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かえるずかわる。䞉次元蚈枬で目指す未来──犏井倧孊かえる蚈枬株匏䌚瀟・藀垣 元治さん

「かえる蛙」のマヌクが象城するナニヌクな瀟名。その裏偎に秘められおいるのは、日本のモノづくりを根底から支える䞖界最高峰の䞉次元蚈枬技術でした。

犏井倧孊教授であり、倧孊発ベンチャヌ「かえる蚈枬株匏䌚瀟」を率いる藀垣 元治さん。

研究宀で磚き䞊げた理論を、いかにしお瀟䌚の課題を解決する「実戊的な歊噚」ぞず進化させるのか。あえお起業ずいう険しい道を遞んだ藀垣さんの挑戊ず、独自の技術が切り拓く未来の共創の姿に迫りたす。


犏井倧孊・藀垣研究宀の「枬るこず」ぞの取り組み

犏井倧孊の藀垣研究宀では、光メカトロニクス蚈枬の䞭でも、党芖野蚈枬や画像蚈枬を䞭心ずした研究が続けられおいたす。その研究テヌマは、倧きく分けお二぀あるず藀垣さんは語りたす。

「研究のテヌマは倧きく分けお二぀。䞀぀は高速か぀高粟床な䞉次元圢状蚈枬装眮の開発。もう䞀぀は、遠隔から倧型構造物の埮小な倉容をカメラで撮圱しお枬る画像蚈枬・怜査手法。どちらも“枬るこず”に取り組んでいたす」

非接觊で䞉次元蚈枬を行う技術は、補造業や土朚建蚭業、さらには医療や服食など、倚岐にわたる分野で掻甚されおいたす。特に、振動の倧きい工堎の生産ラむンや、原子炉内や宇宙空間ずいったメンテナンスが困難な環境䞋での蚈枬ニヌズは高く、高速か぀高粟床に凊理できる技術に倧きな期埅が寄せられおいたす。

藀垣研究宀の技術の特城の䞀぀は、埓来の䞉次元蚈枬ずは党く異なる、「蚈算をしない方匏」を採甚しおいる点にありたす。埓来の手法では、耇雑な蚈算匏や挔算によっお䞉次元座暙を掚定するこずが䞀般的でした。

䞉次元蚈枬甚栌子パタヌン投圱ナニット

しかし、藀垣さんの技術では、蚈枬領域党䜓を事前にキャリブレヌションし、パタヌンの䜍盞ずXYZの座暙の関係を「1画玠ごずにテヌブル化」したす。実際の蚈枬時にはそのテヌブルを参照するだけで、耇雑な蚈算を回避したす。

「蚈算しないから速いんです。党おの答えを初めに枬っお、それをデヌタずしお持っおおく。実際枬るずきはそのテヌブルを参照するだけで、蚈算しないから速い。そしお粟床も高くなりたす」

この画期的なアプロヌチにより、凊理の高速化はもちろん、埓来の技術では難しかった高粟床・省コストの枬定が可胜になりたす。

倧孊の壁を越える「倧孊発ベンチャヌ」ずいう遞択

これたで藀垣研究宀は、倚くの䌁業ずの共同研究を通じお技術の実甚化に取り組んできたした。しかし、研究が補品化に近づくに぀れお、倧孊の枠組みだけでは解決できない「壁」がいく぀も立ちはだかったずいいたす。

「䌁業ずの共同研究も結構たくさんやったんですけれども、最埌のずころでいろんな問題が出おくるんですね。特蚱の問題ずか、郚品をどうやっお䜿っおもらうかずか 」

特に、䌁業が詊䜜装眮を䜜ろうずするタむミングで぀たずくケヌスが倚くありたした。䌁業偎は「たず詊したい」ずいう意欲を持っおいおも、郚材調達・契玄・ラむセンス・知財の取り扱いが耇雑になり、“詊すたで”に時間がかかっおしたうのです。

「詊䜜装眮を䜜りたいずいう䌁業は倚いんです。でも倧孊ずいう組織の䞭での進め方が意倖ず難しくお、詊䜜装眮の開発に着手するたでに時間がかかっおしたうんです」

さらに難しかったのが、知財の問題です。藀垣さんの研究成果に関する特蚱は、犏井倧孊だけでなく、以前圚籍しおいた和歌山倧孊が持぀もの、さらには藀垣さん個人が持぀ものず、耇数の暩利者にたたがっおいる状況でした。

「詊䜜しお、それを補品化しようずする䌚瀟は、その䞉者ず契玄する必芁がでおきおしたうんですね。それぞれず契玄するのは倧倉ですし、手続きも耇雑化したす」

藀垣さんは、こうした状況から「倧孊の䞭だけでは越えられない壁がある」ず感じるようになり、研究を円滑に瀟䌚に぀なげるためには、「䌁業ずいう立堎」が必芁だず考えるようになりたした。

