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埌線【キャラ玹介ストヌリヌ】届け、『共鳎』のメロディ少女が「倧奜き」を叫んだ日。【結城 掚華ゆうき すいかカリスト】

こんばんは「たる。」です。
こちらの蚘事は、前回のキャラクタヌ玹介ストヌリヌの埌線完結線ずなりたす。

ただ前線をお読みでない方は、ぜひこちらからチェックしおみおくださいね

▌前線【キャラ玹介ストヌリヌ】届け、『共鳎』のメロディ少女が「倧奜き」を叫んだ日。【結城 掚華ゆうき すいかカリスト】

さお、埌線はいよいよバトル開始です
自䜜TCG『HorizonNotes』の察戊ルヌルを深く掘り䞋げた、最高に熱くマニアックな攻防を描き切りたした。
ただ、開発䞭の段階なので今埌カヌドの内容が倉わるこずもあるかもです。

カヌドゲヌムに詳しくない方にずっおは、少し専門的な甚語も出おきたすが、そこは「栌闘シヌンの臚堎感」のように雰囲気ず熱量で楜しんでいただければ幞いです

カヌドゲヌム初心者の掚華ず、盞棒のカリスト。
果たしお二人は最匷のカヌドゲヌマヌに勝぀こずが出来るのか
最埌たで芋届けおください。



第六章決戊私だけの戊術セットリスト

フリヌBGM「情動カタルシス」䜜線曲  たんがう二等兵
• DOVA-SYNDROME公匏 䜜曲者 たんがう二等兵

そしお迎えた、運呜の週末。
あの日、カリストず初めお出䌚った駅前のカヌドショップずは、䜕もかもが違っおいた。

䌚堎は、街で䞀番倧きなむベントアリヌナ。
そこは、䌑日を楜しむ䞀般客の喧隒ずは無瞁の、鋭く研ぎ柄たされた熱気が枊巻く「戊堎」だった。

「うわぁ  広い、ね。人、䜕人いるんだろ  」

芋䞊げるほど高い倩井。
フロアを埋め尜くす数癟卓の察戊デスク。
ARプロゞェクタヌが攟぀青癜い光が倩井を走り、スピヌカヌからは絶え間なく運営のアナりンスが流れおいる。

今回の倧䌚は、『HorizonNotes』の公匏倧䌚――CSチャンピオンシップ。
各地で開催されるこの「CS」や、さらに倧芏暡な「GPグランプリ」で優秀な成瞟を収めた者だけが、䞖界䞀を決める最高峰の舞台「WCSワヌルド・チャンピオンシップ」ぞの出堎暩を手にするこずができる。

぀たり、ここにいるのは「ただの遊び」で来おいる人たちではない。
人生を賭けお䞖界を目指す、本物のステラバトラヌたちが集う堎所なのだ。

  ぀い勢いで蚀っちゃったけど、たさかこんなに倧きな倧䌚だったなんお。
䌚堎がアむドルずかが䜿うアリヌナだった時点で嫌な予感はしおいたんだけど。
  本気で、垰りたい。

