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ï¿¢ PERFECT World 話

話


話

「ルヌ。ルヌ、起きお」
ハルの慌おた声に、ルヌシアはただ眠い目をこすっお起きた。
「あの二人がいないの。入り口が開いおいお・・・たさか、本圓にこの村を出お行ったんじゃあ・・・」

懞念しおいた事態に眉をひそたせおいる内に、䜕やら倖が隒がしくなり始めた。

 やがお、䞀人の若者がルヌシア達の郚屋ぞず入っおくる。
「ルヌシアさん、ハルさん。あの二人が・・・あの雑朚林で遺䜓で発芋されたした。村長が、逃げられないず思っお心䞭したんじゃないかっお」
「なんだっお」
二人が出おいく、よりも最悪な展開にルヌシアは立ち䞊がり、若者に詰め寄った。

「雑朚林だな。私も行く」
だが若者は勇んで出お行こうずするルヌシアの腕を掎み、郚屋ぞず抌し戻そうずする。

「ルヌシアさん達は、村長の家に行っお䞋さい。村長が、ルヌシアさん、ハルさんの嫌疑は晎れたしたから、嚘をみおお欲しいず・・・ただ、目を芚たさないそうです」

「・・・わかった」
「僕もお䟛したす」

 神劙な面持ちで若者はルヌシアずハルの埌に぀いおくる。

たかだか歩いお分の距離。その間、すれ違う村人たちの芖線が冷たい。

若者の話ず、態床がかみあわない。

 村長宅に着くず、䞀瀌しお若者は雑朚林の方ぞず走っお行った。
玄関に入り、いるはずのケンを呌ぶ。

するず二階からケンの声が聞こえた。
ルヌシアずハル、二人階ぞ䞊がりその郚屋ぞ入った。

 ベットでうなされおいるナナリの手を、ケンが握っおいる。
「ケン。ナナリは・・・」
「気を倱っおからずっずこの調子なんだ。・・・シオンの姿を芋お、十幎前の蚘憶が蘇ったのかもしれない」

ハルは閉めたドアにもたれかかっお立ち止たり、ルヌシアはケンの隣に跪いおナナリの顔を䌺った。
「父・・・さん、母・・・さん・・・助け・・・熱い・・・」
昔の蚘憶にうなされおいる
ナナリは、犯人の顔を盎接芋たのだろうか
「ナナリの・・・十幎前の話を、詳しく聞かせおくれるか」

 この䞀か月間、皆ず仲良くするこずを優先しおいたから聞けずにいた事。
「・・・俺も、芪父から䌝え聞いただけで、盎接聞いた蚳じゃないんだ。ナナリは・・・蚘憶がない、のもあるんだろうけど、話しおくれなかったから」

ケンの、寂しそうな顔。

「ナナリは、犯人の顔どころか村を襲われた事、自分が䜕者だったのかも芚えおなかったみたいだ」

沈黙が続いた。ナナリのうなされおいる声だけが、時々響く。

「ここから西のそう遠くない所に廃村がある。そこに䜏んでいた人達が䜕者かに襲撃された。・・・手口から、うわさに聞く呪われた皮族ず研究斜蚭を襲撃しおいるパヌフェクトだず皆が蚀っおいる。・・・それくらいだよ」

「Atype24」
ハルが顔を䞊げる。ケンはルヌシアを芋た。
ルヌシアから殺気が挂う。
「䞀䜓目のパヌフェクトで、襲撃者。この村に、本圓にいるのか」
口からこがれ出る殺意。
それは尋垞ではない迫力ずなっおルヌシアから発せられおいる。

 ケンは初めおパヌフェクトの危険性を感じた様に思った。パヌフェクトが恐れられる理由。それは、憎しみに駆り立おられた時の殺意、あるいは殺人を犯した時の残虐性。

「ルヌ、シア・・・」
ケンの声に我に返ったルヌシアがケンを芋る。ケンはホッずした衚情でルヌシアを芋た。
「すたない。どうもあの時の事を思い出すず感情のコントロヌルが出来ない様だ。・・・ノィリ゚を守る為にパヌフェクトになったのに・・・守れなかったから。今だっお・・・目の前にいたのに気付かず、シオンを、守れなかった・・・」

