見出し画像

異動ガチャに3回ハズレを引いた私が、「人間関係の攻略法」を見つけるまで

3月の最終週、次長に呼ばれて別室に行って、異動先を告げられたとき、胃がキュッとなる。

その感覚を、10年間で3回味わった。

県庁で10年。異動は3回。3回とも、控えめに言って「ハズレ」でした。

仕事がキツかったからではありません。
人間関係です。

公務員の人間関係がしんどい最大の理由は、「原則、3年間逃げられない」ということ。

民間ならチーム変更や部署異動の希望が比較的通りやすいけど、公務員のジョブローテーションは基本的に3年周期。下手したら4年コースもある。

合わない上司がいても、ドロドロの部署に配属されても、次の異動までの3年間は耐久レースです。

今日は、異動ガチャに3回挑んで3回ハズレを引いた私が、最終的に「人間関係の攻略法」と呼べるものに辿り着くまでの話を書きます。


※この記事には一部広告を含みます。

1回目の異動:ため息から始まる3年間

最初の異動先で出会った上司は、いわゆる「詰める系」の人でした。

起案文書を持っていくと、まずため息。蛍光灯の音だけが聞こえる数秒間の沈黙のあと、「これ、何が言いたいの?」から始まる。

30分かけて一字一句を修正される。修正した通りに直して持っていくと、「いや、ここはさっきのままでよかった」。

「あのさ、さっきあんたが直せと言ったんですけど?」

とは言えない。

課内の誰もがこの上司の機嫌を窺っていた。
朝、エレベーターのドアが開く。上司の靴音の速さで、今日の安全度を測る。

月曜の朝、上司の「おはようございます」のトーンが半音低いと、課内全体がキーボードを叩く音だけになる。

動物的な危機管理能力だけが、日に日に磨かれていきました。

この3年間で私が身につけたスキルは、「上司の機嫌を1ミリ単位で読む能力」と、「何を言われても表情を変えない能力」。

履歴書には書けない特殊技能です。

でも次の部署では、もっと厄介なものが待っていた。


2回目の異動:飲み会は情報戦だった

2回目の異動先は、仕事内容は面白かった。

広報に関わる部署で、やりがいはある。

でも、課内の人間関係がとにかくドロドロだった。

ベテラン職員と中堅職員の派閥があり、どっちに話を通すかで仕事の進み方がまったく変わる。「あの人に先に話を通したほうがいいよ」と言われて従うと、別の人から「なんで先にこっちに言わないの?」と刺される。

派閥というものは、公式には存在しないけど全員が知っている。公務員版のヴォルデモートです。

課の飲み会は、情報戦だった。
生ビールの泡が消える頃には、全員が笑顔のまま腹を探り合っている。
酒の席で「〇〇さん、最近ちょっと……」と漏らしたひと言が、翌週の月曜日にはなぜか本人の耳に届いている。
あの居酒屋の座敷には、壁に耳が生えていた。

正直、仕事そのものより、この「人間関係の地雷」を避けることに使うエネルギーの方が大きかった。

そして3回目。さすがに気づきます。


3回目の異動:「任せるよ」が一番怖かった

3回目の異動先でも、また上司と合わなかった。

今度は「無視系」。
指示がない。聞いても「任せるよ」としか言わない。
振り返れば、あの「任せるよ」の3文字が、あの部署でいちばん怖い言葉でした。

自分で考えて動く。結果を持っていく。
「なんでこうなったの?」
答え合わせは、いつも事後だった。

自由にやっていいと言われて自由にやったら怒られる。あれは自由ではなく、放し飼いだった。

3回目ともなると、さすがに「もう異動ガチャ引きたくない」と思い始めました。

でも同時に、あることにも気づいていたんです。

「環境を変えても、人間関係の悩みは形を変えてついてくる」 ということ。

1回目はモラハラ上司、2回目は派閥争い、3回目は無視系上司。パターンは違うけど、根本にあるのは「自分と合わない人との距離の取り方が分からない」ということでした。

そんな私が「攻略法」に辿り着くまで、あと少しだけ時間がかかりました。


転機:通勤電車のイヤホンが教えてくれたこと

転職を考え始めた時期と重なります。

ある日の帰りの電車。つり革を握る手がじんわり汗ばんで、窓に映る自分の顔がひどく疲れていた。

本を開く気力なんてなかった。帰宅は20時半。活字を追う元気は残っていない。
でもイヤホンをつけて聴くだけなら、満員電車の中でもできる。

そうやって、心理学系の本を耳で聴き始めました。

最初に聴いたのは、EQ(心の知能指数)に関する本でした。

内容の詳細は省きますが、一つだけ強烈に刺さったことがあります。

「相手の言動を変えることはできない。でも、自分の反応は変えられる」。

当たり前のことだと思うかもしれません。でも、モラハラ上司に3年間詰められ続けた私にとって、この言葉は予想以上に効きました。

相手が「これ、何が言いたいの?」とため息をつく。以前の私は、そのたびに胃がキュッとなって、心の中で「またか」と暗くなっていた。でも本当の問題は、上司の言動そのものではなく、私がその言動に対して毎回同じ反応をしていたことだった。