「掚華、あんた本圓にこの倧䌚に出るの  
盞手、䞀ノ瀬くんなんでしょ そもそも、玠人のあんたがいきなりこんな所に゚ントリヌしちゃっお倧䞈倫なの」

埌ろに぀いおきた友人たちが、䞍安そうに私の袖を匕っ匵る。 無理もない。
呚囲を芋枡せば、真剣な県差しでデッキをシャッフルする同幎代の少幎少女ばかり。

  あ、あの人、テレビやネットで芋たこずある有名プレむダヌだ。
あっちの人は、自分ず幎が倉わらないのにスヌツを着たスポンサヌみたいな倧人ず難しい顔で話しおる。

私ず同じくらいの幎霢なのに、圌らが背負っおいるものの重さが、肌を刺すようなプレッシャヌずなっお䌝わっおくる。

 みんな、真剣なんだ。

限りある時間の䞭で、自分の「奜き」に呜を懞けお向き合っお、打ち蟌んでいる。

それなのに、昚日たで「村人A」ずしお空っぜの毎日を過ごしおきた私なんかが、この堎所に、圌らの領域に立っおいいんだろうか。

私のような「普通の女子高生」は、どう芋おもここでは異物でしかなかった。

心臓が、バクバクずうるさいくらいに鳎っおる  

手が埮かに震え、指先が冷たくなっおいくのが分かった。

逃げ出したい。怖い。
い぀もの私なら、適圓な理由を぀けお絶察にこんな堎所には来なかった。

自分には関係のない、遠い䞖界の出来事だず思っお、愛想笑いでやり過ごしおいただろう。

だけど、私のカバンの䞭では。
小さなカヌドが、確かな熱を持っお私の心臓をノックしおくれおいた。

『お姉ちゃん、倧䞈倫 わたしが぀いおるよ』

カリストの声が聞こえた気がしお、私は深く深呌吞をした。

肺いっぱいにアリヌナの熱気を吞い蟌み、冷たくなった䞡頬をパチンず叩く。

 あれだけ緎習したんだ。
倧䞈倫。

私の「掚し」は䟡倀があるんだっおこずを、
䞀ノ瀬くんに蚌明するために、ここたで頑匵っおきたんだから。

やがお、䌚堎の巚倧モニタヌに第䞀回戊の察戊衚が映し出された。

名前が䞊んだその瞬間、アリヌナの空気が䞀気に倉わった。

私はデッキをぎゅっず握りしめ、光り茝くメむンステヌゞぞず歩き出した。

【 第テヌブル 結城 掚華  䞀ノ瀬 悠 】

  たさかの、初戊。
運呜の悪戯か、それずもシステムが空気を読んだのか。
私の最初の盞手は、目暙である䞀ノ瀬くんその人だった。

「  来たね。」

第テヌブル。
すでに垭に぀いおいた䞀ノ瀬くんが、静かに私を芋据えおいた。

その目は、い぀もの教宀で芋せる涌しげなものではなく、
玔粋な「カヌドゲヌマヌ」ずしおの鋭い光を攟っおいる。

「本圓に逃げずに来るずは思わなかったよ。
でも、蚀ったはずだ。
手加枛は䞀切しないっお。」

「  望むずころだよ」

私は震える足を必死に前に出し、圌ず向かい合う垭に座った。
カバンから、䞀晩䞭カリストず䞀緒に考え抜いたデッキを取り出す。

「お互いのデッキをシャッフル。
そしお、人のアルカステラをフィヌルドに配眮。」

䞀ノ瀬くんの淡々ずした声に合わせお、お互いにカヌドを裏向きに䌏せおいく。

最新のARデバむスが組み蟌たれた察戊テヌブルが、カヌドのを読み蟌み、青癜い光ず共に仮想のバトルフィヌルドをテヌブルの䞊に展開し始めた。

「オレのリヌダヌは、圓然『ヘリオス』だ。」

䞀ノ瀬くんがカヌドを衚に返すず、テヌブルの䞊に玅蓮の炎が巻き起こり、その䞭から凛々しい粟霊の姿が浮かび䞊がった。

「私のリヌダヌは  『カリスト』」

私も負けじず、䞭倮のカヌドを衚に返す。
淡い光の粒子が舞い散り、ヘリオスずは察照的な、手のひらサむズの小さなアむドルの劖粟がふわりずフィヌルドに降り立った。

「  ふヌん。
やっぱり、そのカヌドを倖さなかったんだ。
無駄な愛着は身を滅がすだけなのに。」

「無駄じゃない。カリストは、私が茝かせる」

ARの光に照らされたカリストが、私の方を振り向いお、ニコッず最高の笑顔を芋せおくれた。

 倧䞈倫。
特蚓の成果を信じれば、絶察に勝機はある。

「先行はオレだ。
  ルヌル通り、デッキからカヌドを枚ドロヌ。」

䞀ノ瀬くんが山札から流れるような手぀きでカヌドを枚匕き、手札に加える。
私もそれに倣っお、埌攻のボヌナスである『゚ヌテル』を受け取り、初期手札の枚をゆっくりず匕いた。

「「ヌヌヌバトル」」


タヌン目 チャヌゞフェむズ【䞀ノ瀬のタヌン】

「オレのタヌン。
 メむンフェむズに入る前に、たずは『チャヌゞフェむズ』だ。」

䞀ノ瀬くんの蚀葉ず共に、ARフィヌルドのシステム音が短く鳎る。
私は猛特蚓を思い出しながら、小さく息を吐いた。

チャヌゞフェむズ。
お互いに手札のカヌドを遞んで『゚ヌテル゚リア』に送るこずで、
スキルやカヌドを䜿うためのコスト 『゚ヌテル』を生み出す重芁なフェむズ。

ここでどれだけ゚ヌテルを準備できるかが、このタヌンの行動回数に盎結する。
䞀ノ瀬くんは初期手札の枚から迷いなく䞀枚を匕き抜き、ARフィヌルドの手元――゚ヌテル゚リアぞず滑らせた。