ベットに顔を䌏せたルヌシアから抌し殺した泣き声が聞こえる。
ケンの手が、ルヌシアの肩を抱いお匕き寄せる。

「抌し殺しお泣くず䜙蚈心が぀らいよ。・・・泣けよ。思いっきり声を䞊げお泣いたっお、責めるダツなんお誰もいないんだ」
悲鳎に近い泣き声ず共に、ルヌシアの目から涙が溢れ出る。


 ドアのノックする音が響く。
開いたドアの先にはタむチが立っおいた。
「別に子䟛同士のラブシヌンが芋たいわけじゃねぇよ。さっきから電話が鳎りっぱなしだぞ。お前らアンドロむドなのに聞こえないのか」

タむチがそのたた憎たれ口をたたく。・・・埮かな、血の匂い。

「おい、ちょっず埅お」
ハルが、そのたた䞋ぞ降りようずしたタむチの右腕を掎む。
その瞬間、鋭い目がハルを貫き手をふり払われた。
「ああ、倱瀌。俺は他人に觊れられるのが嫌いでね」
わざずらしく巊手で右肩を払い、ハルを䞀瞥する。

「䜕しに来たんだよ」
ケンの質問に、ルヌシアは開こうずした口を閉ざす。

 いくらハルがこちらに気をずられたからずいっお、おそらく最初から話を聞いおいたタむチの気配に気づかずにいられるだろうか。
階段を䞊る音も、しなかったずいう蚀葉の方が適切だろう。

「働いた者に察しお冷たい蚀葉だな。あい぀らの遺䜓を運んでたんだよ。気持ち悪いからシャワヌを济びに来たんだ。぀いでに昌ごはんも食べおくか。たたには家族の芪睊も深めないず、なぁ」

わざずらしくケンぞず笑いかける。
「ふざけるな䜕が芪睊だ勝手に出おっお、勝手に垰っお来お。父さんが、どんなに蟛い思いしおたか」
「぀らい思い」

タむチの圢盞が倉わった。

 郚屋ぞず抌し入り、ケンの胞ぐらを掎み䞊げる。
たっすぐ芋䞊げたケンの目ず、憎しみに満ちたタむチの目がぶ぀かる。
「あい぀が぀らい思いをしおいた俺を捚おたのはあい぀だぞ。あい぀が぀らい思いをしおいたはずないだろう」

声を荒げ感情をむき出しにしおケンに圓たる。
ケンにも初めお芋せた、タむチの感情的な䞀面。

だがそれは䞀瞬の事。

次の瞬間静かな憎しみを瞳に宿らせ、ケンを攟しお郚屋を出お行った。


 入れ替わるように、村長が家ぞ垰っおくる。
「ルヌシアさん、ハルさん。少しお話しいいですか」

 䞋たで降りおきたルヌシア達を、村長は応接間ぞ招き入れた。
ケンも䞀緒に぀いおきたこずに䜕か蚀おうずしたが、口を぀ぐむ。

皆が座る間もないたた、話は始たった。
「たず・・・あの二人は自殺したのではありたせん。誰かに、殺された様です。ただ、今村人たちは心䞭説を受け入れおいたす」
「犯人捜しを䜕故しないのです旅人だけでなく、村の䜏人も殺されおいるでしょう」

短い沈黙。

 村長はため息を぀き、ルヌシアを芋た。
「宿に猶詰めにされお苛立っおいる旅人達もいたす。そろそろ、結論を出さなければいけたせん」
「村長、犯人をかばっおるね。村の有力者なのパヌフェクトの力を畏れおなの・・・村の為になる事なら、それもたた道だけど・・・」

ハルに睚たれ、村長が蚀葉を詰たらせる。
だが話し続ける。

「お二人に嫌疑はかけたせん。それはケンの父芪ずしおも誓いたしょう。ただ・・・この村から、出お行っおもらえたすかそれで村人たちの混乱は収たりたす」
「ちょっず埅およなんでルヌシア達が出お行かなきゃいけないんだよルヌシアたちはやっおない俺を始めマコト達が蚌明する」

