【社説】関西テレビは偏向報道で知事を貶めるのはやめよ
はじめに
7月1日、関西テレビは次のような見出しの記事を配信した。
“通報者探し”は“違法”か“適切”か 高市総理は「違法性」示すも兵庫県の斎藤知事は「対応は適切」と繰り返し具体的な根拠示さず
しかし、本記事は政府答弁書の内容を正確に伝えているとは言い難い。
政府答弁書が示した判断枠組みを十分に紹介しないまま、「政府が兵庫県の対応の違法性を示した」と受け取られかねない構成となっており、公平性を欠く報道と言わざるを得ない。
質問主意書は以下のリンクより
政府答弁書の核心は「目的」と「結果」の区別である
今回の政府答弁書は、兵庫県の個別事案について判断したものではなく、一般論を示したものであるが、その中で最も重要なのは、「六について」の答弁である。
政府は、
真に通報者探索を目的としない調査を行っていたところ、意図せず、結果的に通報者が判明してしまったというような場合には、一般論としては、「正当な理由」のない通報者探索には該当しないものと考えられる。
と明確に示している。
すなわち政府は、
結果として通報者が判明したこと
通報者を探索する目的で調査を行ったこと
を明確に区別している。
違法性の判断基準は、あくまで調査の目的である。これは今回の政府答弁書全体を通じた核心と言ってよい。
以下が関連記事である。
都合のよい部分だけを切り取った報道
ところが関西テレビの記事では、
「通報者を特定する目的の調査は、『正当な理由のない通報者探索』に該当し得る」
という部分だけが紹介されている。
一方で、
真に通報者探索を目的としない調査であり、その結果として通報者が判明した場合には該当しない
という、判断枠組みを理解するうえで不可欠な部分には一切触れていない。
政府答弁書は、「結果として通報者が判明した」という事実のみで違法性を判断する考え方を否定している。
にもかかわらず、その重要な留保を省略したまま報じることは、政府答弁書の趣旨を正確に伝えた報道とは言えない。
あたかも政府が兵庫県の対応を違法と判断したかのような構成
記事では、兵庫県が調査目的として「誰が作成したのか」を挙げていたことを紹介した直後に、政府答弁書を引用している。
この構成では、
「政府が兵庫県の対応の違法性を示した」
との印象を読者に与えかねない。
しかし、政府答弁書は兵庫県の個別事案について違法性を判断したものではない。
示されたのは公益通報者保護法に関する一般論であり、その一般論においても、「結果」ではなく「目的」によって判断すべきことを明確に示している。
個別事案への当てはめを行わないまま、「高市総理は『違法性』示す」と見出しを付けることは、読者に誤解を与えるおそれがある。
「具体的な根拠示さず」という評価も公平ではない
記事は最後に、
「具体的な根拠は示しませんでした」
と締めくくっている。
しかし、斎藤知事はこれまで一貫して、
市中に出回った匿名文書について、一般人から提供を受けたこと
当該文書には実名を挙げた多数の誹謗中傷や、虚偽とされる記載が含まれていたこと
真実相当性の確認や危機管理上の必要性から作成者を特定したこと
法律上禁止されているとは考えていないこと
を説明してきた。
— 東京ファクトチェック協会(TFA) (@tokyo_factcheck) December 24, 2025
これらの説明が法的に妥当か否かは別途検討されるべき問題である。
しかし、「具体的な根拠が示されていない」と評価するのであれば、少なくとも知事がどのような根拠を示してきたのかを紹介したうえで、その妥当性を論じるべきである。
説明自体を十分に紹介しないまま、「根拠が示されていない」と評価するのは、公平な報道姿勢とは言えない。
結論ありきの報道は報道機関の責務に反する
報道機関には行政を監視する重要な役割がある。
しかし、それと同時に、事実を正確かつ公平に伝える責務も負っている。
今回の政府答弁書は、「結果」ではなく「目的」によって通報者探索の適法性を判断するという枠組みを改めて整理したものである。
ところが関西テレビの記事は、その判断枠組みを十分に伝えないまま、「政府が知事の違法性を示した」「知事は根拠も示さず適切と言い張っている」という印象を与える構成となっている。
このような報道は、政府答弁書全体の趣旨を正確に反映したものとは言い難く、評価として飛躍がある。
報道機関は、結論を先に決め、それに都合のよい事実だけを並べるべきではない。読者が適切に判断できるよう、重要な前提や留保も含めて伝えることこそ、本来の報道のあるべき姿である。
関西テレビには、偏った構成によって知事を貶めるような報道ではなく、政府答弁書全体の趣旨を踏まえた、公正でバランスの取れた報道を行うことを強く求める。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
チップやコメントなどで応援してくださる方もいて、とても励みになっています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