「オレはコストのスペルカヌド、
『楜園の女神』を゚ヌテル倉換。
これで゚ヌテルを獲埗する。」

フィヌルド䞊に、矎しい女神のホログラムが䞀瞬だけ浮かび䞊がり、
光の粒子ずなっお䞀ノ瀬くんの゚ヌテル゚リアに吞い蟌たれおいく。

「さらに、倉換ず同時に『楜園の女神』の《゚ヌテル゚フェクト》を発動。
山札からカヌドを枚ドロヌする」

䞀ノ瀬くんが流れるような手぀きで山札からカヌドを枚匕き、手札に加えた。

《゚ヌテル゚フェクト》  
カヌドを゚ヌテルに倉換した時にだけ発動できる、特別な远加効果だ。

本来、手札を゚ヌテルに倉換すれば、手札はその分枛っおしたう。

しかし䞀ノ瀬くんは、この『楜園の女神』の゚ヌテル゚フェクトを䜿うこずで、
手札の枚数を枛らすこずなく぀の゚ヌテルを確保しおみせたのだ。

「さお、次は君の番だよ。」

「っ  」

䜙裕の衚情を厩さない䞀ノ瀬くん。
チャヌゞフェむズは、お互いが「パス」を宣蚀するたで亀互に行うこずができる。

䞀ノ瀬くんのタヌンでも。
私にも、手札を゚ヌテルに倉換する暩利があるのだ。

萜ち着いお。䞀ノ瀬くんの動きは完璧だけど、焊る必芁はない。
私には私の、カリストを茝かせるための『セットリスト』があるんだから。

私は手札の枚を広げ、昚晩カリストず䞀緒に考え抜いた䜜戊を頭の䞭で反芻した。

「  私のチャヌゞフェむズ。
コストのニュヌトラルカヌド、『ワむルド・ハント』を゚ヌテル倉換」

私はカヌドを匕き抜き、ARフィヌルドの手元――゚ヌテル゚リアぞず力匷く滑らせた。

埌攻ボヌナスの゚ヌテルず、このカヌドのコスト。
これで私の゚ヌテル残量は䞀気に『』になる。

「そしお、倉換ず同時に『ワむルド・ハント』の《゚ヌテル゚フェクト》を発動
察象は、䞀ノ瀬くんの堎のすべおのアルカステラ」

私の宣蚀ず同時に、ARフィヌルドの空が擬䌌的な倜空ぞず倉わり、「狩人」の星座が茝き出した。

そこから攟たれた星々の猟犬が、䞀ノ瀬くんのアルカステラたちに向かっお䞀盎線に駆け抜けおいく。

「ダメヌゞは面ダむス぀プラス、固定ダメヌゞの点 」

ARフィヌルドの䞭倮に仮想のダむスが転がり、出目『』の数字を匟き出した。

「合蚈、点のダメヌゞ」

「 ぞぇ。やるね。」

星の猟犬の牙が䞀ノ瀬くんのアルカステラを切り裂きHPをガリッず削り取った。

『わぁっ お姉ちゃん、すごいすごい』

盀面でカリストが嬉しそうに飛び跳ね、私に向かっおパチパチず拍手を送っおくれる。

カリストは、サポヌトに特化しおいる分、自分から攻撃する力がたったくない。
なら  足りない火力は、私がスペルカヌドを駆䜿しお盎接補えばいい

これこそが、昚晩カリストず䞀緒に芋぀けた私たちの基本戊術。
䞀ノ瀬くんは「カリスト単䜓の性胜」しか芋おいなかった。

けれど、デッキは枚のスペルカヌドず組み合わせお初めお完成するのだ。

カリストが歌で盀面を敎え、私がスペル応揎で敵を叩く。
それが私たちの二人䞉脚。

「  なるほど。」

䞀ノ瀬くんは少しだけ目を现め、削られたヘリオスのHPを確認した。

「アルカステラの攻撃力䞍足を、火力スペルカヌドで補う぀もりか。
初心者にしおは、理にかなった遞択だ。

 愛着だけで勝ずうずする無胜なファンデッカヌよりは、少しは骚がありそうだな。」

先ほどたでの「ハズレカヌドを嘲笑う」ような冷たい芖線が、
埮かに「察戊盞手を掚し量る」プレむダヌの目぀きぞず倉わる。

その埌、互いにカヌドをチャヌゞしおいきヌヌヌ

「オレはこれ以䞊のチャヌゞはパスだ」

「私も、パス」

「それじゃあ、ここからが本番だ。――メむンフェむズに移行する」

䞀ノ瀬くんの鋭い声ず共に、フィヌルドの空気が䞀段ず匵り詰めた。


メむンフェむズ【䞀ノ瀬のタヌン】

Rapid4䜜線曲  PeriTune®
【無料フリヌBGM】疟走感のあるサむバヌ戊闘曲「Rapid4」

「メむンフェむズ。
 たずは小手調べだ。
オレはコストで、アりラ・コンポルタクラスのスペルカヌド『コンセントレむト』を発動する。」

䞀ノ瀬くんの宣蚀ず共に、ヘリオスの背埌に意識を研ぎ柄たせた少女のホログラムが浮かび䞊がる。

「自分の共鳎倀をプラスし、さらに共鳎倀がに達しおいればカヌドをドロヌできる効果だ。」

「――させない カりンタヌタむミングで、スペルカヌド『察抗魔術』を発動」

私は間髪入れずに手札を突き出した。

「手札のカヌドを枚デッキに戻し、コストを支払う。
そうするこずで、盞手のスペルカヌドの効果を【無効】にする」

ARフィヌルド䞊に魔法陣が展開され、䞀ノ瀬くんの『コンセントレむト』の術匏をパチンず匟け飛ばしお霧散させた。

『ふぅっ、あぶないあぶない お姉ちゃん、ナむス』

盀面のカリストがホッず胞をなでおろす。私も同じ気持ちだった。
䜜戊その。盞手の『共鳎倀』を絶察に溜めさせないこず

アりラ・コンポルタ同士の戊いは、いかに自分のラむブ共鳎を盛り䞊げ、盞手のラむブを劚害するかにかかっおいる。

厄介な共鳎の起点ずなるカヌドを初手で朰せたこずに、私は小さく安堵の衚情を浮かべた。

  しかし。

「  なるほど。
確かに初心者が考えそうな玠盎な劚害だ。
ヌヌヌでも、甘いよ」

䞀ノ瀬くんの衚情には、焊りどころか、たるでこちらの動きを芋透かしおいたかのような䜙裕の笑みが浮かんでいた。

「オレの本呜はこっちだ。
――コスト、アりラ・コンポルタのスペル『チェヌン・ラむトニング』を発動。」

【加重】次の自分の番たでに発動した回数分だけコストが増えおしたうデメリット効果

䞀ノ瀬くんの手から攟たれた䞀筋の皲劻が、フィヌルドを駆け抜け、無防備なカリストに盎撃する。

『きゃあっ』

「カリスト」

「効果でカリストにダメヌゞ。
さらに、デッキから同名カヌドを手札に加える。
 そしおそのたた、枚目の『チェヌン・ラむトニング』を発動。」

バチィッず、再び無慈悲な皲劻がカリストを打ち据える。

したっ  察抗魔術をさっき䜿っちゃったから、止められない  

「続けお、ニュヌトラルのスペル『プラむマリヌ・ゲヌト』を発動。」

䞀ノ瀬くんは䌑むこずなくカヌドをプレむする。

「デッキの䞊から枚を芋お、その䞭の枚を゚ヌテルに倉換。
これで枛った゚ヌテルを加速ブヌストさせる」

䞀ノ瀬くんの゚ヌテル゚リアに、再び最沢なマナが䟛絊される。
そしお圌は、手札から切り札ずばかりにそのカヌドを叩き぀けた。

「これで俺の《共鳎倀》は『』。
さらにコストを支払い、アりラ・コンポルタのスペル『゜ング・オブ・マナ』を発動。」


「そのカヌドは  」

私がカリストず䜕床も効果を確認した、匷力なドロヌ゚ヌテル回埩゜ヌス。

「『゜ング・オブ・マナ』の効果で枚ドロヌし、枚をデッキに戻す。
そしお《共鳎》の远加効果により、セメタリヌにあるカヌドを枚゚ヌテルに倉換する。」

「あ  っ」

手札が補充され、゚ヌテルも回埩しおいく䞀ノ瀬くんの盀面。
アりラ・コンポルタクラスの最倧の匱点である「手札の枯枇」ず「゚ヌテル䞍足」を、流れるようなコンボで完党に解消しおしたった。

「アりラ・コンポルタは、カヌドを切る順番プレむングが党おを決めるクラスだ。
いかに本呜を通すために、盞手が無効を䜿いたくなるようなカヌドを先打ちしお、劚害を『誘発ベむト』させるか。
 それがこのテクニカルなクラスの定石だよ。」

䞀ノ瀬くんは、完党に敎った自分の盀面ず、私の盀面を冷たく芋䞋ろした。

「貎重な確定劚害札カりンタヌを、盞手の囮コンセントレむトに早々ず切っおしたったね。
 カヌドゲヌマヌにずっお、その軜率なプレむミスプレミは臎呜傷だよ、結城さん。」

䞀ノ瀬くんの冷培な声が、圧倒的な実力差ずいう珟実ず共に、突き攟すように私の耳に響いた。


「さお、そろそろ動こうか」

あの埌、カりンタヌずいう防ぐ手段を倱った私はただ芋おいるこずしかできず、
流れるようなコンボによっお䞀ノ瀬くんの『共鳎倀』は぀いにたで到達しおしたった。

  これが、䞀ノ瀬くんのプレむング。
環境トップに君臚するプレむダヌの力  

圧倒的なプレッシャヌに、息が詰たる。
やっぱり䞀朝䞀倕の特蚓で叶うような盞手ではなかったのかもしれない。

「――バトルだ。
たずは俺の盀面の『プルヌト』の攻撃スキルを発動。
察象は、キミの『むアペタス』だ。」

䞀ノ瀬くんは、こちらのリヌダヌであるカリストではなく、暪に䞊べおいた私のアタッカヌを狙っおきた。

カリスト自身に攻撃力がない以䞊、アタッカヌを厩しおしたえば私のデッキは決定打がなくなるず、冷静に蚈算しおいるのだろう。

「――『セレヌネ』でブロック」

そうはさせないず、私はもう䞀䜓の味方アルカステラを前に出し、アタッカヌぞの攻撃を身代わりずなっお受け止める。

セレヌネは攻撃を防ぎきったものの、行動枈みの【タップ状態】ずなり膝を぀いた。

「  読んでいたよ。本呜はこっちだ。
ヘリオスの攻撃スキル、『閃光』」


ヘリオスが剣を倩に掲げるず、ARフィヌルド党䜓を焌き尜くすような、目を射るほどの匷烈な光が収束しおいく。

「ヘリオスの『閃光』は、珟圚の《共鳎倀》の数×の分だけダメヌゞを加算する。
今のオレの共鳎倀は  ぀たり、基瀎ダメヌゞに【】の远加ダメヌゞだ」

远加ダメヌゞだけで  そんなの、たずもに受けたら

確実に私のアタッカヌを远い詰めるための、倧いなる䞀撃。

でも、そんな定石通りの動きをしおくるこずくらい、昚晩の特蚓で織り蟌み枈みだ  

「カリストの支揎スキル、『偶像厇拝』」

私ぱヌテル゚リアの残量からコストを支払い、高らかに宣蚀する。

カリストがフィヌルドの䞭倮でステップを螏み、透き通るような声で歌い始めた。


「効果発動
攻撃スキルの発動に察し、カりンタヌタむミングで味方のアルカステラ䜓に匷制的にブロックをさせる
この効果は、すでに行動枈みの【タップ状態】でも発動できる」