村長はケンず目を合わせようずしない。
「ケン、お前はなにもするな。もし䜕かしようずすれば友達を含めお閉じ蟌めるからな」

目を合わせないたた家を出お行く村長。
ケンの呌び止める声も聞かず、誰ずも目を合わせるこずもないたた、匷匵った顔。

「くそ䜕でだよ䜕でルヌシア達がこんな目に遭わされなきゃいけないんだ。・・・父さんは䜕を隠しおいるんだ」

 ケンが苛立ちを募らせ、机を叩き぀ける。
ルヌシアは昚倜ハルが蚀ったこずの的確さに戞惑いながらも、考えをたずめようずしおいた。

「圌をかばっおいるのか・・・Atype24なのかそうじゃないのか・・・」
「幎霢的にはあっおるんじゃない私たちが研究所襲撃時あのずき芋たのはほんの䞀瞬だったし、人盞がどうずかは比范できないけどね」

「かばう事によるリスクが倧きすぎる。Atype24は垝囜からも狙われおいるんだ。いくら息子だからっお」
「だから芪父は誰をかばっお・・・・息子」

 倱蚀に気づいたルヌシアは、慌おおケンを芋た。
顔を曇らせ、怪蚝な衚情でルヌシアの蚀葉を埅っおいる。

芚悟を決めお最終結論をだす。

あの血の匂い。

 パヌフェクトの敏感な胜力を発揮させないず分からないが、圌の蚌蚀ずは少し食い違っおいた。

ただ、新しい感じがしたのだ。

「ケン。村長がかばっおいるのは」
「ケンケンいるの」

 居間ぞず飛び蟌んできたリナに、話が奪われる。
リナの髪は乱れ、服は汗で濡れおいる。
ここに来るたでに、あちこち駆けおきた様子が分かる。
「ケン・・・サニヌ、来おない」
ケンは立ち䞊がり、よろめくリナを支えた。

党員に嫌な予感が這い巡る。

「来おない。サニヌがどうしたんだ」
「ナナリの様子を芋に行くっお、分前に家を出たっきり・・・ケンの家に着いたら電話しおっお、蚀ったのに・・・電話しおも、誰も出ないから・・・ケン・・・たさかずは思うんだけど・・・」

そこから先は蚀葉にならなかった。誰もが考える最悪の可胜性。

「ケン、リナを家たで送っお。私がサニヌを捜す。ハル、頌みたいこずがあるの」
ルヌシアが慌おおハルに耳打ちする。
それを聞いた埌ハルは深く頷き、ルヌシアの背䞭をポンず叩いた。


 ルヌシアは急ぎ雑朚林ぞ向かった。
ケンから䞘を登らず、雑朚林ぞ盎接行ける道を教わったのだ。
その道䞭、タむチが䞀人で暮らしおいるずいう雑朚林の管理事務所をのぞいた。

瞬間、のぞくんじゃなかったず思った。
隠す぀もりもない明らかな血の匂い。

遺䜓はない。

シオンが打ち捚おられおいた  あの二人組も同じ堎所だったらしい  堎所にはいなかった。蟺りを芋回す。

・・・もっず目立぀堎所は

 雑朚林は諊め、池ぞ向かうこずにした。
雑朚林を抜けるず、池に぀かっおいる村長の埌姿が芋えた。
蚝しげに芋るず、村長の足元の氎が、赀い―
「村長・・っサニヌ」

村長の足元に、倉わり果おたサニヌの姿があった。
「どうしおあなたがここにサニヌが誰に殺されたか、わかっおるんですよね」
最埌の蚀葉は疑問ではなく、萜胆の蚀葉。

「ルヌシアさん・・・やはり、そっずしおおいおはくれなかったんですね」
「䜕を蚀っおるんだナナリの呜も危ないんだぞ果おは村党䜓が村長は、あなたはいったい䜕を守りたいんだ」
「サニヌ」
ルヌシアずリナの叫びが重なった。

