#104 チャーミングな笑顔がとっても素敵なポートレート / ルーシー・リー展 / 東京都庭園美術館

-東西をつなぐ優美のうつわ-
7.4(土)~9.13(日)

美術館に行くと
必ず もらってくる展示のパンフレット
その中にあった案内で見た
ターコイズブルーの器
吸い込まれそうに深い その色に惹かれ
「会いに行きたいなぁ」と思っていた
雨の日曜日
SOMPO美術館(山口華楊展)から向かった先は
東京都庭園美術館
20世紀を代表するイギリスの陶芸家
ルーシー・リーさん
パンフレットの器は
《青釉鉢》(せいゆうはち) と言うのだそう

雨の日ならではの しっとりとした湿度の中で
展示ケースに守られたガラス越しに
本物の《青釉鉢》(せいゆうはち)と ご対面
大きく広がった口縁(こうえん)に比べ
あまりに細く
華奢(きゃしゃ)に見えるほどの高台(こうだい)
絶妙なバランスで自立しているようにも見える
その不安定さに驚く
けれど
完全に安定し 整えられていないからこその
不安定さと
わずかに見える形の歪みまでが…
なんとも美しく思えた

窯の熱で溶けた
口縁にたっぷりと塗られた釉薬(ゆうやく)が
重力に従ってゆっくりと器の斜面を垂れていき
まるで
たった今 そこで時が止まったかのような形で
固まった姿
ひとつひとつの膨らみの
その不規則さ
不均一さ...
時間や熱、
重力といった流れが 残っている中には
「動き」までが感じられて…
いいなぁ
綺麗だ…
とても惹かれました


こぢんまりとした
落ち着いた書庫の空間に
色とりどりのボタンが並ぶ様は
秘密の小部屋みたいな雰囲気
可愛らしいボタンからは
お人柄が伝わってくるようでした
大鉢の展示
撮っていて気がついたのだけれど
向こうに見えるのはバスタブ...ですね?
全く 違和感なく馴染んでいて
暮らしに溶けこんでいる感じが温かかった


一見すると
普段使いなどできなそうな
緊張感のある繊細なラインの器ばかりなのに
冷たさは全くなく
大量に作られる工業製品とは違った
「生活の匂い」や
(不均一さや器のわずかな歪みからは)
どこか『完全過ぎない人間らしさ』のようなものまでが感じられて
堅苦しくない心地よさと
その温かさに
ほっとする思いがした

お年を召したルーシー・リーさんの
チャーミングな笑顔が
とっても素敵なポートレート
なんて可愛らしい方なんでしょう...
お人柄が忍ばれ
納得の思いがした この笑顔…
生活の匂いや温かさ、
人間らしさは
まさに内面から自然と滲み出ていたもの…
人の手から生まれた
『生きた器』
日常的な温かみを感じた作品展
…
雨の日の帰り道
心 とても軽やかでした
ありがとうございました
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