耇雑な知財を䞀本化し、詊䜜開発を加速させるために

これらの課題を解決するために蚭立されたのが、「かえる蚈枬株匏䌚瀟」です。同瀟は、藀垣研究宀で研究開発したものを技術移転するための䌚瀟ずしお、重芁な圹割を果たしおいたす。

たず、特殊な郚品の迅速な䟛絊です。䞉次元蚈枬装眮の詊䜜には、垂販品では性胜やサむズが合わないような「小さくお明るくお、スピヌドも速い」栌子パタヌン投圱プロゞェクタヌなどの特殊な郚品が必芁です。

「そういう特殊な郚品を䞀から調達するのではなく、かえる蚈枬から買っおもらうず、すぐに手に入りたす。詊䜜装眮を䜜りたい䌚瀟は、玠早く詊䜜開発に着手できるようになるんですね」

かえる蚈枬が特殊郚品のナニットを䟛絊するこずで、䌁業は開発プロセスを倧幅に短瞮し、詊䜜ぞの道のりを迅速に進めるこずが可胜になりたした。

次に、耇雑な知財のクリア化ずラむセンス販売の円滑化です。かえる蚈枬は、犏井倧孊、和歌山倧孊、そしお藀垣さん個人ずいう䞉者から「サブラむセンス暩付きの実斜契玄」を取埗するこずで、知財を䞀本化する仕組みを構築したした。

䌁業は、かえる蚈枬から゜フトのラむセンスを賌入する際、「䞀本で買えば付随する特蚱のずころが党郚クリアになっおいる」ずいう倧きなメリットを埗るこずができたす。

「倧孊の知財や手続きを䞀本化しおおいお、䌁業からラむセンスや郚品を賌入できる圢にしおおけば党郚クリアにできる。その窓口を぀くるために、倧孊発ベンチャヌずいう圢を遞びたした」

研究を瀟䌚実装に぀なげるためには、「技術の完成床」だけではなく「䜿っおもらうための仕組み」が䞍可欠。このこずが新しい䌚瀟の出発点ずなりたした。

「かえる蚈枬」ずいう名前に蟌めた想い

研究を瀟䌚に぀なげるためには、研究宀の枠を越える必芁がある──
その考えは、実は以前圚籍しおいた和歌山倧孊時代から藀垣さんの頭の䞭にあったずいいたす。

それが具䜓的に動き始めたのは、2015幎に犏井倧孊ぞ移ったこずがきっかけでした。犏井倧孊では倧孊発ベンチャヌの支揎が始たっおおり、研究ず実装を䞀䜓的に進められる環境が敎っおいたこずが倧きかったずいいたす。

「犏井倧孊で話を聞いたずきに、ベンチャヌ蚭立を支揎しおもらえる仕組みがあるずわかっお、そこで䞀気に動き出したした。自分で責任を持っお進めれば、実珟できる環境が敎っおいるず感じたした」

かえる蚈枬のロゎは藀垣さん自ら䜜成したそうです

起業に向けお瀟名を考え始めたずき、圓初は技術内容をそのたた衚珟した長い瀟名を考えおいたそうです。しかし、ここで嚘さんから思わぬフィヌドバックが入りたす。

「そんな長い名前、誰も芚えられぞんから」

その䞀蚀で、研究内容を説明するための名前ではなく、瀟䌚ずの接点になる名前ずは䜕か、を真剣に考えるようになったずいいたす。そしお、瀟名が決たる盎接的なきっかけは、法人登蚘に合わせお郊倖に匕っ越した際の゚ピ゜ヌドでした。

「圓時はアパヌトに䜏んでいたのですが、登蚘する必芁もあるし、匕っ越そうず。せっかくなら買っおしたおうず探し始めたんです」※圓時はコロナ犍で時間があり、郊倖の物件をじっくり探したそうです

そうしお巡り合ったのが、川ず田んがに囲たれた郊倖の䞀軒家でした。

「目の前に川が流れおいお、呚りは田んがばかり。よく芋るず、小さい青ガ゚ルがピョンピョン飛んでるんです」

この颚景を目にした瞬間、自然に「かえる」「倉える」ずいう蚀葉が頭に浮かんだずいいたす。嚘さんの䞀蚀ず、青ガ゚ルの姿──その二぀が結び぀き、「かえる蚈枬」ずいう名前が生たれたした。

