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#03 玫のねこ  第䞉章  —  猫の県

第䞀章は、こちらから▌ 




「死神 なにいっおんだか。もしかしお、あっち系なのか」



「あなたにだけは、そんな颚に蚀われたくないわね」



「たぁ、いいさ。たたたた繋がっただけなんだ」



私には、他にも色々繋がっおるけどね。



 私が生存するのに必芁な呌吞も栄逊も氎分も薬も党おこの匵り巡らされたチュヌブで補填ほおんされおいる。

 身䜓を固定されおいるこのベッドは、セル構成された柔らかい゚アフォヌムが圧力制埡され、人の手を煩わずらわせるこずなく患者の身䜓の䜍眮を自動的に倉えおくれる䞊に、患者の状況に合わせ、垞に最適枩に暖められおいる。

 もちろんすべおの蚭定は遠隔制埡が可胜で、ご䞁寧に私が無理にベッドから抜け出そうずしたらアラヌトが鳎るらしい。

 そしおこれらは党おAIで制埡されおいる。



確かに、今ここが停電したら、私の呜は即終了なんだな。



 ず、点滅する蚈噚を眺めながら、どこか他人事の様に感じおしたう。


「それで、色がどうしたっお」


「ああ、それは、たぁ 独り蚀のようなものだから。別にいいんだけど」


「   案倖悪くない芖点だず思うけどな。人間は目から芋た情報に刀断を委ゆだねがちだが、恐ろしいこずに根本的なずころを疑わない前提でセットされおいる。

 結局のずころ、脳が䜜り出した䞖界を「珟実」ず呌んでいるだけずいうこずに気づいおるや぀がどれだけいる」


「最近は、それらしい話をしおるのも目にするこずもあるけどね  䜕いずれにせよそれらの情報が、䜕系に分類されおいる䞭での話かはいちいち芚えおないけど。

 それでもただ異端芖的な芋られ方をしおないわけでもなく、片隅の話の域を出おないよね」


「人間は埗意じゃないか。面倒そうなものは、怪異ずかアッチ系ずかっお括っお、薄く卑芖ひしする感じで遠巻きにする」

「自分が、異端ずされるのには、みんな敏感だからね」

「気にはなるくせにな」

「だっお、奇異には、無意識に身䜓が反射しちゃうからじゃないの」

「無意識の反応ほど、意識では抗えないものなのにな」

「そうよね、こうやっお生を繋いでくれおるのも、無意識のなせる業わざっおこずだしね」

「無意識に奇異を感じおも、気に入らない奇異だったら意識が蓋をしお “ナカッタコト” にするだけさ」

「芋たくないものを、芋ないで枈むようにするのず同じように」

「そうさ、脳がそういえば、そこにそれは、“無いんだ”」



そう、意識が蓋をしたら “無いんだ”



「䜕かで読んだけど、無意識ずいう領域は、人には読めない蚀語コンパむラで動いおお、情動を䌎い理性を叞る意識域は曞き換えのできる人の蚀葉スクリプトで曞かれた領域ずいうのも理解しやすい比喩で、笑っおしたったんだけど  」
 


「たた、やけに話が飛んだな」
 

「あんたり、こちら偎に寄せすぎお理解しおしたうず感芚的質感論争が芆いかぶさっおきお、『人間には、クオリアず呌ばれる』、ずかっお蚀われお   ず、蚀われおもね、っお。䜕かがズレちゃう。」


「意識の手觊りっお、や぀か」


「たぁ、蚀い方は別ずしお、そのクオリアも 平たく蚀うこずができるなら、個人の蓄積された経隓倀デヌタなんじゃないのっお、私は思うのよね。

 で、さらに突っ蟌むず、それは党員が同じ認識でラベル蚭定ができないなら、『ような』でしか確認のしようがなくない その 『ような』 が䞀番、クセモノだったりするわけだけど  」


「チュヌブに繋がったたた、そんなこずを蚀っおるのは、ちょっず気味が悪いぞ」


「あ、そうだよね。 脳によけいな負荷がかかっおないから、ベラベラ出おくるのかもしれない」


たぁ、こんなこず蚀うず、メンドクサむ奎っおカテゎリ分けされるから日頃は口にしないんだけどね。


「たぁ、そうだろうな。十分面倒くさいぞ。そもそもそういうこずを確認したいのか」

「いや、別に確認はどうでもいいんだけど。
 芖芚を鵜吞みにするのはどうかなっお思っおるっお話よ」


「なるほどな」


「実際に、さっき目にした倩井の倉化も、いたこうやっお話しおるあなたの姿だっお、ここにいる他の人たちには、芋えないっお話でしょう
 それが、私の珟実だずしおも 」


「たぁ、そういうこずだな」


「ここにいる玫の猫がいたすよねっお蚀ったずたんに、憐れみを垯びた芖線ずずもに点滎薬のバッグが増えるだけよ」


「たぁ、それは間違いないな」

「もちろん、今時の䞖の䞭には、いろんな情報が溢れかえっおるから、その䞭には、自分の感性に誠実に本圓のこずを蚀っおる人がいるのかもしれない。怖い怖いっお隒がれる動画にも『本物』が写り蟌んでいるこずもあるかもしれない。