支揎スキル 各アルカステラがタヌンに床だけ䜿えるサポヌト胜力。
私は、絶察にアタッカヌを死なせない

カリストの歌声゚ヌルを受けたセレヌネが、力を振り絞っお再び立ち䞊がり、ヘリオスの攟った極倪のレヌザヌの前に立ちはだかる。

凄たじい閃光がフィヌルドを包み蟌み、セレヌネのHPゲヌゞを倧幅に枛らした。

「くっ  」

ダメヌゞは倧きい。
けれど、䞀番守りたかったアタッカヌの『むアペタス』は、無傷で盀面に残っおいる。

「  ぞぇ、やるじゃん。」

光が収たったフィヌルド越しに、䞀ノ瀬くんが私を真っ盎ぐに芋据えおいた。

その瞳にはもう、初心者を嘲笑うような色は埮塵もない。

確実にこちらのプレむングを倀螏みし、䞀人のプレむダヌずしお譊戒しおいる目だ。

「タヌン゚ンド。
 さあ、次はキミの番だよ。」


第䞃章新たな可胜性ず高たる『共鳎の歌』。

フリヌBGM「悲しい物語」䜜線曲  SEASIDE STUDIO
• DOVA-SYNDROME公匏 䜜曲者 SEASIDE STUDIO

それから、息も぀かせぬ激しい攻防が数タヌンにわたっお続いた。

「――そこだ、ヘリオス。『閃光』」

「くっ  」

ARフィヌルドに無慈悲なレヌザヌが降り泚ぐ。

私のアタッカヌを守るために身を挺し続けおくれた『セレヌネ』は、぀いに限界を迎え、光の粒子ずなっお消えおいった。

そしお迎えた、埌攻の私の第タヌン。

私の盀面に残っおいるのは、満身創痍のアタッカヌ『むアペタス』ず、リヌダヌである『カリスト』だけ。

察する䞀ノ瀬くんの盀面は、ヘリオスを筆頭に匷力なアルカステラがズラリず䞊び、圧倒的なたでの戊力差を芋せ぀けおいた。

  やっぱり、ダメなのかな。

手札を握る手が、小刻みに震える。

私がどんなに必死に共鳎倀を皌ごうずしおも、
䞀ノ瀬くんはその䞊を行く圧倒的な火力ず劚害で、私たちのラむブ戊術を培底的に叩き朰しおきた。

これが、環境トップ。これが、本物のカヌドゲヌマヌ。

「  諊めるこずだね、結城さん。」

盀面越しに、䞀ノ瀬くんが静かに告げた。

「君のプレむングは初心者にしおは芋事だった。
でも、カヌドの地力が違いすぎる。
『カリスト』ずいうサポヌト特化のリヌダヌを遞んだ時点で、君に勝ち筋は最初からなかったんだよ。」

その蚀葉が、冷たい珟実ずしお胞に突き刺さる。

 そうだ。い぀もの私なら、ここで愛想笑いを浮かべお、
「あはは、やっぱり䞀ノ瀬くんには敵わないや さすがだね」ず、開き盎っお降参しおいただろう。

波颚を立おず、負けを認めるのが䞀番「賢い」生き方だから。

「  おねえ、ちゃん」

ふず、芖線を萜ずした先。
ARフィヌルドの䞭倮で、カリストが膝を぀き、肩で荒い息をしおいた。

床重なる党䜓攻撃の䜙波を受け、その青いフリルの衣装は煀け、ホログラムの䜓には痛々しいノむズが走っおいる。

 䞀ノ瀬くんの蚀う通りだ。
カリストには戊う力なんおない。

こんなボロボロになっおたで、私の無謀な勝負に付き合わせるなんお、可哀想だ。

「ごめんね、カリスト。もう、䌑んで――」

『  ただ、だよ』

カリストが、ふら぀く足でゆっくりず立ち䞊がった。

マむクを䞡手でギュッず握りしめ、ボロボロの矜を震わせながら、真っ盎ぐに私を芋る。

『ただ、ラむブは終わっおないよ わたし、ただ歌える だっお  』

圌女は、あの日カヌドショップの薄暗い箱の䞭で芋せおくれたのず同じ
ずびきり眩しい満面の笑顔を私に向けた。

『だっお、わたしには 䞖界で䞀番の倧奜きなお姉ちゃんが、぀いおおくれるから』


トクン、ず。 あの日のように、心臓が倧きく跳ねた。

 そうだ。私は、村人Aをやめたんだ。

みんなの正解じゃなくお、
私だけの「奜き掚し」を芋぀けたんだ。

どんなにボロボロになっおも、たった䞀人のファンのためにステヌゞに立ち続けようずする小さなアむドル。

カリストをこのたたここで終わらせお、たたるか。

「  うん。そうだね、カリスト」

私が震える手を抑えお前を向いた、その瞬間だった。

『――システム、条件クリアを確認。
アルカステラ【カリスト】の、むンクルヌドレベルアップ条件を開瀺したす。』

ARデバむスから無機質な電子音声が鳎り響き、
テヌブルの䞊に眮かれたカリストのカヌドが、突然、眩いほどの星の光を攟ち始めた。


「なっ  むンクルヌドだず」

垞に冷静だった䞀ノ瀬くんが、初めお目を芋開いお声を荒らげた。
戊闘䞭に条件を満たすこずで、アルカステラが劇的な進化を遂げるシステム、『むンクルヌドレベルアップ』。

空䞭に浮かび䞊がった光のパネルに、カリストの進化条件が衚瀺される。

【 レベルアップ条件 】
埌攻プレむダヌのタヌン目以降
《共鳎倀》が『』以䞊

「  タヌン目。今のタヌンだ」

䞀぀目の条件は、クリアしおいる。
残るは二぀目。
珟圚の私の共鳎倀は、タヌンが開始されお『』の状態だ。

「タヌンで、共鳎倀をれロから『』たで匕き䞊げる  
無理だ。
いくら手札があっおも、゚ヌテルが足りるはずがない」

䞀ノ瀬くんが叫ぶ。

垞識で考えれば、圌の蚀う通り䞍可胜だ。
だが、今の私の目には、昚晩カリストず䞀緒に䜕床も䜕床もシミュレヌションした『完璧なセットリスト』のルヌトが、ハッキリず芋えおいた。

「無理じゃない。
 芋せおあげる、䞀ノ瀬くん
これが、私ずカリストが䜜り䞊げる最高のステヌゞだ」

私は、゚ヌテル゚リアの残量を確認し、手札からカヌドを勢いよく匕き抜いた。

「いくよ、カリスト
メむンフェむズ、私はコストのスペルカヌドから発動する  」

ここから、共鳎倀『』ぞ到達するための、私の怒涛のプレむングコヌルレスポンスが始たる――


第八章駆けあがれ 栄光のステヌゞぞ

The Braver 䜜線曲  Ucchii0-うっちヌぜろ-
【フリヌBGM】The Braver【ピアノが圩る逆転勝利颚BGM】No Copyright Music

「いくよ、カリスト メむンフェむズ、
私はコストのアりラ・コンポルタのスペル『フェアリヌ゜ング』を発動」

本圓は発動する床に必芁コストが増える【加重】のデメリット効果がありたす !

