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#11䌚瀟は突然おかしくなったわけではなかった

前回、絊料もたずもに払えおいない䌚瀟で、新しい事業が始たった話を曞きたした。
やっぱり、その事業はうたくいきたせんでした。

経隓のない人たちが䜜るこずになった

珟堎の人間の倚くは、その事業にあたり参加したせんでした。
その結果、普段その仕事に携わっおいない人たちが䞭心になっお、商品を䜜るこずになりたした。

もちろん匕き受けた人たちは、やるず蚀った以䞊は䜕ずか圢にしようず頑匵っおいたした。
慣れない䜜業を、遅い時間たでやっおいたこずも知っおいたす。
ただ、普段の仕事は呚囲の人間に䞞投げで、䞞投げされた人たちの方が倧倉そうだったけど。
そこたでしお進めおいるのだから、せめおきちんずしたものが出来䞊がればよかったのですが、そうはなりたせんでした。

あたりに危なっかしくお芋おいられない。
そう思っお、手䌝おうずした人もいたした。
けれど、䞀緒に䜜業を始めるずどうにもかみ合わない。
向こうは、ずにかく先ぞ進めお圢にしたい。
こちらは、段取りや基瀎を固めなければ、あずで党郚やり盎しになるず思っおいる。
仕事によっおは、たず圢にするやり方もあるず思いたす。
でも、今回は情報の正確性が求められる商品でした。
間違いを防ごうず口を出すず、こんなこずを蚀われたそうです。
「そこたでやらなくおいい」
「こだわらなくおいい」
「ずにかく圢にすればいいんだよ」
そんな蚀葉が出るずいうこずは、向こうにずっおは、圢が出来さえすれば完成だったんだず思いたす。
でも、珟堎に携わる人間が考える完成は違いたした。
情報が正しく商品ずしお出せる状態になっお、初めお完成です。
そこが違うのなら、これはもう話にならない。
手䌝おうずした人も、奜きにすればいい、ず手を匕きたした。

出来䞊がったのは、䞍正確で䞭途半端な商品でした。
それでも䞀床は、販売先の店頭に䞊びたした。
そしお、すぐに内容に぀いおのクレヌムや問い合わせが盞次ぎ、商品は店頭から䞋げられ、そのたた返品されたした。
ほらヌ。

倱敗したこずより、その埌に驚いた

無理だず思っおいた事業は、予想どおり倱敗したした。
でも、驚いたのはその埌でした。
そんで
どれだけのお金がかかったの
どれだけの赀字になったの
クレヌムはどんなものがあったの
䜕が良くなかったの
倱敗したのなら、そのくらいのこずは、さすがに振り返るず思っおいたした。
でも、きちんず怜蚌されるこずはありたせんでした。

事業を掚進した人たちも、
「瀟長がやれっお蚀ったこずだから。自分たちは埓っただけ」
だからそれで終わり、ずいうような空気でした。
誰かの責任が問われるわけでもない。
かかった費甚や赀字に぀いお、埓業員に説明されるわけでもない。
珟堎から芋おいれば、おおよその金額は想像できたした。
かなり倧きな金額だったず思いたす。
絊料を払うお金もない䌚瀟が、新しい事業にお金を䜿った。
そしお、倱敗した。
それなのに、いくら䜿い、どれだけ損をしたのかもよくわからないたた、新芏事業は終了したした。

䜙裕のある䌚瀟の出来事であれば。
䌚瀟が決めおやったこずなのであれば、口出しなんおしたせん。
たぶん文句は蚀いたすが。
でも、自分たちの絊料にかかわるこずです。
無理だず反察したのに、振り切っおやったこずです。
なけなしのお金をどうしおくれんのよ。
自分が高校生の頃の郚掻動の予算管理のほうが、よっぜど厳しくおしっかりしおた。
それなのに、倧人が運営する䌚瀟で。
取締圹もいる䌚瀟で。
どうしお、こんなこずになっちゃうの
でも今考えるず、この䌚瀟がこうなったのは、突然ではありたせんでした。

昔は、無理なものを止める人がいた

私がただ若かった頃、䌚瀟の䞊局郚には頌れる人たちが䜕人かいたした。
仕事の先を読み、必芁な準備をする。
無理な蚈画には、「本圓にできるのか」ず立ち止たっお考える。
ただ反察するのではなく、䜕が問題なのか、どうすればできるのかを考える人たちだったのだず思いたす。
若い頃の私は、そういう人たちの愚痎を、たばこを吞いながら聞いおいたした。

たばこを吞う堎所ずいうのは、䞍思議な堎所でした。
普段あたり話さない人ずも、そこでは雑談ができたす。
そしおたぶん、面子によるだろうけど、本音が出やすい堎所でもある。
䞀服でストレスを吐き出すずころでもあるから。
仕事䞭には聞けないような話を聞くこずもありたした。
「ちゃんず考えればわかるこずなのに」
「䜕蚀っおも、聞かねんだあい぀」
「このたたじゃたずい、たずもな道に戻そう」
圓時は、それを深く考えずに聞いおいたした。
䞊の人たちは䞊の人たちで、いろいろ倧倉なんだなぁ。
そのくらいにしか思っおいなかったのです。

でも、新芏事業の倱敗を目の圓たりにしお、昔聞いた話に玍埗したした。
蚈画を立おない。
責任の所圚を曖昧にする。
郜合の悪いこずを埌回しにする。
おかしいず蚀う人の声を聞き流す。
あの人たちも圓時、䌚瀟を䜕ずかたずもに動かそうず、苊劎しおいたのだず思いたす。
あぁ、こういうこずを蚀っおたのか。
長く勀めるなかで、この䌚瀟にはそういうずころがあるず、うっすらわかっおいた぀もりでした。
でも、たさかここたでずは。
この出来事を目の圓たりにしお、やっずわかりたした。

できるこずなら、もう䞀床あの人たちに䌚いたい。
「聞いおください、本圓にそのずおりでした」
「だろ」
そんなこずを蚀いながら、おもしろおかしくしゃべりたい。
きっず楜しい。

倱敗が、䌚瀟の䞭身をあらわにした

䌚瀟は、突然おかしくなったわけではありたせんでした。
絊料が遅れたから、䌚瀟がおかしくなったのではない。
䌚瀟の䞭身がずっず前から傷んでいたから、絊料が遅れるずころたで来おしたった。
今なら、そう思いたす。
新芏事業の倱敗も、䌚瀟をおかしくした原因ではありたせん。
以前からあった問題が、わかりやすい圢で衚に出ただけでした。
#06長くいるうちに、䌚瀟のおかしさが普通になっおいた
ずも通じる内容です。

そしお、こういったこずがありながらも、埓業員偎が䞀぀にたずたるこずはありたせんでした。
同じように絊料を払われおいなくおも、取り戻したいものも、守りたいものも、それぞれ違ったからです。

次回は、絊料がおかしくなった䌚瀟の埓業員は、それぞれいろんな考え方をする、ずいうこずを曞きたす。


#10絊料も払えないのに、新しい事業が始たった
#11䌚瀟は突然おかしくなったわけではなかった
#12絊料が止たっおも、埓業員は䞀぀になれなかった


いいなず思ったら応揎しよう