クルマを売る前に、顧客をつくるスズキ(インド編その2)
先週の前編で述べたように、インド市場の最大の魅力は「巨大であること」ではない。
インドの人口は14億人いる。だが、クルマを買える人はその中の4億人“しか”いない。問題は、巨大さの中にある購買力の偏在だ。
それに気づいたスズキは、クルマを売るだけではなく、顧客そのものをつくる取り組みを始めているのだ。

特に重要なのは、年間世帯収入50万ルピー(約90万円)以下の層である。スズキの中期経営計画資料によれば、2023年時点で、この層は2億2200万世帯と、人口的には最大のボリュームゾーンでありながら、現状では四輪車のみならず、モータリゼーションのエントリークラスである二輪の市場の顧客とすら言い難い。このセグメントがインドの国家としての経済に参画できなければ、この国の自動車市場は早晩成長の限界に突き当たる。


では、この層に何をすればいいのか。
スズキが出した答えは単純だが、他の自動車メーカーがほとんど踏み込んでいない領域にある。それは「購買力そのものをつくる」という、あまりにもスケールが大きな発想である。
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