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円キャリー巻き戻しか、ドル円急落

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ドル円急落、介入はあったのか?

いやー凄まじい円高が来ました。昨日9/2㈬からドル円が崩れ出しましたが、今日9/3㈭までの2日間で4円以上の円高です。

ドル円 1:00時点

介入では?との声も聞かれます。今日9/3㈭はまだわかりませんが、9/2㈬の下落に関しては介入ではなさそうです。

日本銀行が3日公表した「当座預金増減要因」からは、円相場が対ドルで急伸した2日の外国為替市場で、日本の通貨当局が介入を実施した明確な形跡は見られなかった。

※日銀が公表する「当座預金増減要因」の予測と、市場の事前予想との乖離(ズレ)を利用して、為替介入があったかどうかを推計できます。

資金の移動:為替介入(円買い・ドル売りなど)を行うと、民間金融機関と政府(外国為替資金特別会計、通称:外為特会)の間で資金が移動し、日銀の当座預金残高が変動します。円安阻止の円買いドル売り介入の場合、日銀の当座預金残高は減ることになりますね。

予測との差分:日銀が毎営業日の夕方18時頃に公表する「当座預金増減要因見通し(財政等要因)」の中に、この介入に伴う資金移動が反映されます。これを民間の短資会社などの事前予測(予想平均)と比べることで、説明がつかない大きな差額(ズレ)から介入規模を割りだすことができる、というわけです。

昨日9/2㈬より、9/3㈭のドル円下落の方が大きかったですから、今日9/3に介入があったかも、と考えることもできないことはないですね。
9/3の分は9/4の夕方18時ころに日銀から公表される「当座預金増減要因」の数字を見ることで推計できます。多分、介入ではないと思います。値動き的に。

円キャリーの巻き戻しか、GPIFの資産配分変更の思惑も

介入でないなら、なぜこれだけ大きな円高となっているのか?クロス円も軒並み急落していますので、円高です。

上段 ドル円 ユーロ円 ポンド円
下段 NZドル円 豪ドル円 カナダ円 1:15時点

昨日のnoteにも書きましたが、
1)ベッセント米財務長官発言の一連の発言、日銀利上げ観測の高まり
2)高田審議委員、利上げ0.25%にこだわらないなどのタカ派講演

などに加えて、今日はGPIFの資産配分変更の思惑が広がった可能性も。
GPIFは夏休みシーズンの8月には会合をもたないのが通例ですが、8/21に会合をもった、との報道がありました。
夏季休暇期間の8月開催は異例で、7年ぶりです。公表された議事次第に「基本ポートフォリオ検証PTの審議」が入っていました。
日本国債への投資比率の引き上げが思惑として広がり、足元の円高をもたらしている可能性も否めません。

現在、単一の年金基金としては世界最大規模を誇るGPIFのポートフォリオは
外国株25%:外国債券25%:国内株25%:国内債券25%です。

外債、外国株に投資するということは、年金の50%は円売り外貨買いになるわけです。ちなみにGPIFの規模は320兆円にも上ります。その半分160兆円もの外貨買い、基本はドルでしょうからドル買いになっているというわけですが、この配分を見直し、円債の比率を増やすとどうなります?!レパとリエーションですね。ドル売り円買いが発生します。

発端は7/10の片山財務大臣の閣議後の記者会見で、「GPIFをはじめとする年金基金が日本の金融資産にさらなる投資をする方向で後押しをする方策を追求したい」と述べました。この時も円高になっています。

しかし、GPIFの運用は、厚生労働大臣が定める「中期目標」(5年間)に基づいて行われており、4資産に25%ずつの配分は、2020年4月に始まった「第4期中期目標」で定められたものです。本来であれば、5年が経過した2025年4月から新しい資産配分(第5期)に切り替わるスケジュールでしたが市場環境の大きな変化などを見極めるため、期間が1年間延長されており、変更がされませんでした。まさに今がその見直しの議論の最中であり、2027年4月からスタートする新しい資産配分の決定に向けて議論が進められているのではないか、というのが市場の反応です。