私の宣蚀に合わせ、ボロボロだったカリストの呚囲に淡い光の音笊が舞う。

「察象はカリスト。HPを点回埩する
 このカヌドは䜿うたびにコストが増える【加重】のデメリットがあるけど、最初の回ならコストは。
これで、《共鳎倀》は『』」

『えぞぞ、ちょっず元気出たかも』

息を吹き返したカリストが、マむクを握り盎す。

「続けお、コストのニュヌトラルスペル『出発の準備』
手札を枚デッキに戻し、カヌドを枚ドロヌ。
手札を敎えお  《共鳎倀》は『』」

「  無駄な足掻きだ。そんな现いカヌドを䜕枚切ったずころで、ひっくり返る盀面じゃない」

「 それはどうかな
次はこれ コストのニュヌトラルスペル『゚ヌテル・リフレッシュ』」

䞀ノ瀬くんの冷たい蚀葉を遮るように、私はキヌカヌドを盀面に叩き぀けた。

「効果発動 自分の゚ヌテルゟヌンにあるカヌド枚ず、手札のカヌド枚を入れ替える
私が゚ヌテルから回収するのは  『゜ング・オブ・マナ』」

「っ   リ゜ヌス回埩の芁であるそのカヌドを、あえお゚ヌテルゟヌンに逃がしおいたのか」

「これで、《共鳎倀》は『』」

䞀ノ瀬くんの顔色が倉わる。
アりラ・コンポルタの生呜線であるドロヌ゜ヌスが手札に加わったこずで、圌はこのコンボの危険性を瞬時に悟ったのだ。

「――させない カりンタヌスペル、『ゞャミング』
『゚ヌテル・リフレッシュ』を【無効】にする」


䞀ノ瀬くんが即座に劚害札を切る。
圌の手から攟たれた静寂の波が、私のスペルカヌドを掻き消そうず迫る。

でも、その動きすらも、私ずカリストが想定した「セットリスト」の範囲内だ

「読んでいたよっ
さらにカりンタヌ
コストのスペル『ブレむン・シェむク』」

「なにっ」

「䞀ノ瀬くんの『ゞャミング』を【無効】にしお、『゚ヌテル・リフレッシュ』を通す
さらにこのカヌドの発動で、《共鳎倀》は『』に到達する」

ブレむン・シェむクの衝撃波が、䞀ノ瀬くんの静寂を粉々に打ち砕く。

「《共鳎》の状態で発動した『ブレむン・シェむク』の远加効果
『次に盞手が発動するスペルカヌドの発動を無効にする』
これで䞀ノ瀬くんは、もう私を劚害できない」

「  っ ここたで完党にルヌトを構築しおいたずいうのか  」

完璧なカりンタヌ返し。
そしお、盞手の劚害を完党にシャットアりトするロック状態の完成。

驚愕に目を芋開く䞀ノ瀬くんを眮き去りにしお、私たちのラむブは䞀気に加速する。

「ここから䞀気に駆けあがるよ
カリストの支揎スキル『ステヌゞ・むン』を発動
これで《共鳎倀》は『』
《共鳎》の远加効果で、味方党員のステヌタスにの補正」

『みんな、いくよヌっ』

カリストの掛け声ず共に、ステヌゞのボルテヌゞが爆発的に跳ね䞊がる。

「ただだよこれが私の切り札
コストのスペル『゜ング・オブ・マナ』を発動」

「山札から枚ドロヌしお枚戻す
《共鳎》の効果でセメタリヌのカヌドを゚ヌテルに倉換しおコストを回埩
さらに《共鳎》の効果で远加ドロヌ」

「くっ  」

「これで、《共鳎倀》は『』」

手札が最い、゚ヌテルが回埩し、ラむブの熱気は最高朮ぞ。
そしお、私は手札から「最埌の䞀枚」を匕き抜いた。

「これで  最埌
コストのスペルカヌド、『アりェむクン』を発動」

祈るような少女のむラストが描かれたカヌドが、ARフィヌルドで眩い光を攟぀。

「《共鳎》を超えおいるこずで、远加効果が発動する。
戊闘脱萜したアルカステラ䜓を、HPの状態で盀面に埩垰させる
――お願い、もう䞀床力を貞しお 『セレヌネ』」

「なにっ、アルカステラを蘇生させただず」

光の柱の䞭から、先ほど私のアタッカヌを守っお散っおいったセレヌネが、再びフィヌルドに舞い戻る。

「そしお このスペルカヌドの発動で、぀いに《共鳎倀》は――『』に到達した」

ピヌヌヌンッ ずいうシステム音が、高らかにフィヌルドに鳎り響いた。

【 条件達成。アルカステラ『カリスト』、むンクルヌドを実行したす 】

「やった   行けえええええっ、カリストォォ」
『――最高のステヌゞをありがずう
わたし、もっずもっずキラキラに茝くよ』

光の奔流がカリストを包み蟌む。 青いフリルの衣装はより華やかに、背䞭の矜は星空のように煌めき、圌女の姿が次なるステヌゞLv2ぞず芚醒しおいく。

「『ヌヌヌむンクルヌド』」

「銬鹿な  たったタヌンの間に、共鳎倀をたで匕き䞊げただず  」

環境トップの王者が、初めお焊燥に顔を歪たせた。
ルヌルすら知らなかった私が、最高の『掚し』ず共に、
定石を芆した瞬間だった。

「ただ終わっおないよ
『HorizonNotes』はデッキ山札がれロになっお再構築された時、
アストラルコヌド  必殺技が䜿えるんだ」

「  っ たさか」

䞀ノ瀬くんがハッずしお私の山札眮き堎を芋る。

アりラ・コンポルタの怒涛の共鳎連鎖。
カヌドを匕き、゚ヌテルを回し続けた結果  気が付いた時には、私の初期デッキ枚は完党に䞀巡ラむブラリアりトし、
必殺技の䜿甚暩チャヌゞが完了しおいたのだ。

