🍒音楽つまみ食い⑰プログレ少年S君の部屋🫖キング・クリムゾン、PFM、イエス[70年代の洋楽][ロック][私のプレイリスト][ファンタジー]
同級生のS君の家に遊びに行くと、立派な旧家の彼の部屋には、壁中に、美しいプログレのレコード・ジャケットが飾られていた。
その中でも、ひときわ目を引いたのは、『童夢』というレコードだった🎧
ムーディー・ブルース「エミリーの歌」(1971年)のYouTube動画
村の長老が掲げる水晶の光に、大きく目を見開いてみつめる少年の青い瞳👦
そこにはどんな未来と過去の物語が映っているのだろう。

(1971年、デラヴァン・レコード)
ジャケット画像はレビュー目的の引用です。
"人生の夜明けにも。そして人生の黄昏にも、僕と一緒に歩いて、
心の中の本のページを、開いておくれ🎵"
僕はうっとりと、メルヘンの世界を旅していた🧚
古いお屋敷の壁に飾られた、8枚の絵のレコード・ジャケットを開くと、こんな中世の音楽が流れて来た🏰

『展覧会の絵』
(1971年、アイランド・レコード)
ジャケット画像はレビュー目的の引用です。
ムソルグスキーの『展覧会の絵』の、あの有名な「プロムナード」に続いて登場するのは、あまりに美しいアコースティック・ギターのアルペジオ。
グレッグ・レイクは、ベースをギターに持ち替えて歌います。
エマーソン・レイク&パーマー「賢人」のYouTube動画
"大地は時間の河に削られて、君と僕の肉体へと変わった。
無限の瞬間の中で、個々の存在は失われ、調和の中へと溶けてゆく🎵"
僕が中世の余韻に浸っていると、
「いらっしゃい。」と言って、S君のお母さんが紅茶を運んできてくれた🫖
僕が中庭の鯉を眺めながらケーキを食べていると、S君は次のレコードをかけた🎧
フォーカス「シルビア」(1972年)のYouTube動画
ラズベリーズのようなカッコいいギターのカッティングに続いて現れたのは、どこまでもメロディアスなリードギターのソロだった🎸
ヤン・アッカーマン?🙄
プログレはイギリスだけでなく、オランダにもあったのだ🇳🇱
曲によっては、フルートやハープシコードも出てきて、このフォーカスというバンドの作り出す音楽は、バロック音楽とロックの融合。
ひとくちに「プログレ」と言っても、色んなタイプがあるんだよね。
好きなギタリストは?というと、クラスのロック少年たちは、ツェッペリンのジミー・ペイジとか、クイーンのブライアン・メイとか言ってたけど、
僕はヤン・アッカーマンと答えて、みんなキョトンとしてたよね😆
そんなクラシカルなプログレの代表格といえば、このバンド。
プログレは、イタリアにもあったんだ🎧
PFM「人生は川のようなもの」(1973年)のYouTube動画
哀しいクラシック・ギターの調べ。そこにフルートがハモってくると、ハープシコードが伴奏を付けて、チャーチ・オルガンも絡んでくる、室内楽の四重奏🪈🎹
「あぁ、美しいな」と思っていると、
そこにピアノの不安げな音色とドラムが加わり、バイオリンが泣き、緊張が激流のように高まる🫨
突然すべてが止まった瞬間、ゆっくりと川の一生の物語が始まる。
"雨粒は大地に落ち、地の底で集まり、再び地に沸き出せば、清らかな流れとなる。
轟音を立てて滝は流れ落ち、平原を通って大海原に出る。
人間たちに汚された痛みを忘れ、やがてまた、もとの雨へと還ってゆく…🎵"
メロトロンの壮大な音の壁が、打ちつける波濤の中で消えていった🌊
「池下、これ。」と言われて、S君の方を見ると、こんなレコードを手に持っていた。

(1977年、アトランティック・レコード)
ジャケット画像はレビュー目的の引用です。
それは僕らの愛読雑誌『ミュージック・ライフ』に載ってた、イエスの最新作の『究極』だった。
「これ、昨日買ったんだよね。」と言って、S君はB面をかけた🎧
イエス「不思議なお話を」のYouTube動画
"彼(音)に両目を差し出して、僕は静かに耳をそば立てた。
彼(音)は心の中の国ではなく、宇宙の原理と時間の融合について語った。
神秘に満ちた物語が聞こえてくる。僕に聞こえてくるんだ🎵"
イエスが奏でる美しい音の世界は、まるでディズニー映画のようなファンタジーの世界だった。
僕はただ、その流れの中に、そっと身を委ねた。
再びS君の部屋の壁に目を上げると、一枚の幽玄な美しいレコード・ジャケットが、僕らを見下ろしていた。

『ポセイドンのめざめ』
(1970年、アイランド・レコード)
ジャケット画像はレビュー目的の引用です。
青白いクレオパトラの顔🧝🏽♂️
角付きの兜をかぶったヴァイキングが、歯をむき出してこちらを睨み、ピエロが不気味に笑う🤡
雪女(?)は、満月に長い黒髪をなびかせている🌝
キング・クリムゾン「ポセイドンのめざめ」のYouTube動画
"風は火へ、土は水へ。
世界は変革し、また均衡する。
裁きの王は、名もなき墓に「信仰」と刻み、
収穫の魔女は、灰と土で奴隷の縄をなう。
英雄は血を求めて刃を研ぎ、
預言者の信徒は、主にひざまずき、磔の代償を学ぶ。
そして母なる地球は、天秤の均衡を静かに待っている🎵"
高校生の僕らには、正直、歌詞の意味はよく分からなかったんだけど、そこがまた、プログレの魅力だったんだよね👍
「それじゃ、S君、また来週。」👋
僕は"S君のプログレの部屋"に別れを告げ、家路を急ぐ人たちの群れに、まぎれていったのだった。
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はる風では、4月から、記事の中で、読者のみなさんのリクエスト曲を、お名前(noteのクリエイター名)も合わせてご紹介する予定です。
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