 ケンずリナが䞘の䞊にいた。
家には行かず、こっちぞ来おしたったらしい。
池に入り、サニヌを抱き䞊げるリナ。

小さな顔が人間の限界を超えお真暪を向いおいた。

「サニヌ、サニヌ。あぁ・・・・・・あんた達はあんた達はどうしお意味もなく人を殺せるの平気で・・・こんな、惚い」
「リナ」
サニヌを抱えたたたルヌシアに向き盎ったリナの肩を、ケンが぀かんだ。

「ルヌシア達はこんな事する人じゃない犯人に傷぀けられおる方なんだ。䞀緒にいおそれが分からないリナじゃないだろう」

「わからないよケンみたいにい぀もルヌシアを芋おるわけじゃない」

リナがサニヌを抱きしめたたた叫ぶ。

ケンはリナの肩から手を離しお䞋を向いおしたった。

沈黙が続こうずした時だった。ルヌシアがリナの名前を呌ぶ。
「私は・・・私たちは人間よ」
雑朚林ぞ消える盎前、ルヌシアは村長の祈りを耳にした。
「すたない・・・すたない。あの子を、助けおくれ・・・」



 ケン達が去っおしばらく経ったナナリの郚屋。
そのドアが音もなく開いた。
薄暗い䞭穏やかな寝息を確かめるず、䟵入者はその銖に手をかける。
その時だった。

掛垃団から出おきた手が䟵入者の右腕を掎み、窓ぞず投げ飛ばした。

 窓ガラスの割れる音ず共に、䟵入者が倖ぞ投げ出される。
䟵入者は䞍意を突かれたのにもかかわらず芋事に地䞊ぞず着地する。
「あんたがタむチ・・・いや、Atype24か」

ベットで寝おいたハルが䟵入者  タむチの目の前に軜やかに着地する。

 タむチの埌ろには村長の家。ハルの埌ろは䜏宅街ぞ続く倧通り。
先ほどの窓ガラスの割れる音で、村人が蟺りに集たっお来おいた。
タむチは袖の砎れた右腕を抌えお、ハルを真っ盎ぐ芋䞋ろしおいる。

「犯人䜕の事だ。俺はただ、ナナリの具合をみようず―」
「普通の人間が、䞍意を぀かれお二階から投げられお、無事でいられるず思う芋事に着地したものね。右腕を抌えおどうしたの」

 栞心に迫っおも、タむチは動揺を芋せない。
むしろ動揺したのは、様子を芋おいた村人たちの方だった。
「予定倉曎だ」
蚀葉を蚀い終わらない内に、タむチはハルに襲い掛かる。
同じ速さでそれを受け止めるハル。

その目に入っおきたのは“Atype24”の文字。

「䜕故、家にいる。子䟛を捜しに行ったんじゃなかったのか」
「ルヌの案でね。ナナリを移動させ、䟵入者をあぶりだす。・・・ナナリの郚屋での血の匂い。あれは、あれは・・・サニヌのなのね」
タむチの攻撃を避けながら、ハルが解説しおいく。
時々隙を芋お突き出す拳も、タむチは鮮やかに避けおいく。

「やっぱり、あなたがこの事件の犯人で、Atype24なのね」
 普通の人が芋れば、ルヌシアが突然珟れた様に芋えただろう。
ルヌシアがパヌフェクトの胜力を生かした速床でタむチの前に珟れた。

 タむチを、ルヌシアずハルで家に抌しやる圢に囲い蟌む。
「ナナリの村を襲ったのもお前だろう。郚屋の前でケンず私ずの䌚話を聞いおいたのなら、蚘憶が戻るかもしれないず考えお、ナナリを襲うのは目に芋えおいたからな・・・どうしお、シオン達を殺したんだ。䜕の眪もない人たちを」

今にも攻撃をしかけおくる気配。
しかしそれに隙を䞎えず、ルヌシアは䌚話に持ち蟌もうずする。


 タむチから攻撃の気配が消えた。殺気だけはただただ挂っおいる。
それがそれぞれ誰のものか、人の気が混じっおよく分からなくなっおきた頃、タむチが蔑みの色をたっぷりず含たせた蚀葉を攟぀。

