第三者委員会の独自判断基準でパワハラ認定─斎藤知事の事例を検証
はじめに
兵庫県の斎藤元彦知事をめぐるパワーハラスメント(以下、パワハラ)認定の問題は、2024年春以降、県政やメディアで大きく取り上げられてきました。
多くの報道では「斎藤知事がパワハラを行った」と断定的に報じられていますが、事実関係を正しく理解するには、第三者委員会が用いた評価の仕組み─いわゆる「独自の判断基準」の存在を把握することが重要です。
結論から述べると、今回のパワハラ認定は厚生労働省が定める一般的なパワハラ基準に基づくものではなく、第三者委員会独自の判断基準で評価されたものです。この点を正確に理解しなければ、誤解や不当な批判につながります。
第三者委員会独自の判断基準とは
第三者委員会は報告書の中で、知事の言動が以下の条件に当てはまる場合にパワハラと認定できるとしています。

つまり、職員との関係性や立場の差だけで、軽微な指導や一度の叱責もパワハラ評価の対象にされるとしたのです。厚労省基準では、優越的関係にあるだけではパワハラとは認定されず、「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で精神的苦痛を与えること」が要件となります。ここに大きな違いがあります。
また、第三者委員会は職員証言を中心に事実を認定しています。知事側の反証や客観的な証拠の精査は十分ではなく、証言だけで評価を下しているケースが目立ちます。この点が独自の判断基準での評価の特徴です。
独自の判断基準で評価された具体例
1. 空飛ぶクルマ関連の叱責
報道や第三者委員会の報告書によれば、2023年1月の読売新聞による「空飛ぶクルマ」報道の際、知事が産業労働部の担当者に叱責したとされています。委員会は職員の証言だけを根拠に「理不尽な叱責」と評価しました。
しかし、知事は百条委員会で「叱責した記憶はない」と否定しています。また、企画部と産業労働部の業務分担や秘書課による調整など、行政上の合理的な運営の範囲でのやり取りであることも確認されています。第三者委員会独自の判断基準では、こうした一度の指導でもパワハラ認定の対象になるため、評価が過剰になっている可能性があります。
2. 20メートル歩行の件
「知事が20メートル歩かされただけで激怒した」とする報道もありましたが、第三者委員会の報告書を精査すると、実際には職員の誤認や手順ミスが原因で生じた状況に対して注意をしたもので、事実として「20m歩かされただけで激怒した」わけではありません。
このケースでも、独自の判断基準により軽微な指導や注意でパワハラと評価されており、厚労省基準では認定されない可能性が高い事例です。
3. チャットでの対応
さらに、平日20時以降も含めた時間外チャットの”送受信”が月に約4回行われたことも、パワハラ認定の対象となっています。職員の証言では、知事からのチャットは少なく、「休暇中は返信不要」等の配慮も含まれていたにもかかわらず、独自の判断基準でパワハラ認定されております。




4. 片山元副知事の証言
さらに、第三者委員会は片山元副知事の事案についても言及しています。片山氏は、斎藤知事との打ち合わせにて、自身の落ち度を注意された際に、斎藤知事がパーテーションに付箋を投げられたことについて、委員長から次のように指摘されたと証言しています。
「それは傷害罪に当たるでしょ、あなた!」
第三者委員会はこの行為もパワハラの可能性があるとして△評価をしています。しかし、片山氏は「付箋は自分に向っては投げられていない」として、この行為はパワハラだと思ってない旨、断言しております。片山氏の証言からは、第三者委員会の認定基準がいかにデタラメかが見て取れます。
実際の片山氏の証言動画はこちらとなります。
— 東京ファクトチェック協会 (@tokyo_factcheck) September 3, 2025
職員側のミスと知事の合理性
上記の事例からも明らかな通り、職員側に手順ミスや誤認があった場合でも、独自の判断基準では知事の対応が過剰評価され、パワハラ認定につながる傾向があります。
空飛ぶクルマの件では、役割分担の誤解
20メートル歩行の件では、駐車場誤認や待機位置の変更
チャットの件では、少数回の時間外連絡に対して過度な評価
片山元副知事の件では、本人が明確に否定しているのに△判定(無理やり傷害罪にしようとも)
知事の対応は、行政上の責任や調整の観点から合理的な範囲内に収まっているケースが多いことも、百条委員会の議事録から確認できます。
厚労省基準との違い
厚生労働省のパワハラ定義では、以下の3要件が必要です。
優越的な関係を背景とした言動
業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動
相手に精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる
今回の第三者委員会独自の判断基準では、(2)と(3)の要件の判断基準が独自に補正されており、通常業務や合理的指導もパワハラ評価の対象になりやすい構造になっています。この点が報告書を読み解く上で最も重要なポイントです。
結論
今回のパワハラ認定の本質は、「独自の判断基準」による評価であることです。報告書には職員証言が中心に取り上げられ、知事側の説明や客観的証拠は十分に反映されていません。空飛ぶクルマや20メートル歩行、チャットなどの事例は、あくまで独自の判断基準がどのように適用されたかを示す例に過ぎないのです。
一度の指導や合理的注意もパワハラ評価の対象になりうる
職員の誤認・手順ミスに起因する状況でも過剰評価される
厚労省基準では認定されない行為も含まれる
このことから、第三者委員会による評価は客観性・透明性の観点から再検討が必要であると言えます。報道や議論では、独自の判断基準と厚労省基準の違いを正しく理解した上で、斎藤知事の行動や評価の妥当性を判断することが求められます。
なお、第三者委員会の認定がいかにデタラメかは、以下の記事でも解説しておりますので、ご興味のある方はこちらもご覧ください。
※この記事は、第三者委員会報告書および百条委員会議事録を基に、独自の判断基準でのパワハラ認定の構造と事例の妥当性を中立的に整理したものです。
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