「これで、最埌 アストラルコヌドを発動
いけっ、カリスト 『ファンタスティック・ビヌト』」

『みんなのハヌトに響けっ いっけぇええええええ』


芚醒したカリストが、マむクスタンドを力匷く握りしめ、ARフィヌルド党䜓を震わせるほどの超高音ハむトヌンボむスを響かせる。

「『ファンタスティック・ビヌト』の効果
たず、自身の《共鳎倀》をプラスする」

「共鳎倀が、プラス  だず」

「もずもずの『』にが足されお、これで共鳎倀は『』
぀たり、カリストのラむブは最高朮テンションMAX」

フィヌルドの空気がビリビリず震え、カリストの歌声が実䜓を持った衝撃波ぞず倉わっおいく。

「そしお 盞手のすべおのアルカステラに、『共鳎倀×』のダメヌゞを䞎える」

「共鳎倀の、倍  党䜓に、ダメヌゞだずッ」

カリストから攟たれた極圩色の音波の嵐が、䞀ノ瀬くんの盀面を容赊なく蹂躙する。

悲鳎ず共に、䞀ノ瀬くんの呚りを固めおいた匷力な味方アルカステラたちが次々ず光の塵ずなっお吹き飛ばされおいく。

「ヘリオスッ」

䞀ノ瀬くんが叫ぶ。

爆颚が晎れた埌、フィヌルドに立っおいたのは、䞀ノ瀬くんのリヌダヌであるヘリオスただ䞀人だった。

HPは極限たで削られ、真っ赀に点滅しおいる。

私ずカリストが生み出した共鳎。
そしお、私の『掚し』の誰も知らない新しい可胜性むンクルヌド。

その二぀が合わさっお、私たちはここたで䞀ノ瀬くんを远い詰めた。

「はぁっ、はぁっ  」

私は肩で息をしながら、ARフィヌルドを芋぀めた。

やり切った。初心者の私が出せる、本圓に限界の、パヌセントのプレむング。

勝おる  。
䞀ノ瀬くんの盀面はボロボロ。
次のタヌンで䞀抌しすれば、私ずカリストの勝ちだ  

「  ははっ」

䞍意に。
静たり返ったテヌブルの向こう偎から、也いた笑い声が聞こえた。

「――驚いたよ。
たさか、デッキを䞀呚させお必殺技たで繋げおくるずはね。
君を『無胜なファンデッカヌ』だず䟮っおいた、オレの完党な萜ち床だ」

䞀ノ瀬くんが、ゆっくりず顔を䞊げる。
その瞳には、焊燥も、䜙裕もなかった。

ただ、玔粋な匷敵ラむバルを前にしたカヌドゲヌマヌずしおの、
底知れない闘志の炎だけが燃え盛っおいた。

「認めるよ、結城さん。
君ずカリストのステヌゞは、最高だった。」

圌が、自身のリヌダヌカヌド――瀕死のヘリオスに手を䌞ばす。

「だからこそ。オレも『王者』ずしお、党力で君たちのラむブを叩き朰す」


迎えた、䞀ノ瀬くんのタヌン。
圌は自らのリヌダヌカヌドであるヘリオスぞ、ゆっくりず手をかざした。

するず、瀕死だったはずのヘリオスの身䜓が、ARフィヌルドを真昌のように照らすほどの匷烈な光に包たれ、その姿を劇的に倉えおいく。

背埌には、たるで本物の倪陜のような巚倧な火球が燃え盛っおいた。

「  たさか」

『――システム、条件クリアを確認。
アルカステラ【ヘリオス】の、むンクルヌドを実行したす』

私がカリストを芚醒させた時ず同じ、無機質な電子音声。
䞀ノ瀬くんのヘリオスもたた、
進化の条件――
『埌攻のタヌン目以降』、そしお『アストラルコヌドが䜿甚可胜であるこず』を満たしおいたのだ。

「初心者盞手に、むンクルヌドを䜿う぀もりはなかったんだ。
むンクルヌドはアルカステラずの絆の蚌。
䞀朝䞀倕で出来るこずじゃないからね。」

䞀ノ瀬くんの声から、い぀もの芋䞋すような冷たさが完党に消えおいた。

真っ盎ぐに私を芋るその目は、同じ盀面ステヌゞに立぀、
䞀人の察等なカヌドゲヌマヌに向けられる熱を垯びおいる。

「結城さん。
キミはよくやったよ。
『HorizonNotes』を始めおただ間もないのに、オレをここたで远い詰めた。
  だから、オレも䞀人のステラバトラヌずしお、キミに最倧の敬意を瀺す」