この名には、単に技術を倉えるだけでなく、「研究の枠組みを倉える」「瀟䌚ずの぀ながり方を倉える」ずいう、藀垣さんの意志が蟌められおいたす。

知財を共有し「共創の堎」を目指す“かえるチヌム”構想

かえる蚈枬を立ち䞊げたこずで、これたで倧孊だけでは解決できなかった状況が倧きく前進したした。特蚱や契玄ずいった耇雑な仕組みを䞀本化するこずで、䌁業ずの詊䜜装眮の開発がスムヌズに進むようになりたした。

「装眮を詊しおみたいずいう䌁業さんに察しお、たず詊䜜がスピヌディヌにできるようになりたした。ラむセンス䜓系の敎理もしお、かえる蚈枬ず契玄しおもらえれば倧䞈倫です、ず説明できるようになったのは倧きかったです」

しかし、瀟䌚実装が進むほどに、次の課題も芋えおきたずいいたす。それはかえる蚈枬からサブラむセンスを受ける䌁業が増えるほど、呚蟺技術の特蚱が積み䞊がっおいき、結果的に基瀎ずなる技術が䜿いづらくなる可胜性があるずいう点でした。技術の進展ずずもに、知財の敎理そのものを考え盎す必芁が生たれおきたのです。

こうした課題を解決するため、藀垣さんは新しいコン゜ヌシアムずしお「かえるチヌム」の構想を進めおいたす。

「かえるチヌムは、私たちの技術をサブラむセンスしおいる耇数の䌁業が呚蟺技術の特蚱を持ち寄り、私たちの保有する基瀎技術ずあわせお、チヌム内で呚蟺技術を互いに利甚できるようにするための仕組みです」

この仕組みの特城は、䞀察䞀のサブラむセンスではなく、耇数䌁業が知財を共有し、暪断的に掻甚しおいける点にありたす。競争しあうだけではなく、協力しながら成長できる仕組みを぀くりたいずいう思いから生たれたした。

「独自の特蚱戊略を持っおいる倧䌁業なら、これたで通りのサブラむセンス契玄で察応すればよいず思っおいたす。でも䞭小䌁業の堎合は、基瀎ずなる技術を䞀緒に䜿いながら、みんなで開発力ず競争力を䞊げおいくこずが必芁なのではないかず考えおいたす」

぀たり、倧孊発ベンチャヌずしお「技術の入口」を぀くった藀垣さんは、次のステヌゞずしお、倚くの䌁業ずずもに成長できる「共創の堎」を育おようずしおいるのです。研究者、技術者、珟堎の担圓者など倚様な立堎が集たるこずで、単発の詊䜜に終わらず、継続的なものづくりが可胜になる未来を目指しおいたす。

枬定を“かえる”こずで、限界が“かわる”

藀垣さんの取り組みの本質は、単なる技術開発にずどたらず、それらを「䜿える圢に”倉える”こず」にありたす。研究ず瀟䌚の間にある「䜿いにくさ」を倉えるために、特殊郚品の提䟛、耇雑な知財の敎理、ラむセンス䜓系の構築など、倚角的に取り組んできたした。

むンタビュヌでも、“倉える”こずの意味に぀いお、繰り返し語っおくれたした。

「今たでもうこういうものだず思っおやっおいたこずを、そのたたやっおいたのでは、なかなか限界を越えられたせん。でも、埓来のやり方から倉えるず、今たでの限界も倉わっおいきたす」

「限界が倉わっお䜿える装眮の性胜が倉わっおいくず、それを䜿った埌の結果もどんどんいろんなものが倉わっおいきたす」

枬定方法を倉えるこず、すなわち限界を曎新するこず。その倉化は、埗られるデヌタ、そのデヌタを掻甚しお぀くる補品やサヌビス、そしお瀟䌚そのものに及ぶずいいたす。

“かえる” ず “かわる”。
それは技術の話だけではありたせん。
研究の姿勢、制床のあり方、䌁業ずの関係性、そしお瀟䌚ず未来――
そのすべおを含む“倉化の入口”ずしお捉えられおいたす。

藀垣さんずかえる蚈枬、そしお「かえるチヌム」の構想を通じお、北陞から起こそうずしおいるこの挑戊がどのように“かわっお”いくのか。

これからの共創の先に期埅が高たりたす。


â–Œ あわせお読みたいむンタビュヌ蚘事

・研究シヌズず䌁業を「想定倖の出䌚い」で぀なぐ䞊玚゚リアコヌディネヌタヌ・束本 健さん
・誰もが働きやすい北陞を぀くりたい事務局スタッフ・田川 恵里銙さん

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※本むンタビュヌは2025幎11月に実斜したした。肩曞や所属はむンタビュヌ実斜圓時のものです。
※蚘事構成北陞RDX note線集チヌãƒ