが動画で「ちいかわ面白い」と話しているのを見て、ちゃんと見るようになった。
その動画で、ぐんぴいさんが
ちいかわには様々な派閥があると言っていて、
それがとても面白かった。

「考察絶対許さない、ただ可愛いと思っていたい勢」
「グッズをひたすら買う購買勢」
「世界観を掘りまくる考察勢」

多分、私は考察勢だと思う。
他の作品でも考察するのが好きだし、考えが違っても他人の考察を読むのも好きだ。

私には、一つ大きな考えがある。
作品は一度世に出たら、どう評価され、どう考察されても仕方がない。
作者が「そんな意図じゃないんだけどな」と思ったとしても、読み手がどう解釈するかは自由だと思っている。

こんな素人の私にも記事を書いて、絡まれた時がある。
私自身、帰省中に見た風景について書いた記事を、
「自分の人生を綺麗に書きすぎ。厨二病かよ」
と評されたことがある。↓↓↓

私としては、そこまでのつもりはなかった。
でも、読んだ人がそう感じたなら、それも一つの読み方だと思っている。

私でこれだ。有名な作品なら、もっといろんな読み方をされるだろう。

ちいかわそのものが苦手だという人の話も面白い。

仕事がうまくできず、オタオタしたり、
子供っぽく見えたりするところに、
過剰にイライラしてしまう人もいるらしい。

私はちいかわを見ても、そういう部分でイライラすることはない。
だから最初に知った時は、
「そんなところにイライラする人もいるのか」
と少し驚いた。

でも、それも面白いと感じる。

同じキャラクターを見ても、
「かわいい」と思う人がいて、
「社会の縮図だ」と思う人がいて、
「見ているとイライラする」という人までいる。

作品って、見る人によってこんなに違うのだ。

だから私は、考察そのものを嫌っているわけではない。

ただ、昔から一つだけ、どうにも引っかかる考察がある。

それは、作品を使って「自分の思想を語る考察」だ。

作品を見て、
「これは格差社会の話なんじゃないか」
「労働の理不尽さを描いているんじゃないか」
「弱者と強者の関係を描いているように見える」

そう考えること自体は、私はむしろ好きだ。
ちいかわなんて、特にそういうことを考えたくなる作品だと思う。

かわいいキャラクターたちが暮らしている世界なのに、
仕事をしなければ食べていけない。
資格を取ればできる仕事が増える。
強い者もいれば弱い者もいる。
突然、理不尽な目に遭うこともある。

なんだか妙に、私たちの世界に似ている。

だから、
「ちいかわは資本主義社会の縮図だ」

そんな考察が出てくるのも分かる。
私も「なるほど、そういう見方もあるのか」と楽しく読む。

私が引っかかるのは、
「私はこう読んだ」が、いつの間にか
「この作品はこう言っている」
に変わった時だ。

「私はちいかわを見て、格差社会を連想した」

これは面白い。
でも、

「ちいかわは格差社会を批判している」

と言い切られると、
私は少し待ってくれと思う。

それは、ちいかわが言っているのか。
それとも、あなたが言いたいことなのか。

私が嫌なのは思想そのものではない。
「私はこう思う」が、「作品がこう言っている」に変わることだ。

自分の思想を語るのは自由だ。
私だって好き勝手なことを書いている。
でも、自分の主張に説得力を持たせるために、
ちいかわを壇上に上げて演説させるのはやめてほしい。
あの子はたぶん、そんなことより今日の草むしりの方が大変だ。

自分の思想を語るなら、
自分の名前で語ればいいと思う。


「私はこの社会が嫌いだ」
「私はこういう生き方が正しいと思う」

それなら分かる。
でも人気作品を連れてきて、

「ほら、この作品も私と同じことを言っている」
となると、
急に、人気作品の力を借りて自分の主張を補強しているように見える。

それが私は苦手なのだ。

とはいえ、
これは私自身にも刺さる話だ。

私も作品を見て、
勝手に考察する。
そして、こうして文章にする。

気を抜けば、
「私はこう思った」が「この作品はこう言っている」
に変わるかもしれない。
だから私は、せめて「これは私の妄想です」
と言える場所にいたい。

ちいかわは、説明しすぎない作品だ。

なぜ働かなければならないのか。
なぜ討伐があるのか。
なぜ資格が必要なのか。
なぜあんなに理不尽なことが起きるのか。

はっきり説明されない部分が多い。

だから考えたくなる。

その余白が面白い。

余白があるからって、

自分の思想を油性マジックで書き込むことは、やめて頂きたい。

私はこれからも、
ちいかわを勝手に考察すると思う。
他人の考察も読む。

「そんな見方あるのか」
と笑ったり感心したりする。

考察なんて、
たぶんそのくらい自由でいい。

自分の思想を語りたいなら、
自分の口で語ればいい。

ちいかわを演説台に立たせなくても、
あなたの考えは、
あなたの言葉で十分語れる。

そして、ちいかわには、
今日も草むしりをしていてほしい。

あの子はたぶん、
世界の思想対立より、
草むしり検定の方で忙しい。



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