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公務員の「安定」が、心の安定までは保証してくれなかった話。

「べつに、辞めたいわけじゃない」

役所にいた10年、私はずっと自分にそう言っていました。

給料は毎月決まった日に入る。
勤め先が潰れる心配もない。
住宅ローンの審査は、すんなり通る。

条件だけ並べれば、文句をつける場所がありません。
周りからも「公務員なんだから恵まれてるよ」と言われる。

でも。

それでも日曜の夜は、23時を過ぎたあたりから

「また明日から仕事か・・・」
と、月曜日がやってくることが憂鬱に。

身分が安定していることと、
明日の朝、平気な顔で職場へ行けることは、

まったく別の話です。

ちなみに、私は今は県庁を辞めて、民間で働いています。
その話はあとでします。


※この記事には一部広告を含みます。


相談1,158件。うち397件がハラスメント関係

2026年7月22日、人事院が2025年度の国家公務員の苦情相談の状況を発表しました。

件数は1,158件。前年度から27件減りました。

過去最多だった2023年度の1,355件からは、2年連続の減少です。

こういう発表を見ると、つい前年比のグラフを作ってしまいます。
誰に頼まれたわけでもありません。

完全に趣味です。

内容別の最多はハラスメント関係で397件。
うちパワハラ・いじめ・嫌がらせが363件、

セクハラが29件。

次が勤務時間や休暇取得などで264件、

異動などの任用関係が152件でした。

ただ、この397件はハラスメントが認定された件数ではありません。
対象も国家公務員だけです。私がいた県庁のような地方公務員は、そもそも集計に入っていません。
役所はハラスメントだらけ、という読み方ができる数字ではないです。

減ったのが我慢の量なのか、言える空気の方なのか。
そこは、この数字では区別できません。

相談する前に、どうしても考えてしまうんです。

「これは相談していいレベルの話なのか。」
「自分が我慢すれば済むんじゃないか。」

内向的思考の私は、こう考えてしまって何も行動に移せなくなる。


制度はあった。使う勇気がなかっただけ

県庁にも相談窓口はありました。
ハラスメント研修も毎年あって、資料も配られます。

供覧で回ってくるものなので、目を通して判子を押す。

それで終わりでした。

窓口の番号は、たぶん今も庁内のどこかに貼ってあります。
私は一度も押していません。

電話したら、どこかで人事に伝わるんじゃないか。

ずっとそう思っていました。
組織は思っているより狭い。名前が残るのが怖かったんです。

異動内示の紙をめくるときの手つきは、健康診断の結果を開けるときとほぼ同じでした。
たぶん心拍数も同じです。

窓口があることと、そこに電話できること。
この二つは、まったく別ものです。


それでも、公務員の安定は強い

ここまで読むと、公務員は辞めた方がいいという話に見えるかもしれません。

私はそう思っていません。

住宅ローンが通る。

子どもの学費の見通しが立つ。
有給が制度としてちゃんと存在する。
自分がミスをしても、明日会社が消えることはない。
民間に出た今でも、あれは相当な待遇だったと思います。

これだけ条件が並んでいるのに、日曜の夜だけ思考がバグる。
我ながら贅沢な悩みです。恵まれた身分を抱えたまま、23時に天井を見ていました。

だから、安定を捨てろという話はしません。


私がやったのは、安心を買い直すことでした

2025年4月に県庁を辞めて、いまは大手の民間企業でIT企画をやっています。
手取りは20万円台の中盤から、40万円台の後半になりました。増えた分は、だいたいNISAの積立に消えていきます。

貯金はかなり増えました。

そのおかげで、「ここが嫌になっても、まだ次がある」
そう思えるようになりました。

でもね、

民間にも理不尽はあります。
期待しすぎるとしんどい。
そこは役所と大差ないです。


安定と安心は、どちらかを諦める話じゃない

制度が用意してくれるのは、安定までです。
安心の方は、自分で調達するしかない。
10年かけて、ようやくそこを分けて考えられるようになりました。

やり方は転職だけじゃないです。
さっき書いた、

職場の外の窓口を一つ持っておく。
組合に言う。
家族に一回だけ吐く。

どれも十分な一手だと思います。

そのうえで、辞めると決めていない段階でもできるのが、自分の経歴を一度外の人に見てもらうことです。

ここで一回つまずいたのが、エージェント選びでした。
とりあえず登録すると、求人メールが山ほど届きます。

未読が3桁になった時点で、私はもう開いていませんでした。

そこで頼ったのが、求人を持たない中立の立場から300社以上のエージェントの中を探してくれるサクキャリマッチでした。

辞めるかどうかも決めていない、と最初に伝えたうえで無料面談だけ受けました。

やったことは、「残る理由」と「動く理由」を並べて整理してもらっただけです。

公務員を続けるか、転職するか相談してみる

辞めなくてもいいんです。
自分でも転職できる道があるということをしっておくだけ。

本気で外の選択肢を考えたい方には、私が県庁から民間へ移るまでにやったことを、職務経歴書の作り方も含めてまとめています。



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