【初投稿】東京の自室でホップが咲きました #はじめてのnote
はじめまして。今日から「Tokyo Hop Breeding Note」と題して、薬学博士の私が今年の春から自宅で始めたホップ育種研究の記録をnoteにまとめていくことにしました。
まずは現在の私の栽培環境と生育状況をご覧ください。

どうでしょうか?これは部屋の中にグロウテントを置いて水耕栽培で育てています。また、ベランダのプランターでもホップを育てていて、こちらも順調に育ち屋上に到達しました。

本note(Tokyo Hop Breeding Note)は、東京でいかにしてホップを生育させるか、最終的には独自の品種改良まで持ち込むかという実験と検証の記録です。
本記事では初回として、現在の栽培状況の報告と、私がこの研究環境を構築するに至った背景について記述します。
1. Tokyo Hop Breeding Noteで書くこと
このnoteを読んでるということは、ホップに興味があるということですね。
ホップは非常に強い植物ですので皆さんも絶対に育てられます。
本noteでは、以下のコンテンツを順次発信したいと思っています。興味があればフォローしてお待ちください。
ホップの入手方法
東京のベランダでのプランター栽培
グロウテントでの水耕栽培
各栽培の必要機材と環境構築 (DIY含む)
各栽培過程のコツ、失敗談、害虫対策
自分だけのホップを育種する
いつか自分のホップでクラフトビールを作る
2. 自己紹介
私は薬学博士で、普段は全くホップとは関係ない研究をしています。
本職の影響で、主に論文や特許などをもとに栽培計画を立てて実際に検証を進めています。本noteでも可能な限り、参考文献や特許を記載していきます。
3. ホップに興味を持ったきっかけ
私は日本のビールが苦くて苦手でした。しかしボストンのTrillium BrewingでNew England IPA (Hazy IPA) を飲んで衝撃を受けビールに興味を持ち始めました。

日本のビールとは使うホップの品種が違うことや作り方が違うことを知って、知れば知るほど沼にハマり科学的な興味も湧いてきました。
そして本屋で「ビールの科学」という本と出会い、ビールの歴史からビール醸造の基本や味、色、泡、そして香りの科学的な仕組みを学びました。中でも香りの科学に興味を持ち、本以外でも調べていくことで香りや苦味を生むホップの品種が持つ遺伝的特性の多様性や、交配の奥深さに触れました。そして同時に、現在のホップ産業が抱える「知的財産」としての側面に強い関心を抱きました。

4. ホップの育種とは
育種とは、交配により既存のものとは違う「新しい香り」や「病気への強さ」を持つ新品種を創り出すことです。
日本のビールメーカーも独自の育種をしていますが、あくまで日本の苦いビール向けがメインで、かつ自社利用のみなのでクラフトビールメーカーは購入できず、クラフトビールのホップはアメリカやニュージランド、オーストラリア産のアロマホップばかりです。

現代のクラフトビールシーンを牽引するアメリカンホップ「Citra(シトラ)」や「Mosaic(モザイク)」、そして私の大好きなニュージーランドの「Nelson Sauvin(ネルソン・ソーヴィン)」やオーストラリアの「Galaxy (ギャラクシー)」といった圧倒的な香気を持つ人気品種は、開発機関によってパテント(育成者権)が厳密に管理されています。これらはライセンス契約を結んだ特定の農家しか栽培することが許されず、開発国にとって莫大な利益を生む重要な輸出資源となっています。
普段、薬学の研究領域で特許や新規化合物の創出に携わっている身として、私はここに強烈なポテンシャルとロマンを感じました。
「もし、世界に通用するような素晴らしい香りを持ち、かつ日本の環境でも育ちやすい『日本独自の新品種』を自らの手で創出できたら、それは日本の農業やビール産業にとって大きな財産になるのではないか?」
もちろん、企業や国家規模で行うような育種プロジェクトに個人の室内環境で挑むのは、無謀な挑戦です。しかし、環境変数を完全に制御したグロウテントと、化学的アプローチを用いれば、限られたスペースでも効率的に交配・選抜のサイクルを回すことは理論上可能です。なにより、育種は時間がかかります。お金や時間や設備が揃ってから始めるのもいいけれどF1を早く手に入れることが何よりも大事だと判断し開始しました。

既存の品種をただ育てるだけでなく、データと化学の力で、新しい日本発オリジナルアロマホップを創り出す。それが、私が自室にこの環境を構築した最大の理由です。
5. Tokyo Hop Breeding Noteの最終目標
私の最終的な目標は、ただホップを育てることではありません。将来的には正式に酒類製造免許(発泡酒/ビール製造免許)を取得し、世界で私にしか造れないオリジナルHazy IPAを誕生させることです。
実は、私は「微生物発酵による新規化合物の生産と単離精製」の研究で博士号を取得しており、 ビールの根幹であるアルコール発酵や、酵母(Yeast)の培養・スクリーニングは、まさに私の専門分野であり、すぐに完了できます。すでに旅行先などで樹液や土壌をサンプリングしてあります。
酒類製造免許についても、より高度な医薬品向け発酵の経験があるので脱サラの人たちよりはハードルが低いです。
自らの手で交配・選抜した「完全オリジナル品種のホップ」
自身の専門技術でスクリーニングした「完全オリジナル酵母」
本noteでは、目標に向けた第一歩である室内ホップ育種のリアルな研究記録を公開していきます。
植物や農学については専門外なので皆さんと同じですので、間違いも多いと思いますが温かい目で見てくれると嬉しいです。
ホップに興味のある方、クラフトビールの好きの方は、ぜひ「スキ」と「フォロー」をして続きをお待ちください。
↓第二弾