ただ、市場には、GPIFのポートフォリオは利益を追求するものであり円安是正に使われるものではないなど否定的な声もあるのですが、片山大臣は7月14日にも記者会見で、「想定した条件や環境が大きく変われば、適時適切に検証を行わなければならないルールだ。不磨の大典(絶対に直せない決まり)ではない」と強調しています。

クジラが動けば、クジラに倣ってポートフォリオを組んでいた機関投資家もそれに倣って組み替える可能性があり、円キャリートレードが一斉に見直される可能性が出てきたとも言えそうです。

奥田宏二氏「GPIFの基本ポートフォリオを再検証する ~国内債券比率引き上げの可能性~」第一生命経済研究所、2026年7月28日

運用資産は2025年度末で294兆円、現行は4資産各25%。奥田氏の試算では、国内債券を30%に引き上げる場合で約15兆円、35%なら約29兆円の外貨売り・円買いが発生します。

まだ異例の会合があったというだけで、決定事項ではありませんが。

この円高はリスクオフではない?!円金利低下の安心感

これだけ急激な円高となれば日本株の上値も重くなりそうではありますが、今のところリスクオフの円高という様相ではありません。
まず、日本売りとして警戒されていた国債の売り=日本の金利上昇ですが、GPIFのニュースを受けてか金利が低下に向かっています。
日本の金利低下で円高って、変な話ですが、これまで日本の金利上昇で円安だったので、これが逆流している形ですね。

日本国債利回り 

9/3㈭の日経平均株価は小幅の安かったのですが、TOPIXはしっかり。

そして、円高が加速しているというのに、今夜の日経平均先物は上昇しています。現在64590円(1:50時点)

日経平均先物夜間取引

また、今夜は米金利も低下。

米国債利回り 1:57

ウォラーFRB理事がロイターインタビューで、ディスインフレの継続が確認されれば9月15〜16日のFOMCでFF金利の据え置き(現行3.50〜3.75%)を支持する意向を示しました。2月以降のディスインフレの進行ペースを「心強い」と評価する一方、インフレが加速すれば引き締めを支持する余地も残しています。判断の決定要因としては9月11日発表の8月CPIを挙げています。
これを受けて9月FOMC利上げの織り込みが低下しました。8月28日のジャクソンホールでのウォーシュ議長講演(まだやるべき仕事がある)で60〜66%程度まで上昇していた確率が、およそ50%まで戻っています。10年債利回りは4.75%前後、前日比3bp程度の低下です。

というわけで金利上昇警戒が後退し米株高。

上段 ダウ平均 S&P500 SOX指数
下段 NASDAQ ラッセル200 ダウ輸送株  2:00時点

また、中間選挙を控えて、米国がイラン戦争の終結を宣言する可能性があるという観測報道もちらほら。。。

Trump Mulls Declaring Iran War 'Over', Holds Discussions With Senior Aides: Report
トランプ氏、イランとの戦争の「終結」宣言を検討、側近らと協議:報道(Times Now, 2026年9月3日)
https://www.timesnownews.com/world/middle-east/donald-trump-mulls-declaring-iran-war-over-holds-discussions-with-senior-aides-report-article-156034551

  • トランプ大統領がイラン戦争の終結を宣言することを検討しており、上級側近と協議している。

  • 大規模なエスカレーションは11月の中間選挙で共和党に打撃を与えかねない、と側近が警告している、

    もし実現すればリスクオン材料でしょう。

9/4㈮雇用統計、ドル円下値どこまで?

注目は21:30の米8月雇用統計。前回は非農業部門雇用者数が▲2.3万人と減少に転じており、今回は+5.5万人への回復が見込まれています。失業率は4.1%横ばい予想、平均時給は前年比3.0%へ鈍化予想。
回復予想が外れればドル安加速。

150円割れが目前ですが、この大きな円安トレンドの38.2%調整レベルが154.80円前後にあります。ここでいったん下げ止まると思いますが、もしこの38.2%レベルの調整で済まなかった場合は半値押しの151.95円が次のターゲット。本格的な円キャリーの巻き戻しが続けば140円割れの全戻しも視野。日銀が9月利上げを見送れば反発も大きくなると思いますが、GPIFの資産配分組み換えにより円資産配分が増えるのが確定する流れなら、金利差よりも需給が意識される展開となりそうです。

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