「怒られた→自分がダメだ」という回路が、自動的に走っていた。

満員電車で本は開けない。でもイヤホンならいける。Audibleの30日間無料体験で、通勤中に「耳で聴く」ところから始めてみた。


「自分の感情のクセ」を知るという発想

EQとは、簡単に言うと「自分の感情を認識し、適切に扱う力」のこと。IQ(頭の良さ)とは違って、トレーニングで伸ばせると言われています。

面白いと思ったのは、「自分の感情のパターンを客観的に見る」というアプローチです。

「苦手な上司と会話した後、自分はどんな気持ちになるか?」
「その気持ちが生まれるとき、身体のどこが反応しているか?」
「いつも同じパターンで落ち込んでいないか?」

こういうことを日常的に観察し、記録してみる。

すると、自分が同じ状況に対して毎回同じ反応をしていることが見えてくる。

これが見えると、不思議なことが起きます。

上司に詰められる。胃がキュッとなる。

でも、その0.5秒後に「あ、また例のパターンだ」と気づく自分がいる。

気づいた瞬間、少しだけ冷静になれる。

反射的に落ち込むのではなく、ワンクッション置いて「この反応は本当に必要か?」と考えられるようになる。

そんな中で見つけたのが、1日3分で感情のパターンを記録できるアプリでした。AIキャラクターと対話しながら、自分の感情を振り返る。

大げさなカウンセリングではなく、通勤電車の中でスマホを触る感覚でできる。

最初は半信半疑でした。でも2週間くらい続けたとき、ちょっとした変化に気づいたんです。

苦手な上司に起案文書を持っていくとき、以前は「また何か言われる」と身構えていた。でもアプリで自分の感情のクセを観察するようになってからは、「まあ、言われたらいつものパターンだな」と思えるようになった。相手は変わっていない。でも自分の中のリアクションが、少しだけ穏やかになっていた。

人間関係のストレスが「ゼロ」になるわけではありません。でも、毎日10で受けていたダメージが7くらいに減った。HP回復というより、防御力が3上がった感じ。それだけで、帰りの電車の中の疲労感がだいぶ変わりました。

そのアプリがahame(アハミー)でした。
1日3分。通勤電車でスマホを触る延長線上で、自分の感情のクセが見えてくる。


それでも「もう限界だ」と感じたら

ここまで書いたのは、「同じ環境の中でも、自分の反応を変えることで少しだけ楽になる」という話です。

でも、正直に言うと、それで解決しないケースもある。

私の2回目の異動先がまさにそうでした。自分の感情の扱い方を変えても、課内の派閥争いそのものはなくならない。あの居酒屋の座敷に生えた耳は、EQでは塞げない。構造的に壊れている人間関係の中にいる限り、どれだけ防御力を上げても限界がある。

そういうとき、「環境を変える」という選択肢は、逃げではなく自分を守るための合理的な判断です。

もし今の環境が本当にしんどくて、異動を待つ気力もないなら。公務員の経験を正しく評価してくれるプロに、一度話を聞いてもらうだけでも景色が変わります。

公務員特有の「調整力」や「制度を回す力」を、民間でどう活かせるか。パブリックセクター専門のアドバイザーがいるコトラなら、それを一緒に言語化してくれます。


最後に

異動ガチャは、自分では引き直せません。

次の異動先がどうなるか、3年間の人間関係がどうなるか、コントロールできない。

でも、引いたカードの使い方は変えられます。

まずは自分の感情のクセを知ることから。苦手な上司に対する「いつもの反応」を、ほんの少しだけ変えてみること。それだけで、同じ環境でも見える景色が変わります。

それでも「もう限界だ」と感じたなら、次の手を打つ準備をしておくのも大事です。

実際に私がどの職種を狙い、職務経歴書をどう作り、面接で何を伝えたのかは、別の記事でかなり具体的にまとめています。
本気で動きたい方は、こちらも参考にしてみてください。

人事異動の時期のたびに、胃がキュッと縮む。
その感覚はたぶん、これからも消えない。
でも、キュッとなった後の自分の振る舞い方は、もう知っている。

明日の異動先がどうであれ、あなたの心の扱い方は、あなたが選べます。


IT企業への転職に強い求人サイト「Green」を応援しています。

<PR>

いいなと思ったら応援しよう!