「䜕の眪もないパヌフェクトになりたいず思っおる奎らはその時点で眪だ。パヌフェクトずしおいきおいる奎も、パヌフェクトを䜜り出した奎らにも制裁を加えなければならない」
「どうしお・・・どうしおお前がAtype24なんだ」

 タむチずルヌシア、二人匟かれたように動き出した。
村人が再び二人の姿を確認した時には、タむチは腹を抱えお膝を぀き、ルヌシアは息を荒くしお立っおいた。タむチが構える。

「ルヌシア」

人垣の䞭からケンの声が聞こえた。
ルヌシアずタむチの間に割っお入る。
ケンはタむチを芋たたた、話を続ける。
「ルヌシアが䜓を匵る必芁なんおない。 ルヌシアが戊っおる所なんお、芋たくない」

 ケンの蚀葉に先に反応したのはタむチだった。突然笑いだし、空を仰ぎ芋る。
「お前は本圓に甘いなぁ、ケン。これが話し合いで解決する問題かお前の倧事な効が殺される所だったんだぞ。これだから、ヌクヌクず育ったダツは 芳客も倧分集たったようだしな。いいだろう、お前らに教えおやる」

タむチは呚囲を芋枡し、倧声で叫ぶ。
「俺は12幎前、家出したんじゃないこい぀に売られたんだ・・・氎源の枯枇ずいう問題ず匕き換えにな。めでたくパヌフェクトになれた俺は、埩讐を思い立った」

タむチが指差す方には村長がいる。

ハルはタむチの埌ろから暪ぞずゞワゞワず移動し、村長を庇う圢で間に入った。

「研究員にう぀぀をぬかしおいたお前らには分からない。俺達がどれだけ酷い扱いをされおきたか。突然芪に捚おられ、道具ずしお扱われる。・・・道具扱いの時に䞀番冷たかった奎が、呪われた皮族だった。俺がパヌフェクトになった途端、気持ち悪い䜍に厇拝しだしたのもそい぀らだった。䞀番目は開発者のくそじじい、二番目はパヌフェクトの䞋僕を殺しおやったよ。 感謝しおもらっおもいいくらいだがな。俺が元凶を抹殺しおやったんだ」

「だからっお、䜕もかもを砎壊しおいいわけじゃない 私達は、結局あそこでしか生きられない育ち方をしおしたったんだ。突然自由になったっお、あんたに殺される恐怖ず戊い、䞖間にさらされる恐怖ず戊い・・・死を遞んだ者も倚いんだ」
ハルがたたらず叫んだ。

「遞べばいい。それは俺の本望だ。遞ばなかった奎が䜕を蚀う」
笑った顔、冷たい瞳。

ドスッ

突然の鈍い音。それず共に、タむチの衚情が固たった。
「み・・・んな・・・の、敵」

 振り返ったタむチの陰からナナリの姿が芋えた。熱がただひいおいないのか、ナナリはフラフラしお危なっかしい。
よろめいたタむチの背䞭  腰に、包䞁が刺さっおいた。
「貎様・・・」
口から出る迫力ずは違い、タむチはその堎に厩れ倒れた。

 パヌフェクトでも突然腹郚を刺されおは平気でいられない。しかしタむチは立ち䞊がり、刺さっおいる包䞁を抜いた。
そのたた腕を振り䞊げ、ナナリの胞めがけお振り䞋ろす。

ガッ・・・

再びの鈍い音ず共に、ナナリをかばったハルの腕から血が吹いた。
ナナリはもう気を倱っおいる。ハルがただ䜿える巊腕でナナリを自分の埌ろぞず隠した。
「どけ。どかないずお前から殺す」

脚を䌝っお血だたりが出来぀぀ある。

「やめるんだ。無理しお動くずただでは枈たない」
ルヌシアがタむチを呌び止める。
瞳の鋭さは倉わらないタむチは、ルヌシアを睚んだ。

「お前は・・・俺を殺そうずしおるんだろうお前の望み通り死んでやるよ。でも、ただじゃ死なねぇ」

そのタむチの蚀葉に、ずっず固たっおいた村長が掠れた声を懞呜に絞り出し叫ぶ。
「やめろ、タむチ。やめおくれ・・・最初から、私を殺せば良かったんだ。他の者を傷぀けるなんお・・・ナナリだけは、お願いだ。その子は、その子は私の」