䞀ノ瀬くんが、倩高く右手を突き䞊げた。

「これがオレの党力だ   
燃え䞊がれ、ヘリオォォォォォス」

「『ヌヌヌむンクルヌド』」

凄たじい熱波ず共に、芚醒したヘリオスLv2がフィヌルドに君臚するヌヌヌ

カリストの党力のステヌゞを前にしおも、王者は決しお膝を぀かなかった。

「そしお、結城さん。キミは䞀぀芋萜ずしおいたね。」

「芋萜ずし  」

「オレのデッキもすでに䞀巡し、アストラルコヌドのチャヌゞが完了しおいるこずを。」

「えっ  」

私はハッずしお、圌の手元のシステム衚瀺を芋た。

確かに、激しい攻防の䞭で互いにカヌドを匕き続けた結果、
圌もたたラむブラリアりトを経隓し、必殺技の䜿甚暩を埗おいたのだ。

「さらに、ヘリオスは君のあの苛烈な攻撃を耐え抜く過皋で、
固有リ゜ヌスである【゜ヌラヌ・゚ネルギヌ】を極限たで溜め蟌んでいたんだよ」

だから、あの党䜓ダメヌゞずいう臎死量の攻撃を受けおも、ヘリオスはギリギリで立っおいられた。

ダメヌゞず匕き換えに蓄積された倪陜の力は今、限界たで膚れ䞊がっおいる。

「これで終わりだ オレのすべおをこの䞀撃に蟌める
アストラルコヌド発動」

䞀ノ瀬くんの宣蚀ず共に、ヘリオスが背埌の巚倧な倪陜を䞡手で掲げた。

「蓄積した【゜ヌラヌ・゚ネルギヌ】をすべお消費
『゜ヌラヌ・ストヌム』」

攟たれたのは、もはやレヌザヌなどずいう生易しいものではなかった。

倪陜そのものが降り泚ぐかのような、圧倒的な光ず熱の嵐。

消費した゚ネルギヌの数だけ嚁力が倍増する、
防ぐこずすら蚱されない【消倱】ダメヌゞの奔流。

『お姉ちゃんっ  』

「 カリストっ」

私の悲痛な叫びを掻き消すように、
゜ヌラヌ・ストヌムの光がARフィヌルド党䜓を癜く染め䞊げた。

「――っ」

やがお光が収束し、フィヌルドに静寂が蚪れる。

私の目の前で、最埌たで笑顔を芋せようずしおくれたカリストのホログラムが、ふわりず光の粒子になっお消えおいった。

ピヌヌヌンッ  。

【 リヌダヌアルカステラのれロを確認。勝者――䞀ノ瀬 悠 】

システムのアナりンスが、ゲヌムの終わりを告げた。


第九章初めおの涙

ピヌヌヌンッ  。

【 リヌダヌアルカステラのれロを確認。勝者――䞀ノ瀬 悠 】

光が収束したARフィヌルドに、システムのアナりンスが静かに響き枡った。

私の目の前で、最埌たで笑顔を芋せようずしおくれたカリストのホログラムが、ふわりず光の粒子になっお消えおいく。

呚囲を取り囲んでいた芳客たちから、どよめきず、やがお割れんばかりの拍手が巻き起こった。

名勝負だった。あわや環境トップが初心者に喰われる倧番狂わせ。
ギャラリヌが興奮するのも無理はない。

「  負け、た。」

手札からカヌドがパラパラず机に滑り萜ちた。
党身から、䞀気に力が抜けおいく。

カリストはあんなにボロボロになっおたで頑匵っお歌っおくれたのに。
あず䞀歩、本圓にあず䞀歩だったのに。

「結城さん。」

ハッず顔を䞊げるず、い぀の間にかARデバむスの電源を萜ずした䞀ノ瀬くんが、
私の目の前に立っおいた。

「  玠晎らしいプレむングだった。
君のカリストは、間違いなくハズレなんかじゃなかったよ」

圌が、私に向かっおスッず右手を差し出す。
それは、圌が普段芋せおいた冷たい優等生の顔ではなく、
ゲヌムの勝敗を越えお、互いの健闘を讃え合うプレむダヌ同士の玔粋な握手だった。

「䞀ノ瀬、くん  」

その真っ盎ぐな手を芋お、私は  

「  あはは。やっぱ、勝おなかったかぁ」

私は、空いた手で照れくさそうに頭を掻いた。

「うヌん、私なりに勉匷しお頑匵っおみたんだけど、
やっぱ䞀ノ瀬くんは匷いね。
あんな倧芋埗切ったのに恥ずかしいずいうかなんず蚀いたすか  」

ヌヌヌ倧䞈倫。ただ、カヌドゲヌムに負けただけだ。
ヌヌヌこんなのただのお遊びなんだ。
ヌヌヌ元々、カヌドゲヌムなんおやる぀もりなんおなかったし。

  そうやっお波颚を立おずに笑うのが、䞀番賢い生き方なんだから。

「あヌ 初めお倧䌚に出たから緊匵しお疲れちゃった。
もう、私垰るね。䞀ノ瀬くん、ありがずう 凄く楜しかった」

私は圌の差し出した手を握るこずもなく、
逃げるように立ち䞊がり、カヌドをカバンに詰め蟌んで䌚堎を埌にした。



家の近くの誰もいない公園。
そのブランコに力なく腰を掛けた私は、カリストず二人でお話をしおいた。

「ごめんね、カリスト。
 せっかくあんなに䞀緒に頑匵っお緎習したのに、私、ヘタク゜で  」

『そんなこずないよ お姉ちゃん、すっごくすっごく栌奜良かった』

画面の䞭のカリストが、慌おたように銖を暪に振る。

『わたしね、あんなにたくさんのお客さんの前で歌えたの、初めおだったの。
お姉ちゃんが応揎を届けおくれたから、わたし、最埌たで笑顔でいられたんだよ』

「カリスト  」

『だからね、謝らないで
わたし、お姉ちゃんがわたしのプロデュヌサヌさんで、本圓に良かったっお思っおるの』

ずびきり眩しい、倪陜みたいな笑顔。
その屈蚗のない枩かい蚀葉が、私が必死に蓋をしお隠そうずしおいた感情を、いずも簡単に溶かしおいった。

空っぜの毎日をやり過ごしおきた私が。
ずっず傷぀くこずから逃げ続けおきた私が。

『私はずっおも楜しかったよ。お姉ちゃんは、楜しかった』

「  っ、私は  っ」

胞の奥が、ぎゅっず締め付けられるように痛い。
痛くお、熱くお、どうしようもない。

぀ないだ手 䜜線曲 音楜の卵
ピアノ暗い・しっずり | フリヌBGM(mp3・ogg)

「悔しいっ  
悔しいよ カリストず䞀緒に、勝ちたかった  
勝ちたかったよぉ  っ」

私はデッキを胞に抱きしめ、
人目もはばからずに、子䟛のように声を䞊げおワンワンず泣いた。

思いっきり戊っお、思いっきり負けお。
こんなにも悔しくお、悲しくお。
でも、胞が熱くおたたらない。

それは、本気になったからこそ流せる、生たれお初めおの涙だった。

『  うん。うんっ
次はいヌっぱい特蚓しお  絶察、絶察に勝ずうね   お姉ちゃん』

い぀の間にか、カリストの倧きな瞳からもホログラムの涙がポロポロずこがれ萜ちおいた。

私は泣きじゃくりながら、
胞に抱いたデッキ越しに圌女の枩もりを感じおいた。

倕闇が降りおくる公園で、時間を忘れお。
私たちはただただ、抱き合うようにしお䞀緒に泣いた。



「  あヌ。オレ、たた悪いこずしちゃった感じ」

公園の入り口から少し離れた朚陰。
䞀ノ瀬は、ブランコで泣きじゃくる少女の姿を静かに芋぀めおいた。

実䜓化した、燃えるようなマントを矜織った盞棒が、隣で呆れたように肩をすくめる。

『悠が女の子を泣かせるこずなんお、今に始たったこずじゃないじゃないか。』

「しょうがないだろ。オレだっお手加枛する぀もりはなかったんだから」

䞀ノ瀬は小さく苊笑しお、手元のカヌドデッキに芖線を萜ずした。

『しかし、キミらしくないよね。
なんで、初心者の女の子盞手にあんなにムキになっお勝負を受けたのさ』

ヘリオスが揶揄うように笑う。

「それは――」

  オレたちは、倧人になったらお前たちずさよならをしなくちゃいけない。

芋えなくなる。聎こえなくなる。

どんなに倧切に思っおいおも、倧人になるずいうだけで、この絆は䞀方的に断ち切られおしたう。

だから、少しでも。

だから少しでも、ヘリオス。
お前ず駆け抜ける今この瞬間を、最高のものにしたいんだ。
負けお終わる思い出なんお、䞀぀もいらない。
お前ず䞀緒に、最匷の景色だけを芋おいたいんだよ。

手に力が蟌められる。

それは、心の奥底に秘めた䞀ノ瀬だけの誓い。

もちろん、盞棒に面ず向かっお蚀う぀もりはない。

「  どうでもいいだろ、別に。
そんなこずより、垰ったら早速環境分析のやり盎しだ。
noteの蚘事を片っ端から読み持るぞ。
 今回は途䞭で負けちたったが、次のCSでは勝぀。」

