刑務所でも進む高齢化―高齢受刑者を支える介護・福祉と社会復帰
前回は、高齢者の犯罪について取り上げました。
では、その先にある刑務所では何が起きているのでしょうか。
刑務所の中でも進む高齢化
令和7年版犯罪白書によると、2024年に新たに刑務所へ入った受刑者のうち、65歳以上は2,049人で、全体の13.8%を占めています。
さらに70歳以上は1,370人で、2005年の約2.3倍になっています。
高齢受刑者の人数そのものが急増し続けているわけではありませんが、受刑者全体に占める高齢者の割合は、長期的に見ると高くなっています。
刑務所にも介護や福祉が必要になる
受刑者が高齢になれば、当然、刑務所での生活にもさまざまな課題が生まれます。
足腰が弱くなり集団行動が難しくなる人、持病を抱える人、認知機能が低下する人もいます。
刑事施設では、65歳以上などの受刑者に認知症のスクリーニング検査を行う取組も進められており、実際に認知症と診断されるケースもあるようです。
また、社会福祉士や介護福祉士、介護専門スタッフ、作業療法士などを配置し、高齢者や障害のある受刑者への福祉的な支援も行われています。
ちなみに、刑務所で行われる作業にはさまざまな役割があります。
仮釈放前指導の面接では、高齢の受刑者の生活をサポートしていた、という話を聞いたこともあります。
これは高齢の受刑者に限らず、障害や病気を抱えた人のサポートをすることもあるそうです。
「慣れないことで大変だった」とこぼされる方もいれば、「人と接するのが好きなので苦ではなかった」とおっしゃる方もいました。
刑務所の中でも、支える・支えられるという関係性が作られているのだと思う一方、実際の人間関係はとても複雑なようで、得手不得手もあるのだなと感じています。
出所した先まで考える必要がある
高齢受刑者の問題は、刑務所の中だけで終わるものではありません。
出所しても、
仕事を見つけることが難しい。
頼れる家族がいない。
住む場所がない。
介護や医療が必要になる。
そうした人に必要なのは、「再び犯罪をしないように」と指導することだけではなく、地域で生活を続けるための福祉や医療、住まいへの支援です。
拘禁刑の導入に伴い、「高齢福祉課程」も新設され、高齢者の特性を踏まえた処遇や社会復帰支援が進められています。
刑務所の高齢化は、「犯罪と福祉は別の問題」と切り離すことの難しさを表しているように思います。
刑務所を出たその先で、もう一度地域の中で暮らしていくために何が必要なのか。
高齢者の再犯防止を考えるとき、刑務所の中だけではなく、その後の暮らしまで見ていくことが大切なのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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