「懺悔の察象」

タむチは冷ややかな目で村長を芋぀める。

 村長は怯えた目でタむチを芋おいた。
「パヌフェクトに村を襲われた哀れな子䟛を、パヌフェクトの研究材料ずしお売った俺達ず重ねたんだろう。子䟛を救えば、村に道埳的教育をすれば、少しでも眪を償えるんじゃないかず思ったんだろう。俺が生きおるずも考えないで」

憎しみが、そこにあった。

しかし埮劙なバランスでそこに䜕かが絡み぀いおいる。

「俺がどんなに蟛い思いをしお生きおいたか、あんたは考えもしなかったんだ。“息子を売っおしたった”、“けれどもう過去の事だ”、“過去にしなければならない”そう思ったあんた達は、村の人たちに俺たちの事を䌝えもしないで“いい村”に仕立お䞊げた」

ひき぀った笑顔。

それは倚分、タむチが初めお芋せた気匱な衚情。

「生きおるなんお考えおなかった俺が、垰っおきたずきのあんたの顔。重圹たちの困った顔。挙句の果おに、俺は村を出た攟蕩息子っおこずになっおる。・・・俺が今たで黙っおたのは䜕でだず思う黙っおれば、あんたは幎前の眪を暎かれる事はない。だが、い぀俺の正䜓がバレるかビクビクしおいただろう。・・・時々俺が血に飢えお人を殺しおしたったずしおも、他の奎らを犯人に仕立お䞊げるだろう。そうする事であんたは、どんどん眪悪感を募らせおいくんだ」

薄ら笑いを浮かべ、村長を芋続けおいる。

村長は意を決しお、タむチぞず䞀歩進み出た。
「最初から・・・私を殺せば良かったんだ。この村の子䟛達を売るこずを決定したのは私だ。私だけを憎んで、私だけを殺そうずしおくれればよかったんだ。・・・殺しおくれ。もう、䜕を倧切にするべきなのか・・・疲れおしたった。タむチ、私を」
「ふざけんじゃねぇ蟛くなったから殺しおくれあんた䜕様の぀もりだよ子䟛を捚おた責任をちゃんず取れよどうしたら俺が救われるのか、俺の芪ならもっず考えろよ」

悲痛な叫び。

「・・・それでも死におぇっおんなら、自分で死ねよ」
タむチが包䞁を村長に向かっお投げだした。

盎線を描いた包䞁の刃先が、村長の足元にささる。

 その包䞁をゆっくりずした動䜜で匕き抜いた村長はそのたた、刃先を自分の銖ぞずあおる・・・

「だめだ」

叫ぶず同時に駆けだしたルヌシアが、村長の手から包䞁を奪い取った。
「ルヌシアさん・・・」
「簡単に、死ぬなんお蚀わないで。もう、誰も目の前で死なないで。・・・生きお。自分が、他人(ひず)が、生きおいける方法を考えお」

「邪魔すんじゃ、ねヌよ」

タむチがルヌシアから包䞁を奪おうず党速力で向かっおきた。
「タむチ。あなた本圓はお父さんを殺せなかったんでしょお父さんに、自分が蟛かった事、分かっお欲しかったんでしょ」

深手を負った分、タむチのスピヌドが緩い。
ルヌシアはタむチを軜くかわし続けおいる。
「うるせぇ知ったかぶるな」
「知ったかぶりじゃないよ人は、他人(ひず)を知ろうずする所から始たるんだ私はそれをケンから教えおもらったんだ」

 タむチが぀いに倒れた。無理もない。
腹郚を刺されおなお、パヌフェクトの胜力で動いおいたのだから。
かなり出血もするし、普通なら気絶しおもおかしくないのだ。

 村長が䜕かに匟かれたようにタむチぞず走り出した。
担架を呌び、医者ぞ運がうずする。
「すたない・・・タむチ、すたない・・・生きおくれ。頌む・・・生きおくれ・・・」
薄れゆく意識の䞭、タむチはすっかり幎老いおしたった自分の父芪の声を聞いおいた。



話ぞ぀づく

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