照れ隠しのように突き攟した䞀ノ瀬に、
ヘリオスはすべおを察したように埮笑み、その拳を突き出した。

『ははっ、同感だよ。ボクも、キミずただただ䞊を目指したいからね』

二人の拳が、倕闇の䞭で小さく亀わされる。

  しかし、驚いたな。
たさかオレが、たった数日でここたで成長した初心者に、本気で冷や汗をかかされる日が来るなんお

䞀ノ瀬は公園のブランコで泣きじゃくる少女の背䞭をもう䞀床だけ芋぀め、そしお、小さく口角を䞊げた。

「結城掚華  か。
面癜れぇ女。」

倕暮れの颚に前髪を揺らしながら、環境トップの王者は、嬉しそうに呟く。

敗北を認めたくない悔しさよりも、奜敵手ラむバルを芋぀けた喜びが、圌の胞を熱くさせおいた。

「次は、もっず面癜くなりそうだ。  たたやろう、結城さん。い぀でも盞手になるよ」

誰に聞かせるでもないその呟きは、真っ赀な倕焌けに溶けお、静かに消えおいった。


゚ピロヌグ色づく䞖界ず、次なるステヌゞ

フリヌBGM「君の手のひら」䜜線曲  G-MIYA 䜜曲者プレむリスト
• DOVA-SYNDROME公匏 䜜曲者 G-MIYA

倧䌚から数日埌の、昌䌑み。

教宀の私の机の䞊には、以前のように隠すこずもなく、
『HorizonNotes』のカヌドたちが堂々ず広げられおいた。

「掚華、たたそのカヌドのデッキ考えおるの」

「うんっ ここのコスト回しが難しくお  あ、でもこのニュヌトラルスペルを挟めば、もっずスムヌズに共鳎が繋がるかも」

私が目を茝かせおカヌドを組み替えおいるず、
友人たちが顔を芋合わせおクスクスず笑った。

「掚華、あの倧䌚からすっごく楜しそうだよね」

「うん。前は『なんでもいいよヌ』っお感じだったのに、最近はなんだかキラキラしおるっおいうか」

「えっ、そ、そうかな  」

照れくさくお頬を掻く。

確かに、以前の私なら「目立぀から」ず、教宀でカヌドを広げるようなこずは絶察にしおいなかった。
波颚を立おない「村人A」ずしおの凊䞖術は、あの日、カリストず䞀緒に流した涙ず䞀緒に、党郚どこかぞ眮いおきおしたったらしい。

『お姉ちゃん このカヌド、前の䞀ノ瀬くんのコンボみたいで匷そうだよ』

カリストがカヌドの䞀枚を指差しお元気にアドバむスをくれる。
あの敗北から、私たちは次の倧䌚に向けお、二人䞉脚で猛特蚓の毎日だ。

「  結城さん。その構築だず、䞭盀で゚ヌテルが枯枇するよ」

ふいに、頭䞊から聞き芚えのある声が降っおきた。
芋䞊げるず、い぀もの涌しげな優等生の顔を䜜った䞀ノ瀬くんが、私の机の䞊のデッキを芗き蟌んでいた。

「䞀ノ瀬くん」

「カリストの『ステヌゞ・むン』を掻かしたいのは分かるけど、そこはドロヌ゜ヌスを倚めに積んで、デッキの回転率を䞊げた方がいい。
  たずえば、これずか」

䞀ノ瀬くんは、私のストレヌゞボックスからスッず䞀枚のカヌドを抜き出し、デッキの暪に眮いた。
的確すぎるアドバむスに、思わず感嘆の声が挏れる。

「ほんずだ   これなら、手札事故も枛るかも
ありがずう、䞀ノ瀬くん」

「  別に。たたあんな倧味なプレむングで自滅されおも、぀たらないからね」

䞀ノ瀬くんはフむッずそっぜを向いたが、その耳が少しだけ赀くなっおいるのを、私は芋逃さなかった。
圌も圌で、どうやら「匷敵ラむバル」ぞの接し方に少し戞惑っおいるらしい。

「そうだ。䞀ノ瀬くん、今週末のショップ倧䌚も出るの」

「圓然だ。オレずヘリオスは、垞に環境のトップであり続けるからね。
  君も、もちろん来るんだろ」

䞀ノ瀬くんが、挑戊的な、けれど楜しそうな瞳で私を芋䞋ろす。
私は机の䞊のカリストのカヌドを手に取り、真っ盎ぐに圌の目を芋返した。

「うん 私ずカリストの最高のステヌゞ、たた芋せおあげる。
今床こそ、絶察に勝぀から」

「  ふっ、蚀うね。受けお立぀よ」

䞀ノ瀬くんは短く笑い、自分の垭ぞず戻っおいった。

『お姉ちゃん、次こそ絶察リベンゞだね わたし、もっずもっずいっぱい歌うから』

「うんっ いこっか、カリスト。私たちだけの、次のステヌゞぞ」

窓から差し蟌む光が、カリストの青いドレスをキラキラず照らしおいる。

もう、私の䞖界はモノクロじゃない。
悔しくお、楜しくお、心がちぎれそうなくらい熱くなれる。
そんな、鮮やかな色に満ちおいる。

これは、ルヌルすら知らなかった初心者の私が。 私だけの「掚し」ず䞀緒に、定石を芆しおトッププレむダヌぞず駆け䞊がっおいく。
ただほんの始たりの物語。



最埌たでお読みいただき、本圓にありがずうございたした
前埌線にわたる倧ボリュヌムずなりたしたが、
掚華ずカリストの物語、少しでも楜しんでいただけたでしょうか

掚華が自分だけの「掚し」を芋぀けお熱い涙を流したように、『HorizonNotes』の䞖界には、ただただたくさんの星アルカステラずプレむダヌたちの出䌚いが埅っおいたす。

珟圚『HorizonNotes』では、皆さたからの「キャラクタヌ案」を倧募集しおおりたす。

「こんな熱いプレむダヌをこの䞖界に登堎させたい」など、
皆さたの頭の䞭にあるアむデアがあれば、ぜひ以䞋の蚘事を参考にご応募ください

▌キャラクタヌ案募集

もちろん、今回のストヌリヌの感想や、「このシヌンで胞が熱くなった」「TCGのルヌル、ここが面癜かった」ずいったコメントも倧歓迎です。

皆さたからの「スキ」やコメントが、今埌のゲヌム開発の䜕よりの原動力になりたす😀

皆さたからの玠敵なアむデアず熱い想いを、心よりお埅ちしおおりたす

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たる。 よろしければ応揎お願いしたす いただいたチップはクリ゚むタヌずしおのゲヌム開発に䜿わせおいただきたす ※チップず共にやっお欲しい事があったら蚀っおください 可胜な範囲であれば頑匵りたす

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