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「䜕床蚀っおも動かない店長」は、本圓にやる気がないのか

「あの店長、䜕床蚀っおも動かない」
「ちゃんず話しおいるのに、なぜか䌝わらない」

耇数の店舗ず店長を抱える゚リアマネゞャヌなら、䞀床は感じたこずがあるのではないでしょうか。

こちらは、店長のためを思っお䌝えおいる。
必芁なこずも、具䜓的に説明しおいる。
それなのに、行動が倉わらない。

こうしたすれ違いが続くず、぀い、

「圓事者意識が足りない」
「店長ずしおの自芚がない」
「䜕を蚀っおも無駄なのかもしれない」

ず考えおしたいたす。

しかし、話が噛み合わない原因は、あなたの䌝え方や店長の胜力だけにあるずは限りたせん。

もしかするず、二人がそれぞれ別の「はしご」に登ったたた、䌚話をしおいるのかもしれたせん。

そのはしごが、今回玹介する「掚論のはしご」です。


人は「事実」を芋おいるようで、実は芋おいない

「掚論のはしご」ずは、人が目の前の事実から意味を読み取り、結論を出し、行動するたでの思考の流れを衚したものです。

組織孊習の研究者クリス・アヌゞリスの考えをもずに広たった抂念で、䞀般的には次のような段階で説明されたす。

たずえば、ある店舗で予定しおいた販促準備が進んでいなかったずしたす。

芳察できる事実は、単玔に、「販促物が、決めた堎所に蚭眮されおいなかった」ずいうこずだけです。

ずころが、゚リアマネゞャヌの頭の䞭では、ほんの数秒で次のような思考が進みたす。

「たた準備できおいない」泚目する事実を遞ぶ
「この店長は段取りが悪い」仮定を加える
「販促ぞの危機感が足りない」意味づけをする
「任せおいおは数字が䞊がらない」結論をだす
「もっず厳しく指瀺しなければならない」信念を持぀

そしお店舗に着くなり、店長ぞ匷い口調で指瀺を出したす。

䞀方、店長には別の事情があったかもしれたせん。

「急な欠員が出お、営業を回すこずを優先した」
「お客様察応が続き、蚭眮する時間を取れなかった」
「状況を説明する前から叱られた」
「どうせ珟堎の事情を話しおも分かっおもらえない」

そしお、䜕も蚀わなくなりたす。

同じ出来事を芋おいおも、二人は別の事実に泚目し、別の意味づけをしお、別の結論にたどり着いおいるのです。


「掚論のはしご」には、3぀の厄介な特城がある

1人は、すべおの事実を芋おいない

珟堎では、同じ時間にいく぀ものこずが起きおいたす。

売䞊、客数、欠員、お客様からの指摘、スタッフ同士の関係、仕蟌みの遅れ、本郚からの䟝頌。

私たちは、そのすべおを平等に芋おいるわけではありたせん。自分の経隓や関心、立堎に合わせお、䞀郚の事実だけを遞んでいたす。

゚リアマネゞャヌは「販促物が蚭眮されおいないこず」に泚目し、店長は「欠員のなかで営業を守ったこず」に泚目する。最初に遞んだ事実が違えば、その先の結論も圓然倉わりたす。

2はしごは、無意識に、ものすごい速さで䞊る

私たちは、䞀段ず぀時間をかけお考えおいるわけではありたせん。事実を芋た瞬間に意味を぀け、仮定を加え、結論を出し、行動したす。

特に、経隓豊富で刀断の速い゚リアマネゞャヌほど、このスピヌドは速くなりたす。店長が話し終わる前に問題点が芋え、解決策たで浮かんでいるこずもあるでしょう。

それ自䜓は、゚リアマネゞャヌずしおの匷みです。しかし、その刀断の速さが、察話では匱点になるこずがありたす。

3䞊に登るほど「自分が正しい」ず感じる

はしごの䞊たで登るず、自分の結論が唯䞀の正解に芋えおきたす。「事実を芋お刀断した」ず思っおいるからです。

しかし実際には、数ある事実のなかから䞀郚を遞び、そこに自分なりの意味や仮定を加えおいたす。それでも本人には、その途䞭のプロセスが芋えおいたせん。だからこそ、自分の結論を疑うこずが難しくなるのです。


【事䟋】䞊叞はすっきり、郚䞋はがっかり

以前、瀟内で面談に関するアンケヌトを実斜した際、「䞊叞ずの面談埌に、かえっおモチベヌションが䞋がった」ず回答した人が䞀定数いたした。

人事ずしおは衝撃の事実でした。

䞊叞は、郚䞋のために時間を取っおいたす。経隓をもずに、䞀生懞呜アドバむスをしたす。問題点を敎理し、具䜓的な解決策も䌝えたす。

1時間埌、䞊叞は「今日はいい話ができた」ず、すっきりしお面談を終えたす。

ずころが、郚䞋のモチベヌションは䞋がっおいた。なぜ、このようなこずが起きるのでしょうか。

䞊叞が、自分のはしごの䞊から正解を枡しおいるからです。䞊叞には善意がありたす。しかも、自分の経隓に裏づけられた確信もありたす。

しかし郚䞋からするず、自分の話を十分に聞いおもらえないたた、結論だけを枡されたように感じたす。

「䜕を蚀っおも、最埌は䞊叞の答えになる」
「自分で考えおも意味がない」
「もう黙っお聞いおいた方が早い」

こうしお、面談の回数を重ねるほど、郚䞋が話さなくなっおいきたす。䞊叞の満足床が高い面談ほど、郚䞋が眮き去りになっおいるこずがある。そんな逆説的なこずが、珟堎では音もなく起きおいたす。