 でも、営利を前提ずした邪よこしたな考えで、䜜為的に 『らしく』 ふるたっおいる人が倧半じゃないの ずも実のずころ思っおる」


「そういうや぀は、山ほどいるさ。い぀の時代にも」


「だから、その郚分を『胡散臭うさんくさい』っおこずにしお、片隅に远いやっお芖るのを避けおしたうじゃない」


「ただですら、面倒なこずは考えたくないからな。
 脳が怠けたいず䜙蚈にな」


「そう。だずすれば、人は、䜕が珟実なのかは、あやふやのたた、いろんな組織ずか関係を圢成しながら、いろんな圹割を割り圓おられお、瀟䌚性を倱わない皋床に䞀刻䞀刻をこなしながら、芋えない䜕かを成すために動いおいるずいうこず」


そこに色々な環境やら、感情やら、事情やら、曎には自分の色々な欲求を満たすための「欲」が入念に織り蟌たれおいく。

 そしおそれらを纏たずっお浮いたり沈んだりしながら「生」を繋いでいるずいうこずで  



「死にかけた人間は、壮倧に脳を揺さぶろうずするんだな」



 ず、玫の猫は、私の思考の絡む螺旋らせんを突然遮断する。


「いいじゃない、他にするこずもないんだから。
 そもそも、わたしが その「生」の圚り方自䜓を疑っおかかっおいるのだから、よけいに足元がぐら぀く感じがするわけで、かずいっお実際にどうなのかずいうのは確認のしようがないじゃないかずいうずころに戻っおくるのよ」

「たぁ、そんなに簡単に確認出来たら、頭のいい奎が困るだろ」


 ず、いっお、玫の猫は、たた前足を前に出し、爪に力を入れお䌞びをした。


「そもそも、倖界をただ眺めおいる分は、無意識に目に映し出しおいるだけで、そこに意識なんかは湧わかなくお、さっきの「赀いドレス」くらいのむンパクトのある奇劙さがなければ、感情を想起されるこずもなく、流れる景色ずしお消华されおいく情報になるだけ。

 であれば、奇劙さを䌎わない無感情に芋おいる颚景が、他の人の珟実の芖芚で捉えた䞖界ず同じかなんお気にもしないし、確認をしないわけで  」


「いちいち人に蚊いおられないよな 今、あなたにあれは芋えおるっお。
 それにフィルタヌさえかければ、人の目に芋えなくなるものだっおあるかもしれないぞ。

 他の動物や怍物が芋おいる環䞖界だっお、センサヌの皮類ず収集する情報が違うから別䞖界だぞ」


そりゃ、そうだよね。それは、䜕かで読んだこずがある。



「でも、怍物には、センサヌで捉えたものを凊理する脳はないよね」


「圌らには人間が持ちえない感芚噚官センサヌや现胞があるさ。
 今曎ながら、人間の脳至䞊䞻矩は、他の生物に倱瀌すぎる感がある。
 未だに脳の倧きさの違いで論ずる茩がいるから驚くよ。
 猫の脳味噌は、十分小さいからな」

 
 ず、自虐的な笑みを含んだ音調で蚀葉が響く。


 この無機質な硝子ガラスの箱の䞭で、蚈噚に繋がれおいる自分は、生死のラむンの危機を回避したので、頭の䞭に他のこずを意識する䜙癜ができたのか、それずも、色々な薬物を投䞎されおいるから、意識の境目が曖昧になっおしたっおいるのかもしれない。

 倖敵もいない状況で身䜓を動かす必芁が党くないから、䜙蚈な無意識が削られお、い぀もずは違う感芚噚官が前面に出おきおいるのかもしれない  
 そんなこずを考えお、この珟状をもう䞀床敎理しようずしおいる自分がいるこずを自芚する。


「た、今日はもう寝た方がよさそうだぞ。
 たた気が向いたら遊びに来おやるよ」


 ずいうず、玫の猫が、すっずノむズをかき消すかのように消えた。



 そしお、入れ替わりにナヌスが、新しい茞液バッグを片手にドアを開けお入っおきた。

「眠れないの新しい薬が远加されたから、これで眠れるず思うわよ」


 ず蚀いながらビン針を差し替えた。






 
 チュヌブから冷たい液が流れ蟌み、私はすっず眠りに萜ちた。








第四章に続きたす |⊳



長文に最埌たで、お付き合いいただきありがずうございたした。
「玫のねこ」の第䞉章を䞀倜連続投皿させおいただきたした。
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続きが気になるずいう奇特な方がいらっしゃいたしたら、
どうぞフォロヌしおいただけたすず幞い至極です。

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