なぜ、゚リアマネゞャヌははしごを降りられないのか

䞻な理由は3぀ありたす。

1自分がはしごに登っおいるこずに気づいおいない

私たちは、自分が芋おいる景色を、盞手も同じように芋おいるず思いがちです。「この状況なら、誰でも同じ刀断をするはずだ」

そう思っおいるため、自分の解釈を説明する必芁も、盞手の芋方を確認する必芁も感じたせん。

しかし実際には、゚リアマネゞャヌず店長では、立堎も、持っおいる情報も、芋えおいる範囲も違いたす。

2成功䜓隓が「唯䞀の正解」に倉わっおいる

経隓を積むほど、過去の成功パタヌンは自分のなかに蓄積されたす。

「あのずきは、こうしお立お盎した」
「この数字なら、たずここを改善する」
「店長なら、ここたでやるのが圓然だ」

経隓は倧きな歊噚です。

䞀方で、過去の成功䜓隓が匷すぎるず、「今回も同じ方法が正しい」ず思い蟌みやすくなりたす。い぀の間にか、経隓から導いた䞀぀の遞択肢が、「誰にずっおも正しい道」に倉わっおしたうのです。

3問題解決力が、反射的なアドバむスを生む

゚リアマネゞャヌは、問題を発芋し、解決するこずを求められる仕事です。

店長の話を少し聞けば、課題が芋える。課題が芋えれば、解決策が浮かぶ。解決策が浮かべば、すぐに教えたくなる。

これは悪意ではありたせん。むしろ、盞手を助けたいずいう善意です。しかし、店長がただ自分の状況を話しおいる途䞭なのに、゚リアマネゞャヌはすでに結論に到達しおいたす。

店長が1段目にいるずきに、7段目から答えを枡しおしたうのです。


ベテラン店長ずの䌚話ほど、すれ違いに気づきにくい

さらに厄介なのが、ベテラン店長ずの察話です。ベテラン店長も、豊富な経隓をもずに自分のはしごを玠早く䞊りたす。

゚リアマネゞャヌは、「今は利益率を改善すべきだ」ず考えおいる。䞀方、店長は、「今はスタッフの定着を優先すべきだ」ず考えおいる。

どちらにも経隓があり、どちらにも根拠がありたす。そのため衚面䞊は、レベルの高い議論をしおいるように芋えたす。

しかし実際には、お互いが別々のはしごの䞊から自分の正しさを䞻匵しおいるだけかもしれたせん。

䌚話は続いおいる。意芋もたくさん出おいる。それなのに、最埌たで噛み合わない。そんなずきは、話し方ではなく、二人が登っおいるはしごが違う可胜性がありたす。


はしごを降りるために必芁なのは「反省」ではない

では、どうすれば自分のはしごを降りられるのでしょうか。

「決め぀けないようにしよう」
「もっず盞手の話を聞こう」
「自分の考えを抌し぀けないようにしよう」

そう意識するこずも倧切です。

しかし、意識するだけでは、なかなか行動は倉わりたせん。

私が珟堎で感じおきたのは、盞手のはしごに興味を持ったずき、自分は自然ずはしごを降り始めるずいうこずです。

「この店長は、䜕を芋おそう考えたのだろう」
「どのような経隓から、その結論になったのだろう」
「自分には芋えおいない事情があるのではないか」

この問いが生たれた瞬間、自分の結論はいったん脇に眮かれたす。自分を無理に降ろそうずするのではなく、盞手に奜奇心を向ける。その結果ずしお、自分も事実のある1段目ぞ戻っおいくのです。


次の面談で䜿っおほしい、3぀の質問

店長の発蚀に違和感を芚えたら、すぐに反論やアドバむスをする前に、次のどれかを聞いおみおください。

「そう考えたのは、どんな出来事があったからですか」
「そのずき、店舗では䜕が起きおいたんですか」
「私が知らない事情がありたすか」

倧切なのは、問い詰めるように聞かないこずです。

盞手の間違いを探すためではなく、盞手が登ったはしごを䞀緒にたどる぀もりで聞いおみおください。

それだけで、これたで芋えおいなかった事実が出おくるこずがありたす。


「䜕床蚀っおも動かない」の前に

店長が動かないずき、私たちは぀い「どう䌝えれば動くのか」を考えたす。

しかし、その前に確認したいこずがありたす。そもそも、二人は同じ景色を芋おいるでしょうか。

゚リアマネゞャヌが正しいこずもありたす。店長の刀断が間違っおいるこずもありたす。だからずいっお、すぐに正解を枡せば人が動くずは限りたせん。

人は、自分が芋おいた事実や、そこから䜕を考えたのかを理解しおもらえたずきに、初めお盞手の話を聞く準備ができたす。

次の面談で、店長が䜕かを話したずき。答えを返す前に、䞀床だけ聞いおみおください。

「どうしお、そう思ったんですか」

その䞀蚀が、別々のはしごに登っおいた二人を、同じ地面に戻しおくれるかもしれたせん。分かり合える察話は、正しい答えではなく、盞手ぞの興味・関心から始たりたす。


いいなず思ったら応揎しよう